僕は家畜人 ~”連続絶頂” どうせ逝くなら、君の手で~

ヤミイ

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95 堕ちた天使⑤

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 渉が、嬲りモノにされている…。
 僕の救世主だった、あの渉が…?
 僕は混乱し切っていた。
 目の前で展開される光景が、信じられなかった。
 いったいこれはどういう状況なのだろう。
 多機能トイレや地下鉄で僕が被った性的被害。
 それと同じような状況が、今渉の身の上に訪れようとしている。
 最初に同僚の男が渉に言った台詞が、気にかかった。
 あれは…?
 何か、考えようによっては、極めて異常な一言だった気がする。
 あいつ、なんて言った?
 その台詞を、思い出そうとしてみた。
 でも、眼前の光景が衝撃的過ぎて、細部の記憶が蘇ってこない。
 諦めて、3人の行為に意識を集中することにした。
 渉は今、中肉中背の同僚にお尻を犯されながら、ズボンをずり下げた巨漢の股間に顔をうずめていた。
 何をさせられているのかは、一目瞭然だった。
 口淫である。
 渉の口の中には警備員の男のビール瓶のような巨根が突っ込まれ、それをしゃぶることを強要されているのだ。
 助けに行くべきだろうか。
 僕は逡巡した。
 僕は過去に二回、渉に救われている。
 ならば、今度は僕が暴漢たちの手から彼を救い出すべきではないのかー。
 そうは思うものの、躰が動かなかった。
 同僚の男はまだしも、あの巨漢の警備員はかなり手強そうだ。
 体格からして、ソウルフーズの畜舎のあの飼育係に近いものがある。
 飼育係は、圧倒的なまでの怪力の持ち主だった。
 あの警備員がもし彼と同類の人間だとすれば、僕一人がのこのこ出て行ったところでどうにかなるものではない。
 そんな気さえする。
 それにー。
 3人の行為を凝視しているうちに、ふとある疑念が僕の胸に萌し始めたのも事実だった。
 渉、キミ…。
 ひょっとして、嫌がっていないんじやないの?
 同僚は渉をバックで犯しながら、両手を股間に回して彼の固くなった陰茎を握り、時折手のひらで亀頭を撫で回しつつ、自らが刻むピストン運動のリズムにに合わせて茎の部分をゆっくりと扱いている。
 巨漢はといえば、渉に己が一物をフェラチオさせながら、やはり両手を胸に伸ばして彼のビンビンに勃った両の乳首を弄っている。
 そのせいか、ここから見える渉の横顔は桜色に上気して、妙に蕩けたように弛緩しているのだ。
 凌辱されて、悦んでいる…?
 そんなこと、あるはずがない。
 これは立派なセクハラだ。
 公に訴え出てもいいほどの案件だろう。
 けど…。
 そこまで考えて、僕は耳朶まで赤くした。
 あの時僕自身は、どうだった?
 多機能トイレで、地下鉄で、見知らぬ他人に乳首と性器を嬲られた時ー。
 ひょっとして、感じちゃったのではなかったか? 
 
 
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