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二十三話 『昔の友達』
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宿屋に戻るとエリカは疲れた表情でベッドで横になり、ウインドウを出してネットの掲示板を開く。そんなエリカの横に俺も座って眺める。
「私達のリアルの体、大丈夫なのかしら? ツグミ何にも言ってくれないし、何か隠してると思うのよ!」
「俺もそれは考えてたんだ。 病院で点滴打たれてるんだろうけど、早くしないとやばいんじゃないか?」
「何て検索したらいいの? エリカ ユウキでいいのかな?」
──すると、病院にて令嬢の体が盗まれるといったタイトルに目が止まる。
──どういう事だ。俺の体はどこに? そもそも病院なんだから警備がしっかりしてるんじゃないのか? どこの誰がそんな馬鹿なことを……。
エリカを見るとベッドの上で小さく体操座りになり小刻みに震えて頭を膝の間に入れて俯いている。
こんな時かける言葉が見つからない。今ここにいるからリアルの体も大丈夫だ! いや、違うだろ。
「私の体どこに行ったの。ねえ!どうしたらいいの! ねえ! ユウキ、私はどうしたらいいのよ!」
エリカは興奮して早口で捲し立てる。目にたっぷりの涙を浮かべながら、俺の両腕を力を入れて掴む。冷静に落ち着かせるためにあえて静かに語りかける。
「まだ分からない。もしかしたら宮内財閥の関係者かもしれないしな。一度、ツグミに連絡した方がいいいんじゃないか?」
いつもならクエストとか終わって部屋に戻ればポテチを食べてる頃なのに、エリカがこんなふうでは何も考えられない。
ウインドウのメールからツグミに連絡を入れる。
──ツグミ。忙しいとこ悪いんだけど、エリカのリアルの状況教えてくれないか?
なかなか返事が来ない。まだ俺たちは二の扉しかクリアできてないし、まだ八個の扉のボスを攻略する必要がある。いつになったら終わるのか分かったもんじゃない。
エリカはチラチラとメールをチェックしているがなかなか返事が来ない。
「もう! ツグミから返事来ないんだけど。もうそろそろ来てもいいはずなんじゃないの?」
「もしかしてツグミ紐パン親衛隊を崩壊させたから恨んでるんじゃないか?」
「そんなわけないじゃない。ツグミは確かにユウキをはめてやろうと色々画策してたわ。親衛隊まで作って、ユウキを外に投げ飛ばしたり、ビデオを撮って私のパンチラを狙ったり、何何! ろくなことしてないじゃないの!」
エリカは情けない顔で俺を見ると、俺の体に抱きついてくる。俺はラッキーと一瞬思ったがそんな馬鹿なことしてる場合じゃない。
──よく考えろよ。大体ネットの掲示板なんて嘘を書いてるやつもいるから、ここは信頼出来そうな人に聞くのが1番いいんじゃないか。
「ツグミは当てにならないから他に送れそうな人いないか?」
「アイカはどうなの? さっき助けてあげたし、もしかしたら私達の事、親身になって助けてくれるはずよ!」
目を輝かせながら神様にお願いごとをするかのように手を組み目を閉じるエリカ。
「エリカ違うだろ。俺たちアイカに助けられたんだよ。しかも本人は五の扉までクリアしてるらしいじゃないか? そんな奴がネットの掲示板なんか見てるわけないだろ。ひたすら血眼で階段を探して今頃六の扉のボス攻略してるんじゃないのか?」
「もういいわ! 私がアイカに送ってみる」
──アイカ何してる? エリカですけど、私のリアルの体について知らない?
ピロン
すぐに返事が来た。
──今六の扉のボスと交戦中よ。足で踏んずけてるとこなんだけど、なに?? どうしたの? そう言えば言ってなかった? 私エリカお嬢様のメイドよ。
「ええええええーっ。私がやっつけたメイドも数しれずいたはず、誰なの!」
「顔に見覚えないのか? あんな筋肉質のガタイのいい女なんで忘れるわけないだろ?」
ピロン
──私よ。エリカとは子供の頃に遊んだ仲よ。ほら公園で小学生の時スナック菓子を食べたの覚えてないの?
エリカは何を思ったのか高速で打ち込む。
──分かるわ、あのころの友達なのね。そう言えば私が令嬢って言ったら私を守るメイドになるとか言ってたわね。
──そうですね。あのころ体が弱くて虐められてあなたに助けてもらったのが懐かしい。借りを返す時が来たみたいね!
──何言ってんのよ! そんな話覚えてないわ。好きなように生きなさいよ!
──エリカの体は病院よ。私、今看護師してるの。勤め先の病院にあなたはいるから大丈夫!
