僕は家畜人 ~”連続絶頂” どうせ逝くなら、君の手で~

ヤミイ

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126 渉の謎⑮

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 10分後―。
 驚くべきことに、マスミはどこからか、本当にボーイの衣装を借りてきた。
 高級ホテルなどで見かける、あれである。
 この巨女、社内では相当広い人脈を持っているらしい。
 さっそく着替えたけど、下着無しで、例のボデイスーツの上からじかに制服を着るのは妙に刺激的だった。
 躰を動かすたびに、固い制服の裏地が剝き出しの乳首や陰茎の先端をこするので、絶えず感じてしまうからである。
 もっとも、僕としても、このほうが好都合だった。
 もし万が一、一ノ瀬渉と肌を合わせるチャンスが来た時、これならすぐ行為に入ることができるのだ。
 ただ制服を脱ぐだけで、全裸よりエロい恰好になることが可能なのである。
 着替えを済ませて廊下に出ると、
「あたしと一緒に、これ、押して」
 高級そうなワインやグラスが並んだキャスター付きの台を二重顎で示して、マスミが言った。
「は、はい」
「もう時間がない。急がなきゃ」
 マスミと並んで台を押しながら歩き出す。
「突き当りを左、ね」
 遠近の関係でトイレの位置からではわからなかったけど、突き当り正面の扉の前に、左右に伸びる通路があった。
 言われるままに左折すると、一番奥の右手の扉が開いていて、スーツ姿の社員たちが足繁く出入りしているのが見えた。
 扉の脇には、敬称をつけた有名企業の名前を大書きした垂れ幕が貼られている。
 マスミは堂々と、雄牛のように肩を怒らせて、その人ごみの中を進んでいく。
 社内での彼女の階級がどのくらいかはわからない。
 でも、彼女が多くの社員たちに一目置かれているらしいことは、確かだった。
 老いも若きも、マスミの巨体を認めるとすぐに、無言で道を開けてくれるのだ。
 まるでモーゼの十戒の逸話のように、人垣が二つに分かれた真ん中を、ワイン一式を載せた台を押して僕らは進んでいった。
 観音開きの扉の中はちょっとしたホールほどもある広さの宴会場で、シャンデリアの輝きが目に痛かった。
 コの字形に並べられたテーブルの中央には、なぜか大きなダブルベッドが置かれている。
 更に不思議なのは、ベッドの四隅に立てられた真鍮製の4本のポールである。
 天井に届くほど高いボールの上部には、長方形の4辺と対角線を結ぶ形に6本のロープが張り巡らされており、そこから更に下方のベッドに向かって、何本もの細い紐がベッドの近くまで垂れ下がっている。
 しかも各紐の先端にはどれも結束バンドみたいなものがついていて、見るからに不穏な空気を漂わせていた。
 不穏と言えば、ベッドサイドのテーブルもそうだった。
 上に、奇妙な形をした器具が、照明に照らされてずらりと並べられているのだ。
 まるで、そうー。
 解剖台を見るような感じで・・・。
 台を壁際まで運び、その後ろに肩を並べて立つと、腰をかがめて僕の左耳に口を近づけ、マスミが言った。
「さあ、始まるよ」
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