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Interlude1 アレクサンドラのその後
王妃アレクサンドラの誤算(前)
「どうしてこうなったの……」
ついに『どきエデ2』の時間軸までやってきた。
公爵令嬢コンスタンサ、『どきエデ2』の悪役令嬢の動向は彼女に家に出向させたセナイダから逐次報告を受けている。それによればコンスタンサは『どきエデ2』ヒロインのアンヘラが登場した物語開始時点で前世を思い出したらしい。
コンスタンサがどうするのかと思いきや、なんと彼女は『どきエデ2』をなぞるようにアンヘラに嫉妬して陰湿ないじめを行ったそうね。その裏で自分が破滅しないよう幾重にも策を巡らせながら。
一方のアンヘラは前世を思い出したかは定かじゃない。彼女の言動を聞く限りだと明らかに『どきエデ2』逆ハールートを攻略しているんだけれどね。アンヘラという主人公が百面相ヒロインなのもあって天然なのか養殖なのかは判別付かないのよ。
一方、隣国の王立学院に留学したレオンは学生生活を楽しんでいるそうね。隣国王子も攻略対象者に数えられるんだけれど、レオンはアンヘラと全く接点が無いみたい。まあ逆ハールートはアペンド版追加キャラを攻略出来ないし、納得ね。
そんなレオンは……コンスタンサが気になっていったみたい。アンヘラと王太子カルロスに振り回される彼女を気にかけ、相談に乗るうちに惹かれていった、と手紙には書かれていた。尤も、婚約者のいる彼女にその好意は決して明かさなかったそうだけど。
順調に『どきエデ2』が進んでいる、と実感したわ。
あとは大どんでん返しとばかりに前作悪役令嬢の私が断罪イベントの場に登場すれば大盛りあがりよ。本当ならルシアが登場する場面を乗っ取ったらコンスタンサはどんな反応を見せてくれるかしらね。
……そう思っていたのに、ここにきて大問題が発生したわ。
雲行きが怪しくなりだしたのは半年ぐらい前から。ここにきてどうも一部の貴族の動きが怪しいってことで調査を行わせていたんだけれど、大規模な横領や犯罪が明るみに出てさあ大変! 何とか一網打尽にしたものの……事後処理でてんてこ舞い中よ。
「アレクサンドラ……レオンには申し訳ないけれど、今私達が国を離れるわけにはいかない」
「そんなの分かっているわ。分かっているけれど……納得出来ないわよ」
私はずっと前からレオンが学院を卒業する時期はバエティカ王国に行くって公言してたのに。過密だった予定を何とかやりくりして時間を設けたのに。一部の馬鹿達が余計な真似をしたせいで何もかもパーよ!
いっそ少しの間ジェラールに任せて私だけ……そんなの全く意味が無い。『どきエデ2』ではルシアとアルフォンソ様の国王夫妻が姿を見せたからこそ驚きの展開だった。私一人が登場しても衝撃は半減よ。
ああもう、どうしてよりによって今年になってこんなことに……! まるで私の行く手を遮るみたいに機会を見計らってたみたいじゃないの。悪徳貴族共の裏で何者かが糸を引いてたんじゃないかって思いたくもなるわ。
「かと言って、王子のレオンが卒業を控えているのに大使だけを派遣するわけにもいかない。それ相応の者を派遣しないと」
「でもお義父様方に行っていただくのは厳しいわ。宰相……義叔父を向かわせるにも宰相のあの人が抜ける穴は大きいし。ローサはどうかしら?」
「妹の嫁ぎ先も一族の者があの一件に関わっていたせいで落ち着いていない。今ローサが離れると更に混乱を招くだろう。止めておくべきだ」
「万事休すじゃないの……」
いっそ一時的にでもお義父様方に委任するのはどうかしら? 事情は分かってくれるわよね。そんな考えが頭によぎるものの、レオンの卒業式に行きたい、は私達の我儘だ。巻き込む訳にはいかない。
沈黙が私達の間に漂う。もう私達には最後の手段しか残されていないのは分かっているけれど、それを受け入れたくないだけ。なのだけれど、背に腹は代えられないし、諦めて託す他無い。
「……あの人達に任せよう。それしかない」
「気が重いけれど、しょうがないわね」
そうしてジェラールは彼らを呼んだ。
