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第一章
第三話
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「家まで送って頂き、ありがとうございました」
「いえいえ、男性である悟さんに何かあっては事ですから」
病院を退院した俺は家まで送って貰って今、玄関の前にいる
記憶を失ってからも家族とは何回か会っているが、改めて血のつながっていない家族と一緒に生活をするとなると――って、いつまでもここで悩んでいても仕方がないか
思いっ切ってドアノブに手をかけようとしたその時、それよりも先にドアが開いて俺の胸の中に美少女が飛び込んできた
「お兄ちゃんお帰り!!」
「ただいま……相変わらず元気だな、由梨」
「えへへっ、今日からお兄ちゃんと一緒に暮らせるんだからテンションも上がるよ!!」
今、俺に抱き着いているのは義理の妹の由梨ゆり、可愛らしい顔立ちの十四歳の中学生だ。少し天然な所と明るい髪が特徴的で、常に元気いっぱいだ。
「ねぇ、お兄ちゃん……頭撫でて?」
グイグイ来る由梨に俺は少し戸惑いながらも、上目遣いで身体を密着させながらおねだりしてくる彼女の頭を撫でる
「えへへぇ、安心するう……いい匂いぃ……」
「由梨、長々と玄関先で弟くんに甘えてないの。ほら、一旦離れて」
「えぇー、まだお兄ちゃん成分が足りてないのにぃ」
「甘えるのは後でもいいでしょ?」
今、由梨を引き離したのが義理の姉の朱莉あかり姉さん。美しい顔立ちが特徴的な十九歳の大学生で、その明るい性格が容姿にもよく表れている。周囲から愛されてるタイプの美人だ。
ちなみに俺も含めたこの世界の大多数の人は精子バンクを利用して生まれるので、基本的に父親はいない。
よって、俺の家族は今、目の前にいる朱莉あかり姉さんと妹の由梨ゆりと海外にいる母さんの三人だ。
「……あぁ、もう少し抱き着いていたかったのにぃ」
「もう十分撫でてもらったでしょ……それとも、そんなに撫でて欲しいなら私がしてあげよっか?」
「ええー、お兄ちゃんがいいー」
付け加えると姉さんと由梨は、仕事柄日本に居られない母さんが俺の為にとった養子の為、俺と二人に血のつながりはない。
「それよりも弟くん、お帰り。身体はもう大丈夫?どこも痛くない?」
「うん、大丈夫だよ……逆に、姉さんは大丈夫?少し疲れているように見えるけど」
「ここ最近は色々忙しくて大変だったから、少し疲れてるのかも」
「そっか、俺に手伝える事があったら何でも言ってよ。手伝うから」
「弟くん……」
「じゃあ!早速私がお兄ちゃんにこの家を案内するね!」
朱莉姉さんと話していると突然、会話に割り込む形で由梨が俺の手を取った
「なら、私はその間に晩御飯の準備をしておくから……二人共また後でね」
◆◆
「お兄ちゃ~ん、こっちこっち~ここがお兄ちゃんのお部屋だよ」
「これが……」
由梨に案内してもらって自分の部屋に入ったが、何だか居心地があまりよくない
記憶をなくしているから当然と言えば当然だが、他人の部屋にいるみたいだ
「やっぱり……私に何も言わないんだね」
「ん、どういうこと……?」
「前までのお兄ちゃんだったら絶対に私を部屋に入れてくれなかったから」
「あのさ……聞きづらいんだけど、記憶を無くす前の俺と由梨って……仲、悪かったのか?」
「……うん、私は仲良くしたかったんだけど……前までのお兄ちゃんて女の人全員を嫌ってたし……まあ、それが普通で仕方が無いって事は分かってはいたけどさ……」
女の人全員って……全員?前の俺は幼馴染の美羽みうと付き合っていたこと、家族に話していなかったのか?
「女の人全員を嫌っていた……そうだったんだな」
「だからっ、私は今のお兄ちゃん方が大好きだよ!今のお兄ちゃんなら、昔した私の一番大事な約束も守ってくれそうだし!……あ!そう言えば、まだまだ案内してない所一杯あるんだった!ね!一緒に腕を組んで行こ!!」
「それは……」
義理とはいえ、もう中学三年の妹と腕を組むのって……どうなんだ?
