リサシテイション

根田カンダ

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第16話 きっかけ

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 再会を果たした嶋と美保子だが、すぐに嶋のオフィスビルへ移動する様、『アリサ』から通信が入った。



ーーーアメリカに軍勢が現れ、アメリカ大統領はホワイトハウスを放棄、ペンタゴンへ移りました。ーーー



 嶋は美保子とアリサも含め、夏菜達も連れて自身のオフィスビルへと移動した。

 嶋のビルが一番安全だったからだ。


[『アリサ』軍事衛星を常時コントロール下へ。
 日本へ軍勢が現れた時は自爆させろ。日本の文明も麻痺するが、仕方ない。
 人間を守れ!]


ーーーすでに日本上空に配備済みです。ーーー

[わかった。ありがとう。]


 
 アメリカや中国、ロシアの軍事衛星は、非公式だが核ミサイルを搭載していた。
 日本に《シマー》軍勢が現れた場合、搭載されてる核ミサイルを衛星軌道上で起爆させ、日本全体に電磁パルス攻撃を仕掛け、軍勢を消去するつもりだった。


[時間かせぎにしかならないが…数時間は稼げる!]



 嶋達がビルに到着しオフィスへ上がると、真一の姿が無かった。
 『アリサ』がすぐに全員分のソファを、ナノマシンで構築した。
 嶋は夏菜達と美保子にソファに座る様言い、自身も座りながら


「井上さんは?!」

「《シマー》に手掛かりがあるかも?と、取りに戻りました。」


 ケンが答えた。

「秋葉原も、安全ではないのに!」

 驚く嶋に、すぐにボディーガードの柴田から通信が入った。



[私とレオンがついてます。ご安心下さい!]



 嶋は胸を撫で下ろし続いて美保子とアリサを紹介した。


「ケンさん達は御存知ないと思いますが、私の妻と娘の、美保子とアリサです。
 彼女が《シマー》開発者です。」


「「「ええっ!!」」」


 ケンとやっさん、スナイプは同時に驚きの声をあげた。


「美保子です。ほら、アリサもちゃんとご挨拶して?」


 美保子がアリサの頭をなでると


「アリサでし!」


 両手をお腹辺りで合わせておじぎした。


 嶋は微笑んでアリサを見て


「美保子、《シマー》はどうなってる?
 なぜ戦争なんか…」


 嶋は単刀直入に聞いた。


「乗っ取られました…私とアリサが実体化した直後に…
 私とアリサは、《シマー》メインサーバーに居たのですが…
 あなたのナノマシンを手に入れて実体化の、私とアリサのすべてをナノマシンにインストールした瞬間に…」


「あの、ナノマシンて…」


 スナイプが手をあげて聞いた。


「すみません。貴方達にはまだ話してませんでしたね。」


 そう言って嶋は、夏菜にした時の様に指先からナノマシンを解除していった。


「「「ええ、ええっ!」」」


 驚くスナイプ、ケン、やっさんを見て、アリサは嶋の真似をしてナノマシンを解除した。


「アリサちゃん!」


 嶋の様に指先から徐々に解除が出来ず、一気に解除した為、一瞬で崩れ落ちてしまった。


「「「うわわわわっ!」」」


 スナイプ達は更に驚いた。
 夏菜も驚いて砂のようなナノマシンの山に駆け寄った。
 すぐにアリサは再生して


「キャハハハッ!びっくるした!」


 アリサ自身も驚いたようだった。


「アリサ!もうダメよ?みなさん驚くから。わかった?」


 アリサは一度、ぴょんっ!と跳ねたあと、右手を上げて


「はい!」


 その仕草が愛らしく、みな笑顔になっていた。

 その時モニターのスイッチが入り、衛星からの映像が映った。
 『アリサ』が監視衛星からの映像を流したのだ。

 五角形のペンタゴンから無数の光が、360度全方位に向け走っていた。
 
 《シマー》軍勢に向けて一斉射撃を繰り返していたが、《シマー》軍は物ともせずペンタゴン包囲を縮めて行っていた。



「ちょっと待って、アメリカが?《シマー》がアメリカを攻撃してるの?!
 ありえない!」


 驚いて言った美保子に嶋は、冷静に問いかける。


「どう言う事だ?」


「今《シマー》をコントロールしているのは野崎と言う男達。
チェンと言う男を智彦さんも知ってるわね?」

「チェン?!チェンは死んだ筈だろ?」


 チェンは嶋と美保子のいた研究チームのメンバーだった。


「チェンは死んだ事になってるけど生きているし、チェンは日本人だった。
 本名は野崎則光。日本の公安警察官。アメリカCIAに出向してたの。
 インドへ行ったのは、アメリカと日本政府が共同で貴方を監視する為。
 チェン、野崎の専門がCPU工学だったからよ。
 CIAとDIAに野崎のデータがあったわ。気付いたのは最近だったけど。
 『リサシテイション』が完成した直後にテロリストが現れたのは、野崎の手引き。
 アメリカと日本が『リサシテイション』を横取りするつもりだったみたいだけど、テロリスト達が壊してしまったし、私の仕掛けたトラップも発動して完全に理論も失われた。
 私と貴方の中以外には。」



 嶋は黙っていた。


[チェン…。やたら馴れ馴れしい奴だった。俺に中国語で話しかけてきたり。
 俺を中国のスパイと思ってたか?]


 美保子は話を続けていた。


「私は貴方が《リサシテイションシステム》を起動した後、ペンタゴンに入ってたの。
 そこがペンタゴンだと気付いたのは、かなり後だけど…。」


 ペンタゴンは美保子の存在、自立した謎の存在として認識し、デリートやデータの読み込みを何度も試みたが、全て失敗していた。
 その時に野崎が呼ばれたようだった。

 謎の存在がペンタゴンに現れた時期が、インドでの襲撃の時期と一致する事から、野崎は『リサシテイション』開発チームの誰か?と確信していた。
 その誰かとは?

 開発チーム襲撃時、『リサシテイション』を起動できたのは、システムが設置されていた研究室にいた嶋と美保子のみ。
 開発チームは内部で更に複数のチームに分けられ、野崎は嶋のブレインハッキングチームにいた。
 嶋は重要な事柄はチーム内にも漏らさず、脳のハッキング方法とスキャン結果のデータ化の方法を明かさなかった。
 やがて野崎は日本のスーパーコンピューター『京』に、同様のデータを発見した。
 『京』のデータは頻繁に活動し、ペンタゴンにもハッキングを仕掛けて来ていた。
 そのパターンが嶋と一致した為、野崎は『京』のデータを嶋と断定し、ペンタゴンのデータを美保子と確信した。
 確信はしていたが、野崎にはそのデータをデリートする事も読み込む事も出来なかった。
 ただ『美保子』と思われるデータは、20年以上眠ったままだったが、5年程前に急に目覚め活動を開始した。
 更に今から20年ほど前に『京』のデータは突如として姿を消し、その数年後に嶋とそっくりな『田中学』と言う男が現れ、第六世代コンピューター理論を発表した。

 野崎は『田中学』を嶋と断定し、CIAとDIAに監視の強化を指示した。
 同時に『美保子』のデータ監視も強化し、その活動の一部始終を記録して行った。
 その監視強化によって、嶋でさえ掴めなかった《シマー》メインサーバーも突き止めていた。

 更に野崎は『田中学』の監視中に、戦死や殉職した軍人や警察官、CIA工作員が『田中学』にボディーガードとして雇われている事も掴み、クローン技術や他の人体再生テクノロジーの存在の調査も始めた。
 だがクローンに関しては、短時間での構築は不可能であり、クローン以外のテクノロジー、アンドロイドやサイボーグ技術を疑った。

「『リサシティション』を研究していた嶋ならば可能な筈!」

 DIAとCIAに、人体再生テクノロジーの調査も指示した。


「『田中学』は嶋智彦!『リサシティション』の技術と独自のテクノロジーで、不老不死を実現した!
 そのテクノロジーがあれば、日本は世界を支配出来る!」


 野崎は行動に出る事にした。

 『田中学』周辺人物の殺害と、その後の観察。

 結果真一が襲われたが、『田中学』に雇われたボディーガード達は、日本の警察に通報せず、ターゲットを田中のビルに運び込んだ。
 数時間後、即死級のダメージだったターゲットが、何事も無かった様にビルから現れた。
 怪我もなく、どこか身体を痛めた様子もなく。


「アンドロイドかサイボーグ…。どちらかと言えばサイボーグ。
 それも短時間での構築可能なテクノロジー。
 どうにか手に入れないと!」


 その数時間後、真一が《シマー》にログインした事で、そのテクノロジー『生体ナノマシン』は《シマー》にインストールされた。
 《シマー》にインストールされた事と、ナノマシンのサンプルを手に入れた事で、美保子とアリサは実体を手に入れる事が出来た。
 しかし、《シマー》サーバーから美保子が離れた事でハッキングが可能となり、《シマー》サーバーが野崎に乗っ取られ、嶋の生体ナノマシンも野崎の手、アメリカと日本の知る事となったのだ。




「私がサーバーから離れた事で、セキュリティーが甘くなってしまって…
 今の《シマー》の軍はアメリカ軍人が煽動してると思うわ。
 障害やハンディキャップをもった人達、一般社会からはじき出された人達を利用して…」


 美保子は申し訳なさそうに呟いた。


「そのせいなんだね…。美保子さんやアリサちゃん、社長とかの事はまだ良くわかんないけどさ…、《シマー》が乗っ取られたのは納得ってか、心当たりはあるし…」


 ケンの発言に、スナイプとやっさんは頷いた。


「ある日突然、ゲームの垣根が無くなった。
 私達がコザショしてたら、モンスレのモンスターやハンターが現れた。
 ドラゴン・ファンタジーやフェアリー・テイルとかのRPG勢や格闘ゲームまで、カテゴリーや世界観を飛び越えて、混ざり合って…
 みんな混乱してたけど、怪しい連中がみんなをまとめ始めて…
 怪し過ぎて、私達はそれからログインはしてないのですが…」


 やっさんの説明に、ケンとスナイプは頷いた。


 《シマー》を乗っ取った野崎が世界観の壁を取り払ってしまったのだ。

 《シマー》ユーザーは2億人に迫り、アメリカ合衆国全人口に迫っていた。



「美保子、《シマー》のメインサーバーの場所は?」


 嶋はモニターの映像を見ながら尋ねた。


「シリコンバレーよ。廃棄されたプラントを買い取った《シマー》製造プラントの地下40メートルに設置してるわ。」


 地下40メートル。


[『アリサ』と同地下40メートル…。核でも破壊不可能か。それに…]


 シリコンバレーのあるサンノゼは、サンフランシスコの南50キロ程の位置。
 サンノゼに核を落とせば、サンフランシスコ都市部も爆発の影響が出る可能性があるし、数百万人の犠牲者が出るだろう。


[そんな事は出来ない!]


「美保子アクセス出来れば、俺ならハッキング可能か?」

「どうかしら?野崎に乗っ取られた後、アナタの開発したセキュリティーウォールがインストールされてるから…。」

「俺の…?!」



 嶋自身が開発したセキュリティーウォールは、嶋や『アリサ』ですら侵入に数年を要する程の強固なシステムだった。


「それに…メインサーバーを破壊しても、《シマー》単体それぞれがブロックチェーンになってるから…」

「メインサーバーが破壊されても、《シマー》コンソール自体がサブサーバーとして機能するって事か…。」


 嶋が開発したデジタル仮想通貨『ビッツ・コイン』も、メインサーバーを必要とせず、ユーザーそれぞれが管理者となり流通を管理し、ユーザー達の端末それぞれが管理サーバーと呼べる『ブロックチェーン』と呼ばれるシステムを使用していた。


「《シマー》を停止させるには、2億個体のコンソールを破壊しないといけないと言う事か…。」


 世界中の核兵器は、総数で13000発を超える。
 その全てを電磁パルス兵器として使用すれば、いかに《シマー》総数が2億を超えていても破壊出来るだろう。
 人類の文明も、完全に破壊されるが。


