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第二章
第十一話
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「悟くんの席は美羽さんの隣だから……美羽さん、しっかりとエスコートしてあげてね」
「はい!行こう、悟」
「うん」
俺は美羽の後について行って、一緒に席に向かう。
俺の席は窓際の一番後ろの席だった
席に着き、ホームルームが終わると前の席に座っていた女子が立ち上がって話しかけてきた
「初めまして、私の名前は水島 結衣。あなたの護衛生徒の一人よ……悟くん、これからよろしくね」
華奢でスポーティーな雰囲気がある結衣からは、しっかり者な印象を受けた
「よろしく結衣……というか、俺の護衛生徒って美羽一人だけじゃなかったんだ」
続いて、右ななめ前の席の女子にも話しかけられる
「男子生徒一人につき、三人以上の女子生徒を護衛として付ける。それが規則だから……ちなみに、私もあんたの護衛生徒の一人だよ、名前は朝倉 美月。よろしくね、悟」
美月は清楚せいそで端正たんせいな顔立ちをしていて、透明感のある美しい容姿をしている。上品でクールな雰囲気を漂わせていて、少し近寄りがたいイメージだ。
「こちらこそよろしく、仲良くしてくれると嬉しいよ。美羽以外の友達も欲しいと思ってたんだ」
「悟、友達は私一人だけがいれば十分でしょ?なんで、わざわざ他の子とも仲良くなろうとするの?……悟には私だけでいいじゃん」
美羽は頬をプクーっと膨らませ、いかにも『私は怒ってます!』みたいな反応を見せた
だけど、それが逆に可愛いらしい
「悟くんと美羽ちゃんは付き合ってるの?」
美羽とやり取りをしていると結衣が興味ありげな顔で聞いてきた
「いや、付き合ってはないけど」
「私と悟はこれから付き合うんだから、拡大解釈すればもう婚約していると言ってもいいかも……」
美羽が訳のわからないことを言い出したので、聞かなかったことにして流すことにした
「もう、美羽ちゃんは本当に悟くんの事が大好きなんだね……たしかに、なんか悟くんを見てると守ってあげたくなっちゃうな……カッコいいってだけじゃなくて……何か、こう……お腹の下あたりに……クル、感じ……あれ?……私、ちょっと変かも……」
結衣はそんなことをつぶやきながら、俺のことをかなり熱のこもった目でジーっと見てきた
「そんなに見つめて……結衣、もしかして俺のこと好きになった?」
結衣があまりにもガン見してきたので、俺は冗談半分で聞いてみた
「は、はぁ!?そ、そんなんじゃ、ないし!……って、ちょっと美月っ、悟くんも、ニヤニヤするな!!」
結衣は顔を赤らめて、目に見えて動揺しはじめた
「ごめんごめん、冗談だよ」
俺がからかうようにそう言うと、結衣は少しムッとした表情になる
「か、勘違いしないでよねっ、私はあくまでも護衛として、気になってるだけだから!」
「じゃあ、俺が他の子と仲良くなっても問題ないってこと?」
「べ、別にっ、悟くんが誰と仲良くなろうと……私の生活にはなんの影響もないし、嫉妬するようなことも絶対にないんだから!」
「結衣、流石に動揺しすぎ」
美月はそんな結衣の反応を見て、新しいおもちゃを見つけた子供のように嬉しそうな表情をしている
「べ、別に動揺なんて……もう!ちょっと、トイレに行ってくる!」
そう言って結衣は教室を出て行った
「あーあ、結衣、気になってるのならもっと素直になればいいのに」
美月は少し呆れたようにそうつぶやいた
「美月は結構大人びてるよな、なんか……もう色々と経験してる、って感じ」
俺は冷静な美月を見て、思わず思ったことを口に出してしまった
「へー、あんたには私がそう見えるんだ……じゃあ、私が本当に大人かどうか……試してみる?」
「試すって、からかわないでくれ」
「心配しなくても大丈夫だよ、あんたの貞操には手を出さないから……」
