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第27話 命
しおりを挟む《シマー》領域にダイブした嶋達は、それぞれが初期設定を終わらせ、真一達の《コール・ザ・ショット》サロンにいた。
「初期設定って…。」
ゲームと無関係だった古田は、初期設定でかなり苦労したのか、1番最後にサロンに現れた。
「俺にはゲームって、無理だな。初期設定てのが面倒だわ!」
全員が苦笑いした。だがやはり全員が修羅場をくぐり抜け出来たメンバー達。
落ち着き払ってテーブルに着いたり、壁にもたれ掛かってたり、嶋からの指示をまっていた。
嶋は一度、全員の視線を受け止めてから美保子に問いかけた。
「美保子、ここは…《シマー》内か?実体化はまだだよな?」
《シマー》の創り出すバーチャル世界は、『アリサ』の創り出す世界と同等で、現実とまったく同じだった。
「そう。ちょっと待ってて。」
美保子が軽く頷くと、美保子の前のテーブルにキーボードが浮き上がった。
美保子はキーボードを叩きながら
「今実体化の準備してるから、みなさんは武器を選んでて。
装備も実体化させるから。」
嶋達は黙って席を立ち、壁から現れた無数の武器を、それぞれ動作をチェックしながら選んでいた。
「多分だけど、実体化は建物の最上階の3階の南の部屋で実体化になると思うわ。
私とアリサが実体化したのが、その部屋だったから。」
美保子はキーボードを叩きながら言い、同時にテーブル中央に十字型の7階建のビルが浮かび上がった。
地上3階、地下4階の巨大なビル。
「ビルは縦100メートル、幅20メートルの建物2棟がクロスする形。
エレベーターは中央に4機。階段はビルの端に4本。」
それぞれにサブマシンガンや、サーバーを破壊する為の爆薬を装備してビルのホログラムを確認にテーブルに戻った。
「サーバーの位置は?」
嶋がホログラムを覗き込みながら言った。
「地下4階。北の端。実体化が予想される部屋から1番遠い場所。」
サーバールームの位置が赤くなり、ビル外観のホログラムの横に、拡大して映し出された。
「サーバールームは、厚さ40センチのチタン合金に囲まれてる。
入口セキュリティーは…、やっぱり強化されてる…
きっと、セキュリティーコードも変えられてる筈…。」
「敵の兵士の数や配置はわかりますか?」
レンジャー徽章を持ち、中隊長だった柴田には、地形や敵陣形や人数がわかれば、瞬時に制圧シュミレーションを組み立てる事が出来るよう、訓練されていた。
「各階中央に監視ブースが設置され、兵士2名が常駐。
各階段各階に2名ずつ。中央ブースと両端階段と、1フロア10名ずつ。計70名。」
美保子の報告に、嶋は眉を顰めたが柴田は
「余裕だな。俺が孤島奪還した時は、完全重武装の50人だった。
ビル内の兵士なら軽武装だろ。
余裕だ!」
笑みさえ浮かべていた。
「いや、ちょっと待って下さい。
美保子、その兵士は生身か?ナノマシンじゃないのか?」
「調べるわ。」
美保子は数度キーボードを叩き、そして答えた。
「生体の兵士です。」
それにすぐ反応したのは古田だった。
「社長!殺すなは無しですよ!敵の兵士を、敵地で殺すなは不可能だ!
