12 / 48
第二章
第十二話
しおりを挟む
四時間目の授業が終わり、昼休みになった
周りを見渡すとクラスの女子達は、ちらほらと昼食を食べ始めている
「悟のお弁当作ってきたよ、私があーんってして食べさせてあげるから……ほら、口開けて」
隣に座る美羽はそう言うと卵焼きを箸で取って、俺の口に運んでくる
「……ん、美味しいよ。美羽、ありがとう」
「ちゃんと栄養バランスとかも考えて作ってるから、いっぱい食べてね!」
美羽は嬉しそうな笑顔で、俺の口に次々と食べ物を運んでくれる
「はい、あーんっ、」
「……ん、ウインナーもジューシーでいい味付けだね」
「あ、やっぱり気づいた?……私、悟のそういう細かい所に気づいてくれるところ、大好きだよ!はいっ、あーん」
「でも、流石にそろそろ自分で食べるよ。身体はもう元気だし……あと、さっきから皆にめっちゃ見られてるし」
「えー、悟がそんなこと気にしなくていいのに。体が元気だろうと男性は大切に扱われるべきだし……それに、周りはただ、私に嫉妬してるだけだと思うよ?」
そうなのか?自己紹介の時はあまりにも反応がなかったし、正直……他のクラスメートから自分がどう思われてるのかは全く分からないが……
「ほ、ほらっ、……あ、あーん」
すると今度は結衣が自分のハンバーグを箸で取り、俺の口元に運んできた
色鮮やかであまりにも美味しそうだったので、俺はそれをパクッと食べた
「このハンバーグ、旨すぎ……!!これ、結衣が自分で作ったの?」
「ま、まあね!」
「凄いな、プロが作ったみたいなクオリティの味だ」
「べ、別に、これくらい全然大したことじゃないし……あ、あなたのためなら、これくらい毎日だって作ってあげるし……というか、作らせてほしい……し」
結衣が顔を赤くしながらそう言うと、美羽が不満そうな顔でこちらを見てきた
「むぅ……ねぇ、悟、あーん、ってして私に食べさせて」
「いいよ、はい」
「……んっ、うん。やっぱり、悟に食べさせて貰った方が、数倍美味しく感じる……ね、もう一口ちょうだい?」
「美羽ちゃんだけずるい!私にも、あーんってして欲しい……!!」
結衣もおねだりしてきたので、俺は彼女の口にも箸で食べ物を持っていってあげた
「んっ、はぁ……美味しい」
結衣は恍惚こうこつとした表情でそう呟いたあと、この弁当に媚薬でも入ってるのかと疑いたくなる勢いで俺の目を熱く見つめてきた
「ちょっと、結衣ちゃん。私の悟をそんなに興奮した目で見ないでくれる?悟は私のものなんだけど」
美羽は不機嫌そうに言う
「はぁ!?ち、違うし、興奮なんかしてないからっ、……私はただ、護衛生徒として、悟くんを監視していただけよ!」
結衣も負けじと言い返す
「私の悟をそんな変態的な目で見ておいてよく言うよ」
「私の私のって、悟くんはまだ誰のものでもないでしょ?」
二人はバチバチと火花を散らしながら睨み合っている
収拾がつかなくなってきた為、美月はため息を吐きながら二人の間に割って入った
「護衛生徒が二人で喧嘩してたら不味いでしょ」
美月がそう言うと、二人は渋々、といった様子で引き下がった
「分かったよ、たしかに護衛生徒同士が争うのが一番危険だもんね……でも、私は美月ちゃんにも負けないからね」
美羽は闘志を剥き出しにしてそう言った
「私も当然、誰にも譲る気はないわ!私こそが一番相応しいって証明してみせるんだから!」
結衣も対抗心を燃やしているようだ
「私は別に狙ってる訳じゃないんだけど……とりあえず、授業も始まるから早く食べて準備しなよ」
予鈴を告げる音が鳴ったので、美月は二人の気持ちをなだめつつ、準備をして席に着くよう促した
