義兄の邪魔にならないよう、結婚して家を出ようとしただけなのに。

鷲井戸リミカ

文字の大きさ
7 / 10

(7)

しおりを挟む
「この部屋に焚き染められているものも、媚薬入りのものだ。毒耐性があれば大したことはないが、お前のように免疫がなければ、苦しくてたまらないだろう?」
「ご、めんなさい」

 ヴィンセントは先ほど、「お仕置き」だと言っていた。確かによくもわからぬまま、こんな部屋に入り込んでいた自分が悪いのだろう。下手をすれば義兄ではなく、見知らぬ男にいいように犯されていたかもしれないのだ。それをネタに脅迫でもされたならば、侯爵家や義兄にとんでもない迷惑をかけてしまったに違いない。

 だからこれは罰なのだ。家を出て行きたい気持ちを優先して、分不相応な夜会に参加した元平民の自分が全部悪い。そこで思わずジャレッドは、両手で顔を覆った。今の顔を義兄にだけは見られたくない。

「可哀想に、泣いているのか。これに懲りたら、ひとりで夜会に参加なんて無謀な真似はやめなさい。あとはわたしに任せればいい。多少吐精すれば、すぐに媚薬も抜けるのだから」

 そういって、自分に馬乗りになる義兄の姿にいっそ気絶したくなってしまった。妄想の中で何度も夢見た義兄との濃密な触れあい。これが自分に与えられた罰だなんて。ご褒美の間違いではないだろうか。だが義兄と目を合わせないジャレッドを見て、ヴィンセントは違う感想を抱いたらしい。

「そんなにわたしに抱かれるのは嫌か」

 義兄に抱かれるのが嫌な訳がない。ふるふると必死で首を横に振れば、拒んでいると解釈されたのかヴィンセントが深々とため息を吐いた。そろそろと手をすかして義兄の様子を伺った瞬間、両手をつかまれる。なにがしかの魔術なのだろう、あっさりと両手を拘束された。

「あ、義兄上」
「ジャレッド、諦めなさい」

 どれだけ手慣れているのか、あっという間にシャツを脱がされてしまう。媚薬のせいなのか、ジャレッドの乳首は既に物欲しげに主張してしまっていた。すりすりと指の腹で軽くなぞられるだけで、身体の奥が熱を持ってたまらなくなる。

 もっと強い刺激が欲しくて義兄の身体に胸をこすりつけていれば、硬い布地に乳首がこすれて思わず甘い声がこぼれた。不意に何かを考え込んだ義兄が、おもむろにジャレッドの乳首をつまむ。爪先でかりかりとひっかかれてうっとりとしていたが、唐突に指の腹で押しつぶされた。そのまま無遠慮につまみあげられる。日頃から自分で弄り過ぎていたせいか、明らかに昔よりも長くなった乳首をしこしこと絞るように何度も引っ張られた。

「まったく、いやらしい乳首だ。いつの間にこんなに大きく恥ずかしい長さになったのか」
「あ、義兄上、激しすぎ、ますっ」
「お前のここは悦んでいるようだが?」
「ひうっ」

 義兄の大きくて綺麗な手が、あさましく勃ちあがった自分自身をしごく。脳がしびれるような快感と、暴力的な視覚の淫靡さで思わず一瞬で白濁をまき散らしてしまった。しかもいまだ衰えず、硬さを保っている。凍りついた表情の義兄は、ジャレッドの痴態に呆れているのだろう。確かにこれではお仕置きになりはしないのだから。だが絶対に手が届かないと思っていた愛しいひとに触れられて、嬉しくなるなというのが無理な話なのだ。だからだろうか、義兄の目が先ほどよりもさらに冷たくなったのに気づくのが遅れた。

「まさか……」
「あっ」

 下穿きを奪われ、大きく脚を広げられた。勝手な期待に満ちてひくひくと震える後孔がヴィンセントの目の前にさらけ出される。綺麗に縦に割れた後孔に、義兄は無造作に指を突きたてた。ゆっくりと中を探るように無遠慮に長い指でかき回される。思わず出た甘い声をどう判じたのか、義兄は抜き差しする指を容赦なく増やしながら震える声で尋ねてきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される

木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー ※この話は小説家になろうにも掲載しています。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防

藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。 追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。 きっと追放されるのはオレだろう。 ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。 仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。 って、アレ? なんか雲行きが怪しいんですけど……? 短編BLラブコメ。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

悪役令息の兄って需要ありますか?

焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。 その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。 これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。

処理中です...