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出産
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優斗達は3年生の始業式を迎えた。
優斗と夏樹は、駅で待ち合わせした。
優斗が駅につくと、夏樹は既にいた。
夏樹は、制服でも変わらず注目を集めていた。
夏樹は今でも手を繋いでこようとする。
『今はダメだよ。由紀の耳に入ったら、怒られるのは僕なんだよ』
『いいじゃん!ケチ』
『もう少し、自覚持ってよ。見られてるって』
『なんかその言葉、久しぶり。あっクラス分け、張り出されてるよ。早くいこう』夏樹は手を引っ張った。
『ちょっと、だからダメだって』
『え~っと、あった。やった!同じクラスだよ』
『一年間、よろしくね。でも、手は繋がないからね』
『僕、体育の時、トイレで着替えるから、サポートしてね』と囁いた。
『分かったよ。任せといて』
クラスに向かった。夏樹の仲の良い女子のうち、何人も同じクラスになったようだ。クラスに着くなり、囲まれていた。他の女子も遠くから熱い視線を送り、男子からは冷たい視線を送られていた。
『優斗くん、僕の親友だから、みんなも仲良くしてね』と紹介された。
なんでこんなやつが親友なの?という顔をされたが、とりあえず自己紹介は終わった。
新しい担任から、受験の話が長くされた。
そして、席替えとなった。抽選の結果、優斗と夏樹は窓際の前後の席になった。
夏樹は喜んでいた。夏樹の隣の女子は、取り巻きではなく、凛とした綺麗な女子生徒だった。
夏樹は、女子の方が話しやすいらしく、楽しそうに話していたが、女子の生徒の方は興味がなさそうだった。
だから、取り巻きが来ると、ウザったそうに席を離れた。
優斗は追いかけていった。
『ごめんね。夏樹、あんまり空気読めないから』
『なんで、あなたが謝るの?』と冷めた口調で話した。
『えっまぁ、親友として、夏樹を嫌いになって欲しくなくて』
『私は、夏樹くんだっけ。興味がないだけ』
『そっ、そうなんだ。興味がなくてもいいから、仲良くしてあげて』
『私は長崎玲香。あなた名前は?』
『僕は、大沢優斗。あっ僕のことはいいから』
『あなた、変わってるわね。私にあんまり関わらない方がいいわよ。私も誰とも関わらないから』と去っていった。
席に戻ると、取り巻きが玲香のことを話していた。
『夏樹くんの隣の子、お父さんが刑務所にいるらしいわよ』という話が優斗の耳に入った。余り人付き合いをしてこなかったので、優斗はそんな生徒がいることを知らなかった。
夏樹はいつもの調子で
『別に玲香ちゃんが犯人じゃないんでしょ。だったら私には関係ないよ。みんなと同じように仲良くなりたい』
取り巻きは言葉を失い、それ以上は、玲香のことを何も言わなくなった。
それから陰湿ないじめが始まった。
玲香の机の中や椅子に嫌なものが入れられたり、置かれたりした。
中には辞めろと書かれた物があった。
優斗と夏樹は、片付けるのを手伝った。
ある日、優斗は玲香に呼び出された。
『あのさ。夏樹くんに私に話しかけないように言ってもらえるかな』
『僕も言ってるんだ。止めようって。でも、夏樹も昔イジメられてたらしくて、ほっとけないって』
『はぁ、ありがた迷惑ね』
『あのさ、僕と席変わらない?』
『いいの?そうしてくれると有難い』
2人は担任に掛け合い、了承を得た。
そして、夏樹には玲香に話しかけないように注意した。
それからイジメはなくなった。
放課後、玲香に人気のない校舎裏に呼び出された。玲香は、優斗に感謝した。そこで話す玲香は、ただの高校生だった。
『ありがとう。優斗くんのお陰で助かったわ』
『本当におさまって良かった。あのさ。クラスでもそうしてれば可愛いのに』
『えっ、いきなり恥ずかしいこと言わないでよ』と赤くなった、
『ごめん。ぼく馬鹿なんだよ。よく言われるんだ。そんなことを真顔で言うなって』
『フフフッ。本当に変わってるね』と満面の笑顔になった。優斗はドキッとして赤くなった。
『なんで、あなたも赤くなってるの?』
『いや、恥ずかしいこと言うけどいい?』
『何よ、改まって、言ってみれば』と既に赤くなっている、
『うん。怒らないでね。え~っと。笑った顔がキレイだと思った』
『バカ!』と後ろを向いた。
『本当にごめんなさい』
後ろを向いたまま、
『ううん。嬉しいよ。久しぶりに学校で普通に話した』
『えっ!』
『聞いたでしょ、私の父親の話』
『うん。先週、誰かが話しているのが聞こえた。でも、夏樹も言ってたよ。玲香さんには関係ないって。僕も
そう思う』
『ありがとう。でも、みんなの前では話しかけないで』
『じゃあ、放課後話そうよ。学校でダメなら、どこかうちの生徒がいないところで。夏樹も一緒に』
『ありがとう。そんな時が来れば嬉しいな』と歩き出した。
優斗は追おうとしたが、
『来ないで!』と言われた。玲香の手が涙を拭ったように見えた。
それから夏樹に連絡をとった。夏樹も気になってたらしく、すぐOKの返事が来た。
次の日、玲香が座る机の上に他の生徒に見られないように手紙を置いた。
今日か明日、3人で話そう。連絡先は優斗の携帯番号を書いた。
玲香からショートメールが届いた。
それからやり取りをし、なんとか説得できた。
会うのは自分のバイト先の喫茶店にした。
由紀にも話をした。
夏樹は遅れて来ると言った。
優斗は玲香を連れてきた。
『ここが僕のバイト先』
店内に入ると、由紀がバイトしていた。
『なんでいるんだよ』
『うちの店なんだから、別にいいでしょ。邪魔しないわよ』
『えっと、僕の幼なじみの由紀』
『ちょっとふざけてるの?怒るわよ』
『はぁ、僕の彼女の由紀』
『初めまして、優斗の彼女の由紀です』
『えっと玲香です。優斗くんのクラスメイト』
『どうぞ、こちらへ」と席に案内した。
『ご注文が決まりましたら、お呼び下さい』とメニューを置いていく。
『優斗くん、彼女いたんだ』
『腐れ縁で·····』
『ユウ、聞こえてるよ』
『彼女、怖い?』
『玲香ちゃん、聞こえてるわよ』
玲香は背筋を伸ばした。
『店選び失敗したな』
そこに女の子の服を着た夏樹が現れた。
『あっ、ユッキー』
『なっちゃん、今日も可愛いよ』
『ありがとう』
由紀が指を差す。
『お待たせ。優斗くん、玲香ちゃん』
玲香は誰?という顔をしている。
『夏樹だよ』
『えっ、でも····』
『玲香ちゃんには、本当の私を知ってもらいたくて着替えてきたの』
『夏樹は、女の子の服が好きなんだ』
『だって、可愛いんだもん』
『そっ、そうなんだ』まだ玲香は状況が読み込めていないようだ。
『玲香ちゃん、ごめんなさい。私が余計なことをしたばっかりに』
『うっ、ううん。夏樹くん?なんて呼んだらいい?』
『なっちゃんでいいよ』
『なっちゃんは、悪くないよ』
『私の周りの子達、そんなことしないと思ってたのに、絶対に許せない』
『みんな、なっちゃんのこと好きすぎるんだよ。私は慣れてるから大丈夫だから』
『やっぱり前もあったんだ』
『お父さんが、その、捕まってから、ずっとかな』
『僕は玲香ちゃんの味方だよ。お父さんのことは玲香ちゃんには関係ない』
『でも、私に関わると、2人も酷い目に会うよ』
『学校では、様子を見ながらにしよう。だけど、学校を離れたら関係ないよ』
『私もそう思う。仲良くしてね、玲香ちゃん』
『ありがとう』と泣き出した。
『玲香ちゃんはパフェ好き?』
玲香は頷いた。
『じゃあ、記念に僕のスペシャルパフェをご馳走するよ。なっちゃんも食べるよね?』
『もちろん』
『じゃあ少し待ってて』
優斗は席を離れた。
『マスター厨房借りるよ』
『お前は可愛い子ばかり連れてくるな』
『なんでだろうね』とエプロンを付ける。
『さぁ、始めるか』
席では、夏樹が質問攻めにしてるのだろう。玲香がたじろいでいた。
『はい、由紀できたから、持ってって』
『私の分は?』
『えっ、そんなこと言うなよ』
由紀は席に届けた。
『お父さん、紅茶だって』
『了解』
『由紀、ありがとう。はい、由紀の分』
『もう、ユウったら。好きになっちゃいそう』
『僕は玲香ちゃんが好きだから』
『冗談でも怒るよ』
『はい、由紀が一番好きです』
『お父さん、休憩いい?』
『ダメって言ってもするんだろう』
『そうね。パフェ食べたいし』
『優斗、その間、よろしく』
『え~、友達と来てるのに』
『今日タダにてやるから』
『本当に?ラッキー』
優斗は、夏樹達の所に行き、
『ちょっとバイト時間になるから、2人で話してて』
優斗はしばらくいつも通り働いた。
『優斗くん、本当にここでバイトしてるんだね』と玲香が言った。
『ユッキーがここの娘だから、結婚して、この店継ぐんだって』
『ふ~ん、ちゃんと将来考えてるんだね』
『私は将来なんて考えられない。何やっても付きまとうから』
『玲香ちゃんって何が好き?私は女の子の服が好き。可愛いもの全部好き』
『私?好きなもの?』
『今すぐ答えなくていいから、考えてみて。そうすれば何か見えてくるかも』
『うん。考えてみるわ』
2人は、テキパキと働く優斗を眺めた。
『なんか優斗くんって不思議。何か特徴があるってわけじゃないのに、なんか見ちゃうね』
『私と優斗くんって幼稚園、一緒だったの。優斗くんも私も泣き虫でよく泣いてた。
でも優斗くんは、泣きながら私のことを励ましたり、手伝ったりしてくれるの。自分もできないのに。
ホントに優しかった。
実はちょっと前まで、優斗くんのこと好きだったの。今は別の人が好きだけど』
『なっちゃんもいるんだ。好きな人』
『うん。とっても大切な人よ。その人も私のことも大切にしてくれる』
『ふ~ん。羨ましいな。私はそういう人、諦めてたから』
『きっと玲香ちゃんにも現れるよ。そんなこと気にしないって言ってくれる人』
『実は学校の校舎裏で、優斗くんに、僕はそんなこと気にしないって言われた時、キュンとしちゃった」
『ユッキー、怖いから諦めた方がいいよ』
『なっちゃん、聞こえてるわよ』
いつの間にか由紀が、戻っていた。夏樹は背筋が伸びた。
『由紀、いい加減にしろよ』
『だってぇ。みんなで私のこと怖いって』
『母さんに似たなぁ』とマスターがボソッと言った。
『あなた!』と由紀の母が現れた。
『はい!』とマスターの背筋が伸びる。
『由紀、もういいわよ。終わったから』
『は~い』と当たり前のように夏樹達の所に行った。
『優斗もいいぞ』
優斗も夏樹達の所に行った。
『なんで由紀が来るんだよ』
『いいじゃん。バイト終わったし。ねっいいでしょ。玲香ちゃん』
