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7話
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「お邪魔しまぁす……」
一般家庭の、少し郊外にあるごくごく一般的な一軒家。
そう言い表して問題ないだろう家の、雪哉の部屋に通された士朗は、物珍しそうに部屋をきょろきょろと見回した。
優等生の雪哉らしく、整理整頓された棚には難しそうな本や参考書が沢山並んでいたが、それに紛れるように『ファンサガ』関連の本が数冊並べられていて、少しだけほっとする。
シングルベッドの他には、テレビと繋がったゲーム機、勉強机の上にスペックの高そうな自作っぽいパソコンが置かれているシンプルな部屋だ。
パソコンの傍には、さっき士朗があげたばかりのうさぎのぬいぐるみがちょこんと乗っていて、少しだけ気恥ずかしい。
雪哉は一般的な広さだろうと言っていたから、士朗の部屋よりも広く見えるのは、間取りのせいではなくてごちゃごちゃ感のない、無駄なスペースを作らない上手い配置のせいかもしれない。
「冷蔵庫の中に、コレしかなかったけど大丈夫か?」
折りたたみ式の小さなテーブルにマグカップが一つ置かれ、ペットボトルに入ったオレンジジュースが注がれる。
恐らく雪哉用のものだろうもう一つのマグカップにも同じように注いで、パソコンが乗っている勉強机の上に持ち込まれた。
「さんきゅ! 俺も、お菓子買ってきた」
がさがさと、コンビニの袋から数種類のスナック菓子やらチョコレートやらをテーブルに並べる。
「ありがとう。じゃあ、さっそくやるか」
「おう!」
士朗がパッケージから取り出したお菓子を差し出すと、それをひょいと咥えながらゲーム機とパソコンの電源を付けてくれる。
その雪哉の後ろ姿に勢いよく頷くと、また笑われた。
「お前、本当にいつも前のめりだな」
「楽しみなんだから、仕方ないだろ。ほら、笑ってないで早く!」
「はいはい。じゃあ、これコントローラー」
「よっしゃ」
士朗は、家から持ち出してきたセーブデータを、雪哉が準備してくれたゲーム機に差し込む。
タイトル画面が出現した頃には、雪哉もパソコン版のログインを終えていた。
『じゃあスノーさん、よろしくお願いします!』
『こちらこそ、よろしくね。ありすちゃん』
ゲーム内の待ち合せ場所で出会った『ありす』と『スノー』は、挨拶を交わして握手する動作をする。
雪哉とのギャップに、士朗はにやにやと緩む頬が止められない。
「ホント『スノー』さんは、相変わらず綺麗で優しい。『スノー』さんの正体が、こんな人を寄せ付けないオーラバシバシ発してる様な奴だとは、思ってもみなかった!」
「俺だって、可愛い『ありす』ちゃんが、お前みたいな奴だとは思わなかったよ……いや、猪突猛進な所は、結構そのまんまだな」
「うるさいな。いつもサポート、感謝してるよ!」
「素直だな」
「助けられてるのは、事実だからな。俺はちゃんと、感謝の出来る子だ」
「くく、そうだな。確かに、そういう所も可愛い」
「何だよ、けなしてんのか褒めてんのかどっちだ!」
「褒めてる褒めてる」
「本当かよ……」
「ほら、このダンジョンだ。行くぞ」
「おー! レアアイテム、絶対ゲットするぜ」
「ランキング上位も狙うか?」
「もちろん」
「じゃあ、効率よく行くぞ」
「作戦は任せる」
「了解だ」
ゲームを進めながらも、驚くほどぽんぽんと会話が続く。
アバターを動かしながら、二人でわいわい言い合ってプレイするイベントはことのほか楽しい。
あっという間だったカフェで過ごす時間よりも、更に体感としては早く時間が過ぎて行く。
一通りダンジョンの探索を終え、残すは最下層のみとなったタイミングで士朗が大きく背伸びをすると、雪哉がパソコンの場面から視線を外した。
「一旦休憩しないか? そろそろ夕飯にしよう」
「賛成! もう八時過ぎてる……腹が減る訳だ」
「生姜焼きでいいか?」
「俺、生姜焼き大好き! って、もしかして雪哉が作んの?」
「あぁ、今日は親も居ないし」
「すっげぇ!」
「そんなに期待されても、普通のしか作れないぞ」
「俺も、何か手伝った方が良い?」
「大丈夫だ。しばらく待ってろ」
「おぅ。よろしくお願いしまーす」
