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第24話●エロフ?
しおりを挟むふーん、耳が長いんだエルフって本当にいるんだ。
「ギド、何見てんのよ。さっきからあの窓際の子ばっかり見て。」
レテがギドの視線を追う。
「やだ、ギドあんたもあんなおっぱいがいいの?」
は?
「あの子エルフにしちゃキョーレツな爆裂ボディね?エルフっていったらスレンダーで中性的なイメージがあるんだけど?」
このエルフなんだか変わった波長の魔力を周囲に張っている。
解析していたら少し頭がくらくらしてきた。
「つーかまえたー。」
頭の中に女の子の声が響いて体のコントロールが効かなくなってきた。
ふわっとエルフが覆い被さって来たかと思うと空間に穴が空いて引き込まれて行く。
レテの驚いた顔がぼやけた視界をよぎる。
転移している。
レテが瞬時にエルフの転移魔法を解析して再現する。
追跡して来ているのが魔力の動きでわかる。
やっぱりレテは天才だ。直感で即時に対応することができる。
「ペリーワ、何この子。獲物?」
ペリーワと呼ばれた爆裂エルフとそっくりの子が話しかけてくる。
ギドが見回すと周囲には同じ様な子が何十人もいて完全に取り巻かれている。
ペリーワの緑色を基調にしたエルフの民族衣装が黒色の皮っぽい素材のボンテージ風の衣装に変わって行く。
えーっ。
しっぽが生えてきたー。
「サキュバスじゃないの?ここはサキュバスの里なの?」
岩場に出来た洞穴の中のようだ。
それでも床はピカピカで奥には温泉が湯気を上げているのが見える。
レテがやって来た。
「ペリーワ、ダメじゃない。つがいじゃないの。」
「つがいは話しがややこしくなるから連れて来ちゃダメって言う決まりよ。」
「まだちっちゃいから大丈夫だと思ったんだけど。」
突然の転移の眩暈の中でギドは魔力を周囲に流して状況を確認している。
独特な波長の魔力を感じる。
ただ、少し弱っているようだ。
「ギドをどうするつもりだったのよ。」
レテがふにゃふにゃになって目を回しているギドを抱えて周囲を警戒する。
「うふふ。かわいいからおやつにペロペロしようと思って連れて来たのよ。余計なものも付いて来ちゃったけど。」
「精力ギンギンのマッチョもいいけどたまにはショタもいいんじゃないかと。」
未成年相手にそりゃ犯罪だぞー。
人間じゃないから法律なんて関係ないのか?
私達の主食のつがいの子達が揃ってくたびれちゃっているので補充が欲しかったのよ。
確かに洞窟の奥の方に衰弱したお兄さんが伸びている。
お兄さん主食だったのね。
なんだかお気の毒。
レテに抱えられたギドが魔力の解析と変調をしている。
「あ、出来た。」
とギドがつぶやいた。
「あふん。」
途端にサキュバス達が揃ってふにゃんとへたり込んだ。
なんだかエロいが満足そうだ。
「ちっちゃくてもオールドマスターの力ってすごいのね。」
「久しぶりに魔力が満たされたわ。これなら100年は持ちこたえられるわ。主食まで元気にしてくれたのね。」
洞窟の奥で主食と呼ばれたお兄さん達が元気になって「うおー。」とか言って叫んでいる。
「ところでどうして元気がなくなっていたの?」
レテが聞く。
根本的な問題を解決しないと毎回魔力の充填に来る訳にもいかないしね。
ところがお姉さん方にも良くわかっていない様子。
わかっていればなんとかしているか?
こんな危ない所にギドを長居させるのはどうかと思うけどまた攫いに来られても困る。
とりあえず周囲に魔力を這わせて調べてみる。
ギドがこっちを見ている。
「えーっ。ダメよ一緒に温泉なんて。まだ結婚してないのに。」
いや、何も言ってないけど。
「でもー。私達まだ子供だしー、ついこの間までギドはお姉ちゃんとお風呂に入っていたみたいだしー、婚約してるしー。」
でもこの温泉なんか変だよ。
「そうかしら、この温泉浸かるとドーッと脱力する感じが気持ちいいんだけど。」
いつの間にかサキュバスや主食のお兄さんが温泉に浸かっている。
ギドはお湯に手を付けて首を傾げている。
パリパリパリとお湯にサンダーを放つ。
「おおーっ腰にええわー。」
お兄さんがのけぞっている。
と、たくさんのまるっこいプニョプニョがお湯から飛び出して来た。
「うわーっ、このドレインスライムよく育ってるわ。魔核が魔力でパンパンよ。」
そう言ってレテはスチールでスライムの魔核を抜き取る。
魔核を抜かれたスライムは形を維持出来なくなって溶けてしまった。
魔核は魔力がパンパンの魔石になった。
魔力不足はこいつのせいなのに気持ちいいとかわけわかんない。
とりあえず一件落着ね。
レテはポーっとしているギドを抱えてゆったりとお湯に浸かっている。
極楽だわ。
「いくら私が子供だからって女の子に抱えられているんだから少しは恥ずかしそうにしたらどうなの。」
レテは何を言っているんだ?
「これじゃギドのお姉さんのパトリシアがちっちゃい弟をお風呂に入れているのと何も変わらないわ。」
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