奴等は日本を攻めてるんだ!俺達が失敗すれば、それだけ命を落とす一般の日本人が増える!」
「わかってます。これは戦争です。私もそんな甘い事を言うつもりはありません!」
柴田はそれを聞いて直ぐに、嶋と美保子以外の16人を4人ずつ、4つの隊に分けた。
柴田、古田、レオン、本田がそれぞれの隊長で、柴田の隊が先陣を切り、古田の隊が後方警戒の殿、レオンと本田の隊が中央の嶋と美保子をガードしながら進み、先陣と殿のリロードのタイミングで入れ替わりながら侵攻する様指示を出した。
その後、それぞれが再度武装を確認していた時、急に景色が変わった。
嶋達は実体化し、ビルの最上階南の部屋に移動したのだ。
嶋達が実体化した部屋はホテルの一室の様な部屋で、ベッドやバーカウンター、洒落た大理石のテーブルが置かれた部屋だった。
「実体化したわ。ここは、私とアリサが暮らす予定に作った部屋。」
「2人とも伏せて!敵地ですよ!」
柴田が叫んだ。
経験の差か、嶋と美保子以外は全員床に伏せて銃を構えていた。
それを見て、嶋と美保子も慌ててその場に伏せて身を隠した。
嶋は伏せたまま全員に
「みなさん、申し訳ありませんでした。そのままの体制で身体のチェックをしてみて下さい。
このナノマシンは傷のある欠陥品だ。
いざと言う時に不具合があるかも知れません。
戦闘不能になった時は、すぐにログアウトする様にして下さい。」
そう言って、身体に不具合がないか確認させた。
更に全員と通信が出来るか確認し、その後『アリサ』に通信してみた。
ーーー無事潜入出来たのですねーーー
『アリサ』はすぐに答えた。
ーーーこちらにも《シマー》ナノマシンのサンプルありますので。
衛星も合衆国上空に配置しておりました。ーーー
[『アリサ』奴等の通信を妨害出来るか?]
通信は他のメンバー達にも聞こえていた。
ーーー私は『アリサ』です。妨害ではなく、偽の情報を流します。
美保子様、サーバー室入口のセキュリティーコードは私が解析します。
そちらのナノマシンで、私と接続出来るデバイスを造るのは可能でしょうか?ーーー
美保子は伏せたまま、ナノマシンですぐに作成した。
ーーーありがとうございます。みなさんリラックスして下さい。
そちらのナノマシンをコントロールし、窓に光学迷彩を施しました。
外部から皆さんの姿は見えません。
尚、デバイス接続でわかった事ですが、ビル内に約500体分のナノマシンがストック配置されております。
デバイスの出力的に、私が全てをコントロールするのは不可能で、マスター達が行動を起こしたと同時に、500体の敵兵が現れ、100%の確率でサーバー破壊は失敗致します。
敵に侵入が悟られる前に、帰還をお願いします。
やはり、こちらのナノマシンでなくては、敵を欺くだけの出力を望めません。
残念では御座いますが、ここは一旦帰還をお願いします。ーーー
考えるまでもなく、嶋は撤退を決めた。古田や柴田達も意を唱えず、嶋の決定に従った。
失敗する事でガードが硬くなり、作戦成功が遠のくだけだと、理解していたからだ。
[俺達が失敗すれば、それだけ罪もない人達が命を落とす。]
全員が同じ考えだった。
ーーー美保子様、デバイスだけはそのままでお願い致します。
施設の監視を続けますので。
コントロール出来るナノマシンも使い、破壊成功の為に少しでも情報を集めておこうと思いますので。ーーー
『アリサ』はデバイスを使い、敵に悟られない程の最低限のナノマシンをコントロールし、より正確な情報を集めるだけではなく、可能であればサーバーを破壊するつもりだった。
嶋達はログアウトした。
「お帰りなさい。」
嶋達が秋葉原のオフィスで実体化すると、飯塚がすぐに声をかけた。
アリサもすぐに美保子に駆け寄った。
美保子がアリサを抱き上げるの見てから、嶋はローウェンに声をかけた。
「ローウェン、まだ気持ちは変わらないか?」
ローウェンは頷いた後
「妻と息子の仇を討つ!」
そう言った瞬間、室内は嶋とローウェンの2人だけになった。
実際は嶋とローウェンだけが、『アリサ』の創り出した世界へ移ったのだった。
[『アリサ』、アメリカ兵達を出せるか?]