『わっ、私は別に』
『それにしても玲香ちゃん、美人だよね、背も高いし、羨ましいな』
『そっそんなことないよ。言われたことないし』
『えっ嘘でしょ』優斗、由紀、夏樹の声が揃った。
『どっ、どうしたの、みんな』
『いやいや美人だって』と優斗が言い、夏樹も『玲香ちゃん、可愛いよ』と続く。
『えっ、止めてよ。からかわないでよ。由紀ちゃんや、なっちゃんみたいな子を可愛いとか、美人とか言うのよ』
『ガチだ。自分の魅力が分かってない。勿体ない』
『ねぇ、玲香ちゃん、今度私と買物行かない?』
『えっ、行きたいんだけど。うちお父さんがいないから、お金なくて』
『そっか~。残念。じゃあ、今度うちに来て、お姉ちゃんと私の服あるから、それ来て遊びに行こうよ』
『えっ、いいの?』
『私も行きたい!』
『なんで由紀が行くんだよ』
『え~行きたい』
3人は優斗の顔を見た。
『なんだよ。僕は、行かないよ。
もうイヤなんだよ。美人連れて、なんだアイツみたいな目で見られるの』
それでも3人は止めなかった。
『分かったよ。行けばいいんでしょ。行けば』
『やったボディガード、ゲット』と夏樹が言った。
『ボディガードなら、由紀で十分でしょ』
『ユウ、怒るよ』
『はい、か弱い皆さんをお守りします』
3人は笑った。屈託なく笑う玲香に優斗はドキドキしていた。
そして優斗達がバイト休みの日の日曜日、集合場所の駅に、玲香は制服姿で現れた。
『私これしかマドモな服なくて』
『いいよ、早く私のうちに行こう』
優斗は頑なに夏樹の家に行くのを断ったので、由紀も残ることにした。
夏樹は玲香を連れていった。
『お邪魔します』と玲香が部屋に入ると、大きなお腹をしたもう一人の夏樹がいた、
『玲香ちゃん、お姉ちゃんの春花』
『お姉ちゃん、こちらが玲香ちゃん』
『お邪魔してます。双子?』
『そっくりでしょ』
『多分街で合ったら、分からないかも』
『いらっしゃい。見ての通りだから、あんまりかまってあげられないけど、好きな服着てっていいわよ。私はしばらく着れないから
『ありがとう。初対面でこんな事言うの失礼かもしれないけど、お腹触ってもいい?』
春花は、ビックリしたが、
『いいわよ』
『ありがとう』と玲香はお腹を触った。
『赤ちゃん、いるんだよね?』
『元気に育ってるわ』
『あっ何か当たった』
『そうなんだ。最近、元気だよね』
と夏樹もお腹を触った。
『あれ?ユッキー達は?』
『優斗くんが来ないって言い張って、ユッキーと一緒にいる』
『そうなんだ』春花は、夏樹以外の男を部屋に入れるのに抵抗を感じていたので安心した。
夏樹は服を選んで玲香に着せた。
『似合うと思うけど、どう?』
『短かすぎない?』
『えっ玲香ちゃん、足キレイだから大丈夫だよ』
『そうじゃなくて』
『あ~、それならこれ履いて』と短パンを出した。
『それなら』と短パンを履いた。
『じゃあこっち来て』
玲香が行くとドレッサーがあった。
『力を抜いて、私に任せて』と化粧道具を出した。最後にドライヤーで
髪をセットした。
『はい、出来上がり。玲香ちゃん十分かわいいから、軽く化粧しただけ、どう?』
『これが私?』
玲香は見たことがない自分に驚いた。
『ありがとう。なっちゃん』
と涙を浮かべた。
『ほら、化粧落ちちゃうから。とティッシュを渡した。
『じぁあ行ってくるね』
『玲香ちゃん、夏樹をよろしくね』
『あっ、はい』
春花は、夏樹がどんな子を連れてけるのかドキドキしていたが、夏樹を女の子として見ているようだったので、安心した。
夏樹達は駅に着いた。
『お待たせ』
『玲香ちゃん、かわいくなった。あ~私も身長が欲しい』
優斗は無言で玲香を見て、ドキドキしていた。
『優斗くん、感想は?』
『可愛くなったよ』と照れながら言った。
『大成功だね。玲香ちゃん』
玲香は嬉しそうに頷いた。
『よし、じゃあ行こうか』
4人は電車に乗った。
優斗は離れて立った。3人は周りから注目されていた。
『1人ならまだしも、3人なんて』
と優斗は思った。
3人は目的地に着いた。玲香は初めての場所で緊張した。
『今日はブラブラすして、美味しいスイーツ食べよう』
夏樹と由紀ははしゃぎながら進んだ。玲香はまだ緊張しているようだ。
優斗はドキドキしながら、話しかけた。『由紀達みたいに思ったこと言ってればいいから』
『でも、みんな顔も、服も可愛し、私なんかじゃ』
『だっ、大丈夫だよ。玲香ちゃんはみんなより、かっ、可愛いから』と優斗は赤くなった。
言われた玲香も赤くなり『もう、からかわないで』
『からかってなんかないよ。本当にそう思ってるよ』
玲香は走って由紀達のところに行った。
『ふ~。玲香ちゃんに話すの緊張する』と玲香を目で追ってしまっていた。
玲香が笑う度に、ドキッとした。
『今日のお店はここだよ』と夏樹が言った。
この店も行列ができていた。
『なっちゃん、どうやって探してるの?』
『色々。最近はTik Tokかな』
最近のお気に入りの動画で盛り上がった。
そうして、店に入った。
この店もほとんどが女性客だった。
『はぁ、一緒の席に座るのがしんどい』
『ユウは気にし過ぎ。あっまたやってみる二股っぽく見えるやつ。今日は、三股?』
『やろう、やろう』と夏樹は注文前なのに、あ~ん、のマネをした。
『きっ、今日はできるわけないだろ。れっ、玲香ちゃんいるんだから』と玲香をチラリと見た。
いきなり自分の名前を出されて、玲香はポカンとした表情をした。
『え~。面白かったのに』と夏樹は残念がった。
『ねぇ、玲香ちゃん。優斗くんに、あ~んしてもらいたくない?』
『はっ!何言ってるの!無理に決まってるじゃない』
『言い出しっぺが何だけど。そうね。玲香ちゃんは無理よね』と由紀は反対した。
『そっ、そうだよ』
『じゃあ、私とユッキーだけでも』
『なっちゃんは自分だけだも、いいんでしょ』と由紀が突っ込む。
『だって、他のところでやったら、ユッキー怒るでしょ?』
『まぁ、いい気はしないわね』
『だったら、今しかないじゃん』
優斗は、頭を抱えた。
『僕の意見は無視?』
『ユウの意見は聞いてない』とバッサリ否定された。
優斗は、そんな姿を玲香に見られたくなかった。
『そもそも何の話ししてるの?』と当然の質問を玲香はした。
『実はね』夏樹は前回のことを説明した。
『へぇ~。そんなことするんだ。優斗くんって』
『ノリだよ、ノリ。ふっ、2人は特別だから』と慌てた。
『特別?』と玲香は呟いた。
『分かった。私もやる』と玲香はきっぱりと言った。
優斗も驚いたが、それ以上に由紀が驚いた。
『玲香ちゃん、冷静になって。なっちゃんは男だし、由紀は彼女だし、玲香ちゃんとは訳が違うんだよ』
『いい、やる』と顔は真っ赤だ。
『玲香ちゃん、男前』と夏樹が煽る。
それぞれ注文をした。
『玲香ちゃんが緊張するのは分かるけど、なんで優斗くんがそんなに緊張してるの?』と夏樹は不思議そうな顔をしている。
『玲香ちゃんとは、会ったばかりなんだよ。由紀となっちゃんみたいにはいかないよ』
『ふ~ん』
『玲香ちゃん、今からでも無理って言っていいからね。無理してやることじゃないよ』
『う、うん。わかってる。ダメなら言うから』
『それで、ユウはやりたいの?』
優斗はやりたいの言葉に反応した、
『やっ、やりたい、とか言うなよ』
玲香も気づいたらしく、顔を赤くして下を向いている。
『玲香ちゃんがいいなら。あ~んするよ』
『ふ~ん』
『そんなに緊張すること?みんな仲良しなんだから、普通にやるでしょ』
『なっちゃん、誰とでもやっちゃダメだよ』
『料理研究部でやると、みんな喜ぶよ』
『そこでしかやっちゃダメだよ。はるちゃん聞いたら、多分悲しむよ』
『そうかなぁ』
『私もユウの意見に賛成。ダメだからね』
『2人が言うなら、そうする。お姉ちゃん悲しませたくないから』
注文した品が運ばれてくる。
まず、優斗は由紀に、あ~んした。
またもや店の中が騒つき始める。
次に、夏樹に、あ~んした。
更に騒つく。
『何?何が怒ってるの?』と玲香は動揺した。
『これだけ、みんなが私達をみてるってこと』と由紀が言った。
『なんで私達、見られてるの?』
『それは分かんないけど』
『玲香ちゃん、止めようよ』と優斗が言う。
『ううん。あ~ん』と玲香は目をつぶって、口を開けた。
優斗も覚悟を決め、
『今、口の中にスプーン入ってるから、口閉じて』
『ガチッ』
スプーンに、玲香の歯が当たった。その後、唇を閉じた。玲香がスプーンの上を空にした。
玲香は下を向いた。
店内の静寂さは失われた。しかし、これで終わりではない。
『はい、ユウ、あ~ん』
優斗は食べた。
『えっ、何?逆もあるの?』
『もちろん』と由紀が言った。
続いて、夏樹も
『はい、優斗くん、あ~ん』
優斗は食べた。
玲香はパニック寸前だった。
『玲香ちゃん、もうオシマイにしようね』
玲香は顔を真っ赤にして、自分の料理をスプーンで掬った。
『ゆっ、優斗くん。あっ、あ~ん』
かっ、可愛い、優斗はじっと玲香を見てしまった。
『恥ずかしいから、そんな見ないで』と顔を反らした。
『あっ、ごめん』とスプーンから料理を食べた。
優斗も下を向いた。
店内が静まり返った。みんな考えることを止めたのだろう。
由紀と夏樹は、お互いの料理を食べていた。
優斗も食べようとしたが、気がついた。
『食べさせる順番を間違えた。夏樹を最後にすれば良かった』
玲香を見ると、玲香も手を付けていない。
『玲香ちゃん、スプーン、交換しない?』
『そっ、そうしてくれると助かる』
2人はスプーンを交換した。
『何やってるの?』と夏樹が不思議そうな顔をしている。
『いいじゃんか別に』
『ふ~ん』と夏樹はら興味なさそうに言った。
やっと優斗と玲香は食べ始めた。
『おっ美味しいじゃん』と優斗は驚いた。緊張か解けて、味が分かるようになった。
『今更?私のも美味しかったたでしょ』
『うん。まぁ。玲香ちゃんも美味しいでしょ』
『うん。美味しい』
『なっちゃん、この店当たりだよ。焼き方とか、すごい参考になる』
『相変わらず、自分の料理に活かそうとして。将来は安泰だよ』
『いいだろ。少しでも美味しいものを食べて欲しいんだから』
『はいはい、未来の旦那様』
『由紀ちゃんは優斗くんと結婚するんだ』
『優斗が悪さしなければね』
『なっ、何にもしないよ』
『何慌ててるの?』
『いや別に·····』
『なっちゃんもいるんだよね。好きな人』
『うん』
『みんな、良いなぁ。高校生活満喫って感じで』
『あと一年しかないけど、玲香ちゃんは、これから楽しもうよ』
『でも、お金ないから』
『だったら家で働く?』