──なんなのよ! お礼は言わないわ。ありがと
エリカは安心して涙を拭う。ほんと涙の似合わないやつだよな。
俺はエリカを胸に抱くと頭を撫でててあげた。
「これで次の三の扉も安心して行けそうだな。どうする? 今から行くか?」
「ううん。今日は安心したから明日早起きして行きましょ!」
いつもよりも大人しい。少し物足りないとか思いながらもその後はまたコーラを飲みポテチを食べお笑い番組を観て寝た。
そうだ。杖が折れたから明日エリカと武器屋に行かないと。エリカの武器も新しくしたいし。アイカに聞けば攻略法とか教えてくれるだろうけど、やめとくか。
早くクリアしないといけないのは分かってるけど、もう少しだけ、エリカといたいんだ……。
窓から見える満月を見ながらクリームパンを頬張った。少し、胃がちくりとしたけど、布団に潜って朝を迎えた。
「私達のリアルの体、大丈夫なのかしら? ツグミ何にも言ってくれないし、何か隠してると思うのよ!」
「俺もそれは考えてたんだ。 病院で点滴打たれてるんだろうけど、早くしないとやばいんじゃないか?」
「何て検索したらいいの? エリカ ユウキでいいのかな?」
──すると、病院にて令嬢の体が盗まれるといったタイトルに目が止まる。
──どういう事だ。俺の体はどこに? そもそも病院なんだから警備がしっかりしてるんじゃないのか? どこの誰がそんな馬鹿なことを……。
エリカを見るとベッドの上で小さく体操座りになり小刻みに震えて頭を膝の間に入れて俯いている。
こんな時かける言葉が見つからない。今ここにいるからリアルの体も大丈夫だ! いや、違うだろ。
「私の体どこに行ったの。ねえ!どうしたらいいの! ねえ! ユウキ、私はどうしたらいいのよ!」
エリカは興奮して早口で捲し立てる。目にたっぷりの涙を浮かべながら、俺の両腕を力を入れて掴む。冷静に落ち着かせるためにあえて静かに語りかける。
「まだ分からない。もしかしたら宮内財閥の関係者かもしれないしな。一度、ツグミに連絡した方がいいいんじゃないか?」
いつもならクエストとか終わって部屋に戻ればポテチを食べてる頃なのに、エリカがこんなふうでは何も考えられない。
ウインドウのメールからツグミに連絡を入れる。
──ツグミ。忙しいとこ悪いんだけど、エリカのリアルの状況教えてくれないか?
なかなか返事が来ない。まだ俺たちは二の扉しかクリアできてないし、まだ八個の扉のボスを攻略する必要がある。いつになったら終わるのか分かったもんじゃない。
エリカはチラチラとメールをチェックしているがなかなか返事が来ない。
「もう! ツグミから返事来ないんだけど。もうそろそろ来てもいいはずなんじゃないの?」
「もしかしてツグミ紐パン親衛隊を崩壊させたから恨んでるんじゃないか?」
「そんなわけないじゃない。ツグミは確かにユウキをはめてやろうと色々画策してたわ。親衛隊まで作って、ユウキを外に投げ飛ばしたり、ビデオを撮って私のパンチラを狙ったり、何何! ろくなことしてないじゃないの!」
エリカは情けない顔で俺を見ると、俺の体に抱きついてくる。俺はラッキーと一瞬思ったがそんな馬鹿なことしてる場合じゃない。
──よく考えろよ。大体ネットの掲示板なんて嘘を書いてるやつもいるから、ここは信頼出来そうな人に聞くのが1番いいんじゃないか。
「ツグミは当てにならないから他に送れそうな人いないか?」
「アイカはどうなの? さっき助けてあげたし、もしかしたら私達の事、親身になって助けてくれるはずよ!」
目を輝かせながら神様にお願いごとをするかのように手を組み目を閉じるエリカ。
「エリカ違うだろ。俺たちアイカに助けられたんだよ。しかも本人は五の扉までクリアしてるらしいじゃないか? そんな奴がネットの掲示板なんか見てるわけないだろ。ひたすら血眼で階段を探して今頃六の扉のボス攻略してるんじゃないのか?」
「もういいわ! 私がアイカに送ってみる」
──アイカ何してる? エリカですけど、私のリアルの体について知らない?
ピロン
すぐに返事が来た。
──今六の扉のボスと交戦中よ。足で踏んずけてるとこなんだけど、なに?? どうしたの? そう言えば言ってなかった? 私エリカお嬢様のメイドよ。
「ええええええーっ。私がやっつけたメイドも数しれずいたはず、誰なの!」
「顔に見覚えないのか? あんな筋肉質のガタイのいい女なんで忘れるわけないだろ?」
ピロン
──私よ。エリカとは子供の頃に遊んだ仲よ。ほら公園で小学生の時スナック菓子を食べたの覚えてないの?
エリカは何を思ったのか高速で打ち込む。
──分かるわ、あのころの友達なのね。そう言えば私が令嬢って言ったら私を守るメイドになるとか言ってたわね。
──そうですね。あのころ体が弱くて虐められてあなたに助けてもらったのが懐かしい。借りを返す時が来たみたいね!
──何言ってんのよ! そんな話覚えてないわ。好きなように生きなさいよ!
──エリカの体は病院よ。私、今看護師してるの。勤め先の病院にあなたはいるから大丈夫!
──なんなのよ! お礼は言わないわ。ありがと
エリカは安心して涙を拭う。ほんと涙の似合わないやつだよな。
俺はエリカを胸に抱くと頭を撫でててあげた。
「これで次の三の扉も安心して行けそうだな。どうする? 今から行くか?」
「ううん。今日は安心したから明日早起きして行きましょ!」
いつもよりも大人しい。少し物足りないとか思いながらもその後はまたコーラを飲みポテチを食べお笑い番組を観て寝た。
そうだ。杖が折れたから明日エリカと武器屋に行かないと。エリカの武器も新しくしたいし。アイカに聞けば攻略法とか教えてくれるだろうけど、やめとくか。
早くクリアしないといけないのは分かってるけど、もう少しだけ、エリカといたいんだ……。
窓から見える満月を見ながらクリームパンを頬張った。少し、胃がちくりとしたけど、布団に潜って朝を迎えた。
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