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覚悟するのはきみだ ④
しおりを挟む「ああ。俺はきみよりずいぶん年上だし、若い女性が好みそうな洗練された男でもないが」
「そんな」
「だが、もう離せない。絶対にほかの男には渡さない」
「当たり前です! ほかの人なんかいや。クリストフさまがいいの」
突然ぎゅうっと抱きしめられた。
強引なくらい激しく口づけられる。唇の隙間から熱い舌が入り込み、口内をいっぱいにする。
愛している――彼の言葉が心の中で反響していた。
好きとか、かわいいとかじゃなくて、愛してる。本気の愛の言葉。
舞い上がりそうにうれしくて、クリストフの胸に抱きつく。
そのときわたしの中が収縮して、挿入された状態のままの彼を締めつけてしまった。
「あっ」
「くっ」
クリストフの腕の力が強くなる。
「そんなに締めるな……」
「でも、どうしたらいいの?」
意識すると、さらに体が強ばってしまう。
「だめだ、ミルドレッド。もう限界だ」
「クリストフ……さま?」
ぶるりとクリストフの体が震えた。
これ以上は無理というほど密着しているのに、彼はもっと奥へ行きたいとでもいうように腰を押しつけてくる。
「う……っ」
わたしの中に入っている屹立が、ドクッドクッと脈打った。なにか熱いものが胎内に注がれていた。
「あ……」
たぶん、クリストフは射精している。
びっくりして彼を見つめていると、歯を食いしばっていたクリストフが目を開いた。
「すまない。先にいってしまった」
「え? どうして謝るのですか? どちらが先でもいいじゃないですか」
「ん? そうか?」
「はい。わたしはそう思いますけど」
どっちが先に気持ちよくなるとか、どっちが先に好きになるとか、順番なんてどうでもいいと思う。
最終的にお互いが想い合えたら、それが一番幸せだ。
クリストフは少し苦笑した。
「そうだな、俺たちは俺たちの形を作ればいいのか。きみといると、今まで世間の常識だと思い込んでいたことが馬鹿らしく思えてくるな」
「わたしもクリストフさまのおかげで、自分の中の劣等感と向き合えました。あなたが好きだと言ってくれるなら、わたし、このままでもいいのかなって」
包み込むようや優しい目で見つめられた。
彼はわたしの金髪を少し手に取って、そっと口づける。
そして、これまで見たことがないくらい愛しそうに笑った。
「いつも『わたくし』と言っているのに、さっきからずっと『わたし』だな」
「あっ、ごめんなさい」
「いいんだ。外にはいろいろなしがらみや常識があるが、ふたりの間では自然体で行こう」
「……はい。クリストフさま、大好き!」
幸せで、幸せすぎて、どう表現したらいいのかわからない。
だからひたすらにこにこと笑っていたら、クリストフが顔をしかめた。
同時に、わたしもその違和感に気づく。
「あれ?」
さっきから入ったままだったものが、また大きくなってる?
「きみがかわいすぎて、収まらない。このまま、もう一回いいか?」
「え、このまま?」
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