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「道具を使ったり、いろいろ試してみたいところだが、とりあえず、ここでできることとしては…そうだ。まずはトルソから行ってみるか」
 事務所内を見回しながら、所長が言った。
 トルソ?
 僕は心の中で首をかしげた。
 何のことか、わからない。
 そんな体位、アダルト動画にも、出ていなかった気がする。
「いきなりトルソですか? さすが所長、ドSにもほどがある」
 破顔して、目を輝かせる彼。
「ロープは、カーテンの紐を使えばいいだろう。二本もあれば、こいつの躰くらい、十分支えられるはずだ」
「ですね。すぐ、用意します」
「では、その間に、俺がこいつをトルソにしておいてやろう」
 彼が窓際に歩いていくのを見計い、体育教師が僕に命じた。
「仮眠室に連れていこう」
 ふたりに抱えられ、奥の部屋に連れ込まれた。
「ベッドの上に仰向けになれ。足は真っすぐ伸ばしたままだ」
「は、はい…」
 所長命令だ。
 新入社員の僕に、逆らうことなど、できるはずがない。
 ドキドキしながら言われた通りにすると、所長はベッドによじ登り、いきなり僕の右足首をつかんできた。
「な、なにを…?」
 抗議しようとした時には、すでに後の祭りだった。
「ううう…」
 股関節から右足を捻られ、僕は苦痛のうめき声を漏らした。
「動くな。ほんの少しの辛抱だ」
 所長の剛腕が、僕の右足をぎりぎりと捻り上げていく。
 ほとんど180度捻じ曲げたところで、ふくらはぎを頸の後ろに回し、固定する。
「ほう、なかなか柔軟な躰をしてるじゃないか」
 左足も同じように捩じり上げながら、満足そうに所長が言う。
 そうしてできあがったのは、両脚を体側に沿って持ち上げ、ふくらはぎの所で首に固定した、なんとも奇妙な格好だった。
  洋梨形に尻を突き出した僕は、広がったアナルと勃起した陰茎が目立つ、異様に淫らな姿勢を取らされている。
 足が首の後ろで固定されると、なるほど、痛みは治まった。
 トルソ、とはよく名付けたものだ。
 恥辱的な体位で身動きを封じられたまま、僕は思った。
 それにしても、これ…。
 なんという卑猥な格好なのだろう。
「いい眺めだ。気分はどうだ?」
 突き出た陰茎を握り、小包のように小さく折り畳まれた僕を左右に揺すって、所長がからかうように言った。

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