泣いた青鬼

花咲由菜

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再会

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次の日、待ち合わせの時間の
30分前から指定された席で
待っていた
待ち合わせの時間の5分後
遅れて現れた依頼人に
私は驚きを隠せなかった
「え…なん…で」
そこに現れたのは彼だった
「やぁ…遅れてごめん
5年ぶり位かな久しぶり」
私は彼の言っていることが
理解できず口を半開きにしたまま
固まってしまっていた
そして慌てて
「私がここで
待ち合わせしていたのは
私の仕事のほうの依頼人で
貴方じゃないけど」
そう言うと彼は最近聞いたような
クスリという笑いを漏らした後
電話口で聞いたあの声で
私に話しかけた
「やっと彼と会えたみたいで
よかったですね何でも屋さん」
「!」
私の脳はもうパンク寸前で
出た言葉は
「だましたね」
というありきたりなものだった


向かい合う形で座ったまま
私と彼はお互い無言だった
彼は私をずっと見つめる
対する私は
その視線にどう反応するか
見当がつかず俯いたままだった

どれほどの時間が経ったのか
ふと腕時計を見る
「…」
驚いた事に15分くらいしか
経っていなかった
てっきり3時間程経っていると
そう予想したのに
「そんなに会いたくなかったの?」
唐突に彼が口を開く
「…や、その…」
「…ねぇ?赤鬼さん」
彼は皮肉たっぷりにそう私を呼んだ
「…!!」
私には彼への
対処方法がわからなかった
けれど”このままではいけない”
とも思い私は
やっと彼と視線を合わせた
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