リサシテイション

根田カンダ

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第18話 クーデター

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 嶋の乗る覆面パトカーには入間と運転手の他、助手席に入間の部下の中村と名乗った女性警察官が乗っていた。


「古田さんには、お世話になりました。」

 中村は不意にそう言った。

「へ~。SATに女性隊員の話は聞いた事ないんだけどねぇ。
 でも、あんたの顔は見た事ある。オリンピっクかな?」


「中村は射撃の銀メダリストです。事狙撃に関しては、日本では彼女の右に出る者はいません。
 狙撃の腕を買われて、女性としては初のSATの隊員でした。
 赤坂で貴方を狙撃したCIA工作員よりも、中村は優秀です。」

 入間は、『すべてを知っている』そう言いたそうな言い方をした。
 嶋は興味無さそうに、窓の外を見ていた。

「クレイモアと呼ばれた男の事も。
 太平洋上で撃墜されたE-7…、それにクレイモアと貴方も搭乗していたと、私達はつかんでいますが?
 その貴方が、今こうして私の隣にいる。」

 嶋は窓の外を見ながら

「撃墜されたんだろ?それに乗ってたら、俺は死んでるな(笑)」

「古田さんも…私はあの作戦にも参加し、ライフルのスコープから、古田さんが銃撃され倒れた瞬間を見ていました。
 倒れた古田さんに駆け寄った人物も。」

「倒れた古田さんに駆け寄った人物は田中さん、貴方ですよね?
 あの人質事件で、貴方は人質の1人だった。
 だが救出された人質に貴方は居なかった。他の人質にされた被害者達も、もう1人人質がいた筈だと言ってましたが…」

「古田さんが死んでる?じゃあ、あんたは犯人を射殺せず、古田さんが射殺されるのを黙って見てたんだ?」

「私からは犯人は死角で…。」

「まあ、古田さんは生きてウチのボディーガードになってくれてるし、あんたに文句はねぇ。」

 数年前の薬物中毒者による人質立て篭もり事件。
 嶋もその現場にいた。

 人質を庇い犯人からの銃撃を浴びた古田は、防弾着の隙間から入った銃弾により、致命傷を負っていた。
 その古田に駆け寄り、自身のナノマシンでの応急処置とスキャンを嶋はしたのだった。
 その後ナノマシンの構成を解除し、『アリサ』に防犯カメラの映像を削除させて姿を消していた。


 その時、『アリサ』から通信が入った。


ーーー古田さんと繋ぎます。ーーー

[どうやって?]