周りを見渡すとクラスの女子達は、ちらほらと昼食を食べ始めている
「悟のお弁当作ってきたよ、私があーんってして食べさせてあげるから……ほら、口開けて」
隣に座る美羽はそう言うと卵焼きを箸で取って、俺の口に運んでくる
「……ん、美味しいよ。美羽、ありがとう」
「ちゃんと栄養バランスとかも考えて作ってるから、いっぱい食べてね!」
美羽は嬉しそうな笑顔で、俺の口に次々と食べ物を運んでくれる
「はい、あーんっ、」
「……ん、ウインナーもジューシーでいい味付けだね」
「あ、やっぱり気づいた?……私、悟のそういう細かい所に気づいてくれるところ、大好きだよ!はいっ、あーん」
「でも、流石にそろそろ自分で食べるよ。身体はもう元気だし……あと、さっきから皆にめっちゃ見られてるし」
「えー、悟がそんなこと気にしなくていいのに。体が元気だろうと男性は大切に扱われるべきだし……それに、周りはただ、私に嫉妬してるだけだと思うよ?」
そうなのか?自己紹介の時はあまりにも反応がなかったし、正直……他のクラスメートから自分がどう思われてるのかは全く分からないが……
「ほ、ほらっ、……あ、あーん」
すると今度は結衣が自分のハンバーグを箸で取り、俺の口元に運んできた
色鮮やかであまりにも美味しそうだったので、俺はそれをパクッと食べた
「このハンバーグ、旨すぎ……!!これ、結衣が自分で作ったの?」
「ま、まあね!」
「凄いな、プロが作ったみたいなクオリティの味だ」
「べ、別に、これくらい全然大したことじゃないし……あ、あなたのためなら、これくらい毎日だって作ってあげるし……というか、作らせてほしい……し」
結衣が顔を赤くしながらそう言うと、美羽が不満そうな顔でこちらを見てきた
「むぅ……ねぇ、悟、あーん、ってして私に食べさせて」
「いいよ、はい」
「……んっ、うん。やっぱり、悟に食べさせて貰った方が、数倍美味しく感じる……ね、もう一口ちょうだい?」
「美羽ちゃんだけずるい!私にも、あーんってして欲しい……!!」
結衣もおねだりしてきたので、俺は彼女の口にも箸で食べ物を持っていってあげた
「んっ、はぁ……美味しい」
結衣は恍惚こうこつとした表情でそう呟いたあと、この弁当に媚薬でも入ってるのかと疑いたくなる勢いで俺の目を熱く見つめてきた
「ちょっと、結衣ちゃん。私の悟をそんなに興奮した目で見ないでくれる?悟は私のものなんだけど」
美羽は不機嫌そうに言う
「はぁ!?ち、違うし、興奮なんかしてないからっ、……私はただ、護衛生徒として、悟くんを監視していただけよ!」
結衣も負けじと言い返す
「私の悟をそんな変態的な目で見ておいてよく言うよ」
「私の私のって、悟くんはまだ誰のものでもないでしょ?」
二人はバチバチと火花を散らしながら睨み合っている
収拾がつかなくなってきた為、美月はため息を吐きながら二人の間に割って入った
「護衛生徒が二人で喧嘩してたら不味いでしょ」
美月がそう言うと、二人は渋々、といった様子で引き下がった
「分かったよ、たしかに護衛生徒同士が争うのが一番危険だもんね……でも、私は美月ちゃんにも負けないからね」
美羽は闘志を剥き出しにしてそう言った
「私も当然、誰にも譲る気はないわ!私こそが一番相応しいって証明してみせるんだから!」
結衣も対抗心を燃やしているようだ
「私は別に狙ってる訳じゃないんだけど……とりあえず、授業も始まるから早く食べて準備しなよ」
予鈴を告げる音が鳴ったので、美月は二人の気持ちをなだめつつ、準備をして席に着くよう促した
44
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる