皇子に生まれて裕福な暮らし出来ると思ったが生まれた場所は軍事大国でした

一章

異世界に産まれました

正歴1859年一月私誕生
「おー、男か後継ぎができたか。私にも抱かせてくれるか。おーよしよし。」
部屋に入ってきたのは父と思われる。髭が当たって痛い。周りも騒がしくとてもゆっくりできないため思いっきり泣いた。すると、先ほどまで抱っこしていた女性の元に戻された。周りも泣いたことにより部屋から出て行く人が多かった。
「もう夜遅いです。この子は寝かせてあげましょう。」
自分を抱っこしている女性はあやしながら言った。この女性が母なのだろう。
「そうか、名前はあらかじめ考えていたウィルムヘル-フォン-プロイスにしようと思う。」
「はい、それがよろしいと思います。」
どうやら名前はウィルムヘル- フォン-プロイスらしい。どこかで聞いた名前のようだが？まあいいか。


私は何不自由なく育った。しかし、皇子として学ぶべきことがたくさんあった。学問や馬術だ。大人になればそれらに加え舞踏会などもしないといけないと思うと気が滅入る。そんな中、1864年、1866年に立て続けに戦争が起こった。二つの戦争とも二ヶ月ほどで終わり宮殿での騒ぎはあまりなく落ち着いていて、勝って当然の雰囲気だった。この時7才であった自分もその雰囲気に慣れていた。