『えっ、でも、お店に迷惑がかかるから』
『多分大丈夫だと思うよ。マスターけっこう男前だから』
『また店に来て、お父さんには話しておく。ただ、平日と私とユウがバイト休む週末になると思うけど』
『でも私がいるって分かったら』
『基本的に、うちの学校の子は来たことないから大丈夫。それでも気になるなら、今日みたいにしてれば、絶対にバレないよ』
『確かに、なっちゃんに化粧を教われば、分からないわね』
『私に任せて、雰囲気変えてあげる。服も貸してあげる』
『あんな高そうな服、そんなに借りられないよ』
『普通の服もあるから』
『まぁ、とりあえず面接ね』
『うん。分かった。やるだけやってみる。でもその前にみんなにお父さんのこと、話しておきたい』
『うん、話して。みんなちゃんと聞いてるし、話したからって嫌いにならないから』と優斗が言った。
由紀も夏樹も頷いた。
『おっお父さんね』と玲香が落ち着かなくなった。
夏樹は玲香の手を握った。
『ユウ、席変わって』
『えっ』と優斗はフラフラと立ち上がった。由紀が優斗の席だった場所に座った。
優斗は、空いた席に座った。由紀も玲香の手を握った。
『ありがとう。ふぅ~』と玲香は深呼吸した。
『お父さんね。会社のお金を盗んだの。お母さんは絶対に間違いだって言うんだけど、お父さんは、罪を認めたの』
『そっか』
『でもね。不思議なの。普通ならクビになるじゃない?でも会社から少ないけどお金が振り込まれ続けてるの』
『それって』
『私もね。お父さんは誰かの身代わりじゃないかって思ってる。でも、お父さんは何も言わないし。だから、私もお母さんも何も分からないから、我慢するしかないの』
と涙が頬を伝った。
『夏樹は、玲香を抱きしめた。由紀も体を寄せた』
『よく話してくれたね。玲香ちゃんは強いよ。私達はみんな玲香ちゃんの味方だよ。だから安心して』と夏樹が優しく言った。
玲香は手で涙を拭った。
由紀はハンカチを渡す。
『ありがとう。ふぅ~。初めて話した。聞いてくれて、ありがとう』
『玲香ちゃんが秘密を教えてくれたから、私の秘密も教えてあげる』と夏樹が言った。
優斗も由紀も止める気はなかった。
『今日、お姉ちゃんのお腹、大きかったでしょ』
『うん』と玲香は夏樹の目を見ながら、夏樹の手を両手で握っている。
『あの赤ちゃんのパパは、私なの』
『えっ!』と玲香が大きな消えを出した。
3人は、予想しない大きな声に、ビックリしたが、すぐに笑い出した。
『玲香ちゃん、リアクション大きすぎ』と夏樹
『ホントに、そんな声出るんだ』と優斗
由紀はお腹を抱えて声が出ないらしい。
『ちよっと、声が大きかったのは謝るけど、笑いすぎよ。もう止めて』
『悪い、今止めるから』と言いながらら笑い続けてた。
『もう知らない』と玲香がテーブルの外を見たら、ほかの客がみんなこっちを見ていた。
顔をテーブルに戻した。
『止めてよ。みんな見てるよ』
3人はやっと笑うのを止めた。
『はぁ~、ビックリしたでしょ。僕達も初めて聞いた時は、玲香ちゃんみたいになったよ』と優斗は言った。
『はぁ~、驚いた。私より凄いかも』と玲香は両手で心臓を押さえた。
『だから、お父さんのこと気にしないで。私達はちょっとやそっとじゃ驚かないから』と夏樹。
『なんか、悩んでる私がバカみたい』
『そうそう、それくらいでいいよ』と優斗は言った。
それから、学校で優斗と玲香は普通に話すようになった。
夏樹には、ズルいと非難されたが、夏樹には我慢してもらった。
そのストレスは、玲香が夏樹達の家に来てから発散した。
春花は、ここまで夏樹が仲の良い女の子は初めて知ったので、不安に思い、夏樹に聞いたら、
『玲香ちゃんには、女の子として接してるの。男の子として接してるのはお姉ちゃんだけだから』と夏樹は答えた。
『それに、玲香ちゃんは優斗くんのことが好きだと思うの』
『それ、ダメじゃない?』
『そうね。玲香ちゃん自身もダメだって分かってる』
『ナッキーは、どうなの?』
『気にはなってるみたい。でもユッキーだから、そんなことにはならないとは思うけど』
『ホントに大丈夫なの?』
『大丈夫だよ。私とお姉ちゃんみたいに、あの2人もずっと一緒だよ。お姉ちゃん······』
『夏樹、おいで』
2人は舌を絡めあった。
『夏樹、大きくなってる。また口でしてあげる』
『うん。お姉ちゃん』とパジャマを抜いだ。
春花は、優斗の母に、妊娠中にセックスしても大丈夫か?と聞いていた。
母は、なるべくなら口でした方がいいと言った。でも、上手くできないと言ったら、色々と教えてくれたので、夏樹に試していた。
『お姉ちゃん、気持ちいいよ』夏樹の反応はかなり良くなった。
『あぁぁ、お姉ちゃん。出ちゃう』
春花の口の中に精子の匂いが広がった。春花は、飲み込んだ。
『お姉ちゃん、気持ちよかった』
『夏樹、赤ちゃん出てきたら、またできるようになるから』
『ううん。私ばっかり気持ちよくなって、ごめんね』
『私は大丈夫だから』
『お姉ちゃん、大好き!』
『私もよ。夏樹』
『いっ、いらっしゃいませ』と喫茶店にぎこちない玲香の言葉が響いた。
『あっ、優斗くん』
『あっ、がっ頑張ってるね』
優斗の前には、茶髪に明るい茶色のカラコンを入れた玲香がいた。
『かっ、可愛い、お人形さんみたいだ』と思わず口から出そうになった優斗はまともに玲香が見れなかった。
『おっ、優斗。玲香·····じゃなかった。レンちゃん、しっかり働いてくれてるよ』
『レンちゃん?』
『本人の希望でな。少しでもバレないようにしたいらしいんだ』
『うん』
『今日は客か?それとも、ボランティアしに来てくれたのか?』
『今日は客、これからなっちゃんも来る。由紀は?』
『部屋にいると思うぞ』
『呼んでくる』
そのうち、夏樹も来て、
『どう?玲香ちゃん。私の自信作』
『可愛いよ。私でもイタズラしたくなっちゃう。フッフッフ』
優斗は2人を忘れて、玲香を見ていた。
『ちょっとユウ、見過ぎじゃない?ストーカー?ねぇ、ユウ!』
『あっ、ごめん。何の話してた?』
『優斗くん、大丈夫?』
『なっ、何が?全然元気だよ』
『ユウ、玲香ちゃんと、セックスしてくれば?』
『なっ、なんてこと言うんだよ!)
『したいんでしょ。すれば良いじゃない。私も他を当たるわ。この前も告白されたし。なっちゃん。その子、ちっちゃくて可愛かったんだよ。真っ赤になって、好きですって』
『ユッキーも隅に置けないね』
『ユウは、私は安全だと思い過ぎなのよ』
『そっ、そんなことはないよ』
『私もその子とデートしてくるわ。まだ、答え保留してるし』
『えっ、断らなかったの?』と夏樹。
『まあね。告白されて、ちょっとドキドキしちゃったから。今までそんなこと、なかったのに』
『由紀、マジで言ってるの?』と優斗は言った。
『だったら何?あなただけじゃないのよ。誰かを好きになるのは。だから、玲香ちゃんとしてくれば?』
優斗は否定せずに黙ってしまった。
『ちょっと優斗くん、ここは否定しないと』
優斗は黙ったままだ。
『じゃ、次の休みは別行動ね』と由紀は立ち上がって、部屋に帰っていった。
『優斗くん、変だよ』
『なっちゃん、心配させて、ごめんね。でも·····、多分······、玲香ちゃんのこと····好きなんだよ』
『いや、それは見てて分かるけど』
『えっ、なっ、なんで分かったの?』と動揺した。
『優斗くん、分かりやす過ぎなのよ。だからユッキーもあんなこと言ってるんだし』
『由紀にはバレてると思ったけど、なっちゃんにまでバレてるとは思わなかった』と落ち込んだ。
『はぁ、玲香ちゃんが見た目も性格も可愛いのは分かるけど、ユッキーを捨てるつもり?』
『確かに由紀が言った通りなんだよ。由紀がもし、さっき言ってた子と、その、セックスしても僕は由紀のこと、嫌いにならないし、離れられないと思う。それは由紀も同じだと思う』
『そんなの変だよ。私は、お姉ちゃんを独占したいし、お姉ちゃんもそう思ってるよ』
『そもそも好きってだけで、玲香ちゃんとそういう関係にはなりたいわけじゃないよ』
『そうなの?』
『由紀と付き合う時も、なっちゃんには別れるつてつたえたでしょ』
『そういえば、そうね』
『そんなね。節操なくないよ』
『由紀ちゃんに、ちゃんと言えばいいのに』
『でも、好きって時点で由紀は気に食わないんだよ』
『それはそうね。お姉ちゃんも私が、玲香ちゃんと仲良くしてるのをよく思ってないみたいだし』
『なっちゃんが玲香ちゃんを好きって言ってもいいのに、僕が言うと変な感じになるのも、おかしくない?』
『確かに一理ある』
『とにかく由紀には好きにさせる。どうせ僕は、玲香ちゃんバイトだから遊べないしね』
『私と遊ぶ?』
『遊ばない』
『え~、なんで?』
『なっちゃん。僕の体を触ろうとするでしょ』
『まぁ、それはそうだけど』
『はるちゃん怖いから。妊娠中でしょ。はるちゃんを不安にさせないこと』
『分かった』
『さっ帰ろうか。玲香ちゃん、頑張ってね』
『由紀ちゃん、怒ってなかった?』
『大丈夫。じゃあ、明日、学校で』
『うん』
春花の出産予定日が近づいて来たので、優斗の母は、うちに来るように言ったが、春花は優斗や父親がいることで拒んだ。
仕方なく、優斗の母は、春花達の家で寝泊まりするようになった。週末だけ母は帰って来た。
これによって、優斗達のバイト休みは、しばらくの間、交代でなくなることになった。
今日は。優斗と玲香が出勤していた。
玲奈は、バイトにも慣れ、バレてないという安心感から、明るくノビノビと働いていた。
そんな玲香を厨房から、優斗は見ていた。
たまに玲香と目があった。急いで優斗は目を逸らした。
由紀とは、あれ以来、必要な時以外は話してなかった。マスター達も心配はしていたが、ナニかを言うと由紀が意固地になるので、放っておいた。
そんな中で、平日に春花が破水した。
優斗の母は、病院に春花を運んだ。
夏樹達は、学校にいたので、一斉にラインで送った。
ラインには、夏樹だけ体調不良で早退し、それ以外は学校が終わった後に来るように書かれていた。
夏樹は授業中だったが、慌てて先生に『体調が悪いので、早退します』と言った。まず保健室に行くように言われたが、玲香と優斗と目を合わせ、無視して教室を後にした。
夏樹は、春花の無事を祈り、駅まで走った。
春花はまだ赤ちゃんが降りてきていないと言われ、準備室で悲鳴を上げながら苦痛と戦っていた。
優斗の母は、もうすぐ夏樹が来るからね、と手を握り、励ました。
夏樹が到着した。
扉を開け、今まで見たことがない泣き叫ぶ姉を見て、一瞬怯んだが、すぐに姉の手を握った。
母は、夏樹に春花を任せ、春花の実の親に連絡した。