 
 と思った瞬間、カーナビのスピーカーから古田の声が流れた。


「しゃちょーっ、無事ですか?(笑)
 てか中村!テメェ!いつからCIAのパシリだ!」


 嶋はただ苦笑い。入間と中村は、唖然としていた。


「古田さん!どうやって?」


 当然の質問だった。


「こっちが聞いてんだ、バカヤロウ!
 答えろよ、いつからCIAのパシリやってんだ!」

「古田さん、警視庁の入間です。どうやって通信してるかは後にして、私達は決してアメリカの手先ではありません。
 日本国家警察官として、田中社長に…」

「誰だよ、テメェ?入間だか隙間だかしんねぇけど、テメェに聞いてねぇ、中村だ。」


 嶋は窓の外を見たまま苦笑い。


「隊長、入間さんは今の私の上司です!」

「関係ねぇわ!おい、パシリ!社長どうする気だって、聞いてんだ!
 答えねぇと、お前の恥ずかしい過去バラすぞ!
 あっ、社長!何笑ってんすか!」


 嶋は声を出さず笑っていたが


「古田さん、何で笑ってるってわかったんですか?(笑)
 声は出してない筈ですが?」

「車内カメラで丸見えです!」

「ああ、そっか(笑)でも古田さん、ヤクザですよね(笑)」


 交渉や掛け合いで、絶対に相手に主導権を取らさないやり方は、警察ではなく暴力団のやり方。


「何を言ってるんですか?俺は社長の忠実な部下です!
 社長の背を見て背育ちました!
 つか、パシリ中村!早く答えねぇと、いっちゃうぞ!」


 その時一台のバイクが、嶋の乗る覆面パトカーの横に付けた。
 古田だった。
 古田は嶋に手を振りパトカーの前方に出た後、ローリングを始めた。


「暴走族か(笑)
轢いちゃっていいですよ(笑)」

 
 嶋が笑いながら言うと


「しゃちょーっ!何でそんな事言っちゃうかな…」

 同時にすぐ後ろ、後続の警察車両の間に4WDが割り込み、更に数台の4WDが3つある車線を塞ぐ様に並び速度を落とした。
 

「孤立させられました!」


 ドライバーが叫んだが、嶋は冷静に古田にたずねる。


「古田さんの指示ですか?」

「違います!ウチの車じゃありません!」

ーーー自衛隊を離脱したグループです。ーーー

 『アリサ』から通信が入った。

 ドライバーは避難行動に入り、古田を追い越し急加速した。
 そうした避難走行を10分程繰り返した時、入間がドライバーに停車を指示した。
 ドライバーは不思議に思いながらも路肩にパトカーを停め、停車と同時に中村がドライバーの喉にボールペンを突きつけた。

「巡査部長、申し訳ありません。
 巻き込みたくありませんので、こちらで降りてもらえますか?」


 嶋もあっけに取られたが、黙って冷静に見ていた。
 そこへ古田が追いついた。


「おい!何で停まるんだ!逃げ…」

 ドライバーと中村の状況を見て、古田は言葉に詰まった。
 入間は窓を開け

「古田さん、運転をお願い出来ますか?
 私や中村より、ドライビング技術はおありでしょう。」


 古田は後部席の嶋が頷くのを見て、運転席のドアを開けた。
 中村は同時にドライバーのシートベルトを外し


「申し訳ありません!」


 そう言ってドライバーを殴り、古田はすぐにドライバーを引きずり降ろした。
 ドライバーズシートに座った古田は、すぐにタイヤを鳴らして発進した。
 目的地の確認もせずすぐに路地へ入り、路地から路地へとデタラメに走り続けた。
 その間誰も口を開かなかったが、嶋と古田は『アリサ』と通信をしていた。
 特に古田は、『アリサ』を問い詰めていた。


[『アリサ』中村と入間をスキャンしてたんだろ!
 なぜ警告も出さず社長を行かせた!]


 スキャンに寄って『アリサ』には中村と入間の思惑がわかっていた筈だった。
 こうなる事を知っていて、警告も出さずに嶋を行かせた事に腹を立てていた。

 嶋は『アリサ』が警告を出さなかった事に、特に何の感情も持っていなかった。 
 

[安全だから、警告を出さなかった。それに、何か現状を打開する可能性があったから。
 だから警告を出さなかった。]


 そう思っていた。
 古田の問いの『アリサ』の返答は


ーーー機動隊員に紛れていたCIAの方が危険でした。
 CIAを遠ざけ、マスターの安全確保には、ビル地下に避難するより、《シマー》軍勢対策にも、入間と中村の思惑に乗るのが最適と判断しました。ーーー


 それを確認して古田は


「中村、作戦の説明!」


 路地から路地へとハンドルを切りながら、中村へ『命令』した。


「入間警視正から説明あります。」

 
 古田は何も言わなかったが、ルームミラーで嶋を見ると、現状を楽しんでいるのか、少し楽しげな笑みを浮かべて外を見ていた。


「田中社長、古田さん。現時点を持って私達は警察組織を離脱します。
 後続を妨害したのも我々の仲間で…」

「自衛隊を離脱した隊員達。」


 嶋の発言に入間は驚いた様に嶋を見たが、すぐに前を向き


「江戸川へ向かって下さい。
 地下の外郭放水路の更に地下には、昭和の大戦以前から建造された施設があります。
 もちろん設備は最新設備を整えてますし、今の日本政府や警察、自衛隊にも存在は知る者はおりません。」


 軍部が実権を持っていた明治から昭和初期。
 特に軍事国家に近っかった大正から昭和にかけ欧米との覇権戦争に向かってた時代に、東京の地下に巨大な軍事基地が建造されていた。
 各種燃料や食料だけでなく、数万トンに上る金塊も備蓄されていた。

 その基地を使う事なく日本は敗戦し、基地の存在を知る者達の殆どは、戦争犯罪人として死刑となっていた。
 

「詳しくは現地到着後に説明致します」


[『アリサ』知っていたか?]


