淫美な虜囚

ヤミイ

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53 M男への道⑦

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 荒波に揉まれる帆船のように、僕は翔の胸の中で跳ね、身悶えた。

 翔の逞しい胸筋が背中に密着し、硬いしこりを当ててくる。

 それが彼の勃起した乳首だと気づくなり、僕は更なる興奮で天にも昇る心地になる。

 でも、まだ足りないのは、明らかだ。

 乳首も舌もアナルも感じまくっているのに、肝心のアレだけが放置されたまま。

 繊細な細工の尿道プラグにエキスの射出口を塞がれて、ただデクの棒みたいに天井に向けて突き立っている。

「巧、巧ったら!」

 身を乗り出して、姉さんが僕の名を呼んだ。

 かがんだ胸元ではガウンが大きく開き、生の乳房がふたつとものぞいている。

 深い胸の谷間の下には平らな腹が続き、そのもっと奥には、むっちりとした太腿に挟まれた淡い翳が見えた。

「ねえ、どうしたの? そんなに気持ちがいいの? いやだわ…乳首まで、あんなに、コチコチにして…。ケダモノみたいに、勃たせてるのね、ふたつとも。はたで見ててもわかるわ。その勃起具合。だって、乳首の根元に、黒い影ができてるんですもの…」

「ね、姉さん…」

 翔の熱い口づけの合間を縫って、僕はなんとか、言葉を紡ぎ出す。

「お、お願い…。触って…」

 こうなったら、もう、姉弟も何もなかった。

 近親相姦だの、禁忌だの、誰が何と言おうと、かまわない。

 とにかく僕は今、最高に気持ちよくなりたい、それだけなのだ。

 大好きな翔の腕に抱かれ、犯されながら、その上更に、大好きな佐代子姉さんの手で、逝かされる…。

 これが夢でなくて、なんだというのだろう?

「触ってって、巧…」

 姉さんの声が、上ずった。

 いったん正気に戻った瞳に、またぞろ淫靡な輝きが兆し始めている。

「さっきの続きを…して、ほしい…。プラグで、僕を…もっと、もっと、いっぱい、いっぱい、虐めて、ほしい…」

 翔にがっしりと抱き締められ、蛞蝓のような舌で首筋を舐められながら、か細い声で哀願する僕。

「巧ったら、ほんとに、ほんとに、いいんだね?」

 と、次の瞬間ー。

 鼻にかかった甘えた声とともに、佐代子姉さんの白い指が、発熱してそそり立つ、僕の卑猥な肉棒にねっとりと絡みついた。

 
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