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23 お互いの決意
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送信ボタンを押した後、優士郎は真由香と出会って、そして別れたあの公園に向かって歩き出した。十メートルも行かないうちに、ポケットに入れたスマホが震え、メールの着信音が鳴った。
『すぐに行きます』
真由香からの返事は、ただそれだけだった。でも、その背後にあるたくさんの彼女の言葉や声が聞こえてくるように感じた。
休日の午後にもかかわらず、辺りに人の姿は少なかった。日差しは時折雲間から差し込み、寒さでかじかんだ手を温めてくれた。
優士郎は桜の木にもたれ、かれこれ二十分近く真由香が来るのを待ちながら、自分の心に問いかけていた。
(お前は本当に彼女を許せるのか?┅┅あの頃と同じ気持ちで彼女を愛せるのか?┅┅)
答えは、やはり否定的だった。自分にも彼女にも正直であろうとすれば、どうしても、礼奈のおとぎ話に出てきた夫の気持ちと同じになる。
(やはり、会うべきではないのか?┅┅いや、あのおとぎ話で、夫と自分が唯一違うのは、妻の幸福を願う気持ちだ。僕があの時願ったのは、彼女の幸福だった┅┅。
真由香が過去に縛られてあてのない闇の中をさまよっているなら、僕は彼女をその闇の中から救い出さねばならない。
たとえ、それが永遠の別れになるとしても……)
ふと、足音が聞こえた気がして、優士郎は考えるのをやめ、音のした方に目を向けた。公園の入り口から少し入った所に、白いコートを着て、走ってきたのか、前屈みになってハアハアと息を切らしている女性がいた。
一目で真由香だと分かって、優士郎は彼女の方へ歩み寄っていった。
「真由香┅┅」
まだ下を向いたまま肩で大きく息をしていた真由香は、一瞬息を止めて、顔を上げられずにいたが、やがてゆっくりと体を起こした。だが、その細い肩は震え、まだ顔を上げられずにいた。
「急に呼び出して、すまない┅┅それと、礼奈┅┅飯田礼奈に頼んで君の家へ行ってもらった┅┅本当は自分がすべきことだったと思っている┅┅すまなかった┅┅」
「┅┅て┅┅ばかり┅┅」
「えっ┅┅」
下を向いたまま、かすれた声で言った真由香の言葉が聞き取れず、優士郎は少し前屈みになって彼女の言葉を聞き取ろうとした。
「いっつも謝ってばかり┅┅あなたって┅┅」
「あ、ああ、そうかな┅┅自分が悪いと思うから謝っているんだけど┅┅」
優士郎がそう答えた直後、真由香がゆっくりと顔を上げた。
すでにその頬は涙に濡れ、唇は小さく震えていた。思わず抱きしめようとする衝動を抑えながら、優士郎は彼女から目をそらした。
「ああ┅┅その┅┅少し歩こうか?」
「┅┅ううん┅┅ここがいい┅┅」
真由香は小さく息を吐いて、涙をこすりながらそう言った。
「そうか┅┅じゃあ、そこのベンチに座ろう┅┅」
優士郎の言葉に真由香は頷き、二人は側のベンチに並んで座った。
二人は五十センチほど離れて座り、しばらく無言のまま時が流れた。三年という月日を埋めるには、あまりにも二人の距離は離れすぎていた。心の中は、お互いに対する思いで溢れていたが、その熱で二人の間を隔てる厚い氷を溶かすことは、永遠にかなわないように思われた。
「┅┅子供はいくつになったんだい?」
優士郎は、あえて二人の距離の遠さを確認するように、そう切り出した。
「┅┅今、二歳┅┅もうすぐ三歳になるわ┅┅」
「そうか┅┅ちょうど可愛い盛りだね。女の子だって?マスターがとても良い子だってほめていたよ」
真由香はうつむいたまま、少しもうれしそうな表情ではなかった。また無言の状態で、しばらく時が流れた。冷たい風だけが、二人の髪を時折揺らす。
「┅┅真由香┅┅君に会おうと思ったのは┅┅」
優士郎がようやく心の整理を終えて、そう口にしたとき、真由香が何かを決意したように顔を上げて、首を横に振った。
「もういいの┅┅いつまで経っても、あなたから手を引いてもらわないと何もできない自分が、ほんとに情けない┅┅」
真由香はそう言うと、初めて微笑みを浮かべて前を見つめた。
「手紙にも書いたけれど、あなたに会って、あなたに知ってもらいたいことがあったの┅┅
