僕の彼女は、男子高校生

ぱるゆう

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 夏休み開け、夏樹とは学校で見かけると話すようになっていた。

 いつまで立っても顔と声は一致するが、制服に違和感があり、男装しているように感じられた。

 夏樹は一緒に遊びに行きたいと言うが、土日は基本的にバイトなので無理だと言っていた。

『それに由紀が何と言うか』

『由紀ちゃんも一緒でいいよ』

『まぁ、それなら大丈夫かもしれないけど』

 放課後は?と言うと、この服装では嫌だと夏樹が言うので、なかなか予定が組めない。

 そうしているうちに、マスターから話があった。来年、由紀が受験だから、バイトは基本的に休ませるつもりだと。

『お店、大丈夫なの?お父さん』

『もちろん、母さんと2人じゃ、家のことができなくなってしまうので、パートの人を雇うつもりだよ』

『若くて美人を募集しますって書いたほうがいいよ。看板娘が店にいなくなるんだから』

『基本的に土日だし、クリスマスも出勤してもらうから、できれば、子育て終わって、時間に余裕がある人がいいんだよ』

『うちの母さんとか?』と優斗は言った。

『大歓迎だけど、無理だ』と即答された。

 ビックリして『えっ、なんで?』と言った。

『優斗の父親が許すはずがない』

 優斗は、色々と考えたが、分からなかった。『なんで?』

『父親は、母親のことを家に置いときたいんだよ。悪い虫がつかないように』

『ホントに?』

『未だに俺と2人でいても、嫌な顔をされる』

『俺は可愛い系が好きなんだと言っても、聞きやしない』

 優斗は、母さんが自分とした理由が分かった。父さんが裏切られたことを知ったら、自殺しかねないな、と思った。

 それだけ愛されてるのは嬉しいことだが、非常にストレスを感じるだろう。

 だから、母さんは、こっそり父さんから逃げる方法を考えていたのだろう。

 なんだ、母さんも僕としたかったんじゃんと思った。

『今まで気づかなかった』と優斗と由紀は同時に言った。

『確かに美人ではあるが、40超えてるんだぞ。過保護すぎだ』

『そう言うお父さんだって、いつもお母さんと出掛けてるじゃない』

『それはあれだ。荷物持ちだ、荷物持ち。母さん力ないからなぁ』

『僕も荷物持ち、頑張るよ』

『後で極意を教えてやる』

『うわっ、面白そう』

 わっはっはと客のいない店内に響いた。

『そろそろ開店するよ』

店の扉を開け、いつもの客がいつものテーブルに座る。

『おはようございます。まだ暑いですね』とテーブルに水を置く看板娘。

 マスターはコーヒーを、優斗はトーストを焼く。

 看板娘は、次々と水を置いて、それぞれ世間話をしている。

『由紀、できたよ』とマスターが声を掛ける。優斗と手分けして、コーヒーとトーストを運ぶ。

 これで一段落。毎回のことだ。

 客は新聞を読んだり、冊子を読んだり、ラジオを聞いたり、それぞれの時間を過ごしている。

 珍しく大学生っぽい団体が来た。一気に店が騒がしくなる。

 マスターがお菓子を持って行って、
『これ、サービス。悪いけど、少しボリューム下げてくるかな?』

 学生達は、静かになった。

 すかさず看板娘が
『ご協力ありがとうございます。マスター、顔怖いけど、大丈夫ですよ。注文何にしますか?』と笑顔で話す。

 看板娘は、学生達に何か言われたのだろう。楽しそうに会話している。

 優斗も何回か見た親子のツープラトン攻撃。常連の客にも新しく来た客にも、きちんと対応する姿には、毎回感心する、と思っていた。

 由紀が戻って来て、注文を流す。マスターと優斗が手際よく動く。

 優斗が注文の品を運び、由紀がそれを配った。
『ごゆっくり。でも、大きい声は出さないでくれると嬉しいです』
 と笑顔て席を離れた。

 由紀がホールで立っていると、時たま、学生達が手をふる。由紀も笑顔で手をふりかえす。

 学生達が盛り上がると、由紀がし~っと口に指を立てる。学生たちが頭を掻く。

 しばらくして学生たちが席を立った、由紀がレジに行く。また来るねと言われて、お待ちしてます、と答える。

 店の窓の外から学生達が手をふる。由紀も答える。

 常連客から、由紀ちゃんありがとう、という声が次々と起こる。どういたしましてと由紀が応える。

 当然マスターは面白くないので、不貞腐れている。

『マスター、僕もこうなるんだね?』と言うと、

『多分な』と2人で笑った。

『本当に若い頃の母さんにそっくりだよ』

『女将さんもそんな感じする』

『客相手に、絶対に嫌な顔は見せない。本当に驚かされたよ』

『そういえば、結婚って店開く前なんだよね?』

『そう。初めて母さんに、脱サラして喫茶店やるって言った時も、一言、はいって言ったたけだ。
こっちが安定しないけどいいのか?不安はないのか?って言っちゃったよ』と苦笑いした。

『はっはっ、自分で言っちゃってる』と優斗も苦笑いする。

『ホントに滑稽だったよ』と当時を思い出している顔になった。

『何を言っても、あなたと一緒なら大丈夫としか言わない。母さんを悲しませたら、地獄に落ちると思ったよ。それから必死だった』

『そして由紀が産まれた』

『女には喫茶店できないってわけじゃないんだけど、俺は男の子が欲しくてな、でも、由紀があまりにも可愛くて、もうどうでも良くなった』

『うちの父さんとは大学の時からなんだよね?』

『そう。この店を買って引越してきたら、近くでばったり会って、向こうも奥さん連れてた。

 それから両方に子供ができて、優斗と由紀が同級生になるって分かったら、みんな大喜びしたよ』

『ほら、お父さん、お客さん来たよ』と由紀

 2人は、自分のポジションでスタンバった。優斗は、マスターの話を思い出して、なんかいいなって思った。

 店を閉めて洗い物が終わった後、優斗は、マスターに
『マスター、相談していい?』

『なんだ。改まって』そして、

『由紀、ちょっといい?』と呼んだ。

 客のいない喫茶店のテーブルに、3人は座った。

『マスター、由紀の大学の話なんだけど』

『あぁ」と応じる、

『僕も行こうと思うんだ』

『ホントに?』とまず由紀が喜んだ。

『僕はこの喫茶店を継ぐよ。でも、ただ継ぐんじゃなくて、新しいこともしてみたい。もちろん、ちゃんとマスターの技は残していきたい。

 だから、迷惑かけるかもしれないだけど、色々大学で勉強したい』

『いいと思うよ』

『ホントに?』

『迷惑かけるなんて言うなよ。まだまだ俺は現役引退するつもりはない。そもそも長く働きたくて。喫茶店を始めたんだ、だから4年くらいなんてことはない。

 パートを雇う人数が増えるだけだ』

『ありがとう、マスター、うちの両親にも言ってみるよ。じゃあまた明日』と帰って行った。

『ねぇ、お父さん、一つ聞いてみたいとずっと思ってたんだけど』

『なんだ、由紀まで』

『私とユウが大学卒業して、結婚して、子供作って、多分、後10年もかからないじゃない?』

『そうかもな』

『その頃、父さんまだ、50半ばでしょ。さっきも言ってたけど、長く働きたいって。家族6人になるけど、暮らせるの?』

『無理だろうな』

『えっ、でもユウには店を継いでほしいんでしょ』

『そのつもりだ』

『どうするの?』

『父さんとしては、優斗には、外で修行してきて欲しいと思ってる。優斗には料理の才能がある。喫茶店に縛られて欲しくない』

『えっ、父さんもそう思ってたんだ』

『あいつは調味料オタクだからな。固定概念に囚われす、色んなことを試して料理を美味しくしようとする。それを伸ばして欲しい。

これから話すことは、優斗には内緒だぞ』

『分かった』

『この店を探してくれた不動産屋に、いい物件ないか話をしている』

『えっ、それって』

『修行が終わった後、優斗が何もしたいと言うか分からないが、店を持たせたい。まだ気が早いけどな』

『お父さん、ありがとう』

『だから、2人でしっかり勉強してこい』

『うん』


 優斗は家に着いた。

 両親と夕飯を食べながら、わざと
『マスターがパート雇うって。母さん、どう?』と言ってみた。

 母は『そうねぇ』と言って父を見た。

 父は『母さんは家のことで忙しいんだ。パートに行ったら誰がやるんだ』と言った。

 母は、やっぱりという顔をした。優斗も、やっぱりという顔をした。

『私には無理かな』と母さんは言った。父は安堵の表情を浮かべた。

 父が風呂に入った。

 優斗がリビングでテレビを見ていると、母が

『優斗、私が約束させたんだけど』

 とスカートから下着を脱いだ。

『挿れてくれる?』

 優斗は、ビックリして何かを言おうとしたが、黙って、ズボンとパンツを脱いだ。 

 母が肉棒を咥えて、固くした。

『急がせて悪いんだけど』と言って、スカートをめくった。

 優斗は、後ろから挿れた。すでに濡れていて、すんなりと入った。腰をゆっくり動かしはじめた。

『激しくして」と母が言ったので、できる限り早く動いた。

 母は、口を押さえて声を我慢している。

 服を着たまましていることに興奮を覚えていたので、
『母さん、もう出そう』

『もう少し我慢して、私もいきそうだから』

 優斗はスカートを捲って、クリトリスを触った。

 母の体が仰け反った。ビクッビクッとした。
『もういい?中でいいの?』

『口に出して』と母は言った、

 優斗は、最後に目一杯動いて

『出すよ。こっち向いて』

 と肉棒を抜いた。母は振り返って咥えた。

 そして飲み込んだ。

 2人は肩で息をした。しかし休んでる暇はない、2人は下着を履いた。

『母さん、父さんの束縛に耐えられないんだね』

 母は分かりやすくドキッとした。『なっ、なんでそんなこと分かるの?』声は震えていた、

 優斗は、マスターから聞いた話をした、

『あ~ぁ、バレちゃったか。色々考えて、演技したのに』

『全部演技だったの?』

『そうよ、ずっとあなたにやらしいこと言ってたのも全部。由紀ちゃんと旅行に行く朝に流した涙も全部演技』

『逆に凄い』

『だって、ストレス解消のためにセックスして、なんて言えないでしょ。だから、優斗から私を求めるように仕向けたのよ』

『そんなことしなくても、ずっと僕は母さんを求めてたのに』

『それは。この前聞いたわ。嬉しいかったわ。父さん以外で、私を求めてくれたこと。

 でもね、優斗とできるって頭が覚えちゃったの。だから、さっきみたいなことを父さんから言われると、優斗としたくて堪らなくなっちゃう』

『さっきはビックリしたよ。このタイミング?って』

『はぁあ。バレたのが分かったら、ますます歯止めが効かなくなりそう』

『僕が気をつけるよ、母さんを守る』

『ありがとう。頼りにしてるわ』

 父さんがリビングに戻った。母は台所に、優斗はソファーに座ってテレビを見ていた。

『母さん先入っていいよ。僕はこれが終わってから入るから』と言った。
 優斗は、自分が風呂に入ってる間に、父が母の股間を触って濡れているのを確認したらマズイと思っていた。母は何かを感じ、
『そう、じゃあ入っちゃおうかしら』

『ごゆっくり』

 父は何も言わず、冷蔵庫から麦茶を出して飲んだ。

 優斗は、母の後に風呂に入り、ベッドに横になってから、大学のことを話しそびれたことに気が付いた。

 まぁいい明日話そう、少なくとも母さんは応援してくれるたろう、母と短い間だけだったが、できたことに満足して、眠りについた。

 次の日、優斗は、バイトを終えた後、両親に大学に行きたいと話した。

 父も母も喜んでくれた。

『とりあえず勉強を頑張らなくちゃね』

 それから優斗は分からないことを先生に質問に行くようにした。

 先生達は、初めは驚いていたが、きちんと教えてくれた。

 たまに喫茶店で売っているお菓子を差し入れした。先生達は、そんなものいらないと言ったが、美味しいと職員室で話題になった。

 次のテストは、成績がかなり上がった。優斗は。分からなかったんじゃなくて、やらなかっただけだと気づいた。職員室で先生達にお礼を言った。

 両親と由紀は、自分のことのように喜んでくれた、


 そんな中、早苗からラインが届いた。

 寂しいよと。

 優斗は。すっかり早苗のことを忘れていた。

 その夜、早苗に会いに行った。

『あっ優斗、やっと来てくれた』

『ごめん、しばらく会えなくて』

『優斗が入ると、いつも綺麗にされていた部屋が荒れていた』

『全然連絡くれないんだもん。待ち切れなくなっちゃった』

『ごなめんなさい。色々忙しくて」

『どうする?すぐする?』

『ちょっと待って。少し話しよう』

『うん。いいけど』

『仕事は行ってるの?』

『ちゃんと行ってるよ。優斗が買いに来るかもって思って』

『そうか良かった。新しい彼氏はできそう?』

『友達が合コンさそってくれて、優しそうな人がいたから、ホテルに言ったんだけど、服脱がされそうになったら、優斗の顔が浮かんで泣いちゃった。それで何もしないで帰って来た』

『なんで僕の顔が』

『私も分かんないよ』

『僕もそろそろ会うのは限界だよ』

『いや、そんなこと言わないで』早苗は泣きそうな目をした。

 優斗は、前なら励ましただろうが、冷静な目で見た。自分の中での早苗の存在が小さくなっていることに気がついた。
母と関係を持ったせいなのだろうか?早苗は母の代わりだったのか?と頭の中で巡った。