料理をした事のない士朗が、手伝えることはまずない。
雪哉の言葉に甘えて、パタンとドアが閉じられるまで手を振って見送り、士朗は再び雪哉の部屋をじっくり眺めた。
家主がいない間に、なんとやらだ。
ごそごそ家捜しをしてみるけれど、ベッドの下等の定番の隠し場所に、エッチな本は見当たらない。
雪哉の涼しげな顔が浮かんで少し悔しく思いながら、仕方なく『ファンサガ』関連の書籍が並べられている辺りを監察する。
その周辺には、一周年のレアカードどころではないお宝アイテムの数々が見受けられて、士朗は驚きに目を見張った。
『ファンサガ』は、公式からの配給は、ほとんどオンライン上にしかない。
書籍は多少あるものの、グッズ関連は皆無と言っていいはずだった。
それなのに、雪哉の本棚にはその数冊の書籍と一緒に、開発者か関係者しか持ち得ない、ファンの間でもあるのかないのか議論が続いているような初期武器の縮小レプリカや、制作発表時に関係者にだけ配られたような粗品が数点。
その上、絶対に一般には手に入らないけれど、公式が作った物だとわかるグッズまでも、数点並べられていた。
一周年のイベントで、上位だけに贈られたレアカードの比ではない、激レアアイテムばかりだ。
「雪哉が、何でこんな物まで持ってるんだ……?」
そう言えば、パソコン版とゲーム機版の両方を持っているのも、よく考えれば一般プレイヤーとしては特殊だった。
ハマり込んでアカウントを二つ持っている可能性がない訳ではなかったが、『スノー』は結構な上位プレイヤーだ。
学生の身分で、二つのアカウントをやり込む時間もお金もあるとは思えない。
二つとも雪哉の部屋にあったから、家族と共有で遊んでいるという訳でもないのだろう。
かといって、開発者と疑うには要素が足りなさすぎる。
何せ今日のイベント開始日に士朗とお茶していた位だし、今まさに新たに配信されたイベントをあーだこーだ言いながら、二人で攻略している途中なのだから。
理由がわからなくて、じっとレアアイテム達を食い入るように見つめていると、ふいにガチャリとドアが開き、雪哉が顔を出した。
「夕飯、出来たぞ。下に降りて来い」
「なぁ雪哉、ここにある物ってさ……」
「あ、それ? 欲しいものがあったら持って行っていい。従兄が、テストプレイのお礼って良く置いて行くんだけど、俺はあまりグッズには興味ないんだよな」
「は?」
「あ、でもテストプレイって言っても、開発当初とは違って、今は普通のプレイヤーと同じタイミングでプレイしてるから、攻略とかはわからないぞ。普通に遊んだ感想やら要望やらを、一プレイヤーとして報告してるって感じだな。たまに報酬として課金アイテム貰ったりしてるから、ちょっとだけ得はしてるけど」
「待て待て。雪哉の従兄って……」
「『ファンサガ』作ってる。最初に頼まれたのは、従兄が大学生の頃だったから、もう五年くらい前かな? 俺ゲームは昔から好きだったし、まだ中学生だったからお小遣い貰えるのは嬉しかったから協力してた。本格的に発表してリリースするって時に、テストアバターを消して新規プレイヤーとして登録してからは、今のスタイルだ」
「凄ぇ! 『ファンサガ』って、最初は個人が開発したゲームだったっていうの、本当だったんだ」
「今でも、会社として立ち上げはしたみたいだけど、実際に作ってるのは数人だぞ」
「マジかぁ、うわぁ……『ファンサガ』の創造主が従兄とか、羨ましい」
「創造主って……お前本当に、『ファンサガ』好きなんだな。期待を裏切って悪いが、普通のそこら辺に居る男だぞ」
雪哉は呆れた様な表情をしているが、士朗からしてみればとんでもない事実を目の当たりにした気分だ。
こんなに近くに、大好きなゲームを生み出した創造主と、深く関わっている人物が居ただなんて。
「お前は、事の重大さをわかってない」
「興奮するのはいいが、とりあえず飯食わねぇ?」
「食べながら、詳しく!」
「はいはい……ったく、俺には向けないキラキラした瞳しやがって」
「何か言った?」
「いや、何でも無い」
雪哉がぼそりと何か呟いていたが、大好きなゲームの創造主について聞けると興奮していた士朗の耳には、その言葉の内容が入ってこず、問い返してみたものの答えは返って来なかった。
自分への文句っぽい雰囲気を感じたのだが、大した事でも無かったのだろうか。
