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第10話●オールドマスターウイザード
しおりを挟むクロウラは幼い頃、魔女だった母親に空間魔法で封じられていた。
魔女狩りから守る為だった。
その後ファルコ イエンツに封印を解かれた。
母が存命だった頃はたくさんの古代魔法のマスター達がいたのだけれど、クロウラの長い封印の間に失われてしまっていた。
クロウラは幼なかった為、古代魔法については断片的にしか身についていなかった。
それでも現代魔術師と比べるとクロウラの魔法は圧倒的に強かった。
ファルコ イエンツは古代魔法を求めて旅に出て以来200年音信不通になっている。
クロウラはファルコ イエンツからこの魔法学園を預かって今に至っている。
ギドを試験後の面談で見た。
一緒にいたレテルティア アモローゾ伯爵令嬢より少し小柄で幼く見える。
このぐらいの年齢では女子の方が成長が早いのだろう。
ギドと呼ばれる少年は問いかけても全くと言うほど答える事はない。
だいたい「あー。」とか「うー。」しか言わない。
だけど、言おうとしていることははっきりと頭の中に伝わって来る。
同席しているアンジェリ先生にはわからないようだ。
平民だと自分で言っているが実は
ユルゲン・フォン・ランツァウ伯爵の子息で本名はメルデギド。
社交界には全く出てこない伯爵の秘蔵っ子と大評判だった。
オールドマスターウィザードであったので勘当と言う体で孤児院に隠していたのか?と勝手に解釈した。
魔法についてアンジェリ先生がいろいろ質問するけど全然噛み合わない。
アンジェリ先生は現代魔術について質問しているのにメルデギドは古代魔法に基づいて答えているからだ。
アンジェリ先生はちんぷんかんぷんの様だけどクロウラはギドが間違いなくオールドマスターウィザードだと確信した。
そして、頬を赤めて「あーあー。」言っているギド。
ちっちゃい、かわいい。小動物みたいだ。
クロウラも1000年近く成長しないロリ体質だが、オールドマスターウィザードとなったメルデギドも不老となるだろう。
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