実の母親は、しばらくしたら、行くと答えた。
優斗は、事務的なラインを由紀に送り、駅で集合してから、病院に向かった。
優斗達が到着する頃、やっと春花は、分娩室に通された。
夏樹は、優斗の母の手を握っていた。
優斗は、玲香と手分けして自販機で飲み物を買い、母と夏樹達に配った。
『ありがとう』と夏樹は泣き出しそうなほど不安そうな顔で言った。
『特に逆子とかそういうんじゃないから、大丈夫よ。もう少しで産まれるわ』と母は夏樹を励ました。
『連絡あってから、随分と経つけど、大丈夫なの?』と由紀も漠然とした出産に対する不安を口にした。
『破水って春花のお腹の中で赤ちゃんが浮いていた水が、外に出ることなんだけど。それから産まれるまでは、個人差があるの。赤ちゃんが出てくる体力次第ね。でも、普通のことだから、不安に思うことはないのよ』
『そうなんだ。でも何時間もでしょ。私には耐えられないかも』
『まぁ、今は帝王切開もあるし、色々選べるから。妊娠したら何ヶ月も時間があるんだし、よく調べなさい』
由紀も優斗と離れた席で夏樹の手を握っている。優斗と玲香は同じ席で隣りにいたので、優斗には、どんは顔をしているのか分からなかった。
そして、沈黙が流れた後、微かな赤ちゃんの鳴き声とともに、看護師が出てきた。
身内の方だけ、どうぞと看護師が言ったので、母と夏樹だけ中に入った。
中から、赤ちゃんの鳴き声と夏樹の泣き声が聞こえた。
しばらくして母と夏樹は出てきた。
『女の子だって』と夏樹は、泣顔で笑った。
『うわ、また世紀の美少女誕生ね』と由紀。
『おめでとう、なっちゃん』と優斗は夏樹を抱きしめた。
『ありがとう、優斗くん』
『じゃあ今日のところは、夏樹と私以外は解散。待っててもしばらくは、赤ちゃん見れないから。明日にしなさい。春花も疲れ切った顔見られたくないだろうし』
『明日なら見れるの?』
『多分ね。連絡するから』
『じゃあ、なっちゃん、また明日』
と3人は病院を後にした。
由紀は玲香と赤ちゃん、楽しみだと話している。
玲香とは、帰る方向が違うので、駅で別れた。
優斗と由紀が残された。
由紀は、赤ちゃんの興奮が冷めない様子で、優斗の顔を見ずに話し続けている。
『どっちに似ても可愛いのは間違いないし、羨ましいなぁ·······』
『由紀、玲香ちゃんのことなんだけど』
『何よ。そんな話、今したくない』
『いつまでこうやってるつもりだよ』
『ユウが悪いんでしょ』
『それは分かってるよ。だから謝る。それに玲香ちゃんに告白するつもりもないし、とうこうなるつもりもない。
クラスメイトやバイト仲間として見てないよ』
『ふ~ん。確かに前ほどは見てないみたいね』
『初めのときは、可愛いなって見てただけだよ。それ以上はない』
『へぇ~。証明してよ』
『証明って何だよ。無理言うなよ。玲香ちゃんの前で、由紀と子供作りたいとでも言えば満足か?』
『そうね。今回はそれくらいで許してあげるわ。でも、もうデートの約束しちゃったから、それは行くわよ』
『どこ行くんだよ』
『ホテル』
『いきなり?』
『ユウとだって付き合い始めた日じゃない』
『それはそうだけど』と優斗はイライラした。
『冗談よ。普通のデート。映画見て、喫茶店でおしゃべりして、手を繋いで?!、公園でキスして、そのまま見つめあって、ホテル。あっ、やっぱりホテル連れてかれちゃうよ』
『由紀、犯罪だけは起こすなよ』
『なんで私が襲う側なのよ』
『襲う気、満々だろ』
『まぁ、ユウ以外としてみたいとは思ってる』
『結局、そこなんだろ』
『まぁね。いいでしょ?玲香ちゃんとしてもいいから』
『何だよ。僕が謝る必要ないんじゃん。損した』
『まぁ、玲香ちゃんとも、私達が喧嘩してる方が攻めやすいでしょ』
『玲香ちゃんとは、そんなに安くするつもりはないから』
『何よ。本気みたいに』
『玲香ちゃんを大切にしてるだけだよ』
『じゃあ、明日から普通でいいのね?』
『それでいいよ』
『仲直り記念に、する?』
そう言えば、早苗とも母ともしていない。けっこう大丈夫なもんだと、優斗は思った。
家に帰っても父しかいないことを思い出し、由紀の提案を受け入れた。
二人は買い出しをして、制服姿で初めてホテルに入った。特に何も言われなかった。
『ユウ、赤ちゃん、しばらく作らないから、そのつもりで』
『初めから避妊してるだろ』
『私も気を付けるから。ちょっと出産恐怖症になりそう』
『シャワー一緒に浴びよう』
『なんか久しぶりだと、緊張するね』
『やめてよ。こっちまでドキドキするじゃないか』
優斗は先に風呂場に入った。なんと由紀はタオルを巻いてきた。
『なっ、何やってんだよ』
『なんか恥ずかしくて······』
『はっ、早く脱がないと、濡れちゃうよ』
『ユウが脱がしてよ』
『わっ、分かったよ』優斗はタオルを脱がせて、ドアのレバーに掛けた。
由紀は胸と下半身を隠した。
優斗は興奮した。おそこもガチガチに
なった。
『相変わらず元気ね』
『しょうがないだろ。由紀がエロいんだから』
『玲香ちゃん、処女でしょ。大丈夫かしら。こんなのに襲われて』
『今は由紀だけ考えさせてよ』
『分かったよ。ユウ、私を愛して』
『由紀、大好きだよ』
二人は舌を絡めた。
ボディソープで洗いながら、2人は性器を愛撫した。
雪は肉棒を咥えた。
『久しぶりだから、すぐ出ちゃうよ』
『久しぶりだから、何回でも大丈夫でしょ』
『あぁぁ、由紀、気持ちいいよ。由紀の口の中、気持ちいい」
そう間もなく、由紀の口の中に、精子の匂いが充満した。由紀は飲み込んだ。
『由紀、入れたい」
『さっき、避妊するって言ったばかりでしょ』
『早くベッド行こうよ』
『もう、一回出したのに、余計元気になってるじゃない』
2人はタオルで体を拭くのもままならず、ベッドに倒れ込んだ。
優斗は、深呼吸して、ゆっくりと由紀を愛撫した。
由紀の敏感さは、今まで以上だった。
由紀は相変わらずゴムを付けたがり、優斗は任せた。
それから、優斗はゆっくり挿入し、ゆっくりと腰を動かした。
優斗は久しぶりだったので、それでも満足できた。
少しずつ激しく動き、由紀の中で射精した。
由紀も満足したかと思ったら、ゴムを外し、肉棒を咥えて、新しいゴムに付け直した。そして、上に跨った。
『由紀、大丈夫なの?』
『もっといきたい』
由紀は自分で腰を動かしながら、ビクビクっと震えた。
『もっといきたい。ユウ、激しくして』
優斗は由紀の腰を掴み、下から突き上げた。
『あぁぁ、そう、もっと突いて』とビクビクっと震えている。
優斗は、早苗や母としているくらいに、激しくした。
『そう、あぁぁ、頭が真っ白、ユウ、もっと、もっと』
優斗の方が音を上げた。
『ダメ、出ちゃう』と射精した。
『あぁ、もう、もう少しだったのに。もう一回大丈夫でしょ』と抜かずにもう一回することになった。
『次は後ろから』と由紀は横を向いた。
優斗は肩で息をしながらら由紀のお尻を持ち上げて、突いた。
優斗は、休む意味を込めて、クリトリスを触った。
『これで少しはぐったりしてくれるだろう』ど思ったが、由紀は大きくビクっとして、少し固まっただけで、
『そこ気持ちいい、触りながら突いて』と言い出した。
優斗はビックリしたが、休めずに触りながら腰を動かした。
『あっ、あっ、いっちゃう、いっちゃう。あぁぁ、ユウ、いっちゃう』
と大きく2度体を震わせて、頭を枕に付け、両腕はだらんとした。
それから優斗が突き続けても反応しなくなった。
最後の力を振り絞り、4回目の射精をした。
由紀はグッタリしたままだ。
『由紀、大丈夫?』と息を弾ませながら、優斗は言った。
『らいりょうふ。きほちよかっら~』
『こんな短時間で4回なんて、辛すぎる』
『ひいさく何回もいっらけそ、さいほのおおひくいっらのか、さいほうにきほちいい』
由紀は、いくこと自体に耐性ができたというか、恥ずかしくなくなった。だから、今回は大きくいくまで求めたということらしい。
『こりゃ、今度はこっちの体力が持たないよ』由紀をいかせる楽しみができて、一気に優斗のテンションが上がった。
由紀とのセックスに悩んでいた頃に相談した早苗の顔が浮かんだ。
早苗から連絡ないけど、大丈夫なんだろうか?まぁ、今の早苗なら大丈夫なんだろう。
後で連絡して、様子を聞いてみよう。大丈夫そうなら、このまま終わりにしてもいいかな、と勇斗は、思った。
『由紀、もう一回する?』
『今日はもういいわ。満足したから』
『僕もだよ』と舌を絡めた。
2人は体を洗い合い、ホテルを後にした。
家に帰ってから、早苗に電話した。
『久しぶり。どう上手くいってる?』
『順調よ。優斗と会わなくても大丈夫なくらい。そっちはどう?由紀ちゃんは?』
『なんか、今までいくことに抵抗があったみたいで、それがなくなったら、こっちの体が持たなくなった』
『それは良かったわね』
『ありがとう。じゃあまた僕が必要な時は呼んで。いつでも行くから。どんな早苗になっていたとしても』
『うん。たまには服買いに来てよね』
『そう言えば、しばらく買ってないなぁ。近いうちに行くよ』
『うん。待ってる。サービスでチューしちゃうかも』
『それは楽しみだけど、それ以上したくなっちゃうから、遠慮しとくよ』
『うん。精一杯いい服選んであげる』
『うん。じゃあ、また』
『うん、またね』
優斗は約一年間の早苗との出来事を思い出し、
『早苗、今までありがとう』と呟いた。
次の日、夏樹は体調不良ということで休んだ。優斗の母が電話したらしい。
教室の中の取り巻きがざわついたが、誰も夏樹の家に行ったことがないらしく、家に行こうということにはならなかった。
優斗は玲香と頷きあった。
学校が終わり、由紀と駅で待ち合わせした。
由紀が来た。昨日は優斗と目も合わせなかったのに、二人はじゃれ合っていたので、玲香は、
『良かった。仲直りしたんだ』と安心した様子だった。
『ごめん。心配かけてた?由紀が怒ってる訳じゃないって、昨日分かって』
『えっ、由紀ちゃん、怒ってたんじゃないの?』
『まぁ、色々とあって』
『よく分からないけど、やっぱり2人はお似合いだよね』
『私みたいな美少女に、至って平凡なユウが?』
『はいはい、全国平均のモブが美少女と付き合えて、光栄です。天使様』
『そうそう私を崇めよ』
『フフフッ。その感じが2人にはピッタリよ』
『さぁ、赤ちゃん見に行こう』
と3人は電車の中で笑い合いながら、進んだ。
夏樹には予めラインをしておいたので、病院の出口で待っていた。
『みんな~』夏樹は女の子の服を着ていた。
『なっちゃん、お待たせ。今日もかわいいね』
『ありがとう、ユッキー』