美月は少しいたずらっぽく笑ってそう言ってきたが、何故かその顔はどこか悲しげにも見えた
「はい!行こう、悟」
「うん」
俺は美羽の後について行って、一緒に席に向かう。
俺の席は窓際の一番後ろの席だった
席に着き、ホームルームが終わると前の席に座っていた女子が立ち上がって話しかけてきた
「初めまして、私の名前は水島 結衣。あなたの護衛生徒の一人よ……悟くん、これからよろしくね」
華奢でスポーティーな雰囲気がある結衣からは、しっかり者な印象を受けた
「よろしく結衣……というか、俺の護衛生徒って美羽一人だけじゃなかったんだ」
続いて、右ななめ前の席の女子にも話しかけられる
「男子生徒一人につき、三人以上の女子生徒を護衛として付ける。それが規則だから……ちなみに、私もあんたの護衛生徒の一人だよ、名前は朝倉 美月。よろしくね、悟」
美月は清楚せいそで端正たんせいな顔立ちをしていて、透明感のある美しい容姿をしている。上品でクールな雰囲気を漂わせていて、少し近寄りがたいイメージだ。
「こちらこそよろしく、仲良くしてくれると嬉しいよ。美羽以外の友達も欲しいと思ってたんだ」
「悟、友達は私一人だけがいれば十分でしょ?なんで、わざわざ他の子とも仲良くなろうとするの?……悟には私だけでいいじゃん」
美羽は頬をプクーっと膨らませ、いかにも『私は怒ってます!』みたいな反応を見せた
だけど、それが逆に可愛いらしい
「悟くんと美羽ちゃんは付き合ってるの?」
美羽とやり取りをしていると結衣が興味ありげな顔で聞いてきた
「いや、付き合ってはないけど」
「私と悟はこれから付き合うんだから、拡大解釈すればもう婚約していると言ってもいいかも……」
美羽が訳のわからないことを言い出したので、聞かなかったことにして流すことにした
「もう、美羽ちゃんは本当に悟くんの事が大好きなんだね……たしかに、なんか悟くんを見てると守ってあげたくなっちゃうな……カッコいいってだけじゃなくて……何か、こう……お腹の下あたりに……クル、感じ……あれ?……私、ちょっと変かも……」
結衣はそんなことをつぶやきながら、俺のことをかなり熱のこもった目でジーっと見てきた
「そんなに見つめて……結衣、もしかして俺のこと好きになった?」
結衣があまりにもガン見してきたので、俺は冗談半分で聞いてみた
「は、はぁ!?そ、そんなんじゃ、ないし!……って、ちょっと美月っ、悟くんも、ニヤニヤするな!!」
結衣は顔を赤らめて、目に見えて動揺しはじめた
「ごめんごめん、冗談だよ」
俺がからかうようにそう言うと、結衣は少しムッとした表情になる
「か、勘違いしないでよねっ、私はあくまでも護衛として、気になってるだけだから!」
「じゃあ、俺が他の子と仲良くなっても問題ないってこと?」
「べ、別にっ、悟くんが誰と仲良くなろうと……私の生活にはなんの影響もないし、嫉妬するようなことも絶対にないんだから!」
「結衣、流石に動揺しすぎ」
美月はそんな結衣の反応を見て、新しいおもちゃを見つけた子供のように嬉しそうな表情をしている
「べ、別に動揺なんて……もう!ちょっと、トイレに行ってくる!」
そう言って結衣は教室を出て行った
「あーあ、結衣、気になってるのならもっと素直になればいいのに」
美月は少し呆れたようにそうつぶやいた
「美月は結構大人びてるよな、なんか……もう色々と経験してる、って感じ」
俺は冷静な美月を見て、思わず思ったことを口に出してしまった
「へー、あんたには私がそう見えるんだ……じゃあ、私が本当に大人かどうか……試してみる?」
「試すって、からかわないでくれ」
「心配しなくても大丈夫だよ、あんたの貞操には手を出さないから……」
美月は少しいたずらっぽく笑ってそう言ってきたが、何故かその顔はどこか悲しげにも見えた
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