 嶋は外を眺めたまま、『アリサ』にたずねた。


ーーーはい。数ヶ月程前から人の出入りと不審な電波を捕捉してました。
 電波は座標を伝える信号でしたので少しイタズラがしたくなり、偽の座標に書き換えておきました。
 ただ、マスターとの関連は感知出来ませんでしたので、その後は監視だけで…
 申し訳ありません。ーーー

[いいよ。知ってても、その時に何の役にも立たなかっただろうし、お前のイタズラが役に立ちそうだし(笑)
 でも、お前もイタズラを考えるんだな(笑)]

ーーー恐縮です。ーーー

[ああ。入間と自衛隊を調べてくれ。]

ーーー畏まりました。ーーー


 程なく嶋達は江戸川へ到着し、入間の言う地下へと向かった。
 地下では通路の至る所に、迷彩の隊服を来た自衛隊員達がいた。


「自衛隊の隊服を着ていますが、全員がすでに自衛隊より離脱しております。」


 嶋にはどうでも良かった。

[どちらにしろ、生身の人間では《シマー》軍に対抗出来ない。]


 軍事大国のアメリカ、ロシア、中国でさえ、なす術もなく壊滅した。
 不死の《シマー》軍に、生身の兵士など役に立たない。それもドラゴンや魔法を駆使する数百万の軍勢。
 対抗出来るのは、同じ不死の軍団をつくりあげる以外にはないが、双方不死の軍団ならば、全人類が死滅した後も戦いが続くだけだ。
 終わりがない。


[《シマー》軍を倒すには、《シマー》の破壊とナノマシン製造プラントの破壊しか無い。]


 事実それしか方法は無かったが、《シマー》コンソールは約2億個体もある上に、ナノマシン製造プラントもメインサーバーも、今はアメリカの管理下にある。
 日本が対抗出来るとは、到底思えない上、《シマー》を直接管理しているのが日本人の野崎。
 日本政府も、グルとしか思えなかった。


[入間は警察から離脱すると言っていたが…]


 そう考えている内に、司令室に到着した。


「こちらへどうぞ。有志は既に集まっております。」


 入間がセキュリティーを解除しドアを開けると


「みなさん、ご苦労様です。」


 入間達と嶋に声をかけたのは、前防衛大臣の高岡だった。
 2期に渡り防衛大臣を務めたが、3期目の現政権中に総理との軋轢によって、任期途中での辞任をしていた。
 その横には、同じ辞任したばかりの防衛庁長官がいた。


[『アリサ』罠の可能性は?]


 政府中枢にいた人物の存在に、嶋は警戒感を強め『アリサ』に通信を入れた。


ーーー現状での可能性は、50%。スキャンのチャンスがあれば、お願い致します。ーーー


 室内は薄暗く、古いからか少し埃っぽい。
 レーザースキャンをすれば、埃にレーザー光が反射してしまう。


[わかった。]


 高岡が嶋に近付き、右手を差し出したが


「まだあんた達を信用した訳じゃないし、なぜ俺がここへ連れてこられたか聞いてない。
 握手はできないな。」

「失礼致しました。同行頂いた理由も含め、我々の考えをお伝えさせて頂きます。」 


 嶋達がブルーフィングテーブルにつくと、入間が説明を始めた。

 入間の説明だと、やはり現政権はアメリカと合同作戦を取っていた。


「ですが、アメリカ政府と言うよりは経済界の野望と言った方がいいでしょう。
 富と名声を得た人物が最終的に求めるのは、永遠の命。
 《シマー》とナノマシンに寄って永遠の命を手に入れてしまった今、彼らが求めるのは神その者になる事です。
 中国を滅ぼした軍勢が自らを、『新人類』と名乗った様に、《シマー》を操る連中は、『神』となる野望を抱いています。
 その為に最大の障壁となる中国やロシアの軍事大国を滅ぼし、全世界の人口を30億人程度に減らし、国家の枠を外して全人類をコントロール下に置こうとしています。
 その《シマー》軍に対抗出来るのはおそらく世界中で田中社長だけ。
 CIAが貴方を最重要監視人物に指定し、赤坂での狙撃や自国兵ごと、抹殺しようとした事から明らかだ。」