『昨日制服で、今日その服、看護師さんたち、大丈夫だった?』
『どっちかって言うと、昨日のほうがコスプレだって思ってるみたい』
『あぁ、なるほどね』
『さぁ、お姉ちゃん待ってるから』
部屋に行くと、春花が赤ちゃんを抱っこしていた。
『はるちゃん、おめでとう』3人は言った、
『ありがとう、みんな。特に勇斗くんは、お母さん借りちゃってごめんね』
『こら、春花、私はあなたのお母さんなんだから、当たり前でしょ』
『本人もこう言ってるから、気にしないで』
『あぁ赤ちゃんだ。ちっちゃくて可愛い』と由紀。
『可愛い。どっちに似ても安心だからいいよね』と玲香。
『春花もやっと抱っこできるようになったのよ』
『フニャフニャしてて、今でも怖い
』と春花。
『夏樹はまだ怖くて、膝の上に乗せたくらい』と母。
『無理だよ』と夏樹
『みんな、こんなフニャフニャだったのよ。それがこんなに大きくなって。親に感謝しなさいよ』と母。
春花は優斗を見て、ニヤリと笑った。
優斗は意味ありげな顔にドキッとした。
『昨日、本当のお母さん来てくれて、喜んでくれた』と夏樹。
『そう、それは良かったね。一つ親孝行できた』と優斗。
春花は、それを聞いて微妙な表情をした。
『悪いことばっかりしてきたから』と春花。
『いいのよ。この赤ちゃんもあなたに、いっぱい迷惑かけるかもしれない。それでも守ってあげたくなるのが、親なのよ』
『女の子で良かったね。なっちゃん』
『うん。いっぱい服着せてあげるんだ』
『もう一人くらい作るの?』
『私はね。欲しいんだけど、お姉ちゃんがしばらく勘弁してって』
『夏樹、産むのは私なんだからね」
『ウソ。お姉ちゃんとこの子がいれば、私は十分に幸せだよ』
『あぁぁ、ユウ、出産しないで赤ちゃん欲しい』
『無理言うなよ』
『あら、あんた達、仲直りしたの?』と母。
『元々由紀が怒ってなかったんだよ。ホントにバカバカしい』
『たまにはいいでしょ。喧嘩も』
看護師が入って来て、赤ちゃんを連れて行った。
『さぁ、春花がまだ体力回復してないから、ここら辺でオシマイよ』
『退院はいつ?』
『来週よ』
『じゃあ春花、私と夏樹も帰るから、
看護師さん達の言う事、よく聞くのよ』
『分かった』
『お姉ちゃん、電話するから』
『夏樹、大丈夫だから。夏樹こそ、ちゃんと学校行くのよ』
『は~い。明日も来るからね』
と病室を後にした。
『夏樹、今週末、買物いっぱいあるから、頼むわよ』
『僕も行こうか?荷物持ちくらいなら、なっちゃんより役立つよ。由紀と玲香ちゃんでバイトしてもらうから』
『え~私も行きたい』と由紀。
『荷物乗せるから、3人は無理。優斗、よろしくね』
『分かった』
それぞれの家に送り届けた。
週末、由紀と玲香は2人でバイトしてた。
コーヒー担当は由紀、料理はマスター。ホールは玲香の布陣になった。
由紀が料理を作るのは可能なんだが、忙しくなると、力がないので、どうしても滞ってしまう。長年、父のやり方を学んできた由紀は、遜色なくコーヒーを入れられた。
玲香は常連客にも好評だった。茶髪にカラコンというちょっと高齢者には敬遠されがちな風貌だが、優しく一生懸命な接客に、男女問わず、メロメロになった。
少し手が空いた時に、由紀が隣に来て
『ねぇ、玲香ちゃん』
『何?』
『ユウのこと好き?』
『はぁ?』と大きな声を上げた。
『玲香ちゃん、しー』と由紀が笑っている。
『すいません。お騒がせしました』とホールに玲香が頭を下げた。
『いきなり何言ってるの?由紀ちゃん』
『うんとね。私、明日、ユウじゃない子とデートするんだ』
『·····』由紀が玲香の口を塞いだ。玲香はOKサインを出す。
『優斗くんは知ってるの?』
由紀は頷いた。
『だから、玲香ちゃんが嫌じゃなかったら、ユウとデートしてもいいよ』
『えっ』と玲香の耳が赤くなった。
『最後までしちゃっていいよ』
『·········』また由紀が口を塞いだ。玲香がまたOKサインを出す。
『そんなこと簡単に言わないで』
『確かに。でも私はチャンスがあればしてみるわよ』
『それも優斗くん』
『知ってるわ。でも、あくまでも遊び。最後は私とユウは結婚することは、決まってることだから』
『それ、相手の人に失礼だと思うよ』
『だから、ちゃんと説明するよ。後で付き纏われても面倒だし。玲香ちゃんは、それでもユウとしたい?』
『私はちゃんと一緒になれる人に、初めてをあげるわ』
『ふ~ん。それが悪いこととは言わないけど、ユウはあなたのこと好きだよ』
『そっ、そんなことないよ』
『幼稚園から見てた私が言うんだから間違いない』
『でも、そんな遊びなんて嫌だよ』
『まっ、私が言えるのはここまで。
後はよく考えて。はい、お客さん。いらっしゃいませ~』
『いらっしゃいませ』と玲香は言って、水とメニューを持って行った。
『······レンちゃん?レンちゃん!』と常連客は言った。
『あっ、すいません。ご注文は?』
『大丈夫?』と心配そうな顔をした。
『はい、すいませんでした』と頭を下げた。
玲香は注文を聞き、由紀とマスターに告げて、ホールに立った、
『考えろって、何を考えればいいのよ』と呟いた。
それから店は混み始め、玲香はバイトに集中して、考えることを止めた。
その頃、優斗はベビーベッドや哺乳瓶、ミルク、服など色々と荷物を持った。夏樹が色々と好みを出し、優斗達はふりまわされた。
母は、初めての赤ちゃんという本も買った。
3人は休憩した。
『そう言えば、名前決めたの?』と優斗。
『悩んてるのよ。春、夏と来たから、秋にしたいじゃん。でも、秋って寂しいから、ちょっと躊躇してる』
『秋って漢字にしなければいいんじゃない?』
『亜細亜の亜に、21世の紀で、亜紀でもいいし。愛するの愛に姫で、愛姫なんてのもどう?』
『愛姫か、いいね、それ。お姉ちゃんに相談してみる』
『実りの秋だから、秋も悪くないと思うけど。昭和すぎかしら?』
『アキナみたいに3文字もいいんじゃない?』
『もう混乱するからストップ』
『漢字は、いくらでもあるから、音から決めた方がいいわよ。ずっと呼ぶんだし、呼びやすくて響きがいい音の名前』
『分かっQたよ。お姉ちゃんと考えるから』
『ハッハッ。名前付けるのも大変だ』
『何言ってるの。あなたにも来るのよ。こういう時が。それにアキはほとんど決まってるんだから、楽よ』
『僕と由紀は縛りないかも。選べない』と頭を抱えた。
『じゃあ次、ドラッグストア行くわよ』
『車ないと辛いね』
『なっちゃん、いつ18になるの?』
『もうなってるよ』
『誕生日、ごめん』
『いつもお姉ちゃんと一緒だから、楽しいよ』
『夏樹、夏休みになったら、車の免許取りなさい』
『そうだね。免許あったほうがいいよね』
『そう言えば、なっちゃんって受験しないの?』
『服関係の学校に行くつもり』
『あぁ、なっちゃんにピッタリだよ』
『そうでしょ。赤ちゃんに可愛い服、いっぱい作るの』
『楽しみだね』
『うん』
3人はこれから必要なものを買い、夏樹の部屋に来た。
『うわっ、部屋の中も可愛くしてるね』
『私好みにしてるの。お姉ちゃん怒らないし』
『少しは生活感もあるといいんだけど』
母はテキパキと部屋の模様替えをした。
まず。ベッドでは、タオルが顔にかかっても赤ちゃんはどけることができないから、窒息してしまうことを説明した、
次に台所でベビーバスとタオルを用い、入浴の説明をした。
次にミルクの作り方と哺乳瓶の消毒の方法を説明した。
最後に夏樹のヌイグルミで、里の拭き方とオムツの付け方を説明した。
『まぁ、しばらくは私もいるから、大丈夫だけど。2人でできるようになってね』
『うん。頑張る』
『あと、赤ちゃんには時間は関係ないから、春花は寝不足になる。だから、あんまり騒がないであげて』
『うん、分かった』
『後は家事は夏樹ができるから安心だけど、洗剤は気をつけてね。肌が弱い子だと被れちゃうから』
『分かったけど、覚えることばかりでパニックになりそう』
『覚えられなかったら、紙に書いて、貼っときなさい。それが一番間違いないから』
『多分そうするかも』
『とりあえず家はこれでOKよ。退院の日が無事に迎えられるわ』
『良かった。ありがとう、お母さん』
『今日は、これで帰るけど、大丈夫?』
『寂しいけど、我慢する。どうしてもダメだったら、お姉ちゃんに電話するから』
『電話もほどほどにしなさいよ。春花。疲れちゃうから』
『うん』と寂しそうに言った。
『しょうがないわね。今晩は家に泊まりなさい』
『いいの?』
『まぁ、しょうがないか。僕の部屋に布団引くけど、何もしないと約束できる?』
『うん。我慢するから』
『分かった。でも明日は朝早くバイト行っちゃうからね』
『私もお姉ちゃんのところ行くから大丈夫』
『じゃあパジャマとか明日着る服用意しなさい』
『うん』
戸締まりを確認し、家を出た。
『今晩は私が夕飯作るね。何がいい?』
『そうねぇ。いつも何つくってるの?』
『大体和食かな?お肉はあんまり食べない』
『えっ、肉食べないの?』
『肉じゃがとか、ベーコンエッグとか、そんなもんかな?』
『ハンバーグとか、生姜焼きとか』
『たまに作るけど、そんなには食べないかなぁ』
『優斗用に何か作ればいいでしょ』
『そうして下さい。面倒なら自分で作るから』
『子供が料理できると、母親は楽だわ』
『そうなると、食べごたえのある肉じゃが?』と夏樹。
『そうしましょう。スーパー寄ってくわよ』
3人は買い出しをし、台所に立った。
父はソファーでテレビを見ている。
『さぁ、始めましょう』
3人はテキパキと料理を仕上げていく。
『ホントに夏樹は、いい奥さんになるわよ』
『最近、お姉ちゃんもやってくれるんだけど、やっぱり私がやった方が早い』
『少しはやらせた方がいいわよ』
『でもお姉ちゃんしかできないことは、お姉ちゃん。私ができることは私がって、方がいいかな?』
『まぁ、それもいいかもね』
『はい。出来上がり』
夏樹は楽しそうに話しながら、夕飯を食べた。
『夏樹くんがいると、楽しいな』
と父もご満悦だった。
夏樹が先に風呂に入っている間に、玲香から電話があった。
『もしもし、何かあった?』
『今日、由紀ちゃんから、優斗くんとデートしていいって言われた』
優斗は頭がフル回転した。一つは『何言ってんだ、由紀のやつ』。もう一つは『電話してきたってことは?』
『何言ってんだろうね。由紀は』
『由紀ちゃんも優斗くんじゃない人とデートするって』
『それは知ってる』
『それで由紀ちゃん、ホテル行くかもって』
『それも知ってる』
『優斗くんは、それでもいいんだ?』