『アリサ』は返事の前に、嶋やローウェンと共に殺された兵士達を出した。
嶋暗殺命令を受けていた兵士以外を。
兵士達はローウェンの姿を確認すると同時に敬礼をした。
「必要ない。俺達は既に死んでるんだ。
いや、尽くしたアメリカに殺されたんだ。もう階級も何もない。」
そう言ってローウェンは嶋に目をやったが、嶋はローウェンから目を逸らした。
軍人達は状況を呑み込めず、ローウェンの言葉を待っていた。
明らかに狼狽えていたが、軍人であるプライドで、辛うじて冷静さを保てていた。
[あれから3日たってるもんな(笑)]
軍人達には、時間経過の感覚は無かった。
現実世界では3日の時が流れていても、消滅していた間の彼等の時間は止まっている。
彼らには、目に見える景色が一瞬で変わった様に見えていた。
ーーーマスター、軍人達にマスターへの殺意に近い怒りを感知しました。
消しますか?ーーー
[放っておけ。]
『アリサ』も少し楽しんでいる様だった。
「お前ら、クレイモアもだ。
手を繋いで輪になれ。」
嶋はローウェンの名を、敢えてコードネームで呼んだ。
軍人達は作戦行動を遂行していただけで、『クレイモア』と言うコードネームは知っていても、『ローウェン』と言う本名は知らなかったし、知る気もなかった。
CIAは、工作員の秘密を守る為ならば、味方の筈のアメリカ人の命すら簡単に奪う。
それが軍人であれば、利用するだけして使い捨てにされる。
CIA工作員に嫌悪感は持っていたとしても、彼らの中で最上位の大尉の階級を持つ機長よりも上位階級であれば、軍規に沿って従うしかない。
ローウェンには大佐の階級が与えられていたのだ。
「手を繋いでどうする?」
ローウェンは嶋に問いを投げかけた。
当然だろう。大の大人、それも軍人やCIA工作員が、子供の遊戯の様に手を繋いで丸くなる。
異様な光景でしかなかった。
「あれから3日経ってんだ。何が起きてたか教えてやれ。
頭に思い浮かべるだけで伝わるよ。」
本当は、手など繋がなくても伝わるし、『アリサ』にインストールさせる事も出来る。
だが嶋はそれをしなかった。
ーーーマスターは意外と性格悪いのですね。ーーー
『アリサ』が呆れた様に嶋に話しかけた。
[面白ぇじゃねぇか(笑)元々俺を殺そうとした奴等だ。]
ーーーマスター暗殺命令を受けた3人は、完全にデリートしております。
彼らは巻き添いを受けた被害者では?ーーー
[でも面白ぇから、いいんだよ(笑)]
「嶋…」
嶋が『アリサ』と通信していた時、ローウェンが何かに気付いた様に話しかけて来た。
「地上にいた時、通信機無しでお前達と通信が出来た。
今も本当は、出来るんじゃないのか?」
嶋は大きく笑い、そして悪戯がバレた子供の様に返した。
「バレたか?(笑)そうだよ、出来るよ?
お前らみたいなイカツイ面した軍人が手を繋いでんの、おもしろいだろ?(笑)」
軍人達は目に怒りを浮かべて嶋に視線を送った。
「気をつけろよ?(笑)消しちゃうぞ?」
「待ってくれ!悪かった!謝る!彼らを消さないでくれ!
それに彼らは軍人だ!敵に備えるには必要な筈だ!」
「必要だと?」
すがる様に言ったローウェンに、嶋は眉を歪めて言った。
「必要だろ?俺にはお前の力が必要だし、お前も俺が、彼等が必要だろ?」
「ローウェン、お前は2度俺を殺そうとしたんだ。
ホテルでの狙撃と、スピアヘッドへのミサイル。
それでどの口で言ってんだ?」
嶋は怒りを隠さずに言った。
隠すと言うよりは、怒っている芝居だった。
「すまない。だが私はそんな命令は出していない!」
「じゃあ、なんで謝る?」
「命令を出したのが、アメリカだからだ!あの時私は、アメリカ人だった。」
「どうでもいい。」
「どうでも良くていい。でも彼らに真実を教えてやってくれ!
この3日間で何が起きたか?彼らが忠誠を誓うアメリカが既に存在しない事を!