「へ~、そうなんだ?殺されそうになった覚えも、米兵と一緒に殺された記憶もないね。
 あんたらが、クーデター…。そう、日本政府へのクーデターに、俺を利用しないでくれるかな?
 俺は一般人だし。」


 嶋は不機嫌そうに言ったが、入間は無視をして話を続けた。


「今の政権中枢は、自分達も永遠の命を手に入れる代わりに、国民の命を売りました。
 日本の人口を、5000万人程度に減らすつもりです。」

「私は賛同が出来ず政権を離れましたが、それからずっと命を狙われています。
 その為に防衛大臣時代に情報を得ていたこの基地へと避難しました。
 この基地の情報は、歴代防衛大臣から次の防衛大臣へと口頭で伝達されていますが、私は現在の防衛大臣へ伝えていませんし、私以前の防衛大臣達は既に鬼籍へ入っております。」


 入間に続いて高岡が口を開いたが


「へ~。やっぱ政治家ってバカしかいねぇんだな。
 あんたが辞任して3ヶ月程か?たったた3ヶ月でこれだけの設備と人員…、急ぎすぎだろ。
 もう既に情報は向こうへ抜けてるよ。」

「我々に穴はない!」


 高岡と一緒に辞任した防衛庁長官が声を荒げた。
 嶋は視線だけを元長官へ向けた。


「ここの設備は、我が防衛庁で長年管理して来た!
 だから最新設備は整ってて当然だし、大臣に賛同して隊から離脱したのは、日本の未来、世界の未来を憂えた私の部下達だ!
 この計画に、穴などない!」


 嶋は少し笑い


「ああ、そう?まあ穴と言うには大き過ぎるかな?」


 嶋はそう言ってノートパソコンを拡げた隊員の前に行った。


「貸してもらえるかな?ロックはかけたままでいい。」


 嶋はパソコンのキーボードを叩き、数秒でロックを突破し基地のメインCPUをハッキングした。
 更に『アリサ』と繋ぎ、基地内から発信されていた電波の発信源を特定し、嶋は声を出さずに古田に通信を送った。


[このパソコンが発信源です。いつでもこれを使ってた隊員を確保出来る様に願います。]


 古田は通信を受け、さり気なくパソコンを操作していた隊員の横に移動した。


「本当にバカ野郎供だな(笑)
 セキュリティーはスカスカだし、外部に通信してる奴がいるじゃねえか(笑)」

 
 全員がパソコンの画面を注視した時、古田は密かに全員をスキャンしデータを『アリサ』に転送した。


「発信源はわかりますか?」


 入間がたずねた。


「この部屋だよ(笑)」


 パソコンのモニターに映るのは発信源の部屋の位置だったが、その部屋が嶋達の入った部屋だった。


「中央司令部的なこの部屋から電波って(笑)
 間抜けにも程があるわな(笑)」


 全員何も言えず、ただ電波の発信元を探し、テーブルの裏を覗いたり、天井を凝視したりしていた。
 古田はパソコンを操作してた隊員へ、更に近付きながら


「あんたら…。見えるトコに発信器なんかあるわけねぇだろ!
 実戦を知らねぇ間抜けだらけだな!
 社長、どこですか?」


 古田は呆れた様に言った後、嶋にたずねた。
 嶋は再度数回キーボードを叩き


「あら?このパソコンですね(笑)」


 古田はすぐに隊員を抑えた。


「貴様!スパイだったのか!」


 前防衛庁長官が、顔を真っ赤にして怒鳴ったが、高岡が制し


「撤退、撤退の準備を!」


 と叫んだ。が…


「しなくていいよ。入間さんがウチに来る前から、ここの電波をウチは掴んでた。
 だからダミーの場所をウチで流してた。
 ここはバレてねぇよ。」

「それは本当ですか?」


 入間は不安そうにたずねた。


「あぁ。バレてたら、今頃それこそ機動隊か自衛隊が、突入して来てるよ。
 奴らは今頃、川崎のコンビナート辺りに行ってんじゃねえかな?(笑)
 この隊員以外にも、まだスパイの1人や2人いておかしくねぇよな?
 泳がされてんだよ、あんたらは!
 な~にが、穴がねぇだ(笑)すぐ側にいた奴がスパイじゃねぇが(笑)
 穴が開いてるとしたら、あんたらのおめでたい脳にだな(笑)
 古田さん、こいつのスキャンは?」