『いいか悪いかだけなら、悪いとは思うけど、これから2人で結婚して何十年も一緒にいると思うと、なんか息が詰まりそうかなってことは僕も考える』
『だったら、優斗くんも遊べるんだ?』
『遊び?遊びって何?』
『由紀ちゃんが言ってたの。今度デートする相手と、その·······エッチなことしても、それは遊びだって。優斗くんと結婚するのは決まってるからって』
『まぁ、何があっても由紀とは一生一緒にいるだろうね』
『そっか。私には理解できない何がが2人にはあるんだね·········じやぁ········私と········遊んでくれる?』
『えっ!何言ってるの?玲香ちゃんらしくないよ』
『私らしいって何?大人しく笑っていれば満足するって思ってたの?』
『違うよ。多分色々あったから、僕のこと勘違いしてるんだよ』
『私は·······私のこと救ってくれた、優斗くんに感謝してる。だから、私の体で良ければ·······優斗くんなら·······好きにしてくれても構わない』
『そんな大層なことしてないよ。それに、感謝してるから体を自由にって、おかしいよ』
『私じゃ、ダメ?私の身体って魅力ない?』
『そっ、そんなことないよ。僕だって男だし、玲香ちゃんとエッチなことをする妄想だってするよ。でも、それを実際にするかどうかは別の話だよ』
『そっか、私でも、エッチなことを考えられるんだね。良かった』
『玲香ちゃん、だから、もう止めようよ』
『ううん。私も優斗くんと、エッチなことしたい。由紀ちゃんが言ってた通り、一回したからって、付き纏ったりしないから、私のお願いを聞いて』
『玲香ちゃん、分かってるんだよね?玲香ちゃんとは絶対に一緒になれない。これは遊びだと』
『うん。逆に私にとって、その方が都合がいいの。私と一緒にいると、お父さんのことで優斗くんに迷惑がかかるから』
『ううん。玲香ちゃん違うよ。お父さんのことで、僕は絶対に離れないよ。それは友達として誓うよ』
『うん。分かってるよ。優斗くんがそう言ってくれるのは。だから、私は優斗くんが大好きなんだよ』
『玲香ちゃん·········。分かったよ。ホテルに行くかどうかは別にして、2人でデートしようね』
『うん』
次の日、母が久しぶりにバイトに復帰した。結構ストレスが溜まっていたようだが、チャスがなく優斗とすることができなかった、
ストレス発散のために、母は働いた。その脇には由紀がいた。
優斗と玲香のデートを実現させるためだった。
『急でごめんね。由紀に話したら、すぐ行けって言うから』
『ううん。私も早い方が決心が鈍らなくていいから
『決心とかは忘れない?』
『ううん』と玲香は腕を組んで来た。玲香の胸が押し付けられる。
『玲香ちゃん、少し離れようか?刺激が強すぎるんだよね』
『したくなった?』
『とりあえずデートだから。そうだ!手を繋ごうか?』
2人は。手のひらを合わせて、手を繋いだ。玲香ちゃんの手、ちっちゃくて柔らかい、と股間が反応しそうになるのを抑えた。
『とりあえず映画でも見ようか?どんな映画が好き?』
『映画は話せないからイヤかな』
『そっか、そうだよね。水族館とか動物園とかは?』
『水族館がいい。子供の時に行って依頼かも』
『そうなんだ。じゃあ電車乗ろう』
「けっこう混んでるね』と再度、勇斗にくっつく玲香。
『逸れないようにしないと』
『うっ、うん分かった』
平常心、平常心と心のなかで唱えた。
それでも中に入ると、玲香は水槽の中に夢中になった。
暗いライトに照らされる玲香を勇斗は、見ていた。
『ねぇ、ねぇ、あの魚』と振り返る玲香と目があった。慌てて優斗は目を逸らす。
『今、私を見てた?』と玲香がイタズラっぽく微笑む。
『いや、あの·······見てた。綺麗だなって』
玲香が赤くなる。
『そっ、そういうこと、真顔でよく言えるね』と顔を逸らす。
『ごっ、ごめん。僕、馬鹿なんだよ。思ったこと、すぐ言っちゃうんだ』
『綺麗って思ったの?ホントに?』
『ホントだよ。嘘ついてもしょうがないじゃん』
『ねぇ、キス·······キスして欲しい』
『ちょっと冷静になろうよ。みんないるし』
『暗いところなら、大丈夫だよ。それでも私なんかにしたくない?』
『そっ、そんなことないよ。もちろんしたいさ。でも、デート初日でいきなりって』
『もう次のデートはないかもしれないから·······、由紀ちゃんが怒るかもしれないし』
『由紀は怒らないよ。大丈夫、次もあるから』
『優斗くんは、やっぱり由紀ちゃんがいいの?』
『なんていうのかな?腐れ縁だし、何でも僕のこと知ってるから。ダメな僕はいっぱいあるけど、由紀は全部許してくれる。それが居心地いいんだよね』
『私もできるように努力するから。セックスだって、由紀ちゃんより上手になるよ』
『とっとりあえず、人混みから離れようか?』
『うん』
と2人は、水槽から離れたベンチに座った。
『玲香ちゃん、僕は、玲香ちゃんのこと好きだよ。でも、由紀とは好き以上なんだよ』
『うん。分かってる。でも、いいの。遊びでいいから。もしかしたら、いつか私のこと、由紀ちゃん以上に好きになるかもしれないじゃない』
『う~ん。想像できないんだよね。由紀がいない未来が』
『そうなんだ。でも今はいいよ、それで。だから、私と····その······セックスしよ』
『········うん。分かった。ごめんね。玲香ちゃんに、そこまで言わせて』
『ううん』
『水族館出ようか?』
『うん』
いつも由紀と使っているホテルは避け、中にはいった。
部屋を選び、エレベーターに乗る。
『こういうとこ、由紀ちゃんとも来るんだ』
『えっ、まぁ何回か』
『慣れてるんだね』
玲香はいきなり背伸びをして、優斗の唇に自分の唇を重ねた。
『れっ、玲香ちゃん』
『ううん、玲香って呼んで。私もゆっ、ユウって呼んでいい?』
『ユウは、由紀しか呼ばないから、ちょっとダメかな』
『じゃあ、ゆうくん?ゆうちゃん?』
『誰も使ってないから、どっちでもいいよ』
『じゃあ、ゆうくんで』
『僕は、玲香······でいいの?』
『玲香がいい』
優斗が鍵を開けて、部屋の中に入った。
優斗には見慣れた大きいベッドと鏡に囲われた風呂場のある光景。
『へぇ~、こうなってるんだ』という玲香の声は震えていた。
『玲香、ここに来たって、そのまま帰ることもできる。また次のデートの時に来てもいいんだよ』
『ううん。先にシャワー浴びてきていい?』
『いいよ』
玲香はタオルを持って風呂場に入った。
中から見回し、隠れる場所がないことを悟った。中から優斗を見たら、目があった。
後ろを向き、玲香は少しずつ服を脱いで、全裸になった。そのままシャワーを浴びながら、体を洗った。
優斗は漠然とそれを見続けた。
『本当にこれでいいのだろうか?』そればかり繰り返した。
玲香が、体にタオルを巻いて出てきた。
優斗は、そのままベッドに行こうとも思ったが、自分もシャワーを浴びることにした。
優斗は、玲香の目の前に立ち、服を脱ぎ始めた。
肉棒を見て、玲香がショックを受け思い留まってくれることを期待して。
そして、全裸になった。肉棒は優斗の不安を余所にそそり立っていた。
玲香の視線が一点に集中した。両手で自分の体を抱えている。
『わっ、私を見て、こんなになってるの?』
『そうだよ。玲香のせいで、こんなになってる』
『触ってもいい?』優斗の目論見は失敗した。
『また玲香もシャワー浴びよう』と手を取った。
『風呂場のドアを閉め、玲香のタオルを外した。
思ったよりも大きな胸だった。綺麗なピンク色の乳首が突き出ていた。
下の毛は薄く少しだけ生えていて、玲香の割れ目が見えていた。
『綺麗だよ。玲香』
『あんまり見ないで』と腕を回してで胸を隠した。
『ダメだよ。ちゃんと見せて』と玲香の腕を振り解いた。
その手をひっぱり、シャワーを出し、肉棒を洗った。
『もう触っていいよ』
玲香は恐る恐る手を出した。そして指で肉棒を突いた。
『こんなに固くなるの?』
『手で握ってごらん』
『こう?』と右手で肉棒を掴んだ。
『あぁ、玲香の手、柔らかくて気持ちいいよ』
玲香の手に優斗の熱い体温が伝わってきた。
『どうすれば、気持ちよくなるの?』
優斗は、前にも由紀にしたなぁ、と思いながら、玲香の手の上に自分の手を重ね、前後に動かした。
『こう動かせばいいのね?』と玲香は優斗の手が離れても、肉棒をしごいた。
『あぁぁ、玲香、気持ちいい。もっと動かして』
玲香は、膝立ちになり、肉棒を凝視しながら、動かした、
『これがオチンチン。凄い』
『ねぇ、玲香、嫌じゃなかったらでいいんだけど、オチンチンを舌で舐めてくれないかな?』
『これを舐めるの?』とビックリした顔になった。
『先っぽの方を、棒アイスを舐めるようにして』
『こう?』
『あっ、気持ちいい。そう。続けで』
玲香は握りながら、甜めた。
下から優斗の様子を見た。
『ゆうくんが持ち良さそうな顔してる。なんか変な気分。私の体の中も熱くなってきてる。
あぁ、ゆうくんを私が気持ちよくしてる。オチンチンも熱くなってきてる』と思っていた。
『玲香、気持ちいいよ。オチンチンも喜んでる』
『あぁぁ、ゆうくん。私で気持ちよくなって』
『玲香、次は、口で咥えてくれる?そして、唇に力を入れて、頭を前後に動かして』
『咥えるのね。頭を動かすの?分かんない』
玲香は肉棒を咥えた。
『ごめん。ちょっと頭掴むね』
優斗は、零下の頭を両手で押さえて、腰を動かした。
『こんな風に玲香が、自分で頭を動かすんだ』
玲香は頭を動かした。
『うぁ、気持ちいい。ダメだ。出ちゃう。玲香、口を離して』
玲香は、肉棒を口から出した。
『今度は口を離すの?でも、もう少し練習したい』
とまた咥えて、頭を動かした。
『あぁぁ、出ちゃうから、止めて、
ダメ!出る』
と口の中に射精した。玲香は喉に当たり、むせた。
『ごほっごほっ。何が起こったの?』
『これが精子だよ。それだけ気持ちよかったってこと』
玲香は、床に落ちた精子を触った。
『ヌルヌルしてる。これが精子。赤ちゃんができるのよね』
『口じゃなくて、下に出したらね』
『こんなに出したら、もう出ないんじゃない?』
『あと、2、3回は出るよ』
『そんなに出るの?赤ちゃんいっぱいできちゃうじゃん』
『ちゃんとできないようにする方法があるから。
ねぇ、僕は満足したから、もう止めよう』
『私は何もしてもらっでないけど、男の人が精子を出したら、終わりなの?』
『そうじゃないけど、ここから先は、玲香の初めてになるんだよ。僕でいいの?』
『ゆうくんがいいの!もうしつこいよ。私とするのイヤなの?』
『もちろん玲香は美人だし、体もきれいだし、嫌なわけないじゃないか』
『それなら最後までして!