優君┅┅愛してる┅┅今でも┅┅出会ったときから、ずっと、変わらず愛しています┅┅でも、わたしは取り返しのつかない間違いを犯した┅┅」
真由香がそこまで言ったとき、優士郎は立ち上がって真由香の前に移動した。
「もう、それ以上言わなくていい┅┅飯田君から、君の気持ちはすべて聞かせてもらった。君がずっと変わらず僕を思っていてくれたことは、本当にうれしい┅┅その気持ちさえ変わらなければ、三年間紫龍のもとでがまんすればいい、と考えた君の気持ちも理解できる┅┅
ただ、その時の君の判断は、例えるなら、青い梅が『たとえ赤いシソに漬けられようと、芯の種までは決して染まらない』と考えたようなものだ┅┅」
自分の命がけの告白を途中で遮られた真由香は、少し怒った顔で優士郎の言葉を聞いていたが、梅干しの例え話に、眉をひそめて首を傾げた。
「┅┅梅?┅┅」
「ああ、そうだ┅┅君は『自分は絶対紫龍の色には染まらない』という自信があったのだろう?でも、それは間違いだ┅┅当時、奴に本当にその気あったら、一ヶ月もしないうちに、君は紫龍の色に染められていたはずだ┅┅」
「違うっ!そんなことないっ!」
「いいや、君は幼くて知らなかっただけだ┅┅女は┅┅いや体と心は、どんなに切り離そうと思っても切り離せないものだ。今、君がそんなことを言えるのは、紫龍にそこまでの気持ちが無かったのか、あるいは仕事が忙しすぎたのか┅┅ただ幸運だったからだ┅┅」
「女でもないのに、知った風なこと言わないでっ!」
涙を浮かべ、激しい怒りを露わにして立ち上がった真由香に、優士郎は心を鬼にしてトドメを刺すために言った。
「ああ、知らないさ┅┅それに、今さらどうでもいいことだ┅┅あの時の君の判断は正しかった┅┅間違ってはいなかった┅┅それだけは言える。だから、もう僕に負い目を感じたりしなくていいんだ┅┅今さら、愛していると言われて┅┅辛いだけだ┅┅」
真由香は茫然と立ち尽くし、ただ涙をぽろぽろと落とし続けた。もう、彼女の心はぐちゃぐちゃだった。一番自信を持っていた優士郎への真実の愛を、幸運だったから持ち続けられただけだと否定され、迷惑だと拒絶された。覚悟はしていたものの、殺されるほうが、まだましだった。
一方、優士郎は、これが最善の道だと判断していた。真由香には辛い思いをさせたが、彼女とその娘の将来を考えれば、今のままが良いに決まっている。長い目で見れば、それが真由香の幸せなのだ。
『すぐに行きます』
真由香からの返事は、ただそれだけだった。でも、その背後にあるたくさんの彼女の言葉や声が聞こえてくるように感じた。
休日の午後にもかかわらず、辺りに人の姿は少なかった。日差しは時折雲間から差し込み、寒さでかじかんだ手を温めてくれた。
優士郎は桜の木にもたれ、かれこれ二十分近く真由香が来るのを待ちながら、自分の心に問いかけていた。
(お前は本当に彼女を許せるのか?┅┅あの頃と同じ気持ちで彼女を愛せるのか?┅┅)
答えは、やはり否定的だった。自分にも彼女にも正直であろうとすれば、どうしても、礼奈のおとぎ話に出てきた夫の気持ちと同じになる。
(やはり、会うべきではないのか?┅┅いや、あのおとぎ話で、夫と自分が唯一違うのは、妻の幸福を願う気持ちだ。僕があの時願ったのは、彼女の幸福だった┅┅。
真由香が過去に縛られてあてのない闇の中をさまよっているなら、僕は彼女をその闇の中から救い出さねばならない。
たとえ、それが永遠の別れになるとしても……)
ふと、足音が聞こえた気がして、優士郎は考えるのをやめ、音のした方に目を向けた。公園の入り口から少し入った所に、白いコートを着て、走ってきたのか、前屈みになってハアハアと息を切らしている女性がいた。
一目で真由香だと分かって、優士郎は彼女の方へ歩み寄っていった。
「真由香┅┅」
まだ下を向いたまま肩で大きく息をしていた真由香は、一瞬息を止めて、顔を上げられずにいたが、やがてゆっくりと体を起こした。だが、その細い肩は震え、まだ顔を上げられずにいた。
「急に呼び出して、すまない┅┅それと、礼奈┅┅飯田礼奈に頼んで君の家へ行ってもらった┅┅本当は自分がすべきことだったと思っている┅┅すまなかった┅┅」
「┅┅て┅┅ばかり┅┅」
「えっ┅┅」
下を向いたまま、かすれた声で言った真由香の言葉が聞き取れず、優士郎は少し前屈みになって彼女の言葉を聞き取ろうとした。
「いっつも謝ってばかり┅┅あなたって┅┅」