首を傾げながら、士朗は雪哉に続いてそわそわと、ダイニングがあるという一階に降りて行った。
一般家庭の、少し郊外にあるごくごく一般的な一軒家。
そう言い表して問題ないだろう家の、雪哉の部屋に通された士朗は、物珍しそうに部屋をきょろきょろと見回した。
優等生の雪哉らしく、整理整頓された棚には難しそうな本や参考書が沢山並んでいたが、それに紛れるように『ファンサガ』関連の本が数冊並べられていて、少しだけほっとする。
シングルベッドの他には、テレビと繋がったゲーム機、勉強机の上にスペックの高そうな自作っぽいパソコンが置かれているシンプルな部屋だ。
パソコンの傍には、さっき士朗があげたばかりのうさぎのぬいぐるみがちょこんと乗っていて、少しだけ気恥ずかしい。
雪哉は一般的な広さだろうと言っていたから、士朗の部屋よりも広く見えるのは、間取りのせいではなくてごちゃごちゃ感のない、無駄なスペースを作らない上手い配置のせいかもしれない。
「冷蔵庫の中に、コレしかなかったけど大丈夫か?」
折りたたみ式の小さなテーブルにマグカップが一つ置かれ、ペットボトルに入ったオレンジジュースが注がれる。
恐らく雪哉用のものだろうもう一つのマグカップにも同じように注いで、パソコンが乗っている勉強机の上に持ち込まれた。
「さんきゅ! 俺も、お菓子買ってきた」
がさがさと、コンビニの袋から数種類のスナック菓子やらチョコレートやらをテーブルに並べる。
「ありがとう。じゃあ、さっそくやるか」
「おう!」
士朗がパッケージから取り出したお菓子を差し出すと、それをひょいと咥えながらゲーム機とパソコンの電源を付けてくれる。
その雪哉の後ろ姿に勢いよく頷くと、また笑われた。
「お前、本当にいつも前のめりだな」
「楽しみなんだから、仕方ないだろ。ほら、笑ってないで早く!」
「はいはい。じゃあ、これコントローラー」
「よっしゃ」
士朗は、家から持ち出してきたセーブデータを、雪哉が準備してくれたゲーム機に差し込む。
タイトル画面が出現した頃には、雪哉もパソコン版のログインを終えていた。
『じゃあスノーさん、よろしくお願いします!』
『こちらこそ、よろしくね。ありすちゃん』
ゲーム内の待ち合せ場所で出会った『ありす』と『スノー』は、挨拶を交わして握手する動作をする。
雪哉とのギャップに、士朗はにやにやと緩む頬が止められない。
「ホント『スノー』さんは、相変わらず綺麗で優しい。『スノー』さんの正体が、こんな人を寄せ付けないオーラバシバシ発してる様な奴だとは、思ってもみなかった!」
「俺だって、可愛い『ありす』ちゃんが、お前みたいな奴だとは思わなかったよ……いや、猪突猛進な所は、結構そのまんまだな」
「うるさいな。いつもサポート、感謝してるよ!」
「素直だな」
「助けられてるのは、事実だからな。俺はちゃんと、感謝の出来る子だ」
「くく、そうだな。確かに、そういう所も可愛い」
「何だよ、けなしてんのか褒めてんのかどっちだ!」
「褒めてる褒めてる」
「本当かよ……」
「ほら、このダンジョンだ。行くぞ」
「おー! レアアイテム、絶対ゲットするぜ」
「ランキング上位も狙うか?」
「もちろん」
「じゃあ、効率よく行くぞ」
「作戦は任せる」
「了解だ」
ゲームを進めながらも、驚くほどぽんぽんと会話が続く。
アバターを動かしながら、二人でわいわい言い合ってプレイするイベントはことのほか楽しい。
あっという間だったカフェで過ごす時間よりも、更に体感としては早く時間が過ぎて行く。
一通りダンジョンの探索を終え、残すは最下層のみとなったタイミングで士朗が大きく背伸びをすると、雪哉がパソコンの場面から視線を外した。
「一旦休憩しないか? そろそろ夕飯にしよう」
「賛成! もう八時過ぎてる……腹が減る訳だ」
「生姜焼きでいいか?」
「俺、生姜焼き大好き! って、もしかして雪哉が作んの?」
「あぁ、今日は親も居ないし」
「すっげぇ!」
「そんなに期待されても、普通のしか作れないぞ」
「俺も、何か手伝った方が良い?」
「大丈夫だ。しばらく待ってろ」
「おぅ。よろしくお願いしまーす」
料理をした事のない士朗が、手伝えることはまずない。
雪哉の言葉に甘えて、パタンとドアが閉じられるまで手を振って見送り、士朗は再び雪哉の部屋をじっくり眺めた。
家主がいない間に、なんとやらだ。