私は分からないから、ゆうくんに任せるしかないの』
『ごめんね。分かったよ。ちゃんとするから』
『お願い』
『それじゃ、ベッドに行こうか』
2人は体を拭いた。
優斗は、裸の玲香をお姫様抱っこして、ベッドに下ろした。
玲香は、胸の前で手を握っている。
『玲香、それじゃ始めるからね』
玲香は頷いた。
『じゃあキスしようか』
玲香は目を瞑った。
優斗はとりあえず唇を重ねた。いきなりディープキスは、可愛そうだ。
『ねぇ、玲香、聞いて。今のはキスはキスなんだけど、大人のキスっていうのがあるんだ』
『大人のキス?』
『そう。大人のキスは、舌、この舌』と口を開けて、舌を出した。
『舌を舐め合うんだ』
『舌を舐め合う?よくわからないよ』
『そうだよね。僕も初めての時は意味わからなかった。
でもすると、エッチな気持ちになるんだよ』
玲香は、真面目に聞いている。あぁ、僕はこんな綺麗な玲香を汚してしまっていいのだろうか、と迷ったが、玲香に恥をかかせることはできない。
心を鬼にしよう。
『舌を出してみて』玲香の小さく可愛い舌が出てきた。
『びっくりして舌を噛まないようにね。口も開けて』
優斗は玲香の舌を舐め、口の中に舌を入れた。
『う~、う~』と玲香は唸った。
一度舌を離し、
『力を抜いて、僕に任せて』
優斗はまた舌を絡めた。
玲香の舌も優斗の舌を絡めてきた。
『あ~、あぁぁ』と体をよじらせる。
優斗は舌を話した。
『どう?』
『なんか身体が熱い』
『そうそう、これが大人のキス』
『もっとしたい』
優斗は舌を近づけた。玲香の頭が持ち上がって、舌を絡めた。
『はぁ、はぁ、頭がぼうっとしてくる』
『じゃあ、これからは、止めないから』
玲香は、赤い顔をして頷いた。
優斗は耳元から、首、鎖骨、腕と愛撫し、お腹から、胸へと愛撫した。
『玲香の乳首、可愛いよ』と甜めながら、鈍さを揉んだ。
『あぁぁ』と声が漏れる。
そしてまたお腹から、太腿を愛撫した。
そして。内腿を愛撫し、一度顔に戻り、舌を絡めた。
そして、股間に顔を埋めた。
『恥ずかしい』と玲香が太腿を閉じようとするので、力任せに両手で開いた。
まずは全体を甜め、両手で割れ目を開いた。
『いや、見ないで』と玲香は優斗の頭を掴んだ。
『とっても綺麗だよ。隠すことなんかないよ』
優斗はクリトリスを甜めた、
『あぁぁ』と玲香の身体が仰け反った。
何度か舐めるうちに、膣から液が出てきた。
膣を甜めた。どんどん溢れてくる。
優斗は指を入れた。
クリトリスを舐めながら、指の腹で膣を刺激した。
玲香の息遣いが早くなり、身体がよじれる。
指でクリトリスを触りながら、肉棒を膣に近づけた。
優斗は舌を絡めて、
『挿れるよ。痛かったら言ってね』と言った。
玲香の目の焦点はあってなくなっていた。そして頷いた。
優斗はゴムを付けてから、少しずつ挿れた。
半分位入った時に、
『痛い!』と玲香が叫んだ。
優斗は少し肉棒を抜き、腰を動かした、
『あぁぁ、ゆうくん。気持ちいいよぉ』と玲香が顔を上げている。
優斗は顔を近づけて、舌を絡めた。
『玲香の中も気持ちいいよ』
優斗はまた少しずつ、挿れた。
玲香の顔が歪んだが、声は出なかった。
『玲香、全部入ったよ』
玲香は『あっあっあっ』と言いながら頷いた。
優斗はゆっくり肉棒を抜き差しした。
『ゆうくんが何度も入ってくる。気持ちいい』
『玲香と繋がってるよ。嬉しい』
『もっと私で気持ちよくなって。私の体はゆうくんのものだよ』
『玲香、大好きだよ。オチンチンも喜んでる。ずっと繋がってたいって』
『あぁぁ、ゆうくん』
『玲香』
玲香の小刻みな声と、優斗の息遣いが部屋に響く。
『玲香、もうダメ。気持ちよくて、でちゃう』
『出して。精子出して』
『あぁぁ、玲香、大好きだよ』
『ゆうくん、何も考えられない。真っ白だよ。あっ、あぁぁ』
優斗は玲香の中に入ったまま、ゴムに射精した。
優斗は、舌を絡めた。
肉棒を抜き。ゴムを外した。
『玲香の中、気持ちよくて、いっぱい出たよ』とゴムを見せた。
玲香は、それを見て、触り、目を閉じた。
2人の荒い息遣いが響く。
『これがセックス』と玲香が呟いた。
『慣れればもっと気持ちよくなるよ』
『もっとゆうくんを気持ちよくさせたい』
『十分気持ちよかったよ』
優斗は腕枕をしながら、玲香の頭を撫でた。
『じゃあ、これでオシマイ。シャワー浴びて帰ろう』
『待って。もう一回てきる?』
『もう止めようよ。玲香ちゃんなら、すぐに彼氏できるよ』
『ゆうくんがいいの?それに玲香って呼んで』
『今回も言ってるけど、僕は由紀とは別れられないんだ。由紀と何回もセックスしてるし、これからもする。
それで玲香ちゃんはいいの?』
『嫌だけど、ゆうくんとせっ、セックスできるなら、我慢する』
『分かった。玲香がそれでもいいなら、僕はこれ以上、何も言わない。
可愛い玲香とできるなら、僕は嬉しいから。
次は後ろから挿れるから、四つん這いになって』
『こう?』
『そのままね』優斗は新しいゴムを付け、後ろから挿れた。もう痛がらない。大丈夫そうだ。
『あっ、また違う。気持ちいいよぉ』
『玲香、もっと気持ちよくなって』とクリトリスを触った。
『あっ。ダメ、頭の中が真っ白になる』
『何も考えず、快感に身を委ねて』
『あっ、なんが来る。身体が言うことを聞かない。あっダメぇ』
と体をビクッビクッと震わせた。
『これがいくっていう感覚だよ。もっといってごらん』
と優斗は腰を早めた。
『これが、いくってことなの?あっ、いく、いっちゃう、いっちゃう』
とまた体を震わせた。
優斗は更に早めた。
『あっ、何回もいっちゃう。頭が馬鹿になっちゃう。もう止めて、あぁぁダメだって』
とまたビクッビクッとした。
『玲香、僕もまたいっちゃうよ、玲香、出すよ』
と射精した。
玲香は、そのままうつ伏せに倒れた。
『玲香、凄い僕たち相性いいよ』
『もう無理。今日は終わり』と呟いた。
優斗は玲香のからだ仰向けにして、舌を絡めた。
玲香をお姫様抱っこし、浴槽に入れた。お湯を入れるボタンを押す。
玲香の後ろに優斗は潜り込み、玲香を抱きしめる。
『こんなこと何回もしたら、馬鹿になるわね』
『もう僕は玲香に夢中で馬鹿になってる』
『由紀ちゃんを忘れられる?』
『玲香と2人でいる間は、玲香のことだけ考えてるよ』
『嘘でも嬉しいわ』
『本当だよ』
『うん。ありがとう。セックスもっとうまくなるから』
『別に今のままで、僕は十分だよ』
『ゆうくん、大好き』
『僕も大好きだよ』
優斗と夏樹は、駅で待ち合わせした。
優斗が駅につくと、夏樹は既にいた。
夏樹は、制服でも変わらず注目を集めていた。
夏樹は今でも手を繋いでこようとする。
『今はダメだよ。由紀の耳に入ったら、怒られるのは僕なんだよ』
『いいじゃん!ケチ』
『もう少し、自覚持ってよ。見られてるって』
『なんかその言葉、久しぶり。あっクラス分け、張り出されてるよ。早くいこう』夏樹は手を引っ張った。
『ちょっと、だからダメだって』
『え~っと、あった。やった!同じクラスだよ』
『一年間、よろしくね。でも、手は繋がないからね』
『僕、体育の時、トイレで着替えるから、サポートしてね』と囁いた。
『分かったよ。任せといて』
クラスに向かった。夏樹の仲の良い女子のうち、何人も同じクラスになったようだ。クラスに着くなり、囲まれていた。他の女子も遠くから熱い視線を送り、男子からは冷たい視線を送られていた。
『優斗くん、僕の親友だから、みんなも仲良くしてね』と紹介された。
なんでこんなやつが親友なの?という顔をされたが、とりあえず自己紹介は終わった。
新しい担任から、受験の話が長くされた。
そして、席替えとなった。抽選の結果、優斗と夏樹は窓際の前後の席になった。
夏樹は喜んでいた。夏樹の隣の女子は、取り巻きではなく、凛とした綺麗な女子生徒だった。
夏樹は、女子の方が話しやすいらしく、楽しそうに話していたが、女子の生徒の方は興味がなさそうだった。
だから、取り巻きが来ると、ウザったそうに席を離れた。
優斗は追いかけていった。
『ごめんね。夏樹、あんまり空気読めないから』
『なんで、あなたが謝るの?』と冷めた口調で話した。
『えっまぁ、親友として、夏樹を嫌いになって欲しくなくて』
『私は、夏樹くんだっけ。興味がないだけ』
『そっ、そうなんだ。興味がなくてもいいから、仲良くしてあげて』
『私は長崎玲香。あなた名前は?』
『僕は、大沢優斗。あっ僕のことはいいから』
『あなた、変わってるわね。私にあんまり関わらない方がいいわよ。私も誰とも関わらないから』と去っていった。
席に戻ると、取り巻きが玲香のことを話していた。
『夏樹くんの隣の子、お父さんが刑務所にいるらしいわよ』という話が優斗の耳に入った。余り人付き合いをしてこなかったので、優斗はそんな生徒がいることを知らなかった。
夏樹はいつもの調子で
『別に玲香ちゃんが犯人じゃないんでしょ。だったら私には関係ないよ。みんなと同じように仲良くなりたい』
取り巻きは言葉を失い、それ以上は、玲香のことを何も言わなくなった。
それから陰湿ないじめが始まった。
玲香の机の中や椅子に嫌なものが入れられたり、置かれたりした。
中には辞めろと書かれた物があった。
優斗と夏樹は、片付けるのを手伝った。
ある日、優斗は玲香に呼び出された。
『あのさ。夏樹くんに私に話しかけないように言ってもらえるかな』
『僕も言ってるんだ。止めようって。でも、夏樹も昔イジメられてたらしくて、ほっとけないって』
『はぁ、ありがた迷惑ね』
『あのさ、僕と席変わらない?』
『いいの?そうしてくれると有難い』
2人は担任に掛け合い、了承を得た。
そして、夏樹には玲香に話しかけないように注意した。
それからイジメはなくなった。
放課後、玲香に人気のない校舎裏に呼び出された。玲香は、優斗に感謝した。そこで話す玲香は、ただの高校生だった。
『ありがとう。優斗くんのお陰で助かったわ』
『本当におさまって良かった。あのさ。クラスでもそうしてれば可愛いのに』
『えっ、いきなり恥ずかしいこと言わないでよ』と赤くなった、
『ごめん。ぼく馬鹿なんだよ。よく言われるんだ。そんなことを真顔で言うなって』
『フフフッ。本当に変わってるね』と満面の笑顔になった。優斗はドキッとして赤くなった。
『なんで、あなたも赤くなってるの?』
『いや、恥ずかしいこと言うけどいい?』
『何よ、改まって、言ってみれば』と既に赤くなっている、
『うん。怒らないでね。え~っと。笑った顔がキレイだと思った』
『バカ!』と後ろを向いた。
『本当にごめんなさい』
後ろを向いたまま、
『ううん。嬉しいよ。久しぶりに学校で普通に話した』
『えっ!』
『聞いたでしょ、私の父親の話』
『うん。先週、誰かが話しているのが聞こえた。でも、夏樹も言ってたよ。玲香さんには関係ないって。僕も
そう思う』
『ありがとう。でも、みんなの前では話しかけないで』
『じゃあ、放課後話そうよ。学校でダメなら、どこかうちの生徒がいないところで。夏樹も一緒に』
『ありがとう。そんな時が来れば嬉しいな』と歩き出した。
優斗は追おうとしたが、
『来ないで!』と言われた。玲香の手が涙を拭ったように見えた。
それから夏樹に連絡をとった。夏樹も気になってたらしく、すぐOKの返事が来た。
次の日、玲香が座る机の上に他の生徒に見られないように手紙を置いた。
今日か明日、3人で話そう。連絡先は優斗の携帯番号を書いた。
玲香からショートメールが届いた。
それからやり取りをし、なんとか説得できた。
会うのは自分のバイト先の喫茶店にした。
由紀にも話をした。
夏樹は遅れて来ると言った。
優斗は玲香を連れてきた。
『ここが僕のバイト先』
店内に入ると、由紀がバイトしていた。
『なんでいるんだよ』