お前のCPUなら出来るだろう?」
ローウェンは既に『アリサ』を知っていたが、その名を出さなかった。
そうする事で嶋の信用を得ようとしたのだった。
「CPUじゃねぇ!『アリサ』だ!」
だが嶋は受け入れなかった。受け入れる必要が無かった。
ローウェンや軍人達がどれほど足掻こうと、彼らの『命』を握っているのは『アリサ』であり、『アリサ』なら危険と判断すれば嶋の命令を待たずに彼らを完全にデリートするからだ。
ローウェンの返事を待たず、『アリサ』は、軍人達が消されていた3日間の出来事を、彼等のデータに上書きした。
「わ、わわわっ…」
突然『脳内』に現れた『記憶』に、軍人達は恐怖を感じていた。
「こ、これは…」
時間の経過の感覚の無かった軍人達。記憶に存在しなかった3日間の出来事。
訓練された軍人と言えど、突如現れた『記憶』に、平静を保っていられる者はいなかった。
それを理解していたローウェンは、ただ黙って彼らが落ち着くのを待っていた。
「ローウェン、奴等がどうするか決まったら連絡しろ。」
嶋はそれだけを言って、部屋から姿を消した。
[闘うか、絶望して消滅を選ぶか。決めるのは奴等だ。]
嶋は何も期待していない。ローウェンにすら、何も期待していなかった。
確かにローウェンは、真一や夏菜達と共に闘った。
だがそれだけだった。
今アメリカを憎んではいても、いざアメリカの地を踏んだ時には、裏切るかもしれない。
だが…
[裏切っても、何の問題もない。]
裏切った瞬間に、『アリサ』がデリートするだけだからだ。
嶋はエンジニアや真一達が待機している部屋へ戻っていた。
真一と夏菜達は、まだナノマシの姿だった。
嶋は
「今日はもう戦闘はありません。
みなさん、本来の身体に戻って下さい。」
そう言って少し笑った。
真一達のナノマシンは、砂が崩れる様に消え、少しして別部屋で身体に戻った真一達が戻って来た。
「やっぱり、生身に戻ったら、身体が少し重いですね(笑)」
夏菜達も全員が頷いた。
[『アリサ』原因を調べてくれ。改良が必要なら、改良してくれ。]
ーーー原因はわかっております。身体能力補助の為ですが、生体の身体と同様の重力感覚を付加した場合、ナノマシンの身体能力が10%程低下します。
10%もの低下は、戦況に影響が出ると思われ、皆様には慣れて頂いた方が、よろしいかと?ーーー
生身の肉体を持たず、常にナノマシンの嶋達には、わからない感覚だった。
[仕方ないか…。]
嶋がそう思った時、真一が質問をした。
「あの、社長。僕達の身体はここにあるから大丈夫でしょうけど、他のプレイヤー達はどうなるんですか?
ナノマシンで戦闘は出来ても、本当の身体がある自宅が攻撃で破壊されたら…。
《シマー》や身体が失われたら…。」
嶋は戦慄した。
真一の言った様になれば、その身体の持ち主は、帰るべき生身の肉体を失い、嶋達と同じ『死亡』している事になってしまう。
[『アリサ』!対策を!]
ーーー既に立てております。皆様のログイン予定地点の住居に被害が出ない様、防弾防爆仕様のナノマシンも同時移動を開始しております。
光学迷彩も施しておりますので、《シマー》側のナノマシンでは、ダメージを与える事も、見つけ出す事も不可能です。ーーー
[そうか。一応皆さんには、生身の肉体に及ぶ危険性だけは、伝えておいてくれ。]
ーーー畏まりました。ただ、私からのお願いがあります。
国民の被害を最小限にする為に、高岡政権に戒厳令と、避難命令を発令させて下さい。
大陸が地均しされた為に、風を遮る高層建造物も減り、予想よりも早くに日本へ到着すると思われます。
早ければ明後日には到着した敵が現れる可能性があります。ーーー
[わかった。]
嶋は古田と柴田達数名のボディーガードと、川中と共に議事堂へ向かう事にした。
「私達は議事堂へ向かいます。
飯塚さん、皆さんを連れて食事にでも。
美保子とアリサも皆さんと一緒に。」
アリサは嬉しそうな笑顔で、既に川中の娘のゆみと手を繋いでいた。
嶋はアリサとゆみの頭をなで、古田達と部屋を出て行った。
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