『ても、いつまでも続けられないよ』

『分かってるよ』

『いいや、分かってない。早苗は僕にとって体だけの関係なんだよ。好きなわけでも、大切に思っているわけでもない』

『いや、聞きたくない』と耳を塞いだ。

『分かった。聞かないなら帰る』
 優斗は立ち上がって、玄関に向かった。

 早苗は立ち上がって、優斗にしがみついた。

『いいよ。体だけでいいから。私を一人にしないで』

『やって帰る。それだけでいいの?』

『嫌だけど、優斗が来なくなるくらいなら、それでもいい』

『そういうことを言ってるんじゃないんだよ。それなら誰だっていいじゃないか。僕じゃなくても』

『優斗がいいの。他の人じゃやだ』

『分かった。さっさとやって帰る』

『うん。分かったよ』

 優斗は、先にベッドに行った。

 早苗を寝かせ、スカートの下から下着を脱がせた。

 優斗もズボンとパンツを脱いだ。

 全く大きくなっていない。優斗は、早苗の顔の横に肉棒を置いた。

 早苗は咥えた。なかなか大きくならない。早苗は手も使ってしごいた。

 それでも反応がない。早苗は泣き出した。それでも懸命に続けた。

 早苗の涙に興奮した優斗は、それが肉棒に伝わっだ。

 固くなると、早苗の股間に行き、挿入した。

『痛い、まだ濡れてない』早苗の顔が苦痛で歪む。

 構わず優斗は腰を動かした。徐々に濡れてきて、動きやすくなった。

 優斗は無言で続けた。

 早苗は嗚咽を漏らしながら泣いていた。

 それでも時々、喘ぎ声を出した。

 そして、優斗は服の上に射精した。

 泣いている早苗の顔に肉棒を咥えさせ、綺麗にした。

 何も言わず部屋を出た。優斗も泣いていた。

 優斗は、泣きながら早苗の部屋から走って逃げた。

 しばらくすると、トボドボと歩いた。

『ダメだ、戻っちゃダメだ』

 そして優斗は歩くのを止め、空を見上げた。涙が頬を伝う。

『由紀ごめん』

 優斗は向きを変え、走り出した。

 ドアは鍵がかかっていないままだった。

『早苗!』ドアを勢いよく開けた。キッチンのある部屋には姿がなかった。ベッドのある部屋に急ぐ。

 そこには、服の上に精子が残ったのままの早苗が横になっていた。

『早苗!』

『ほら、やっぱり戻って来てくれた。私の勝ちよ。フフフッ』

『早苗、ごめん』と早苗の枕元に行く。

『今ね。賭けをしたの。
 誰かが私の耳元で、優斗にまで逃げられた。もう生きている価値はないって言うから、私は絶対に戻っで来るって言ったの。

 そうしたら、命を賭けるか?って言うから、

 命を賭けて、優斗が戻っで来るって誓ったの。

 それで、私の勝ちって言ったら、その声は消えた』

 優斗は愕然とした。戻ってきて良かったという思いと、早苗が自殺しかねないという恐怖で。

『早苗とりあえず着替えよう』と早苗を起こした。

『優斗、こんないっぱい出して』

『うん。いっぱい出た』

 優斗が服を脱がせた。

 ブラだけの姿になった。

 優斗は脱いだ服を持って部屋を出ていこうとした。

『優斗、行かないで』

『すぐに戻ってくる。約束する』

 優斗は部屋を出て、風呂場で服から精子を流し、洗濯できそうなものは、洗濯籠に入れた。ダメそうなものは、洗剤で揉み洗いして、風呂場に干した。

 部屋に戻ると、早苗はそのままの姿でいた。

『早苗、下着どこ?』早苗はなんとか起き上がり、下着を出した。

 立ったままの早苗に優斗が履かせた。

『寝間着は?』早苗が指差した。クローゼットからスエットを出した。

 また、優斗が着せた。

 優斗は早苗の手を引いて、ベッドに寝かせた。

『寝るまで一緒にいるから、大丈夫だよ』

『キスして』優斗は軽くキスをした。

 そんなに時間はかからず、早苗は寝息を立てた。

 優斗は、テーブルに、鍵はキッチンの窓から入れとく、と書き置きして、部屋を出た。

 優斗は、事の深刻さにゆっくり歩いて考えた。

 どうしたらいいんだ?、高校生には重い課題だった。


 珍しく父が飲み会で帰りが遅いという日があった。

 その日家に帰ると、母は、胸元の大きく開いたシャツに、フレアのミニスカートを履いていた。

 優斗の股間は、素直に反応し、前かがみになった。

『母さん、誰か来たら、どうするつもりなの?』

『そうしたら、これ着るから』

 と膝下まであるカーディガンを見せた。

『どうする?ご飯?それとも、わ、た、し?』

『先にシャワー行ってきていい?』

『汗臭くてもいいのに。いますぐ襲ってきてもいいのよ』

『流石に。父さん、何時頃帰ってくるの?』

『今なら早くて3時間半ってところね』

『すぐ出てくる。先に母さんがいい。食べてる時間が勿体ない』

『じゃあ、ベッドで待ってるわよ』

『分かった』と風呂場に向かった。

『母さん、もうやる気満々だな。まぁ、嬉しいけど。あぁ、あのスカート履かせたまましたら、興奮するなぁ』と肉棒をますます固くした。

 優斗は全裸のままベッドに行くと、母は下着姿で横になっていた。少し残念に思ったが、肉棒はそんなことは関係なかった。

 すぐにベッドに入り、

『母さん、大好き』

『私も優斗が大好きよ』

 2人は舌を絡めあった。

 母の耳元で、

『母さん、エロ過ぎて、オチン◯◯が痛くなっちゃうよ』と囁いた。

 母は喘ぎ声を漏らして、肉棒を握った。

 優斗も声を漏らし、
『母さんの手、気持ちいい』と囁いた。

 優斗はだんだん下の方に向かった。

 股間に顔を埋めて愛撫した。母は、腰をよじりながら、声を上げた。

 優斗は顔を上げ、母にキスをした。

 今度は、母が上になり、優斗の耳元で
『優斗のオチン◯◯で何回もいかせて』と囁いて、

 上から下へと愛撫した。そして口に咥えた。

 優斗が顔を起こすと、母はいらやらしく肉棒を舐めた。優斗は耐えきれなくなって背中を反らした。

『あぁ、母さん、気持ちいい。お口、気持ちよいいよぉぉ』

 そして、
『母さん、もうダメ、出ちゃうよ。あぁぁ』

 と射精した。母は、ごくっと飲み込み、再び舐め始めた。

『母さん、また出ちゃうから。挿れさせて、母さんの中に入りたい』

 母は、やっと止めて、優斗と舌を絡めた。

 母は勇斗に跨って挿れた。母が腰を下ろす度にベッドが揺れる。

『あぁぁ、優斗の固いオチン◯◯が奥に当たる。当たってる』

『母さん、ギュッと締めてきて、気持ちいい』

 2人の喘ぎ声とベッドのきしみ音、そして肉のぶつかり合う音が部屋に響く。

『出ちゃう。お薬大丈夫なの?』

『大丈夫よ。いっぱい奥に出して』

『母さん、ずっと大好きだよ』

『優斗、ずっと私をかわいがってね』

 優斗は母の腰を掴んで、下から打ち上げた。

 あぁぁという母の声とともに、

『優斗の精子が、奥に当たってる。あったかいのが注がれてる』と母はビクビクっとして、優斗の上半身に倒れた。

 優斗は、荒い息を吐きながら、母を抱きしめた。

 時計を見た、父が帰ってくるまで2時間以上あった。

『母さん、もう一回いい?時間大丈夫そうだから』

『ご飯はいいの?』

『部活で遅くなったことにするから』

『しょうがないわね。どうしたい?』

『バックでしたい。母さん。そのまま後ろ向ける?』

 母は、肉棒が刺さったまま、半回転した。

 優斗は母の腰を掴みながら上半身を起こした。そして足を抜いた。

 母が落ちそうなので、少しずつ位置を変えた。

『あぁ、母さんの奥まで届く感じがする』

『うん。奥まで届いてるわよ』

 優斗は腰を動かした。

 腰を打ち付ける度に、母から声が漏れる。

『何回しても母さんの体、気持ちいい。腰が止まらない。もっともっとって動いちゃう。
 これじゃ、由紀じゃ満足できなくなっちゃうよ』

『そのうち由紀ちゃんもそうなるわよ。それまでは、母さんの体で気持ちよくなって。いっぱいいっぱい出して』

『母さんも、僕のオチン◯◯で、いっぱい気持ちよくなって。何回もいって』

 優斗は腰の動きを早めた。母の声も大きくなる。

『あぁ、母さん、腰が止まらないよ』

『優斗、またいっちゃう、優斗のオチン◯◯でいかされちゃう』

 あぁぁと、2人は同時に声を上げ、母はぐったりと、優斗は射精した。

 母の体が射精される度にビクッとした。

 優斗は、荒い息のまま腰を動かし始めた。

『何?、まだするの?』

『もう少しだけ、お願い』

『あぁぁ、今いったのに。またいっちゃう。いったばかりなのに』

 優斗はクリトリスを触った。

『ダメ、いっちゃう、そんなところ触られたらいっちゃうよぉ』

『母さん、すぐ出ちゃう。オチン◯◯が敏感になってるから、我慢できない』

 また、2人は声を出して、いった。

 優斗は母の体とともに横に倒れた。

『母さん、ありがとう。気持ち良かった』と母の体を抱きしめた。

『もう無茶しすぎよ。でも。気持ちよかったけど。フフフッ』

 時計を見た。残り一時間半。なんとか大丈夫そうだ。

『母さん、抜くのはどうするの?』

『タオルあるから』と母は手を伸ばす。

『これを畳んで、下に敷いて』

『分かった』

 優斗は何重にも畳んで、
『母さん、腰上げて』

 と下に敷いて、抜いた。ドロっと膣から精子が大量に出た。

 母は、起き上がり、肉棒を舐めた。

 タオルを見て、

『相変わらずすごい量ね』

『母さんが悪いんだよ。気持ちいいから』

 2人は笑った。そして、舌を絡めた。

『さっ、シーツ変えないと』

 2人は全裸でシーツを変え、風呂場に行った。

 タオルをシャワーで軽く洗い、シーツとともに洗濯機にかけ、証拠を隠滅した。

 2人は、体を洗い合い、湯船に入った。

 優斗の腕の中に母の細い体がある。

『母さんと、いつまでできるのかなぁ?』

『私の体で固くなるなら、いつまでもいいわよ』

『僕は母さんがいくつになっても固くなる自信がある。60でも70でも』

『フフフッ。70なんて、おばあちゃんよ』

『それでもしてたら、変かなぁ』

『どちらにしても激しいのは無理よ。優しくしてね』

『もちろん。ずっと大切にするよ』

『ありがとう、優斗。あなたが優しい子に育ってくれて、嬉しいな』

『うん·····』と声のトーンが落ちた。優しいという言葉に反応した。

『どうしたの?』

『母さん、こんなカッコで何だけど、相談があるんだよね』

『何?』

『実は、その····、年上の女の人のことで』

『その話長い?』

『長くなるかも』

『それじゃ、服着てからにしましょ。お父さん帰って来ちゃうから』

 2人は、もう一度、舌を絡めあってから、風呂場を出た。

 母は冷めた夕飯を温め直す。

 優斗は、その脇で話し始める。

『実は、2ヶ月ぶりくらいに相手から、寂しいってラインがあったんだ。僕もすっかり忘れてて、慌てて会いに行った。

 そしたら普段は綺麗な部屋が荒れてて、
 心配になったから、ちゃんと日常生活が送れているか聞いたら、何とか大丈夫そうだった。

 それで彼氏作りは進んでいるのか確認したら、一人ホテルまで行ったんだけど、僕の顔が浮かんで泣いて帰ったんだって言うんだ』

『ご飯できたから、運ぶの手伝って』

 優斗は、夕飯を食べながら話した。

『それで、ちょっと僕も意味わかんなくて、頭に来ちゃって、もう来ないって言ったんだ。

 だけど、体だけの関係でいいからって引き止められて、頭に血が登ったままだったから、前戯もなしにいきなり挿れて、服の上に出して、帰ったんだ。

 相手は、ずっと泣いてた。

 でも、途中で相手が心配になって、戻ったんだ』

『はぁあ、なんで戻ったのよ』とため息をついた。

『僕も、戻ったらダメだって何回も思ったんだけど··········』

『それで?』

『戻ったら、ベッドで同じままになってて、こう言ったんだ。

 耳もとで、お前は捨てられた。生きてる価値がないって声がしたって。

 それで、相手は、絶対に戻ってくるって命をかけて、言い返したって。

 これって自殺しかねないってことじゃない?』

『さぁ、どうかしらね。母さん的には、大丈夫だと思うけど』

『えっそうなの?』

『あなたの年で、それを分かれってことは酷かもしれないけど···
 よく考えて、相手は前の彼氏に捨てられても生きてたわけでしょ。
 今回も同じことよ』

『そっか。確かにそうだよね。騙されたぁ』

『勘違いしないで。私の話は可能性の話よ。相手の人は、そういう病気なのよ。
 だから、本当に自殺してたかもしれない可能性は捨てきれないわ』

『僕は、どうすれば、いい?』

『優斗が鬼になって相手を見捨てるか。
 もしくは由紀ちゃんに正直に話すしかないかもね。こういう人に関わってるって』

『どっちも無理だよ』

『でも、それしか方法はないわよ。由紀ちゃんにいつバレるか分からないんだし、悩んでる暇はないの』

『私は、由紀ちゃんに正直に話した後、相手と別れるって土下座して謝って。
 由紀ちゃんと一緒に相手の人に会って、2度と会わないって言うのがベストだと思うけど』

『あぁ、勇気が湧かない』

『もし万が一、由紀ちゃんを失っても、私が慰めてあげるから』

『うぅ、母さんのお腹に戻りたい』

『何言ってるの?産まれたんだから、覚悟しなさい。母さんはいなくならないから』

『うん。頑張るよ』

『ほら、最後のおまじない』と母は、優斗と舌を絡めた。

 その後、ご機嫌な父が帰って来た。

 次の土曜日、バイトが始まった。いつものように由紀は接客している。それをぼうっと優斗は眺めた。

 これが最後かもしれないと、優斗は思った。

『おい、優斗、早く作れ!』

『あっ、すいません』

 これが何回か続いた。

 店が一段落し、
『どうした?珍しくぼうっとして』

『すいません。ちょっと考え事してて』

『なんだ、今さら由紀に告白でもしそうな感じだな。由紀をじっと見て』とマスターは笑った。

 確かに告白するのは間違いない。ただ、好きという嬉しい話ではない。最悪の告白だ。

『いや~そんなんじゃないよ』

『プロポーズか?別に俺はいいぞ。お嬢さんを僕にくださいってな』とマスターはまた笑った。

『マスターに言うのは、プロポーズじゃないよ』

『あぁ、そっか』また、マスターは笑った。

 優斗は少し気が楽になった。

 それから、いつものように働いた。

 しかし、閉店時間が近づくにつれ、が重くなった。

 そして閉店した。

『由紀、この後、部屋に行ってもいい?』

 由紀は顔を赤らめた。
『私も誘おうと思ってたの』

 逆に優斗は青ざめた、そういうつもりじゃないんだと心の中で叫んだ。

『先にシャワー浴びていい?』と由紀は囁いた。

『いや、そのままでいいよ』

『だって汗臭いよ。久しぶりなんだから、綺麗にしたい』

『ちょっと待って。僕も由紀としたいのは、したいんだけど、今日は違うんだ』

『違うって?』

『今日は、由紀に謝りたいんだ』

 由紀の表情が変わった。逆に怒って赤くなっているようだ。

『何!』

 怒られる前に、怒らせてしまったと優斗は増々青ざめた。

『本当にごめん。僕が悪い。だから怒らないで』

『怒ってないわよ!』

『本当に謝るから、怒らないで』

『だから、怒ってないって!』

『由紀、とりあえず部屋行こう』

 先に進む由紀の後を付ける。

 由紀が部屋に入り、ベッドに腕を組んで座る。

 優斗は、その前に
『本当にごめんなさい』と頭を床に付けて土下座した。

 いきなりの行動で、由紀もビックリして、お怒りモードは解除された。

『どうしたの?ホントに』

 頭を付けたまま
『本当に、ごめんなさい!
 実は由紀と付き合う前に、付き合っている······というか、体だけの関係の女性がいました』

『えっ!ちょっと、どういうこと。顔を上げて、ちゃんと話して!』

 優斗は、服屋の年上の女性と仲良くなり、体だけの関係をすることになったことを説明した。

『じゃあ、私とは初めてじゃなかったんだ』と声のトーンが下がった。

『ごめんなさい。その頃は由紀と付き合うなんて夢にも思ってなかったから』

『そっか。ちょっと待って。なんでわざわざ、こんな話をするの?まさか』

『本当にごめんなさい。今も続いてるんだ』優斗はまた頭を床につけた。

『なんで!私言ったよね!』

『はい、分かってます。でも、僕の言い訳を聞いて。お願いだから。それで由紀に助けてほしいんだ』

『助ける?もうそういうのいいから、ちゃんと顔を上げて説明して』

『はい、実は由紀と付き合うことになった日に、相手に別れるって連絡したんだ。そうしたら、自分としてる動画を由紀に見せるって脅されて』

『ホントに?どんな相手なのよ』

『初めは美人で僕の服を選んでくれて、優しかったんだ。
 でも、その人が前の彼氏に重いって言われて別れたって言ってきて。みんな私の前からいなくなるって。

 僕はかわいそうになって。僕はいなくならないって言っちゃったんだ。

 もちろん由紀と付き合う前だし、好きとかそういうんじゃないんだよ。ただかわいそうに思って』

『はぁあ、ユウらしいわね。悪く思われたくない性格が出てる』

『それからも何度も別れるって言ったんだけど、その度に部屋が荒れてて、由紀に何かするんじゃないかって心配になって』

『私のこと知ってるの?』

『由紀と付き合うから、別れるって話の時にしちゃったんだ。ごめんなさい』

『それで、いつまでも優しくするからつけあがるんだって思って、酷いことをしたんだ』

『酷いことって』

『あっ、う~ん···········』

『もう、正直に言って!』

『本当に言いづらいんだけど』

『言わないと怒るよ』
 もう怒ってるじゃんと思ったが、更に油を注ぎそうなので、止めた。

『下着だけ脱がせて、いきなり挿れて、服の上に出して、帰ってきた』

 由紀は顔を覆った。耳が真っ赤だ。

 優斗はまた、頭を付ける体制に入った。

『それで?』

『その後心配になって、部屋に戻った』

『はぁあ、なんで戻ったのよ』と由紀は頭を振った。

 どこかで聞いた言葉だな、と思いながら、

『そうしたら、その人、耳もとで声がしたって言うんだ。もうお前には生きてる価値がないって。それで、その人は、その声に、戻っで来るって命をかけて誓ったと』

『マジでヤバい人じゃん』

 優斗はまた頭を付けた
『由紀、悪いんだけど、一緒に行ってくれないか?別れるのに、力を貸して欲しい』

『はぁぁ、全くもう。ユウ丸出しじゃないのよ。昔から悪い女に騙されるかもって思ってたわ。誰でも優しくしようとするから』

『本当にごめんなさい』

『もういいわ。正直に話してくれたから、今回だけは許してあげる。私と付き合う前の相手でもあるし』

『じゃあ』優斗が顔を上げる。

『全く。幼稚園の頃から変わらないじゃない。体ばっかり大きくなって。少しは頼りになると思えば、私がいないとダメなんだから。

 分かったわ。善は急げよ。今から行くわよ』

『えっ!今から』

『そう、今から。早く相手に連絡しなさい』

 優斗は早苗に電話した。
『早苗、今から行くから』
『うん。待ってる』

 優斗と由紀は、早苗のもとに向かった。

『あんまり刺激しないでね』

『そんなこと言ってるから、ダメなのよ』

『自殺しちゃうかもしれない』

『そうなってたら、そうなったよ。大丈夫。私も責任感じるから』

『ありがとう。由紀がいないと、本当にダメだな』

『大学一緒に行くって言ってくれたお礼よ』

『それは僕のためだし』

『いいのよ。私が勝手に思ってるんだから』

『由紀、キスしていい?』

『もうこんな時に』由紀は顔を上に向けた。

『由紀、愛してるよ』

『私もよ。ユウ』

 2人は早苗の部屋の前に来た。

 優斗が呼び鈴を鳴らす。

『優斗、待ってたよ』とドアを開けた。

『早苗、話があるんだ』その脇から

『初めまして、優斗の彼女の由紀です』

『早苗、入っていい?』

『うん』早苗が震えているが優斗にも分かった。

 まず、由紀が口を開いた。

『え~っと·····』

『早苗さん』と優斗が告げる

『え~っと、早苗さん。知ってると思うけど、私とユウ、優斗は結婚の約束をして付き合っています』

『はい、知ってます』

『だから、あなたとこれ以上、会うことは私が許しません。だから今後連絡をしないでください』

『会うだけ、何もしないから』早苗は今にも泣きそうな顔をしている。

『もちろん、お店の中で会うのは、大丈夫。それ以外はダメです』

『うぅ~。お願い。私から優斗を奪わないで』とうとう早苗は泣き出した。

『何言ってるの?ユウ、優斗は私のものなの。昔っから。ユウもちゃんと言いなさい』

『早苗、いや、早苗さん。お店以外ではもう会いません。ね、ただの店員と客に戻ろう』

『やだ。一人にしないで』

『もう無理なんだ。由紀を連れてきた意味が分かるだろう?』

『たったら、この前、戻って来なければいいのに。なんで戻って来たのよ。こっちは期待しちゃうじゃない』

『それは僕が悪いと思ってる。それを含めて、由紀を連れて来たんだ。覚悟を決めて、由紀に話したんだ。その覚悟は変わらないよ』

『もういい!出てって!うわぁ~ん』

『ユウ、帰るわよ』

 優斗は後ろ髪を引かれたが、由紀について行った。

 ドアを閉めた後、何かが割れる音がした。

 優斗が体の向きを変えるのを由紀が抑えた。

 2人は帰りを急いだ。

 優斗は由紀を送った。

 由紀が玄関を開けると、父と母が立っていた。

『何してたのよ。まぁ優斗が一緒だから心配してないけど』

『うん。そうだな。心配はしてない』

 だったら、こんなところで待つなよって由紀は思ったが、

『ちょっと修羅場って来た』

『何?ちゃんと話して』

『ユウが変な女に捕まったから、縁切ってきた』

『ちょっと大丈夫なの?』

『多分。もういいでしょ。遅いからお風呂入って寝るから。おやすみなさい』

『おやすみ』

 由紀は風呂場に入った。

『あなた、優斗が変な女にだって』

『優斗なら、ありえそうだ』

『もう、あなた、何笑ってるのよ』

『高校生だぞ。修羅場だってさ。しかも由紀が縁切ってきたって』父は声を出して笑った。

『母さん以上だな、肝っ玉の座り具合は』

『私はそんなもの座ってません』

『いいや、男の俺が惚れ惚れするぐらいだよ。母さんは。本当に愛してるよ』

『もう、やだ、お父さんったら。私もよ』

『ほら、無事に解決したみたいだし、私達も寝よう』

『はい、お父さん』2人は、手を繋いだ。

 そんな由紀は、シャワーを浴びながらで震えていた。
『怖かったぁ。大丈夫かな、あの人。
 あんな美人なのに。なんで、あぁなっちゃうだろう。
 私は、ユウがいなくならないって安心してるから?
 もしユウじゃなかったら、いなくなっちゃう恐怖を感じるんだろうか?

 そもそも今回のことってユウは悪くないのかな?
 あの人と始まったのは、私と付きか合う前だから、しょうがない。

 それから何度も別れようとしたのに、別れられなかった。
 ここが問題よね。帰り際もまた戻ろうとするし、ちょっと教育が必要ね。

 ちょっと待って、あの人と体の関係ってことは、何回もしてるのよね?

 あの人は大人だし、経験豊富よね。

 私として気持ち良かったのかな?

 射精してたから、大丈夫なのかな?

 あぁ、それでもユウとしたいなぁ。

 明日また部屋に来てくれるかな?

 由紀は優斗の肉棒を想像した。手が股間に伸びる。

『あぁ、ユウ、早くここに挿れて。もう濡れ濡れなの。早くその固いオチン◯◯を挿れて』

 由紀は我に返って止めた。明日優斗の顔が見れなくなると思った。

 由紀は風呂場を出た。廊下で母の声が聞こえた。

 あの2人も相変わらず仲いいな、と思ったが、すぐに顔が真っ赤になった。

 もしかして、自分の声もこんな風に聞こえてるのか?と思った。

 明日するにしても、気をつけようと決心した。しかし、すぐに無理そうだとも思った。

 どうなってるんだ、この家は?と八つ当たりしながら、眠りについた。

 優斗は、次の日の開店前に、マスターに、由紀を夜中に連れ回したことを謝った。

 マスターは笑って、お前も隅に置けんなと言った。
 優斗は由紀を振り返ると、由紀は全部話したと告げた。

 優斗は頭を抱え、しかし、助けてもらった身としては仕方がない。

 美人だったのか?とマスターが聞いてきたので、かなりの、と答えた。年は?と更に聞いていたので、25と答えた。

 フュ~っとマスターが口笛を吹いた。

『お父さん、お母さんに言うよ』

『いいじゃないか。これくらい』

『ユウも反省してるんでしょうね?』

『はい、しっかり反省してます。もう2度としません』と言った。母との事はすっかり忘れていた。

 どこで知り合ったんだ?とマスターがまた聞いてきたので、駅前の服屋と答えた。

『ユウ、我が家の仲のいい夫婦関係を壊したいの?』

『いえ、全くそんなつもりはありません』

『お父さんも、浮気が男だけのものじゃないって分かってるよね?お母さん、近所じゃ人気あるのよ。若い子にもね』

『もちろん分かってますよ。由紀さん』

『じゃあ、そろそろ開店するから、2人とも無駄口たたかずに働きなさい』

『はい、頑張ります』と優斗とマスターは言った。

 そして、昨晩の出来事が夢であったかのような、見慣れた時間が始まった。

 すると、早苗が現れた。

 由紀も優斗もギョッとした。由紀が注文を聞きに行った。ただ注文だけを言い、あとは優斗をじっと見ながら昼食を食べ、そのまま帰って行った。

 店が一段落した。マスターは休憩にはいった。

『ビックリしたぁ、暴れだすんじゃないかと思った』と優斗は言った。

『これがあの人の答えなんでしょうね』


 それから毎週土日は早苗が来るようになった。優斗が注文を聞きに行っても、メニュー以外のことは言わなかった、ただ優斗の顔をじっと見ていた。料理を運んだときも、会計する時も同じだった。

 健気な姿に優斗は少し心が揺れてしまった。

『ユウ、今変なこと考えたでしょ』

『えっ』優斗は分かりやすくドキッとした。

『何で分かったの?』

『顔が、かわいそうな人を見るようになってたわよ』

『えっ、ホントに?由紀はすごいなぁ』

『ホントに次やったら、私も誰かとするからね』

『分かってます』

 由紀と優斗は、毎週一回はバイト終わりにするようになった。

 由紀の父と母は何も言わなかった。

 むしろ喜んでいたし、触発されて2人も同じようにするようになった。

 しかし、由紀は不満だった。

 思いっきり声を出して、何回もしたかった。

 とうとう母に、金曜の夜にホテルて泊まると言い出した。

 母は父と、優斗の両親とも相談した。

 結論としては、月に2回バイトを休みにして、昼に行くことを了承した。

 その代わりは優斗の母が店に出ることになった。優斗の父には、マスターがコーヒーお代わり自由にするから、店にずっといればいいと説得した。

 あくまでも新しいパートが見つかるまでという条件で、優斗の父は、渋々納得した、

 優斗の母は喜んだ。

 母が働き出した初めのうちは、本当に店にずっといたが、そのうち、数時間だけいて、帰るようになった。

 母が裏切らないことが分かったようだった。

 優斗達は、ホテルに行った。
由紀は解放されて、凄かった。早苗のこともあったのかもしれないが、色々優斗にどこが気持ちいいか、聞いてきた。

 優斗は面倒臭かったが、早苗が優斗に、女性のどこが気持ちいいかを教えたように、由紀に男のどこが気持ちいいかを教えた。

 由紀はセックスが上手くなっていった。

 早苗にとって優斗は、自分好みの男に育てたから、手放したくなかったのかもしれないと優斗は思った。

 初めのうちは、優斗は、早苗の性感帯の場所で由紀を愛撫していた。

 しかし、由紀の反応が悪いので、新たに由紀の性感帯を探して、愛撫するようになった。

 今でも早苗とセックスしたら、すぐに気持ちよくさせる自信はある。いつの間にか体に染み付いてしまっていた。


 母のことを思い出した。

 母とベッドでした時は、初めから性感帯を探した。

 まず性感帯を探すことをしたのが、母が由紀とだけじゃないとバレた原因だろう。高校生同士のセックスで。そんなことをするのは珍しいはずだ。

 もしかしたら、母は、僕を自分好みの男に育てたかったのかもしれない。母が僕にやらしいことを言い出したのは、中3くらいからだ。あの時、僕が反抗してなければ、今頃、母好みになっていたのかもしれない。

 そうしたら、早苗との関係もなかったのたろうか?と優斗は思った。


 由紀は、セックスはうまくなったのだが、感じ過ぎるところがあって。僕を気持ちよくさせる前に、すぐにいってグッタリとしてしまうことがある。

 由紀もそのうち慣れてくると思ったが、きっと体質なのだろう。変わらなかった。別に由紀の中は、気持ちよかったので、優斗は気にしなかった。

 由紀とする回数が増えた反面、母はバイトをしてストレスが溜まりにくくなったのか、しばらく母とすることもなかった。

 しかしまた父に泊まりの出張があった。
 優斗が帰ると、母が上はタンクトップ、下はショートパンツの姿でいた。

 優斗はまた前かがみになった。

『母さん、何て服着てるの?』

 優斗が近づくと、乳首が浮き出ていた。

『あれ?母さん最近ストレスないんじゃ』

『そうね。喫茶店、楽しくてしょうがないわ』

『だったら、何で?』

『あなた最近よく由紀ちゃんとしてるでしょ。この前、由紀じゃ満足できないかもって言ってたのに、全然私のこと求めてくれないし。ヤキモチよ。ヤキモチ』

『まぁ、確かに由紀じゃ、母さんとする気持ちよさは味わえないけど、由紀も頑張ってるし、特に不満はないよ』

『じゃあ、もうお母さんとはしないの?』

『そういうわけじゃ······ううん、何でもない。母さんとしたい』

『素直な子ね。フフフッ、優斗はいい子』

『さぁ、ご飯、食べましょう。それともすぐする?』

『このショートパンツの下は?』

『脱がせて見れば?』

 優斗はゆっくりと下ろした。予想通りいつまでも下着は見えなかった。お尻が丸出しになった。

『挿れていいの?』

『入るかしら?』

 優斗後ろから手を入れた。

 ひどく濡れていた、

 母さん、興奮してる?

 この服に着替えたのが30分前くらいだから、それからずっと』

『舐めていい?』

『えっ、凄いわよ』

『いいから、こっち来て』
 母をソファに座らせた。

 優斗は、ズボンとパンツを脱いだ。

 母の足を開いて、顔を埋めた。

 ジュルジュルと液を吸った。

『恥ずかしいから、吸わないで』

『美味しいよ。全然なくならない』
 また音をたてて吸った。

『もう恥ずかしいって、早く挿れて』

『もうちょっと。母さんの◯ンコ、やらし過ぎ。すごい興奮する』

『優斗はクリトリスを触りながら、吸った。

『あっダメよ。ダメ。恥ずかしくていっちゃう、いく!』

 母の体かビクッと震える。

『じゃあ挿れるね。いった◯ンコに』

『もう、いじわる。あぁ、優斗が入ってくる。いったから敏感になってる。入ってくるのがよく分かる』

『母さん、締め過ぎだよ。気持ちいい。すぐ出ちゃそう』

『今日も大丈夫。いっぱい奥に当てて』

『うん。いっぱい奥に出すね。

 あぁ、やっぱり母さんの中が一番気持ちいい。由紀の方が狭いけど、母さんの方が吸い付いてくる感じがする。いつまでも中にいたい』

『優斗のオチン◯◯も固くて、気持ちいいよ。締め付けても、負けずに入ってくる。あぁぁ、もっと中を擦って』

『母さん、行くよ、覚悟して』

 優斗は母の腰をソファーの縁に持ってきて、膝を立てて、腰を烈しく動かした。

『すごい、擦れてる。気持ちいい。優斗無理しないでね、腰痛めちゃう。でも、あぁぁ気持ちいい』

『あぁぁ、母さん、出ちゃうよ。母さんはもういった?』

『もう少しでいきそう。ても、無理しないで』

『うん。先に出ちゃうかも』

 優斗は、母の両方の手を取って。指を絡めた。手前に引っ張る。
 
『うっ、出る』と腰を母の股間に押し付けた。

『あぁぁ当たってる。奥に精子当たってる』とビクビクっとした。

 優斗は母にキスをした。

『母さんの中、精子泥棒だね』

『何よ、変な名前つけないで』

『いっぱい精子作って、母さんの中、精子まみれにして』

『でも一旦、お風呂だね』

『そうね』

『タオルは?』

『キッチンですると思ったから、忘れた』

『じゃあまた歩くの?』

『それしかないわね』

『あれやっていい?』

『膝抱えるやつ』

『腰大丈夫?』

『軽いから大丈夫だよ。腕回して』
 優斗の首の後ろに腕を回した。優斗は持ち上げた。

『歩くよ』
 歩く度に、母は声を出した。

 途中で優斗は体を揺らした。

『あぁぁ、もう、するなら、ちゃんと言ってよ』

『じゃあ、する』

『あん、あん、あん·······』

『ヤバい、止まらなくなる。気持ちいい』

『あん、奥に当たる。オチン◯◯当たってる。あん、あん····』

 優斗は揺らすのを止めた。
『ふぅ、ヤバい。出るところだった』

『もう、今晩何回出すのかと思ったわよ』

『5回は出したいな』

『私の体持つかなぁ』

『母さんの体、気持ちいいから、長く持たないんだよ。回数でカバーする』

『そんなに変わらないでしょ。昔の彼氏もお父さんも優斗より早いわよ』

『えぇ、由紀も年上の人も、一回が2倍とは言わないけど1.5倍くらいは長いよ』

『そんなに?そんなこと分からないわよ。初めて言われたし』

『そりゃそうだよね』

『優斗は一番固いかも』

『えっそうなの?』

『ほら、言われてもわからないでしょ』

『なんかね。私がギョッとすると、みんな止めちゃうの。優斗くらいよ。動かすの』

『ギユッとされながら動かすと、ものすごい気持ちいい。多分それがなければ、もうちょっと長くできるかも。でも気持ちいいから動いちゃう』

『何でもいいわ。気持ちよければね』

『うん。早くお風呂入って、ご飯食べて、早くベッド』

『夜は長いから、大丈夫よ』

『明日、学校だし』

『休んで、ずっとする?』

『ちょっと待って、ここで話すのが一番無駄』

『そうね』

 風呂場についた。体を洗って出た。

 母は、タンクトップにショートパンツを履いた。

 優斗は新しいティシャツとパンツを着た。

 夕飯を温め直す。優斗も手伝った。

 時々、キスをして、お尻を触ったりした。

 テーブルに料理を運んだ。

『いただきます』

『あれ?味付け変えた?』

『さすが優斗ね。喫茶店の料理を参考にしたの。どう?』

『うぅ~ん。マスターにも言ったんだけど、味付けが古いって』

『えっそうなの?』

『僕はいつもの母さんの味が好きだよ』

『それは食べ慣れてるからじゃない?』

『そうじゃないよ。僕はそんなことじゃ美味しいなんて言わないよ』

『ふ~ん。じゃあ別の食べる?』

『いいよ。不味いわけじゃないから。なんていうのかな。一回食べたら飽きちゃう感じかな?』

『さっき、母さんの吸った時、美味しいって言ったのは?』

『あれは本当だよ。母さんの美味しかった』

『もう濡れてきちゃうじゃん』

『料理に使いたい』

『牛じゃないんだから。フフフッ』

『そう。牧場の牛乳って、なんかまた飲みたくなるじゃん。でもスーパーの牛乳って、美味しいから飲むって感じじゃないでしょ。そんな感じ』

『母さんも牧場の牛乳は好きだけど。良く分からないわ』

『明日の朝、喫茶店の料理、僕が作るよ』

『学校は?』

『えっ、休んでずっとするんでしょ?』

『もう母親失格ね。今回だけよ』

『うん!』

『ご馳走様。早くベッド行こうよ。すぐしなくてもいいからイチャイチャしたい』

『イチャイチヤなら、ここでもいいでしょ。ベッド行くと、スイッチ入っちゃうから。時間はたっぷりあるわよ』

『じゃあ、その前に洗い物しとくね』

『ありがとう。優斗は本当に気が利いていい子だわ』

『へへへ』

『何?母さん。じっと見て』

『ううん。今の優斗に育たなかったらって思ったのよ』

『そんなこと考えても、僕は一人しかいないよ』

『ううん。幸せだなぁと想ってね』

『男の子って、大きくなると、ババァとかいう聞くじゃない。あっ、こないだまで言ってたわね』

『あれは照れ隠しだよ。本当は言った後、後悔してたんだ。母さんに嫌われるって。 
まぁ、その点は早苗に感謝かな。年上とすることに抵抗がなくなった·····いや自信がついた·····まぁ、母さんにちゃんと抱きたいって言えるようになった』

『これも何かの運命なのよね。きっと。もしかしたら、ずっとあなたと私は交わらなかった運命もあったはず』

『今の僕としては、もっと早く母さんとこうなりたかったっていう思いしかないよ』

『母さんは、本当に幸せというしかないわ』

『もう、大袈裟だな。はい、オシマイ』

 母のそばに来て
『ソファー行こうよ。少し甘えたいな』
 と母の手を引っ張った。

『はいはい。なにするの?』

『膝枕して』

『分かったわ。おいで』
 母は先に座って、膝を揃えた。

 優斗は母のお腹の方に顔を向けた。

『母さん、さっきはあんなこと言ったけど、僕も幸せだよ。普通は高校生にもなって、母さんに甘えられないから』

 母は、優斗の髪を撫でながら、

『そうね。母さんの方こそ、頼れる息子で幸せよ』

 優斗は、上半身を起こし、母にキスをした。

『母さん、大好きだよ』

 母は、優とのズボンの中に手を入れて、もう一度キスをした。

『母さん、ゆっくりするんじゃなかったの?』

『優斗が欲しくてたまらない』

『ベッド行こうか?』

『行きましょ』

 2人は、お互いの体を貪り合い、早くに眠りについた。

 次の朝、母が先に目を覚ました。

『昨日あんなにしたのに』

 優斗のそれは元気にそそり勃っていた。

『今日は、時間あるからね』

 母は、優斗を起こさないように、優しく触った。

 優斗の顔が歪む。母は興奮してきて、口に含んだ。

 優斗の腰が浮いた。

 母は、優斗に跨って、ゆっくり腰を上下させる。

『朝って、こんなに気持ち良かったかしら。あぁ、直ぐにいっちゃいそう。あぁ、息子を夜這いして、いや、朝這いしてるたい。興奮する。あぁぁ、止まらない』

 優斗は目を覚ました。

『母さん、あぁぁ、何してるの?』

『おはよう。元気だったから、我慢できなくて』

『あぁぁ、気持ちいい。朝は、敏感になってるから、気持ちいいよ』

『気持ちいいまま、ゆっくりしよ』

『でも、学校に電話するのは忘れないでね』

『あっそっか。土曜日じゃないのよね』
 母は時計を見た。

『まだいいわね』

『私のスマホとって』

『どこ?』

『サイドテーブルの上』

 優斗は上半身を起こして、振り返った。

「母さん、降りてよ』

「やだ』

 優斗は、母の背中に手を回した。そして、体勢を入れ替えた。

『きゃっ!』母を寝かせ、手を伸ばす。

『あっ、奥に当たる!』

 優斗の股間が母に押し付けられた。

『はい、スマホ』

『ありがと』

 母は枕の脇に置いた。

『動いていい?』

『もちろん』

 優斗はゆっくり動いた。前戯をしていなかったので、挿れながら、母の体を愛撫した。

『優斗、もっと激しくして』

『だって、もうすぐ電話しないと」

『もう!電話するから、動かないでね』

 母は、スマホをとって、電話をかけた。コール音がしている。

 肉棒がピクリと動いた。

『動かさないで!』

『それなら抜くよ』

『あっもしもし。2年C組の大沢優斗の母ですが、金子先生いらっしゃいますか?』

 また、肉棒がピクリとした。

『あっ、あぁん。
いえ、いっ、いらっしゃらなければ、すっ、すいませんが、熱があるので、休ませるとお伝えいただけますか?
はい。すいません。失礼いたします』

 優斗は笑っていた。

『ゆ~う~と~』

『意図的に動かしたんじゃないよ。本当だよ。生理現象』

『本当に、もう。でも、こんなことも興奮するわね』

『うん。動いちゃおうかと思った』

『さっ、これで心置きなくできるわよ。早く、ゆ~う~とぉ』

『うん、行くよ。母さん』と腰を動かし始めた。

 優斗は中で2回射精した。

『さて、すっきりしたし、朝ご飯作るか』

『楽しみにしてるわよ』

 2人はシャワーを浴びた、


 優斗は台所で、
『喫茶店の料理で何食べたい?』

『そうね······、やっぱりオムライスかな』

『了解』

『へぇ~、粉チーズとタバスコ入れてるの』

『ケチャップライスって、味濃いから飽きるじゃん。途中で味変させて、飽きないようにしたんだ。あんまり混ぜすぎないのがコツ』

『ふ~ん。食べてみないとね』

 2人はテーブルに運び、
『いただきます』

『確かに、まろやかになったり、ビリっとしたりして、美味しいわね』

『本当はアジアには、いっぱい調味料があるから、試してみたいんだけど、なかなかね。やり過ぎると別の料理になっちゃうし。
本来の味を壊さないようにしなくちゃならないけど、足りないと意味がない』

『難しいわね』

『まっ僕は遊び感覚でやってるけどね。セックスもやり過ぎるとダメだから由紀には、ほどほどにしてる。母さんは、無理だけど』

『なんでよ』

『気持ち良すぎるから、歯止めが効かない。もっともっとって動いちゃう』

『まぁ、今さら優しくされても、物足りないかもね』

『まぁ、こんな感じだよ』

『勉強にも活かせそうなのに』

『中学までは、できたはずなんだよね。不思議なことに今はできない』

『成績上がってるから、別にいいけど』

『勉強はがむしゃらにやるしかないって思ってるよ』

『無理はしないでね』

『無理したら、煙でちゃうよ』

『私からも煙が出そうならくらい、擦ってるのにね。フフフッ』

『母さん痛くならないの?』

『あなたはどうなのよ』

『擦りすぎると、途中ですごい敏感になる時がある』

『あぁ、私もある。動かされたら、すぐいっちゃいそうになる』

『無理したくないんだけど、それが無理かな』

『腰は傷めないようにしてね』

 それから、2人は、一緒に家事をし、お昼を食べ、時間の許す限り、ベッドでお互いを求めあった。

 父が帰ってきた。

 2人は、笑顔で迎えた。


 次の土曜日バイトに行った。

 すると、夕方遅くに早苗が店にやって来た。

 膝下までの長いカーディガンに身を包んでいた。早苗の体の線が出ていた。

 いつもの厨房にいる優斗が見える席に座った。店内の様子を伺っている。

 優斗と目があった。
 早苗はカーディガンの上のボタンを外し、広げた。中から、紺の襟と白い服が見えた。

 早苗は立ち上がった。
 既に下のボタンは外れており、紺の超ミニスカートが見えた。

 優斗には見覚えがあり、それが直ぐに何か分かった。
 セーラー服のコスプレだ。

 優斗は早苗とのセックスを思い出し、肉棒が大きくなった。

 早苗はトイレの方に歩いてきた。

 トイレは厨房の前を通って、突き当りを逆に曲がる。

 優斗は早苗を追いかけた。

『なんて服着てるんだよ』

『優斗には関係ないでしょ。それになんで前かがみになってるの?大っきくなってるの?したいの?』口調は、初めて会った頃の大人の早苗だった。

『そりゃしたいと言えばしたいけど、もう無理だよ』

『私はいいわよ』とスカートをめくった。早苗の綺麗な割れ目が見えた。

 優斗は目が反らせなかった。早苗は、優斗の手を取り、股間を触らせた。膣に入れるまでもなく、手が濡れた。

『じゃあ、また来週』と早苗はトイレに行った。

 優斗は、濡れた手を舐めた。早苗の味がした。それにしても、これどうしよう、と優斗は思った。

『マスター、お腹痛いから、トイレ行ってくる』

『大丈夫か?無理しなくていいぞ』

『トイレ行って様子見る』

 優斗は住居の仲のトイレに行った。幸い女将さんには会わなかった。

 少し気が引けたが、肉棒を握りしめて、早苗を思い出しながら、しごいた。2回射精したら、おさまってきた。

『大丈夫。よくなった』と厨房に戻った。早苗の姿はなかった。

 次の週も夕方遅くに、早苗は長いカーディガンを着てきた。

 優斗は楽しみだった。早苗をじっと見る。早苗は少し笑顔になって、同じように中を見せた。ピンクの服だった。

 優斗はナース服だと、すぐに分かった。既に股間は大きなくなったが、腰のサポーターを巻いてきたので、周囲には分からないと思った。

 早苗はまた歩いてきた。優斗も追った。下のボタンは外れてなかった。

『あれ?何か期待してる?』とボタンを外し始めた。

『いや、そんなことはないけど。また履いてないの?』

 早苗は、スカートをめくった。やはり履いていなかった。

 優斗はじっと見た。また早苗は優斗の手を引っ張り触らせた。

 また、すごく濡れていた。

『なんで今日は大っきくなってないの?』

 優斗はズボンの中に見れるように、ベルト部分を下ろした。

『サポーター巻いてる』

『フフフッ。来週はカーディガンの下に何も着てないかもね。じゃあね』とトイレに向かった。

 早苗は何事もなかったように注文した品を食べ、帰って行った。優斗には目を合わせなかった。

 来週か·······優斗は興奮し過ぎて、その後、何も手につかなかった。

 落ち着いて、落ち着いてと自分に言い聞かせた。

 興奮を抑えながら由紀に少しぶつけたが、やはり由紀では満足できなかった。

 母にしたいと言ったが、するタイミングがないまま、日が過ぎていった。

 そして来週の週末にになった。また、夕方遅くに早苗がやってきた。

 今日は、長いカーディガンにジージャンを着ていた。

 早苗は上のボタンを外した。カーディガンを開くと谷間が見えた。

『イタタタッ』小さく優斗は言った。尋常じゃないくらい大きくなったが、しっかりサポーターが抑えている。

 早苗はまた歩いて来た。優斗も向かう。

『約束通り、何も着てないわ』とカーディガンの下を巻き上げ何も履いていない下半身を出し、上は片方の胸を丸出しにした。

 優斗は無意識に手を出してしまった。

それを避けて『家で待ってるわ』と言った。

 早苗はトイレに向かった。また早苗は何事もないように食事をし、優斗と目を合わせず帰った。

 優斗は我慢できなくなっていた。由紀とは、落ち着け、落ち着け、と言い聞かせながら、なんとか激しくしないで終えることができた。

 由紀の部屋を出た後、早苗の家に向かった。

 早苗の呼び鈴を鳴らした。

 早苗がドアを開けた。
『来てくれると思ったわ』

 優斗はドアを閉めた。
『······』

『したいんでしょ。早く中に入りなさい』

『ここでいいよ········。しに来たわけじゃないから······』優斗は玄関から動かなかった。

『えっ、何で来たの?』

『早苗、もうやめようよ··········。あんなことしても、僕は、もう早苗とはできないんだ。分かってよ·········』

『由紀ちゃんにも絶対に言わない。私からも連絡しない。だから、もう来ないなんて言わないで』

『ダメなんだよ。もう僕には早苗は必要ない。自分を大切にして。それが言いたかったから、来たんだ』

『いやだ、行かないで、私を一人ぼっちにしないで。いや~、うわぁ~ん』

 と早苗は座り込んで泣いた。

『早苗、もうここには来ないから。でも、お店に来てくれれば、僕が美味しい料理で励まして上げる』

『いや~』

『じゃあ帰るね。またお店に来てね』

 とドアを開けた。

 そこには由紀が立っていて、優斗はビックリした。

『なっ、なんでいるんだよ』

 由紀は中で泣いてる早苗を見た。

『ユウの様子がおかしいから、ついて来たの』

『なっ、何もしてないよ』

『ドアの外まで聞こえてたから、分かってる。帰ろう』

『うん』

 2人は手を繋ぎながら、しばらく無言で歩いた。

『何があったの?』

『えっ、う~ん。ごめん、言えない。でも、外で聞いてたなら、大丈夫だって分かるでしょ』

『まぁ、はっきり必要ないって言ってたのは聞こえた。分かった。信じる』

『もう遅いし早く帰ろう』

 2人は走って帰った。


 その頃、早苗は笑っていた。

『やった!作戦大成功!私って頭いい』

 ドアの呼び鈴がなった。

『は~い。お帰りなさい』
 ドアを開けた。そこには優斗が立っていた。

『おまたせ。なかながの演技だったよ』

『優斗の言ったことを全部本気だと思って聞いたのよ。でも、本当に由紀ちゃんいて、ビックリした』

『これで、2人で気をつければ大丈夫だよ。これからも店に来て、寂しそうに僕を見てね。いきなり来なくなると怪しまれるから』

『分かってるわよ』

『でも、まさか本当に下に何も着ないで来ると思わなかったよ。もう我慢できなくなっちゃった』

『今日は、さすがに私も恥ずかしかったのよ。上は乳首出ちゃうから、ジージャンで隠したけど、下は薄いカーディガンしかないんだから。でも優斗を取り戻すためなら、できることはやろうと思ったの』

『もう早苗の勝ち。早苗が欲しくてたまらなかった』



 時間を少し戻そう。

 優斗は早苗の家に着くと、自分のスマホのラインを打って、早苗に見せた。

『由紀がつけてきている。

 これから酷いこと言うから、泣いて。

 由紀を家に送ったら、戻ってくる』



 そして現在、

『どうする?する?』

『もちろんするけど、しばらくは早苗を抱きしめたい』

『はい、お帰り、優斗』早苗は立ち上がって、両手を広げた。

 優斗は抱きしめた。

『あぁ、早苗。ごめんね。辛い思いさせて』

『ううん。私もダメだったから、ごめんなさい。
 ねっ、聞いて。ちゃんと彼氏探しするから、優斗に負担かけない』

『店でも、出会った頃の早苗だったから、嬉しかった』

『うん。本当に最近の私、変だった。これからは大丈夫よ』

『うん。じゃあ、しばらく応援するよ』

『うん。頑張るよ』

『すごい、嬉しいな。昔の早苗に会えた。好きだった頃の早苗』

『優斗、深い意味じゃなくて大好きよ』

『僕も大好きだよ』

 2人は、舌を絡めた。

 優斗は、セックスを教わってた頃の気分に戻り、早苗の体を大切に愛撫した。

 優斗は3回、早苗のお腹の上に射精した。

 それから数カ月後、早苗は年下の男と2人で店に来た。2人は、手を繋いでいた。

 由紀が厨房に駆け込んできた。焦った声で
『ユウ、早苗さんが彼氏連れて来た』

 優斗は、相手の顔も写真で見せてもらったし、今も関係は続いているが、

『えっ!そうなの!』と驚いてみせた。ホールに出ると、これまでとは違う厨房の見えない席に2人は座っていた。

 早苗が
『すいませ~ん』と手を振っている。

 優斗は笑顔で
『由紀、注文聞いてきて』

 優斗は初めて生で相手を見た。少し自分に雰囲気が似ている感じがした。なんとなく自信がなさそうな感じが。

『早苗、今度こそ本当にお別れだね』と少し寂しくなった。

 由紀が、戻ってきた。パンケーキと飲み物だった。

『さぁ、お祝いの料理だ。こっそりサービスしちゃおうかな』と呟いた。

 その夜、由紀は安心したみたいだった。

『注文聞いてる時も、早苗さん、すごく明るくて楽しそうだった』

『昔、僕が出会った頃は、そうだったんだよ。別れる間際がおかしかっただけで』

『ふ~ん。そうなんだ。付き合っちゃうと、急に不安になるのかな?捨てられちゃうって』

 由紀にしては、珍しく的確な指摘だった。

 早苗は手に入れてしまうと、急に失う恐怖を感じ始めてしまう。それを今、僕が和らげているんだよ、と思った。

 僕は由紀を失う恐怖を感じない。だから、早苗とも母とも関係を続けてしまっている。

 仮に、由紀にもそういう人がいても、僕は由紀を手放すことは絶対にない。

 口では誰でも愛してると言うが、由紀は、そんな言葉では表せない存在だ。


 その後、早苗の家に行った。

『お帰りなさい』

『ただいま。由紀がビックリしてたよ』

『少しは安心させてあげないとね』

『どう?彼氏は』

『セックスは優斗より吸収がいいわね。あそこも大きくて全部入らないのよ』

『はいはい。そうですか。すいませんね。小さくて』

『そんなこと言わないで。優斗は特別なんだから』

『それよりも、僕に似てない?』

『そう?年下を育てる喜びには目覚めたけど。別に優斗の代わりを探してるつもりはないわ』

『それならいいけど』

『ただ私を守るって、誰かさんみたいに張り切ってるわ』

『じゃあ、もうすぐ僕はお役御免だね』

『そうかもね』

『例えそうなっても、僕の初めての人だから、早苗のことは忘れないよ』

『まだ早いわよ。私はまだ不安なの』

『分かったよ。最後まで勤め上げるよ。どうする?する?』

『どうしようかな?久しぶりにコスプレする?』

『いいねぇ。あの全裸でカーディガンがいい』

『コスプレじゃないわよ』

『店で見たのが衝撃的過ぎて。街で普通に着てる人見ても、興奮しちゃうよ』

『捕まらないようにね、フフフッ』

『そうだね。由紀には似合わないから、早苗に頼むしかない』

『分かったわ、ちょっと待ってて」

 早苗は服を脱いで下着姿になった。カーディガンを取り出す。

 ブラを外してカーディガンを来た。優斗を見ながらボタンをお腹まで締めた。

 優斗はシャツとズボンを脱いで全裸になった。肉棒は、ギンギンになっている。

 それを見た早苗は後ろを向いて、下着を脱いだ。

『どうする?下までボタン閉める?』

『こっちむいて』

 早苗の割れ目が閉めていないカーディガンから見えた。優斗は襲いかかった。

『もう、元気なんだから』

『早苗がやらしいから、しょうがないの』

 優斗は舌を絡め、首すじを舐めた。

 指でカーディガンの上から浮き出た乳首を触る。


『もう、やらしい触り方ね』

『早苗の乳首、元気だね』

『恥ずかしいこと言わないで』

 カーディガンの上から乳首を舐める。片方の手は、カーディガンの下から手を入れて、生の胸を揉んだ。

 それから、クリトリスを触りながら、下に行き、顔を埋めた。

『すごい興奮する』

『オチン◯◯、舐めたい』

 優斗が横になった。

 早苗が咥える。

『気持ちいいよ。早苗』

 早苗は強く吸った。

『そんなに強く吸ったら出ちゃうよ』

『ごめん、彼、これくらいしないとダメなのよ』

『僕は無理。優しくして』

『はいはい。優しくね』

『早苗は手でしごきながら、舌で亀頭を舐めた』

『ごめん、やっぱり出ちゃう』

『いいわよ。いっぱいお口に出して』

 早苗は烈しく頭を上下させた。

『あっ、出る』

 口の中に射精した。早苗はいつも通り飲み込んだ。

『早苗、また上手くなってる。末恐ろしい』

『なんて言い方。酷い』

『ごめん悪気はないんだ。早苗と一日いたら、何回出すことになるんだろう?』

『二桁?』

『いやいや、さすがに無理だから』

『最高は?』

『連続でなければ、一日7?8?』

『そんなに変わらないじゃない』

『そうだね』

『ねぇ。早く挿れて』

『普通でいい?バック?』

『始めバックで、最後は普通がいいな』

 バックで動き始める。後ろからカーディガンを脱がせた。

 優斗は背中を舐め、後ろから揺れる胸をつかんだ。

『早苗の体、きれいだよ。腰が止まらない。もっと早苗が欲しい』

『もっと来て!』

 優斗は、腰の動きを早めた。

 早苗の腰を掴み立たせる、自分も立ち上がる。

 そして、早苗の両脇から手を入れて、早苗の体を持ち上げる。早苗は壁に手をついた。

 優斗は後ろに下がり、早苗とともにベッドから足だけ下りる。


 早苗は腰を突き出す恰好で、顔をベッドにつけている。

 優斗は下から突き上げる。早苗の足が浮く。

『激しい、いっちゃう、いっちゃうよ。優斗のオチン◯◯、凄い』

『もっと、もっと早苗が欲しい』

 早苗の体がビクビクっとして力が抜けた。

 優斗も背中に射精した。

『はぁ、はぁ』息だけが部屋に響く。
 優斗は精子をティッシュで拭いて、ベッドに倒れ込んだ。

 すかさず早苗が優斗の腕に頭を乗せて、体を寄せて来る。

『優斗、激し過ぎ。やきもち焼いた?』

『そんなこと······あるかもしれない』

『優斗にヤキモチ焼いてもらえるなんて。早く彼氏作れば良かった』と笑った。

『途中で、早苗は僕だけのものだって言いそうになった』

『言ってくれればいいのに。フフフッ』

『こんな気持になると思わなかった』

『これで増々彼氏と別れられなくなったわ』

『その方がいいのは分かってるよ』

『フフフッ。早くもう一回しよ』

『もう少し休ませて』

『オチン◯◯は、元気だよ。上に乗っちゃおう』

『ちょっと今、敏感だから』

『大丈夫、大丈夫』

 早苗は肉棒を挿れた。

『あぁぁ』と優斗が声を上げる。

『私も敏感になってる。形がよく分かるわ』

『ギュッとしないで』

『フフフッ。面白い。ふん』

『あっ、あぁぁ』

『動くね』

『あぁぁ、気持いい。早苗の中、気持いい』

『優斗、ありがとう。これからもよろしくね』

『今言うことじゃない。あぁぁ』

 肉のぶつかり合う音が響く。

『優斗、いっちゃう』

『もうすぐ僕も出そう。最後は僕がするよ』

『うん』

 優斗は早苗の体を支えながら、体勢を入れ替えた。

 優斗は動き出した。

 優斗は体を倒し、舌を絡めた。そのまま腰を動かし続けた。

『早苗、出るよ』

『うん。一緒にいこう』

 優斗は体を起こし、最後に烈しく動いた。

『いっちゃう、いく、いくぅ』と体を反らせた。

 優斗はお腹に射精した。早苗もビクビクっと震えた。

『早苗、僕がいなくても、幸せになってね』

『うん。もし彼と結婚することができたら、遠くに行くかもしれない』

『そうなんだ。その方がいいのかもね』

『寂しいなぁ』

『寂しさなんて感じなくなるよ』

『そうかもね』

『会う回数は、減らしていこうね』

『そうね』

『一ヶ月に一回くらいにしようか』

『じゃあ次は来月だね』

『それじゃお風呂入ろうか?』

 それから優斗は部屋をあとにした。


 優斗は、由紀との性生活を充実させることにしたが、由紀の敏感さは治まる気配はなかった。

 未だにまともにクリトリスを触れない。

 早苗や母ではできる激しいセックスができない。
 優斗はストレスが溜まり始めていた。

 早苗は、彼氏と昼の生活も夜の生活も、うまくいっているらしく。月一回会う約束も忘れがちになっていた。

 逆に優斗が会いたくて堪らなくなっていた。
『まさか、こんなことになるとは』

 最後の頼みの綱の母とは、そう簡単にチャンスが訪れなかった。

 父が風呂に入っている最中に、時々、口でしてもらったが、余計に母の中に入りたくなった。


 早苗と2ヶ月ぶりくらいに会えた。
 優斗はすぐに体を求めた。

『落ち着いてよ』

『ごめん、悪いとは思うんだけど、我慢できない』

『ちょっと待って。変よ。何があったの?』

『すっかり立ち場が入れ替わっちゃたね。今度は、僕が早苗に固執することになるなんて』

『そんなことはいいから。ちゃんと話して』

『実は由紀が········』

『そっか。私としてたのが良くなかったってことね』

『早苗は悪くないよ。僕が、激しくするのが当たり前みたいな事をしてたから、いけないんだよ。それは分かってるんだ』

『でも、もう後戻りはできない』

『体がそれを求めちゃうんだよね。由紀としてると、毎回肩透かし食らってる感じ』

『私で解消するのはいいけど、解決にはならないわよ』

『そうなんだよ。そこが問題なんだ』

『逆にもう私としないとか』

『それも考えたけど、気が狂いそう。
 早苗は彼で満足できてるの?』

『まだこわごわやっている部分はあるけど、不満はないかな。楽しいし』

『はぁ、羨ましい』

『由紀ちゃんと別れる選択肢はないんでしょ』

『ない。だから、何十年としていくと思うと気が重い』

『由紀ちゃんは、優斗が満足してると思ってるんでしょ』

『多分ね。射精もしてるし、僕も満足したふりはしてるから、気がついてないと思う』

『しばらくしないとか?』

『由紀の方からしたがるから、無理。疑われるだけだね。ごめん。もういいよ。解決策は、僕が激しくしなくても満足することなんだ』

『じゃあ、私とも激しいのはなし?』

「やってみてもいいけど、早苗怒ると思うよ。もっとちゃんとやってって』

「イライラするのは嫌かな。焦らされてるんならいいけど』

『焦らされたまま終るから』

『それは確かに辛いわね』

『もう由紀のことは今は忘れる。もういい?しても』

『いいわよ。でも痛いのは嫌だからね』

『そんなことはしないよ。大切にする』

『優斗、大好き』

『僕も大好きだよ』

 それから優斗は満足のいくセックスを満喫し、足取りも軽く家に帰った。


 優斗は、ホテルに行くことに乗り気になれなかったので、週末、夏樹達と会うことにした。もちろん由紀も一緒に。

 集合場所は、夏樹が指定した。

 優斗達が駅に着くと、
『あれ?はるちゃん?』

『多分、なっちゃんだと思う』

 優斗は久しぶりに女の子の服装の夏樹を見たが、相変わらず周りからチラチラ見られていた。

 夏樹も2人に気が付いて、駆け寄ってきた。

『お待たせ。なっちゃんだよね?』

『当たり』

『はるちゃんは?』

『優斗くん達のデートを邪魔する気はないから来ないって』

『はるちゃんらしい』

 由紀は初めて見る夏樹の女装姿に驚いていた。

『私より何十倍も女の子っぽくて、可愛い』

『由紀ちゃんも可愛いよ』

『ユウが鼻の下伸ばしてたのも分かる』

『そうそうびよ~んって』

 優斗は真っ赤になった。そんな優斗を見て2人は笑った。

 優斗は周りを見渡した。みんな、なんで僕みたいなやつが美女2人と一緒にいるんだって思ってるんだろうな、と思った。

『さぁ、行こう』夏樹が先導した。

 目的地の店まで、2人は、女の子同士のように、あちこちの店に寄って、騒いでいた。

 優斗は無言でついて行った。はしゃぐ由紀の姿に、新鮮さを覚えた。

 目的地につくと、かなり並んでいた。

『うわぁ~話題のスイーツ店だけあって混んでるね』

『このくらいなら、話してればあっという間よ』

 由紀は学校での春花の女王様っぷりを面白可笑しく話した。

 優斗は、喫茶店のメニューの参考にならないかと楽しみにしていた。

『ねぇ、ユウ聞いてる?』

『なんでこんなに混んてるのかなぁって。うちの店じゃ女の子は並ばない』

『店の雰囲気の問題よ。昔ながらの喫茶店じゃ、無理よ』

『そうかなぁ』

『優斗くん、喫茶店で、料理作ってるんでしょ』

『そうだけど』

『私、お姉ちゃんにご飯作ってるんだよ』

『確かになっちゃんは、料理美味いよね』

 やっと優斗達が店に入れた。

 ほとんど女性の客ばかりで、おそらく彼女に連れてこられた男性が数人いたくらいだ。

 3人は何を頼むか盛り上がり、やっと飲み物とともに注文した、

『あ~いいなぁ店の中も可愛い。うちの店もこんな風ならいいのに』

『大事な常連さん達、逃げちゃよ』

『朝、おじいちゃんやおばあちゃん達の顔見ると、安心するよね。今日も元気だって』

『そう言えば、うちの母さんは、ちゃんとやってるの?』

『おじいちゃん達から大人気よ。フフフッ』

『あ~そんな気がした』

『優斗くんのお母さんもユッキーの店で働いてるの?』

『僕たちが付き合いだして、月に2.3回デートするために、働いてる』

『私も働いてみたいな、喫茶店』

『なるちゃん、許してくれなさそうだけど』

『多分ね。お金には困ってないでしょって言われそう』

『あ~、そんな言葉言ってみたい』とみんなで笑った。

『ユウが店やるようになってら、改装する?』

『だから、ダメだって。常連さん達の居場所をなくしちゃダメだよ』

 由紀は、改めて店内を見回し

『みん、なっちゃんのこと。モデルか何かだと思ってるのかな?男の子ですよ~』と笑った。

『いつもはお姉ちゃんと一緒だから、みんなお姉ちゃんを見てると思ってたけど。なんか違うみたい』

 注文した品が来た。いかにも女の子が喜びそうな盛り付け方だった。

『味だけじゃない。こういうのも参考になるね』 

『もう、素直に食べなさい』

『美味しいよ。ただの見掛け倒しじゃない』

『本当だ。美味しいよ』

『そうだ。いいこと思いついた』優斗はニヤリとした。

『何よ』と由紀が、興味津々だ。

『由紀怒るなよ。冗談なんだから』

『はい、なっちゃん、あ~ん』と優斗は自分の料理をフォークでとり、夏樹のくちの前に出した。

『えっ、何?何?』夏樹は慌てたが、由紀は笑って、夏期に頷いた。

 夏樹は、食べた。

『美味しいよ』と顔は真っ赤になっていた。

『次は由紀、あ~ん』

 雪は素直に食べた。

 店内がざわつき始めた。

『なんなのが二股?』と優斗の耳に入ったが、無視した。

 由紀は、自分の料理を、同じように優斗に食べさせた。

 夏樹も理解したのか、優斗に食べさせた、

 店内のザワツキが増した。
 トドメに優斗は、右手で夏期の手に重ね、左手で由紀の手に重ねた。

 優斗はそれを一つにして、握った。

 店内のザワツキが最高潮になった。優斗の事を貶す言葉も多く聞こえた。

『優斗くん、強くなったね』と夏樹が感心した様子で言った。

『何?何?』と由紀が聞きたがった。

『実はね。初めてデートした時に、待ち合わせた駅で大変だったの』

『ふ~ん』と優斗の顔を見た。

『あっ、あの頃はしょうがなかったんだよ』と慌てた。

 夏樹は詳しく説明した。

『確かにあの頃は。ヘタレだったわね』

『すいませんでした。ヘタレで』

『あの時の優斗くんは、昔と何も変わらなかったな』

『今は違う?』

『ううん。相変わらず優斗くんは優しいよ』

『それが一番の取り柄だからね』と由紀はからかった。

『いいじゃん。それが僕だから』と優斗は、からかわているのがわかっても動じなかった。

『由紀は可愛くて、頼り甲斐かあるし、なっちゃんは美人で奥ゆかしい。それが自分なんだから』

『ユウのくせに生意気』

『優斗くん、かっこいい』

『なっちゃんと付き合おうかな?』

『そうすれば?私は邪魔しないわよ』

『ホントに?』と夏樹は喜んだ。

『後で死にたくなかったら、信じちゃダメだよ。由紀は怖いよ』

『ちょっと言い方ってもんがあるでしょ』と由紀は怒った。

 3人は楽しく時を過ごした。

 極めつけに、夏樹と由紀が優斗の両端で腕を組んで店を出た。

 3人は店を出てから、大笑いした。

『どうなんだろうね。店の中』

『みんなもういっぱいいっぱいじゃない』

『2人といると楽しい』

 由紀はまた夏樹と女友達のように、楽しく歩いている。優斗はそれを眺めて、喜んだ。

 夏樹がお姉ちゃんが怒るからと、帰ることになった。

 途中まで一緒に帰った。

『また遊ぼうね』と夏樹が言うと、由紀も『今度は2人で買い物行こう』と言った。夏樹はとても喜んだ。

 まだ早かったので、いつものホテルに行った。

 今日一日で、優斗は改めて由紀が好きになった。だから、いつもの物足りないセックスでも、満足できた。

 やっぱり気持ちの持ちようだな、と優斗は思った。

 その夜、夏樹は初めて自分から春花を求めた。

『とうしたの?夏樹からなんて』

『なんか、2人を見てたら、お姉ちゃんと会いたくなっちゃった。
 由紀ちゃんに嫉妬すると思ったんだけど。なんか変な気持ち』

『夏樹』と優しく言って、抱きしめた。

『なんなの?体が変。熱いよ』

 2人は舌を絡めた。

『お姉ちゃん、私からしていい?』

『うん。夏樹の好きにしていいよ』

 と春花はベッドに横になった。

 夏樹は、姉の服を脱がせ、自分も服を脱いだ。夏樹の肉棒は、大きく上を向いていた。

『お姉ちゃん』と胸を掴み、乳首を舐めた。

 そして股間に顔を埋める。

 春花が声を上げる、

『お姉ちゃん、一緒になろう』と肉棒を挿れた。

 夏樹は腰を動かした。

『お姉ちゃん、気持ちいい。お姉ちゃんも気持ち良くなって』と動いた。

『夏樹、私も気持ちいいよ。もっともっと私をついて』

『お姉ちゃん。今までと違う。お姉ちゃんとずっと繋がっていたいよぉ』

『私はずっと夏樹と一緒よ。どこにも行かない』

『うん。嬉しいな。あぁぁ、出ちゃう』

『中でいいよ』

『でも、赤ちゃんできちゃうよ』

『夏樹とならいいよ。おいで、私だけの夏樹』

『お姉ちゃん』と2人は抱き合いながら、中で射精した。

『お姉ちゃん、赤ちゃん、一緒に育てようね』

『うん。2人でね』

 春花は、これまで生きていて一番の幸せを感じていた。しかし、夏樹が変わった理由が全く分からなかった。

 今日、ユッキーとナッキーと合ったから?』としか思えなかった。

 呼吸が整い、春花は聞いた。
『今日、なんかあった?』

『おのね、さっきも言ったけど、ユッキーと優斗くんが仲良くしてるのを見てたら、ユッキーにヤキモチ焼くんじゃないかと思ったんだけど、お姉ちゃんの顔が浮かんで、会いたくてたまらなくなっちゃった。

 それとね。優斗くんが自分は自分でいいんだよって言ったの。それで思ったの。お姉ちゃんになるのは止めようって』

『それじゃあ、手術は·····』

『女の子には服を着ればなれるし、わざわざこの体を捨てる必要はないかなって』

 春花は、涙を流した。

『お姉ちゃん、どうしたの?』

『私はね。今の夏樹が好きなの。
 手術したら、何かが変わってしまいそうで怖かったの』と本格的な部分は濁した。

『体が変わっても心は変わらないよ』

『それでも今の夏樹がいい」

『もう大丈夫。私は何も変わらない。お姉ちゃんと、ずっと一緒にいたい。ただそれだけ」

『うん。私も夏樹とずっと一緒にいたい」

 二人は。抱きしめあい、体を求めあった。

 しばらくして、春花が妊娠したことが分かった。

 春花は、一身上の都合ということで、あっさりと学校を辞めた。学校中大騒ぎになった。誰が言ったのか、妊娠したという噂が広まった。

 春花は、一部の仲のいい友達には、妊娠したことを伝え、これからも友達でいることを確かめあった。相手のことは言えないと理解してもらった。

 夏樹は、前髪を切った。優斗は心配になったが、夏樹は、もう必要ないとだけ言った。

 それから、夏樹の提案で、優斗と由紀、春花と夏樹は、春花達の部屋で会うことになった。

 春花は、
『あなた達のことは、正直、どうでもいいんだけど」と言ったところ、

『お姉ちゃん、ちゃんと言って」と夏樹は嗜めた。

『しょうがないわね。ナッキー、あなたには感謝してるわ」

『えっなんのこと?』

『夏樹に手術を思い留めさせてくれて』

『何のこと?』と優斗はちんぷんかんぷんになっていた。

『全くもう。この前、3人で遊びに行った時に、優斗くんが、自分は自分でいいって言ったじゃない』と夏樹が説明した。

『言ったような気がする』

『言ったの。それを聞いて、お姉ちゃんになるのを止めたの』

『そうだったんだ。僕もなっちゃんは、なっちゃんのままがいい』

『ありがと。それで私のままで、どうしたら、幸せになれるかを考えたら、お姉ちゃんと赤ちゃんを作ることだと分かったの』

『えっ!じゃぁ』と優斗と由紀はビックリした。

『そうお姉ちゃんのお腹の中には、私とお姉ちゃんの赤ちゃんがいるの』

 優斗と由紀は色々と言いたかったが、全ての言葉を飲み込んだ。

『そうなんだ。おめでとう』

『良かったね。はるちゃん。なっちゃん』

『ありがとう。優斗くん、ユッキー。ほら、お姉ちゃん、この2人は、何も言わずに喜んでくれるって言ったでしょ』

『そうね。2人には感謝するわ』

『はるちゃん、それでお母さんできるの?』

『わっ、私を誰だと思ってるの?』と春花は痛いところをつかれて、慌てた。

『はいはい。でも子供って簡単に育てられないわよ。もし、2人の両親に頼れないなら、私やユウを頼って。お願いだから、2人だけでなんとかしようと悩まないで』

 優斗は由紀をさすがだと思った。自分にはこんな言葉、思いつかない。

『幸いかどうか分からないけど、うちの親も、ユウの親も、ぶっ壊れてて、ちょっとやそっとじゃ驚かないから大丈夫よ」

『そうそう、常識ないから」

『酷い言い方ね。フフフッ。分かったわ。そういう時が来たら、頼ってあげるかもしれないわ』

『お姉ちゃん、何言ってるか分からないよ』

『優斗くんもユッキーもありがとう』

『産婦人科は?』

『まだ決めてないの。検査薬で調べただけ。生理も来ないし。お姉ちゃんも気持ち悪いみたいだし』

『うちの母親に一緒に行くように頼んむよ。由紀の親は店あるから。
 大丈夫。何も余計なことは言わない。ただはるちゃんの親のフリしてついていくだけ』

『私もついて行っていい?』と夏樹は春花が不安がるのを心配した。

『もちろん。ちょっと待って電話するから』

『あっ母さん。実は頼みがあるんだよ。いい産婦人科って知ってる?できれば女医さんがいいんだけど』

『えっ、ちょっと遠いけどあるの?由紀が産まれた病院?』

『それで、もう一つ頼みたいんだけど。産婦人科に付き添ってくれる?』

 電話から母の怒鳴り声が漏れた。優斗も初めて聞く声だった。

『母さん、落ち着いて。妊娠したのは由紀じゃないよ。僕は。ちゃんと約束守ってるから。えっ、誰かだって。
 由紀と僕の友達。ちょっと事情があって、その子の親には頼めないんだ。
 お願いだから、その子の親のフリして付き添ってあげて。僕もいくから。

良かった。こっちはいつでもいいよ。明日?学校終わった後ね。分かった。じゃぁ頼んだよ』

 電話を切った。

『母さんにあんな声で怒られたの、初めて、ビックリしたぁ』

『ありがとう、優斗くん』

『じゃぁはるちゃん、明日ね。帰りに迎えに来るから』春花は初めて高校生らしい動揺した顔を見せた。

『私もいく』と由紀が言い出した。

 仲間はずれにするのも可愛そうだと思い、
『僕と由紀は、病院の外で待ってる。はるちゃんとなっちゃんは、母さんと中にはいって』

『ユウのお母さん、美人だから、2人の親でもおかしくないよ』

『大丈夫。うちの母親は出産に関して苦労したみたいだから、色々聞いて大丈夫。今いちばん大切なのは、赤ちゃんだから、恥ずかしいとかそういうのは後にしようよ』

『ありがとう、ナッキー』と春花は涙を見せた。

『全然気にしないで。赤ちゃん楽しみだなぁ。楽しいことだけ考えよう。2人がお互いを好きだから、できたんだ。何の心配もないよ』

『ユウ、私達も作ろうよ』

『いや、もう少し待って。今の僕達には赤ちゃんより優先することがあるんだから』

『何?』と夏樹が聞いた。

『大学で料理を勉強するんだ。それで2人でお店をやるんだ』

『喫茶店じゃないの?』

『まだマスターいるから無理だよ。儲からないし。だから、僕は。自分の店を持つんだ』

『うわぁ、楽しみね』

『その時は赤ちゃんと3人で来てね』

『うん。絶対にいくから』

 2人は、部屋を出た。

 由紀は赤ちゃんのことで頭がいっぱいになっているようだ。

『うちの母さん、覚えてるかな?はるちゃんもなっちゃんも』

『可愛かったから覚えてるんじゃないかな』

『じゃあ、また明日』


 優斗は家に着いた。

 母がリビングから飛び出してくる。

『何なのよ、さっきの電話』

『父さんは?』

『お風呂入ってる』

『じゃあ、まずチュー』

『もうそういうのは後にして』

『いいから早く』

『まったく、もう』

 と舌を絡めた。優斗はスカートをまくり上げる。

『これ以上はダメ』

『残念』2人はリビングのテーブルに座った。

『母さん、覚えてる?僕の幼稚園の時にいた双子?途中でいなくなっちゃった』

『あぁ、親が離婚したって子いたわね。男の子と女の子の双子』

『実はね。その2人が今、僕と由紀の学校にいて、2人で暮らしてるんだ』

『へぇ~。そうだったの。偶然ねぇ。それで今回の話って、その女の子が妊娠したの?』

『そうなんだけど、母さん、落ち着いて聞いてね』

『何よ。大丈夫よ』

『その赤ちゃんのお父さんは、双子の弟なんだ』と小さい声で言った。

『えっ、それって、近親相········』

『声大きいよ!母さんがそれ言うの?』

『あっ!そうだったわね。自分のことは棚に上げちゃった。テヘッ』

『それで、2人の親とは関係が良くないらしいんだ。だから、母さんが親のふりをして欲しい』

『了解。分かったわ。でも、産むにしたってお金はかかるわよ』

『羨ましいことに、株で相当儲けてるから、お金の心配はないって』

『あら?そうなの。
 それじゃ、とにかく付き添えばいいのね』

『頼んだよ』

 次の日、学校が終わり、4人は母の運転する車に乗り込んで、病院に向かった。

『病院には電話して予約してあるから』

『母さん、ありがとう』

『え~っと、春花ちゃんと、夏樹くんね』

『お母さん、お久しぶりです』と夏樹が言った。

『それにしても春花ちゃん、美人になったねぇ。夏樹くんも女の子みたいに綺麗な顔してる』

『そんな、ありがとうございます』と春花。

『厳しいこと言うと思うけど、ちゃんと聞いてね。

 戸籍ってものがあって、2人は結婚ができないのよ。それで、出産すると春花ちゃんの戸籍が新しくできるんだけど、父親として夏樹くんの名前を載せることはできないかもしれない。

 これから行く病院で妊娠が確定したら、母子手帳ってものがもらえるんだけど、そこには、法律なんか関係ないから、2人の名前を書きなさい。

 戸籍の話も今の話だから、未来では変わるかもしれない。

 だから、今は無事に産むことだけ考えて』

『はい、色々とありがとうございます』と春花は頭を下げた。

『これから出産するまで長いのよ。本当のお母さんだと思って、頼ってきていいからね』

『本当にありがとうございます。今まで誰にも頼らずに夏樹と2人で生きていこうと思ってました。
 こんなに優しくしていただいて、感謝の言葉しか浮かびません』

『一人で大丈夫な時は別にいいのよ。でも、ダメな時はダメだって言うことも生きていくうえで、とても大切なの。優斗なんかいつも助けてって由紀ちゃんに頼ってばかりよ』

 母さんが言うなと言いたかったが、言えなかったので止めた。

 産婦人科に着いた。

 古くからある産婦人科のようだ。

『由紀ちゃんはここで産まれたのよ』

『さすがに覚えてません』

『そりゃそうよ』

『僕と由紀は車で待ってるから、2人をよろしくね』

『大丈夫よ。春花、これからは、お母さんって呼んでね。夏樹もよ』

『お母さん、行こう。ほら、お姉ちゃんも』春花は震えていた。

『ここは女の先生だし、おばあちゃんだから大丈夫よ』

『はい。行きます』とゆっくりと歩き出した。

 受付で書類を書くように言われた。

 春花は、保護者欄は保険証のこともえり、実の母親にしたが、連絡先は優斗の母にした。

 春花は診察室に行った。夏樹は、母の手を握っていた。

 しばらくすると、春花が戻って来た。

『3ヶ月だって』春花は、ぎこちない笑顔をした、夏樹はジャンプして喜んで、春花を抱きしめた。

 春花は代金を払い、外に出た。

『3ヶ月だって』と夏樹は笑顔で報告した。

『良かった。本当におめでとう!はるちゃん、なっちゃん』と2人も自分のことのように喜んだ。

『ほらほら、みんな、喜ぶのはまだ早いわよ。まだ赤ちゃんは小さくて弱いし、それに春花は、大人になりきってない体なの。
 残念なことだけど、3ヶ月くらいじゃ産まれてこない赤ちゃんは、いっぱいいるの。後、半年、食べられないことも多いけど、しっかり体力をつけて、転ばないように気をつけないとね』

『そっか、喜ぶのは後にしよう。はるちゃん、不安だろうけど、母さん、頼りになるから、何でも言っていいからね』

『うん。ナッキーありがとう。ううん、もうナッキーなんて呼べないね。夏樹が好きになった理由がよく分かったわ』

『えっ?ナッキー?』

『いつも泣いていたからナッキーだよ』と由紀が説明した。

『そうだったの。それと夏樹が優斗を好き?』

『はいはい、後で話すから、帰ろう。はるちゃん疲れちゃうよ』

『そうね。夕飯、家で食べてく?春花、食べられそう?』

『あんまり食べられない』

『フルーツは?』

『フルーツなら少しは』

『そう分かったわ。スーパー寄ってくわよ』

 みんなで買い物をした。

 優斗の家に着き、母と夏樹と優斗は夕飯を作った。

 父が帰って来た。大勢がリビングにいたので、ビックリした。

『なんだ賑やかだな』

『父さんおかえり。覚えてる?僕と由紀が幼稚園の時にいた双子』

『あぁ、途中で辞めてった子だろ』

『それがこの2人、春花と夏樹』

『お久しぶりです。お邪魔してます』と2人は言った。

『おぉ、そうか、大きくなったなぁ。あの当時も可愛かったが、2人共変わらないなぁ』

『実は、はるちゃんが由紀と同じ学校で、なっちゃんが僕と同じだったんだよ』

『それは偶然だな』

『それで父さん、真面目に聞いてね。実は、はるちゃんのお腹に赤ちゃんができたんだ』

『えっ、あ~、そうなんだ。随分と早いな』

『まぁそうなんだけど、ちょっとはるちゃん達の親とは事情があるらしいから、母さんが親代わりをすることになった』

『そうか、まぁ言いづらいことはあるだろうから、父さんからは何も聞かない。ただ子供を産むことは覚悟が必要だ。それは春花ちゃんは、あるんだろうね?』

『正直怖くないとは言えません。ただ愛している相手との子供です。相手同様、子供も愛し続けます』

『うん。よく言った。それなら私も母さんもできることは何でもすると約束する。でも、私からできるアドバイスできることはあんまりないから、母さんに何でも聞いてくれ』

『はい、そうさせていただきます』

『急に子供が増えたみたいだな』

『そうね。大家族みたい。もうすぐできるから、先に飲んでて」

『はい、どうぞお父さん』と由紀がビールを持ってきた。

『由紀、優斗は迷惑かけてないか?』

『昔からだから、気にならないよ』

『そうだったな。そう言えば、由紀と春花ちゃんは、優斗と夏樹くんをよく助けてたな』

『そうよ。男どもはいつも泣いてたわ』

『それがまぁ、立派になったなぁ』

『私もとっくに身長抜かれたし』

『ははっ、由紀はお母さん似で、ちっちゃくて可愛いんだから、いいと思うよ』

『でも、はるちゃんやユウのお母さんみたいなスタイルにも憧れる』

『ないものねだりよ。私なんかみんな怖がって近寄らない』と春花か口を開いた。

『まぁ、確かに近寄りがたかった。でも副会長が学校辞めて大丈夫なの?』

『先生たちは大騒ぎよ。本当の理由は言わなかったけど』

『なんだ辞めたのか』

『生徒会の副会長が妊娠したなんて、笑えない冗談ですよ』

『まぁ、確かにそう言われてみれば』

『凄いのよ、春花ちゃん、株で生活費稼いでるんだって』

『その手があったか!はっはっはっはっ。ダメだな、旧人類は』

『ユッキー、おしゃべりなんだから』

『何でもいいんだよ。今はお金を稼ぐ手段はいくらでもある。
 父さんは、人と話すのが好きだから、外で働いている。由紀のお父さんもそう。喫茶店が好きだからやっている。

 自分ができることでお金を稼いで生きていけばいい。そこには上も下もない』

『私はね。ユウとお店やるんだ。いつかは喫茶店に戻るけど、それまでは2人で頑張りたい』

『それもいい。2人ならきっとできるさ』

 大勢で夕飯を楽しみ、母と優斗は、由紀と春花達を車で家まで送った。

 そして、人通りのない帰りの途中で車を止めた。

『今日はありがとう』

『バタバタ1日が過ぎた感じ』

『なっちゃんはね。再会した時はお姉ちゃんになるって、性転換手術を受けるって言ってたんだ』

『だから、話し方も女の子っぽかったのね』

『今年の4月頃、女の子の服を着た夏樹に告白されたんだ。名前は春花って言ってた。でも全然気が付かなくて、何回かデートしたんだ』

『あぁ、だから、あんなこと言ってたのね』

『いつから、あの2人が体の関係になったのかは分からないけど、倫理的にいいとか悪いとか分からないけど、僕は2人を応援したい。だから、はるちゃんのこと、よろしくね』

『春花は、自分一人の力で夏樹と生きていこうと思いすぎて、本当の親にも頼らずに生きてきた。それを緩めるのが先よ』

『そうだね。由紀とよく話してみるよ』

『私も優斗が応援してくれるからね』

『まさか、母さんが近親相姦を咎めるとは思わなかったよ』

『咎めてないわよ。ビックリしただけ』

『ビックリもしちゃダメでしょ』

『優斗は、初めて聞いた時、どうだったのよ』

『びっくりして、咎めようと一瞬思った。フフフッ』

『もう、意地悪なんだから』

『だって、母さん、可愛いんだもん』

『そんなこと言っても許さないわよ』

『どうするの?』

『もう出ませんって言っても、出させる』

『母さんならできそうで怖い』

『残念ながら、今は時間がないから、一回だけね』

 車は激しく揺れた。


 それから春花は、一人で家にいる孤独と不安に耐えきれなくなり、優斗の家に頻繁に来るようになった。

 今まで夏樹に任せきりだった家事も学んだ。

 それから、高校卒業の資格が取れる通信教育も始めた。

『夏樹、モテそうだよね。心配じゃないの?』

『ちょっと前は、女子から告白されるのがイヤで、前髪を伸ばして顔を隠してた』

『やっぱり、夏樹は、男の子が好きなの?』

『ううん。夏樹が好きになるのは、性別とか関係ないのよ。優斗くんは、幼稚園の時に優しくされたから好きになったみたい。今は、私だし』

『あっ、なるほどね』

『前は、私のことを好きっていう感情が、私になりたいっていう考えに繋がってたみたいなんだけど、私が妊娠して、私が普通の恋愛対象に変わった。そういうことらしいわ』

『ということは、春花の方が先に夏樹を、好きになったってこと』

 春花は顔を真っ赤にして、
『そういうことになるわね』

『ごめんなさい。無理に言わそうとしたわけじゃないのよ』

『いいわよ。謝らなくたって』とまだモジモジしている。

『春花も秘密を教えてくれたから、母さんの秘密を教えてあげる』

『なに?』

『実はね。母さんと優斗は、父さんと由紀ちゃんに内緒で、セックスしてるの』

『えっ!冗談だよね?』

『フフフッ、本当よ』

『春花は、本当は夏樹とはダメだと分かっていても、好きになってしまった理由を私と優斗は理解できるから。
優斗なんて、中学生の時から、私とセックスしたいって思ってたらしいのよ。マザコンにも程があるわ』

『でも、ユッキーが可愛そう』

『そうね、由紀ちゃんには悪いと思ってるわ。でも、私と優斗は好きであっても2人で一緒にはいられない。

 未来の優斗を任せられるのは由紀ちゃんしかいないのよ。

 だから、あなたのことは理解してあげらるから、産まれるまではもちろん、産まれた後も、私のこと頼っていいからね』

『うん。お母さん、ありがとう』と春花は涙を流した。

 二人は抱き合った。


 春花は、優斗の母に隣にいてもらい、学校を辞めたこと、妊娠して産むことを実の母親に連絡した。夏樹のことは言えないので、一人で育てると伝えた。

 初めは、勝手なことをして!と怒っていた実の母も、最後は春花の体を気遣うようになった。

 春花は、途中で何度も電話を切ろうとしたが、そのたび、優斗の母が手を握りしめた。

 夏樹が冬休みになったら、一度帰るということで電話を切った。

『はぁ、お母さんいなかったら、最後まで話せなかった。ありがとう』

『よく頑張ったわね。春花はいい子だね』と頭を撫でた。春花は、母の肩に頭を乗せた。

『自分の思い通りにならなかったら、誰でもイライラするし、怒ったりするでしょ。それは、親も子供も変わらない。

 イライラする相手が、どうでもいい人だったら、すぐに話を止めて、2度と会わなければいい。だけど、家族はそうはいかない。ずっと怒っているわけにもいかない。

 だから家族は大変なのよ。あなたも親になるんだから、自分の親の気持ちも考えてあげて』

『うん。考えてみる』

 そして、その夜、春花達の部屋で夏樹が春花の妊娠のことを父に告げた。

 父は驚いたが、怒ったりはしなった。

『近いうちに2人で帰ってこい』それだけだった。


 そして冬休みになった。

 春花達は実の母親に会いに行く日が決まった。

『春花、私も近くでまってるわ』

『ううん。大丈夫だから』

『でも、行きだけは送らせて。私はすぐ帰るから』

『分かった。本当に帰りは自分たちで帰るからね』

 母は頷いた。


 夏樹は何着てこうか悩んでいる。母の再婚相手に会うのは初めてだった。夏樹は色違いの同じ服にした。


 行きの車は、夏樹と母でずっと話していた。春花はずっと窓の外を見ていた、

 春花は、ずっと学級委員をやっていて、成績も運動もトップクラスにいた。  

 それに加えて美人でスタイルもいい。勝ち気な性格で、いわゆる不良グループとは対立したが、おとなしい生徒にも分け隔てなく接していた。

だから、先生の間でも、生徒の間でも一目瞭然置かれるような優秀な子供だった。

 県内有数の進学校にも入学した。そこで生徒会の副会長で、三年生になれば、会長間違い無しとも言われていた。

 母もきっと私のこと期待してただろうな、それが妊娠して高校中退。

 妊娠したことは全く後悔していないが、母の期待を裏切ってしまったのではないかと思っていた。

 家に着いた。
『じゃあ私は帰るから。楽しんでいらっしゃい』と

『自分の家に帰るだけでしょ。なんで緊張するのよ。誰がいるからでないでしょ。あなたがどうしたいか、それだけよ』と昨日、優斗の母に言われ、ずっと考えていた。
     
『私はこの家にいたいのか?』

 春花は、呼び鈴を鳴らした。

 実の母がドアを開けた。

『鍵持ってるでしょ。なんで呼び鈴なんか鳴らすのよ』と母は笑っていた。

 それを見て、
『あっここは私の家だ』と春花は思った。

『ただいま』

『お帰りなさい。早く入りなさい。あら、夏樹も久しぶり。今日も可愛い服ね』

『お母さん、ただいま』と夏樹は先に家に入った。

『春花も早くしなさい。お腹の方子にも悪いわよ』

『うん』と家に入った。

 夏樹がリビングとドアを開けると、大人の男の人と、小さい子供が遊んていた。

 男の人が
『春花ちゃん、お帰りなさい』

『ブッブー、夏樹ですぅ』と子供の方に行った。

 男の人が困惑していると、母が
『夏樹は、春花と同じ服が好きなのよ』

 男の人は『あぁ、そうなんだ』と言い、夏樹の方を向いて
『ごめんね、夏樹ちゃん』と言った。

『大丈夫。よく間違われるから。気にしてない』
 と子供と遊びに夢中になっていた。

『夏樹、その子、秋彦よ』

『秋彦くんか。秋彦くん、お姉ちゃんだよ。夏樹お姉ちゃん』

『なつきおねーたん?』

『そうそう。お話上手だね』


 そして、春花が部屋に入ってきた。

『おっ、今度こそ、春花ちゃん、お帰りなさい』

『ただいま』春花は目を合わせなかった。

『ほら、みんなテーブルに座って』

 と母が料理を運ぶ。

『私も手伝う』と夏樹がキッチンに向かう。

『いただきます』

『美味しいよ。お母さんの料理、いつ依頼だろう?中学の時に泊まりに来て以来?2年ぶりくらい?』

『夏樹は料理してるの?前もよく手伝ってくれたけど』

『今は毎回、私が作ってるよ。やっと最近、お姉ちゃんも食べれるようになったし』

『春花、食べれそう?』

『うん。いっぱいは無理だけど。美味しいよ』

『良かった。夏樹の方が美味しいなんて言われたら、どうしようかと思ったわ』

 春花は涙を流し始めた。

『お姉ちゃん、どうしたの?』

『お母さん、ごんなさい。勝手なことばかりして』

『何?自分で決めたんでしょ。悪いことなんて何もないわよ』と母も涙を流した。

『私も電話で怒鳴ったりして、悪かったわ。あなたの人生なんだから、母さんは、親として応援するだけ。

 春花は。私がこの人と結婚したこと、よく思ってないんでしょ?

 私も勝手なことしてる。でも、私の人生だから、春花に嫌われることを覚悟して、自分のわがままを押し通したの。

 たから、春花も遠慮することはないわ』

 春花は。首を振った。

『違うの。結婚したことは私に関係ないって思ってたから、いいとも悪いとも思ってなかった。

 私は夏樹と一緒にいたかったから、この家を出たの。

 だから、お母さんも、その········、お、お父さんも、何も悪くない』

 母と男の人は、顔を見合わせた。

『お父さんって呼んでくれた?』
 と男の人も涙を流した。

『お姉ちゃん、頑張ったね』と夏樹は春花の肩を抱きしめた。夏樹も泣いていた。

 秋彦がぼうっと、みんなを見る。

『さぁ、春花は無理しないで食べて。夏樹は男の子なんだから、いっぱい食べて』

『私も、そんなに食べれないよ。ねぇねぇ、お母さんとお父さんは、どこで知り合ったの?』

『うんとね···········』
 楽しく時は過ぎていった。

『予定日はいつなの?』

『来年の6月』

『あと半年か』

『近くになったら、こっちに来なさい。心配だから』

『実はね。初めの幼稚園の時にいた時にいた、優斗くんと由紀ちゃんって覚えてる?
 優斗くんのお母さんは、すらっとして美人で、由紀ちゃんのお父さんは喫茶店やってる』

『あぁ、なんとなく覚えてる』

『実は私がいた高校に由紀ちゃんがいて、夏樹の学校に優斗くんがいたの。それで、今、優斗くんのお母さんに、色々出産のことを教えてもらったりして、お世話になってる』

『あら、今度お礼言わないとならないわね』

『優斗くんのお母さん、専業主婦だから、今は家にお邪魔したりしてて。
 だから、出産まで大丈夫だと思う』

『でも、そこまで迷惑かけられないわ』

『うん。お母さんの気持ちも分かるけど、大丈夫。出産の時は連絡するから』

『そう····。分かったわ。でも何かあったら連絡してね』

『うん、分かった』

 すると、夏樹が電話をした、
『あっ、お母さん、どうせ近くにいるんでしょ。もう帰るからこっちに来て』

『ちょっと夏樹、勝手なことしないで』と春花が怒った。

『お母さん、すぐに優斗くんのお母さん来るから』

『まっ、どうしましょう、何も用意してないわよ』

『何もいらないよ。一言お礼言ってくれればいいよ』

 するとすぐに呼び鈴が鳴った。思ったよりも近くにいたらしい。

『ご無沙汰してます。幼稚園の頃····』
 夏樹が口を挟む。

『説明したから大丈夫。優斗くんのお母さん』

 すると、春花達の母は、深く頭を下げ、
『私がダメな母親なばかりに、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません」

『いや、そんな、頭を上げて下さい。大したことしてませんから』

『急なことで何も用意しておりませんが、どうか春花と夏樹をよろしくお願いします』

『こちらこそ、私に娘はいないで、楽しく過ごさせてもらってます。責任を持って出産の日を迎えたいと思ってます。

 それで、連絡先だけ交換できますか?』

『あらやだ、ちょっと待ってて下さい』と部屋の中に戻って行った。

『もう夏樹、いきなりは止めてよ。私にも心の準備があるんだからね』

『ごめんね。お母さん』と反省してない笑顔を見せた。

 2人の母は、連絡先を交換した。

 春花達の母は、
『もうちょっと、ゆっくりしてけばいいのに』

『また来るから、いいでしょ。来月くらいかな。気張って料理しなくてもいいからね』と夏樹は勝手に決めた。

『待ってるわよ』

 春花たちを乗せた車は走り出した。

『ホントにもう、夏樹でしゃばりすぎ』

『いいじゃん。たまには。お姉ちゃんも、あまりあの家の負担になりたくないって思ってたんでしょ』

 春花は、分かりやすくドキッとした顔をした。

『それはそうだけど』と下を向いた。

『いいじゃん。何回も行けば、そのうち気楽になるよ。何ヶ月も経ってから行くから気まずくなるんだよ』

『まぁ、そうかもね』


 夏樹達の実の父とは外で会った。再婚相手も妊娠中で、大変だからと言われた。

『春花、体調はどうだ?』

『今はだいぶ良くなった』

『そうか、それは良かった。本当のこと話すと、お父さんが結婚した相手なんだが、お前たちと会うのは嫌だと言ってな。本当に申し訳ない』

『ううん。お父さんだけで私達は嬉しいよ』と夏樹は言った。

『お母さんには言ったのか?』

『この前行ってきた。男の子と3人で幸せそうだったよ』

『そうか、幸せになってたか。良かった。本当にお前たちには苦労かけたな。私達のワガママに巻き込んでしまって、申し訳ない』

『お父さん、謝ってばっかり』

『あぁ、そうか。ごめん、ごめん。あっ』3人は笑った。

『何か困ったことはないのか?』

『お父さん、覚えてる?·········』と母にした話を同じように話した。

『そうか、喫茶店やってるお父さんは
 何回か店に行ったから覚えているよ。その優斗くんのお母さんには何かお礼しないとな』

『ううん。ちゃんと言っとくから大丈夫だよ』

『そうか、俺もお祖父ちゃんか、父親らしいことも何もできてないのにな』

『お父さん、私達のことは心配いらないから、自分の今の家族のことを心配してあげてね』と夏樹が言い残し、解散となった。

『夏樹、私がずっと一緒にいるからね』

『うん。お姉ちゃんがいれば私は何もいらない。あっ、私達の赤ちゃんはいる』

『フフフッ。3人で離れ離れにならないようにしようね』

『4人かもよ。いや、5人?』

『何人でもいいわよ。フフフッ』

 春花は、夏樹の手を握った。


 そして、それぞれの時は過ぎた。




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