「完了してます!全員!」

 スパイの隊員の右腕を取り関節を決め、首を膝で抑えたまま古田は言った。
 嶋は頷いただけで『アリサ』と通信をした。
 『アリサ』の返答は


ーーースパイを行った隊員の幼い娘さんが、白血病で入院してます。
 ナノマシンでの治療と引き換えに、スパイを受け入れてます。ーーー

[娘さんを保護して、治療は出来るか?]

ーーー既にレオンと柴田さんに保護へ向かってもらいました。ーーー

「あんた、娘さん病気か?」


 急な嶋の問いに、スパイの隊員は顔色が変わった。
 だが、何も言わなかった。
 
「とりあえず、拘束しといてもらおうかな?」

「貴様!勝手な事をするな!」

 
 前防衛庁長官がまた、顔を真っ赤にして怒鳴った。


「はあ?俺に言ってんのか?俺はテメェの部下じゃねぇぞ?
 だいたい俺に協力して欲しいなら、俺にそんな態度とって良いのか?
 この基地の事、CIAに売っちゃうぞ?
 テメェが嫌いだから(笑)」

「田中さん、申し訳御座いません。私に免じて、どうかお許し下さい。」


 前長官を再度制しながら、高岡が嶋に頭を下げた。


「だいたいよ!人んちに土足で乗り込んで来た挙句、協力しろだぁ?
 こんな態度のクソ爺いに、何が嬉しくて協力しなきゃなんねぇんだ、ああ?
 おっさん、冗談は顔だけにしとけよ!」

「田中さん、落ち着いて下さい!
 実直過ぎる所がありますが、彼は信用の置ける男です!
 どうかご協力お願いします!我々では、電波が発信されていた事すら掴めなかった!
 我々にも、サイバー対策班がいながらです。
 我々、我々だけでなく日本、世界人類に貴方の力が必要なんです!
 どうかお願い致します!」

「無能なサイバー班だな(笑)でもサイバー班を責めるなよ?
 こりゃCIAから渡されたパソコンだ。通常の対策じゃ、発見出来ねぇよ。
 それとその隊員、罪に問わねぇって約束しろ。
 娘さんを人質にされてんだ。」

「本当か?」


 隊員は答えなかった。


「中村、社長を舐めるなよ?社長に掴めねぇ情報はねぇ。
 政府の極秘情報すら、5分もあれば抜き出しちまう。
 テメェらも社長の情報集めてたなら理解出来るだろ。
 CIAが脅威だと認識してるくらいだからな。」

「正直、古田さんにCIAのパシリと言われた時、なんでわかったんだろう?と思いました。
 CIAの同行は私達も、本庁出発直前に知らされただけなので…」

 
 そう言って中村は入間を見た。
 入間は頷き嶋に向かって


「彼は私どもが責任を持って何の処罰も課しません。
 てすからどうか、ご協力お願いします。」


 高岡も頷き、前長官も渋々頷いていた。
 嶋は鼻で


「ふん!」


 とだけ言った後、古田が抑えてる隊員に


「今、古田さんの仲間が娘さんを救出に向かってます。
 娘さん救出後、すぐに治療に入ります。
 娘さんの病気が治るかどうか?それを見てから、貴方自身で考えて行動して下さい。」

「治るのか?」

 嶋は他の者達に死角になる位置で、人差し指のナノマシンを解除し、再度構成した。

「治療後、貴方があちらに付いても、娘さんは天命を全うすると約束します。
 私にも娘がいますから(笑)」


 隊員は涙を流し


「抵抗はしません。」


 古田は拘束をといた。





























 















 






















 
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