残された王族であるアルフォンソ様、そしてルシアの公爵夫妻を。
ついに『どきエデ2』の時間軸までやってきた。
公爵令嬢コンスタンサ、『どきエデ2』の悪役令嬢の動向は彼女に家に出向させたセナイダから逐次報告を受けている。それによればコンスタンサは『どきエデ2』ヒロインのアンヘラが登場した物語開始時点で前世を思い出したらしい。
コンスタンサがどうするのかと思いきや、なんと彼女は『どきエデ2』をなぞるようにアンヘラに嫉妬して陰湿ないじめを行ったそうね。その裏で自分が破滅しないよう幾重にも策を巡らせながら。
一方のアンヘラは前世を思い出したかは定かじゃない。彼女の言動を聞く限りだと明らかに『どきエデ2』逆ハールートを攻略しているんだけれどね。アンヘラという主人公が百面相ヒロインなのもあって天然なのか養殖なのかは判別付かないのよ。
一方、隣国の王立学院に留学したレオンは学生生活を楽しんでいるそうね。隣国王子も攻略対象者に数えられるんだけれど、レオンはアンヘラと全く接点が無いみたい。まあ逆ハールートはアペンド版追加キャラを攻略出来ないし、納得ね。
そんなレオンは……コンスタンサが気になっていったみたい。アンヘラと王太子カルロスに振り回される彼女を気にかけ、相談に乗るうちに惹かれていった、と手紙には書かれていた。尤も、婚約者のいる彼女にその好意は決して明かさなかったそうだけど。
順調に『どきエデ2』が進んでいる、と実感したわ。
あとは大どんでん返しとばかりに前作悪役令嬢の私が断罪イベントの場に登場すれば大盛りあがりよ。本当ならルシアが登場する場面を乗っ取ったらコンスタンサはどんな反応を見せてくれるかしらね。
……そう思っていたのに、ここにきて大問題が発生したわ。
雲行きが怪しくなりだしたのは半年ぐらい前から。ここにきてどうも一部の貴族の動きが怪しいってことで調査を行わせていたんだけれど、大規模な横領や犯罪が明るみに出てさあ大変! 何とか一網打尽にしたものの……事後処理でてんてこ舞い中よ。
「アレクサンドラ……レオンには申し訳ないけれど、今私達が国を離れるわけにはいかない」
「そんなの分かっているわ。分かっているけれど……納得出来ないわよ」
私はずっと前からレオンが学院を卒業する時期はバエティカ王国に行くって公言してたのに。過密だった予定を何とかやりくりして時間を設けたのに。一部の馬鹿達が余計な真似をしたせいで何もかもパーよ!
いっそ少しの間ジェラールに任せて私だけ……そんなの全く意味が無い。『どきエデ2』ではルシアとアルフォンソ様の国王夫妻が姿を見せたからこそ驚きの展開だった。私一人が登場しても衝撃は半減よ。
ああもう、どうしてよりによって今年になってこんなことに……! まるで私の行く手を遮るみたいに機会を見計らってたみたいじゃないの。悪徳貴族共の裏で何者かが糸を引いてたんじゃないかって思いたくもなるわ。
「かと言って、王子のレオンが卒業を控えているのに大使だけを派遣するわけにもいかない。それ相応の者を派遣しないと」
「でもお義父様方に行っていただくのは厳しいわ。宰相……義叔父を向かわせるにも宰相のあの人が抜ける穴は大きいし。ローサはどうかしら?」
「妹の嫁ぎ先も一族の者があの一件に関わっていたせいで落ち着いていない。今ローサが離れると更に混乱を招くだろう。止めておくべきだ」
「万事休すじゃないの……」
いっそ一時的にでもお義父様方に委任するのはどうかしら? 事情は分かってくれるわよね。そんな考えが頭によぎるものの、レオンの卒業式に行きたい、は私達の我儘だ。巻き込む訳にはいかない。
沈黙が私達の間に漂う。もう私達には最後の手段しか残されていないのは分かっているけれど、それを受け入れたくないだけ。なのだけれど、背に腹は代えられないし、諦めて託す他無い。
「……あの人達に任せよう。それしかない」
「気が重いけれど、しょうがないわね」
そうしてジェラールは彼らを呼んだ。
残された王族であるアルフォンソ様、そしてルシアの公爵夫妻を。
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