ま、問題ないか
「ほらっ、早く早く!」
「はいはい」
「面会もあんまさせてもらえなくて、寂しかったんだから!その分もいっぱい私にかまってよね!」
「分かったよその分も今日から沢山相手してあげるから」
俺がそう言って由梨の頭を撫でると由梨は嬉しそうに笑ってくれた
その後、家の案内を一通り聞いた俺は由梨とリビングに向かった
「いえいえ、男性である悟さんに何かあっては事ですから」
病院を退院した俺は家まで送って貰って今、玄関の前にいる
記憶を失ってからも家族とは何回か会っているが、改めて血のつながっていない家族と一緒に生活をするとなると――って、いつまでもここで悩んでいても仕方がないか
思いっ切ってドアノブに手をかけようとしたその時、それよりも先にドアが開いて俺の胸の中に美少女が飛び込んできた
「お兄ちゃんお帰り!!」
「ただいま……相変わらず元気だな、由梨」
「えへへっ、今日からお兄ちゃんと一緒に暮らせるんだからテンションも上がるよ!!」
今、俺に抱き着いているのは義理の妹の由梨ゆり、可愛らしい顔立ちの十四歳の中学生だ。少し天然な所と明るい髪が特徴的で、常に元気いっぱいだ。
「ねぇ、お兄ちゃん……頭撫でて?」
グイグイ来る由梨に俺は少し戸惑いながらも、上目遣いで身体を密着させながらおねだりしてくる彼女の頭を撫でる
「えへへぇ、安心するう……いい匂いぃ……」
「由梨、長々と玄関先で弟くんに甘えてないの。ほら、一旦離れて」
「えぇー、まだお兄ちゃん成分が足りてないのにぃ」
「甘えるのは後でもいいでしょ?」
今、由梨を引き離したのが義理の姉の朱莉あかり姉さん。美しい顔立ちが特徴的な十九歳の大学生で、その明るい性格が容姿にもよく表れている。周囲から愛されてるタイプの美人だ。
ちなみに俺も含めたこの世界の大多数の人は精子バンクを利用して生まれるので、基本的に父親はいない。
よって、俺の家族は今、目の前にいる朱莉あかり姉さんと妹の由梨ゆりと海外にいる母さんの三人だ。
「……あぁ、もう少し抱き着いていたかったのにぃ」
「もう十分撫でてもらったでしょ……それとも、そんなに撫でて欲しいなら私がしてあげよっか?」
「ええー、お兄ちゃんがいいー」
付け加えると姉さんと由梨は、仕事柄日本に居られない母さんが俺の為にとった養子の為、俺と二人に血のつながりはない。
「それよりも弟くん、お帰り。身体はもう大丈夫?どこも痛くない?」
「うん、大丈夫だよ……逆に、姉さんは大丈夫?少し疲れているように見えるけど」
「ここ最近は色々忙しくて大変だったから、少し疲れてるのかも」
「そっか、俺に手伝える事があったら何でも言ってよ。手伝うから」
「弟くん……」
「じゃあ!早速私がお兄ちゃんにこの家を案内するね!」
朱莉姉さんと話していると突然、会話に割り込む形で由梨が俺の手を取った
「なら、私はその間に晩御飯の準備をしておくから……二人共また後でね」
◆◆
「お兄ちゃ~ん、こっちこっち~ここがお兄ちゃんのお部屋だよ」
「これが……」
由梨に案内してもらって自分の部屋に入ったが、何だか居心地があまりよくない
記憶をなくしているから当然と言えば当然だが、他人の部屋にいるみたいだ
「やっぱり……私に何も言わないんだね」
「ん、どういうこと……?」
「前までのお兄ちゃんだったら絶対に私を部屋に入れてくれなかったから」
「あのさ……聞きづらいんだけど、記憶を無くす前の俺と由梨って……仲、悪かったのか?」
「……うん、私は仲良くしたかったんだけど……前までのお兄ちゃんて女の人全員を嫌ってたし……まあ、それが普通で仕方が無いって事は分かってはいたけどさ……」
女の人全員って……全員?前の俺は幼馴染の美羽みうと付き合っていたこと、家族に話していなかったのか?
「女の人全員を嫌っていた……そうだったんだな」
「だからっ、私は今のお兄ちゃん方が大好きだよ!今のお兄ちゃんなら、昔した私の一番大事な約束も守ってくれそうだし!……あ!そう言えば、まだまだ案内してない所一杯あるんだった!ね!一緒に腕を組んで行こ!!」
「それは……」
義理とはいえ、もう中学三年の妹と腕を組むのって……どうなんだ?
ま、問題ないか
「ほらっ、早く早く!」
「はいはい」
「面会もあんまさせてもらえなくて、寂しかったんだから!その分もいっぱい私にかまってよね!」
「分かったよその分も今日から沢山相手してあげるから」
俺がそう言って由梨の頭を撫でると由梨は嬉しそうに笑ってくれた
その後、家の案内を一通り聞いた俺は由梨とリビングに向かった
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