「あ、ああ、そうかな┅┅自分が悪いと思うから謝っているんだけど┅┅」
優士郎がそう答えた直後、真由香がゆっくりと顔を上げた。
すでにその頬は涙に濡れ、唇は小さく震えていた。思わず抱きしめようとする衝動を抑えながら、優士郎は彼女から目をそらした。
「ああ┅┅その┅┅少し歩こうか?」
「┅┅ううん┅┅ここがいい┅┅」
真由香は小さく息を吐いて、涙をこすりながらそう言った。
「そうか┅┅じゃあ、そこのベンチに座ろう┅┅」
優士郎の言葉に真由香は頷き、二人は側のベンチに並んで座った。
二人は五十センチほど離れて座り、しばらく無言のまま時が流れた。三年という月日を埋めるには、あまりにも二人の距離は離れすぎていた。心の中は、お互いに対する思いで溢れていたが、その熱で二人の間を隔てる厚い氷を溶かすことは、永遠にかなわないように思われた。
「┅┅子供はいくつになったんだい?」
優士郎は、あえて二人の距離の遠さを確認するように、そう切り出した。
「┅┅今、二歳┅┅もうすぐ三歳になるわ┅┅」
「そうか┅┅ちょうど可愛い盛りだね。女の子だって?マスターがとても良い子だってほめていたよ」
真由香はうつむいたまま、少しもうれしそうな表情ではなかった。また無言の状態で、しばらく時が流れた。冷たい風だけが、二人の髪を時折揺らす。
「┅┅真由香┅┅君に会おうと思ったのは┅┅」
優士郎がようやく心の整理を終えて、そう口にしたとき、真由香が何かを決意したように顔を上げて、首を横に振った。
「もういいの┅┅いつまで経っても、あなたから手を引いてもらわないと何もできない自分が、ほんとに情けない┅┅」
真由香はそう言うと、初めて微笑みを浮かべて前を見つめた。
「手紙にも書いたけれど、あなたに会って、あなたに知ってもらいたいことがあったの┅┅
優君┅┅愛してる┅┅今でも┅┅出会ったときから、ずっと、変わらず愛しています┅┅でも、わたしは取り返しのつかない間違いを犯した┅┅」
真由香がそこまで言ったとき、優士郎は立ち上がって真由香の前に移動した。
「もう、それ以上言わなくていい┅┅飯田君から、君の気持ちはすべて聞かせてもらった。君がずっと変わらず僕を思っていてくれたことは、本当にうれしい┅┅その気持ちさえ変わらなければ、三年間紫龍のもとでがまんすればいい、と考えた君の気持ちも理解できる┅┅
ただ、その時の君の判断は、例えるなら、青い梅が『たとえ赤いシソに漬けられようと、芯の種までは決して染まらない』と考えたようなものだ┅┅」
自分の命がけの告白を途中で遮られた真由香は、少し怒った顔で優士郎の言葉を聞いていたが、梅干しの例え話に、眉をひそめて首を傾げた。
「┅┅梅?┅┅」
「ああ、そうだ┅┅君は『自分は絶対紫龍の色には染まらない』という自信があったのだろう?でも、それは間違いだ┅┅当時、奴に本当にその気あったら、一ヶ月もしないうちに、君は紫龍の色に染められていたはずだ┅┅」
「違うっ!そんなことないっ!」
「いいや、君は幼くて知らなかっただけだ┅┅女は┅┅いや体と心は、どんなに切り離そうと思っても切り離せないものだ。今、君がそんなことを言えるのは、紫龍にそこまでの気持ちが無かったのか、あるいは仕事が忙しすぎたのか┅┅ただ幸運だったからだ┅┅」
「女でもないのに、知った風なこと言わないでっ!」
涙を浮かべ、激しい怒りを露わにして立ち上がった真由香に、優士郎は心を鬼にしてトドメを刺すために言った。
「ああ、知らないさ┅┅それに、今さらどうでもいいことだ┅┅あの時の君の判断は正しかった┅┅間違ってはいなかった┅┅それだけは言える。だから、もう僕に負い目を感じたりしなくていいんだ┅┅今さら、愛していると言われて┅┅辛いだけだ┅┅」
真由香は茫然と立ち尽くし、ただ涙をぽろぽろと落とし続けた。もう、彼女の心はぐちゃぐちゃだった。一番自信を持っていた優士郎への真実の愛を、幸運だったから持ち続けられただけだと否定され、迷惑だと拒絶された。覚悟はしていたものの、殺されるほうが、まだましだった。
一方、優士郎は、これが最善の道だと判断していた。真由香には辛い思いをさせたが、彼女とその娘の将来を考えれば、今のままが良いに決まっている。長い目で見れば、それが真由香の幸せなのだ。
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