ごそごそ家捜しをしてみるけれど、ベッドの下等の定番の隠し場所に、エッチな本は見当たらない。
雪哉の涼しげな顔が浮かんで少し悔しく思いながら、仕方なく『ファンサガ』関連の書籍が並べられている辺りを監察する。
その周辺には、一周年のレアカードどころではないお宝アイテムの数々が見受けられて、士朗は驚きに目を見張った。
『ファンサガ』は、公式からの配給は、ほとんどオンライン上にしかない。
書籍は多少あるものの、グッズ関連は皆無と言っていいはずだった。
それなのに、雪哉の本棚にはその数冊の書籍と一緒に、開発者か関係者しか持ち得ない、ファンの間でもあるのかないのか議論が続いているような初期武器の縮小レプリカや、制作発表時に関係者にだけ配られたような粗品が数点。
その上、絶対に一般には手に入らないけれど、公式が作った物だとわかるグッズまでも、数点並べられていた。
一周年のイベントで、上位だけに贈られたレアカードの比ではない、激レアアイテムばかりだ。
「雪哉が、何でこんな物まで持ってるんだ……?」
そう言えば、パソコン版とゲーム機版の両方を持っているのも、よく考えれば一般プレイヤーとしては特殊だった。
ハマり込んでアカウントを二つ持っている可能性がない訳ではなかったが、『スノー』は結構な上位プレイヤーだ。
学生の身分で、二つのアカウントをやり込む時間もお金もあるとは思えない。
二つとも雪哉の部屋にあったから、家族と共有で遊んでいるという訳でもないのだろう。
かといって、開発者と疑うには要素が足りなさすぎる。
何せ今日のイベント開始日に士朗とお茶していた位だし、今まさに新たに配信されたイベントをあーだこーだ言いながら、二人で攻略している途中なのだから。
理由がわからなくて、じっとレアアイテム達を食い入るように見つめていると、ふいにガチャリとドアが開き、雪哉が顔を出した。
「夕飯、出来たぞ。下に降りて来い」
「なぁ雪哉、ここにある物ってさ……」
「あ、それ? 欲しいものがあったら持って行っていい。従兄が、テストプレイのお礼って良く置いて行くんだけど、俺はあまりグッズには興味ないんだよな」
「は?」
「あ、でもテストプレイって言っても、開発当初とは違って、今は普通のプレイヤーと同じタイミングでプレイしてるから、攻略とかはわからないぞ。普通に遊んだ感想やら要望やらを、一プレイヤーとして報告してるって感じだな。たまに報酬として課金アイテム貰ったりしてるから、ちょっとだけ得はしてるけど」
「待て待て。雪哉の従兄って……」
「『ファンサガ』作ってる。最初に頼まれたのは、従兄が大学生の頃だったから、もう五年くらい前かな? 俺ゲームは昔から好きだったし、まだ中学生だったからお小遣い貰えるのは嬉しかったから協力してた。本格的に発表してリリースするって時に、テストアバターを消して新規プレイヤーとして登録してからは、今のスタイルだ」
「凄ぇ! 『ファンサガ』って、最初は個人が開発したゲームだったっていうの、本当だったんだ」
「今でも、会社として立ち上げはしたみたいだけど、実際に作ってるのは数人だぞ」
「マジかぁ、うわぁ……『ファンサガ』の創造主が従兄とか、羨ましい」
「創造主って……お前本当に、『ファンサガ』好きなんだな。期待を裏切って悪いが、普通のそこら辺に居る男だぞ」
雪哉は呆れた様な表情をしているが、士朗からしてみればとんでもない事実を目の当たりにした気分だ。
こんなに近くに、大好きなゲームを生み出した創造主と、深く関わっている人物が居ただなんて。
「お前は、事の重大さをわかってない」
「興奮するのはいいが、とりあえず飯食わねぇ?」
「食べながら、詳しく!」
「はいはい……ったく、俺には向けないキラキラした瞳しやがって」
「何か言った?」
「いや、何でも無い」
雪哉がぼそりと何か呟いていたが、大好きなゲームの創造主について聞けると興奮していた士朗の耳には、その言葉の内容が入ってこず、問い返してみたものの答えは返って来なかった。
自分への文句っぽい雰囲気を感じたのだが、大した事でも無かったのだろうか。
首を傾げながら、士朗は雪哉に続いてそわそわと、ダイニングがあるという一階に降りて行った。
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