「《シマー》は電磁パルスで破壊出来るか?」

「無理よ。《シマー》の外殻はチタンプレートの上に、銅を蒸着されたプレートを貼ってるの。
 電磁パルスも通さないわ…。それに《シマー》は光量子コンピューター。
 電磁パルスは無効だと思うわ。」


 電磁パルスは、電子部品を使わない機材には効果はない。


[光量子…、予想してはいたが…。物理的破壊は…]


 2億もの個体を、一つ一つ破壊していくのは、現実的に不可能。
 それこそ大量破壊兵器の使用しかない。そうなれば《シマー》ユーザーだけでも2億人、周辺の一般人も含めると数十億の被害者が出るだろう。
 全人類の数割が死滅する事になる。既に朝鮮半島と中国、ロシアの壊滅で10億近い犠牲者が出ている上にだ。


[数割の人類を犠牲にして、《シマー》を破壊するか?]


 衛星を含めた世界の核のボタンは嶋の手の内にある。
 数十発の核ミサイルで、《シマー》のかなりの数は破壊出来るだろう。
 だが無関係の一般人の死者は、それ以上になるだろう。
 
 嶋が考え込んでいた時、真一が《シマー》コンソールとデバイスを持ってオフィスに帰って来た。


「戻りました!て、あれ?」


 真一は美保子とアリサを知らないし、オフィスの雰囲気が、オフィスを出る前よりも深刻だった為、言葉に詰まった。


「井上さん、無事で良かった!
 紹介します。私の妻の美保子と娘のアリサです。
 彼女達も…」

「ナノマシンで。」

「そうです。」

「僕も一部そうですから!」

「「「ええぇっ!」」」


 スナイプ、ケン、やっさんは驚いてばかりだった。


「みんな黙ってて、ごめん!
 僕、車にひき逃げされてさ…。死にそうだったのを、田中社長の生体ナノマシンで助けてもらったんだ。」

「「「「ええぇっ!」」」」

 
 スナイプ達3人に加え、美保子も驚いた。

 生体ナノマシンのシステムを手に入れる為にCIAとDIAが狙ったのが真一だったとは、美保子は知らなかった。
 真一が《シマー》にログインした為に、美保子とアリサは実体を手に入れる事が出来た。
 それと同時に《シマー》軍勢が現実世界に現れ、人類に宣戦布告した。


「アナタが…」


 美保子は何かを言いかけたが、嶋が視線で止めた。

 嶋のナノシステムが奪われたのは、真一の責任ではない。


[井上さんが《シマー》に入る事で、ナノシステムまでスキャンされると予測しなかった俺の責任だ。
 井上さんに、中国やロシア壊滅の責任を負わす訳にはいかない!]


ーーーペンタゴン陥落しました。ーーー


 『アリサ』から通信が入った。

 
 モニターを見ると、五角形のペンタゴンが崩れ、至る所から煙が上がっていた。

 それを見て美保子が

「カモフラージュだわ!アメリカが疑われる事を防ぐ為!
 次は日本よ!きっとそう!アメリカと日本はグルだから!」


 日本の公安警察官であり、CIAとDIAの工作員でもある野崎。
 その野崎が関わっている以上は、アメリカと日本は手を組んでいる。
 誰にでも想像はつく事だった。


[『アリサ』ローウェンの再生は出来るか?]

ーーー可能です。ーーー

[地下に再生してくれ。それと、ボディーガードのみなさんをオフィスへ。
 美保子や井上さん達、みなさんで軍勢への対策を話し合ってもらってくれ。
 俺は再度ローウェンを尋問する。]


 CIAの中でローウェンは、諜報活動作戦を指示する情報収集管理担当官だった。
 CIA長官だけでなく、アメリカ大統領への直通回線の使用許可も持っていた。


[ローウェンは野崎を知らなかった。俺の暗殺指令も。
 大統領が避難せず、演説している事にも驚いていた。
 取り込めるかも知れない。]


 元々ローウェンに悪い印象を持っていなかった事もあり、嶋はローウェンを取り込もうと思っていた。
 

 





 

















 


















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