僕は家畜人 ~”連続絶頂” どうせ逝くなら、君の手で~

ヤミイ

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120 渉の謎⑨

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 30分ほど経った頃だろうか。
 複数の足音とともに、入口のあたりでざわざわと人の気配がした。
 個室のすぐ外、小便器に立った数人が、会話を始めるのが聴こえてきた。
「2日続けてだなんて、あいつ、よっぽど先方に気に入られたんだな」
「そりゃそうさ。あのエロさ見ただろ? ノンケの俺でも勃っちまった」
「同感。男なのに、スケスケのスク水着せられてさ、いやらしいったらありゃしねえ」
「勃起チンポと乳輪と乳首、モロに透けてたよな」
「あいつったら、少年っぽい身体つきなのに、意外にあそこ、デカかった」
「ああ、催淫剤のせいだろう、あの野郎、何もされてないのに、もう、身体中性感帯になってる感じだった」
「いいのかねえ。あれ、違法薬物じゃね?」
「いや、今のところまだギリギリ合法の新成分らしい。電子タバコの麻薬成分のやつ、あるだろ? あれさ」
「まじか。やべえ話だ」
「仕方ないだろ。あれがあいつの本職なんだから」
「ある意味本物の社畜だよな」
「ああ、文字通りの意味での家畜ってやつだ」
 社畜ならぬ、家畜・・・。
 その一言が、僕の胸に刺さった。
 社員たちが話題に上げているのは渉のことに違いない。
 それはきのう聞いた渉の上司や同僚の言葉の断片からも明らかだ。
 いったいこれから何が始まるというのだろう?
 2日続けて?
 男のくせに、スケスケのスク水、だって?
 僕はサマーコートの前をはだけて、己の浅ましい姿を改めて見た。
 乳首と局部の3か所に穴の開いた肌色のボデイスーツ。
 渉はこれより更にえっちな格好をさせられてるってこと?
 しかも、催淫剤まで嗅がされて・・・。
「急ごうぜ。そろそろ先方の来る時間だ。それまでに宴会場のセッティング終わらせとかないと」
 男たちのひとりが言い、賛同の声に続いて水の流れる音。
 足音が廊下に消えるのを慎重に待って、僕は個室の外に滑り出た。
 渉に会える場所は、わかった。
 宴会場だ。
 こうなったら、誰にも見つからずに、なんとかそこに忍び込まなくては…。


 
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