『うちの店なんだから、別にいいでしょ。邪魔しないわよ』
『えっと、僕の幼なじみの由紀』
『ちょっとふざけてるの?怒るわよ』
『はぁ、僕の彼女の由紀』
『初めまして、優斗の彼女の由紀です』
『えっと玲香です。優斗くんのクラスメイト』
『どうぞ、こちらへ」と席に案内した。
『ご注文が決まりましたら、お呼び下さい』とメニューを置いていく。
『優斗くん、彼女いたんだ』
『腐れ縁で·····』
『ユウ、聞こえてるよ』
『彼女、怖い?』
『玲香ちゃん、聞こえてるわよ』
玲香は背筋を伸ばした。
『店選び失敗したな』
そこに女の子の服を着た夏樹が現れた。
『あっ、ユッキー』
『なっちゃん、今日も可愛いよ』
『ありがとう』
由紀が指を差す。
『お待たせ。優斗くん、玲香ちゃん』
玲香は誰?という顔をしている。
『夏樹だよ』
『えっ、でも····』
『玲香ちゃんには、本当の私を知ってもらいたくて着替えてきたの』
『夏樹は、女の子の服が好きなんだ』
『だって、可愛いんだもん』
『そっ、そうなんだ』まだ玲香は状況が読み込めていないようだ。
『玲香ちゃん、ごめんなさい。私が余計なことをしたばっかりに』
『うっ、ううん。夏樹くん?なんて呼んだらいい?』
『なっちゃんでいいよ』
『なっちゃんは、悪くないよ』
『私の周りの子達、そんなことしないと思ってたのに、絶対に許せない』
『みんな、なっちゃんのこと好きすぎるんだよ。私は慣れてるから大丈夫だから』
『やっぱり前もあったんだ』
『お父さんが、その、捕まってから、ずっとかな』
『僕は玲香ちゃんの味方だよ。お父さんのことは玲香ちゃんには関係ない』
『でも、私に関わると、2人も酷い目に会うよ』
『学校では、様子を見ながらにしよう。だけど、学校を離れたら関係ないよ』
『私もそう思う。仲良くしてね、玲香ちゃん』
『ありがとう』と泣き出した。
『玲香ちゃんはパフェ好き?』
玲香は頷いた。
『じゃあ、記念に僕のスペシャルパフェをご馳走するよ。なっちゃんも食べるよね?』
『もちろん』
『じゃあ少し待ってて』
優斗は席を離れた。
『マスター厨房借りるよ』
『お前は可愛い子ばかり連れてくるな』
『なんでだろうね』とエプロンを付ける。
『さぁ、始めるか』
席では、夏樹が質問攻めにしてるのだろう。玲香がたじろいでいた。
『はい、由紀できたから、持ってって』
『私の分は?』
『えっ、そんなこと言うなよ』
由紀は席に届けた。
『お父さん、紅茶だって』
『了解』
『由紀、ありがとう。はい、由紀の分』
『もう、ユウったら。好きになっちゃいそう』
『僕は玲香ちゃんが好きだから』
『冗談でも怒るよ』
『はい、由紀が一番好きです』
『お父さん、休憩いい?』
『ダメって言ってもするんだろう』
『そうね。パフェ食べたいし』
『優斗、その間、よろしく』
『え~、友達と来てるのに』
『今日タダにてやるから』
『本当に?ラッキー』
優斗は、夏樹達の所に行き、
『ちょっとバイト時間になるから、2人で話してて』
優斗はしばらくいつも通り働いた。
『優斗くん、本当にここでバイトしてるんだね』と玲香が言った。
『ユッキーがここの娘だから、結婚して、この店継ぐんだって』
『ふ~ん、ちゃんと将来考えてるんだね』
『私は将来なんて考えられない。何やっても付きまとうから』
『玲香ちゃんって何が好き?私は女の子の服が好き。可愛いもの全部好き』
『私?好きなもの?』
『今すぐ答えなくていいから、考えてみて。そうすれば何か見えてくるかも』
『うん。考えてみるわ』
2人は、テキパキと働く優斗を眺めた。
『なんか優斗くんって不思議。何か特徴があるってわけじゃないのに、なんか見ちゃうね』
『私と優斗くんって幼稚園、一緒だったの。優斗くんも私も泣き虫でよく泣いてた。
でも優斗くんは、泣きながら私のことを励ましたり、手伝ったりしてくれるの。自分もできないのに。
ホントに優しかった。
実はちょっと前まで、優斗くんのこと好きだったの。今は別の人が好きだけど』
『なっちゃんもいるんだ。好きな人』
『うん。とっても大切な人よ。その人も私のことも大切にしてくれる』
『ふ~ん。羨ましいな。私はそういう人、諦めてたから』
『きっと玲香ちゃんにも現れるよ。そんなこと気にしないって言ってくれる人』
『実は学校の校舎裏で、優斗くんに、僕はそんなこと気にしないって言われた時、キュンとしちゃった」
『ユッキー、怖いから諦めた方がいいよ』
『なっちゃん、聞こえてるわよ』
いつの間にか由紀が、戻っていた。夏樹は背筋が伸びた。
『由紀、いい加減にしろよ』
『だってぇ。みんなで私のこと怖いって』
『母さんに似たなぁ』とマスターがボソッと言った。
『あなた!』と由紀の母が現れた。
『はい!』とマスターの背筋が伸びる。
『由紀、もういいわよ。終わったから』
『は~い』と当たり前のように夏樹達の所に行った。
『優斗もいいぞ』
優斗も夏樹達の所に行った。
『なんで由紀が来るんだよ』
『いいじゃん。バイト終わったし。ねっいいでしょ。玲香ちゃん』
『わっ、私は別に』
『それにしても玲香ちゃん、美人だよね、背も高いし、羨ましいな』
『そっそんなことないよ。言われたことないし』
『えっ嘘でしょ』優斗、由紀、夏樹の声が揃った。
『どっ、どうしたの、みんな』
『いやいや美人だって』と優斗が言い、夏樹も『玲香ちゃん、可愛いよ』と続く。
『えっ、止めてよ。からかわないでよ。由紀ちゃんや、なっちゃんみたいな子を可愛いとか、美人とか言うのよ』
『ガチだ。自分の魅力が分かってない。勿体ない』
『ねぇ、玲香ちゃん、今度私と買物行かない?』
『えっ、行きたいんだけど。うちお父さんがいないから、お金なくて』
『そっか~。残念。じゃあ、今度うちに来て、お姉ちゃんと私の服あるから、それ来て遊びに行こうよ』
『えっ、いいの?』
『私も行きたい!』
『なんで由紀が行くんだよ』
『え~行きたい』
3人は優斗の顔を見た。
『なんだよ。僕は、行かないよ。
もうイヤなんだよ。美人連れて、なんだアイツみたいな目で見られるの』
それでも3人は止めなかった。
『分かったよ。行けばいいんでしょ。行けば』
『やったボディガード、ゲット』と夏樹が言った。
『ボディガードなら、由紀で十分でしょ』
『ユウ、怒るよ』
『はい、か弱い皆さんをお守りします』
3人は笑った。屈託なく笑う玲香に優斗はドキドキしていた。
そして優斗達がバイト休みの日の日曜日、集合場所の駅に、玲香は制服姿で現れた。
『私これしかマドモな服なくて』
『いいよ、早く私のうちに行こう』
優斗は頑なに夏樹の家に行くのを断ったので、由紀も残ることにした。
夏樹は玲香を連れていった。
『お邪魔します』と玲香が部屋に入ると、大きなお腹をしたもう一人の夏樹がいた、
『玲香ちゃん、お姉ちゃんの春花』
『お姉ちゃん、こちらが玲香ちゃん』
『お邪魔してます。双子?』
『そっくりでしょ』
『多分街で合ったら、分からないかも』
『いらっしゃい。見ての通りだから、あんまりかまってあげられないけど、好きな服着てっていいわよ。私はしばらく着れないから
『ありがとう。初対面でこんな事言うの失礼かもしれないけど、お腹触ってもいい?』
春花は、ビックリしたが、
『いいわよ』
『ありがとう』と玲香はお腹を触った。
『赤ちゃん、いるんだよね?』
『元気に育ってるわ』
『あっ何か当たった』
『そうなんだ。最近、元気だよね』
と夏樹もお腹を触った。
『あれ?ユッキー達は?』
『優斗くんが来ないって言い張って、ユッキーと一緒にいる』
『そうなんだ』春花は、夏樹以外の男を部屋に入れるのに抵抗を感じていたので安心した。
夏樹は服を選んで玲香に着せた。
『似合うと思うけど、どう?』
『短かすぎない?』
『えっ玲香ちゃん、足キレイだから大丈夫だよ』
『そうじゃなくて』
『あ~、それならこれ履いて』と短パンを出した。
『それなら』と短パンを履いた。
『じゃあこっち来て』
玲香が行くとドレッサーがあった。
『力を抜いて、私に任せて』と化粧道具を出した。最後にドライヤーで
髪をセットした。
『はい、出来上がり。玲香ちゃん十分かわいいから、軽く化粧しただけ、どう?』
『これが私?』
玲香は見たことがない自分に驚いた。
『ありがとう。なっちゃん』
と涙を浮かべた。
『ほら、化粧落ちちゃうから。とティッシュを渡した。
『じぁあ行ってくるね』
『玲香ちゃん、夏樹をよろしくね』
『あっ、はい』
春花は、夏樹がどんな子を連れてけるのかドキドキしていたが、夏樹を女の子として見ているようだったので、安心した。
夏樹達は駅に着いた。
『お待たせ』
『玲香ちゃん、かわいくなった。あ~私も身長が欲しい』
優斗は無言で玲香を見て、ドキドキしていた。
『優斗くん、感想は?』
『可愛くなったよ』と照れながら言った。
『大成功だね。玲香ちゃん』
玲香は嬉しそうに頷いた。
『よし、じゃあ行こうか』
4人は電車に乗った。
優斗は離れて立った。3人は周りから注目されていた。
『1人ならまだしも、3人なんて』
と優斗は思った。
3人は目的地に着いた。玲香は初めての場所で緊張した。
『今日はブラブラすして、美味しいスイーツ食べよう』
夏樹と由紀ははしゃぎながら進んだ。玲香はまだ緊張しているようだ。
優斗はドキドキしながら、話しかけた。『由紀達みたいに思ったこと言ってればいいから』
『でも、みんな顔も、服も可愛し、私なんかじゃ』
『だっ、大丈夫だよ。玲香ちゃんはみんなより、かっ、可愛いから』と優斗は赤くなった。
言われた玲香も赤くなり『もう、からかわないで』
『からかってなんかないよ。本当にそう思ってるよ』
玲香は走って由紀達のところに行った。
『ふ~。玲香ちゃんに話すの緊張する』と玲香を目で追ってしまっていた。
玲香が笑う度に、ドキッとした。
『今日のお店はここだよ』と夏樹が言った。
この店も行列ができていた。
『なっちゃん、どうやって探してるの?』
『色々。最近はTik Tokかな』
最近のお気に入りの動画で盛り上がった。
そうして、店に入った。
この店もほとんどが女性客だった。
『はぁ、一緒の席に座るのがしんどい』
『ユウは気にし過ぎ。あっまたやってみる二股っぽく見えるやつ。今日は、三股?』
『やろう、やろう』と夏樹は注文前なのに、あ~ん、のマネをした。
『きっ、今日はできるわけないだろ。れっ、玲香ちゃんいるんだから』と玲香をチラリと見た。
いきなり自分の名前を出されて、玲香はポカンとした表情をした。
『え~。面白かったのに』と夏樹は残念がった。
『ねぇ、玲香ちゃん。優斗くんに、あ~んしてもらいたくない?』
『はっ!何言ってるの!無理に決まってるじゃない』
『言い出しっぺが何だけど。そうね。玲香ちゃんは無理よね』と由紀は反対した。
『そっ、そうだよ』
『じゃあ、私とユッキーだけでも』
『なっちゃんは自分だけだも、いいんでしょ』と由紀が突っ込む。
『だって、他のところでやったら、ユッキー怒るでしょ?』
『まぁ、いい気はしないわね』
『だったら、今しかないじゃん』
優斗は、頭を抱えた。
『僕の意見は無視?』
『ユウの意見は聞いてない』とバッサリ否定された。
優斗は、そんな姿を玲香に見られたくなかった。
『そもそも何の話ししてるの?』と当然の質問を玲香はした。
『実はね』夏樹は前回のことを説明した。
『へぇ~。そんなことするんだ。優斗くんって』
『ノリだよ、ノリ。ふっ、2人は特別だから』と慌てた。
『特別?』と玲香は呟いた。
『分かった。私もやる』と玲香はきっぱりと言った。
優斗も驚いたが、それ以上に由紀が驚いた。
『玲香ちゃん、冷静になって。なっちゃんは男だし、由紀は彼女だし、玲香ちゃんとは訳が違うんだよ』
『いい、やる』と顔は真っ赤だ。
『玲香ちゃん、男前』と夏樹が煽る。
それぞれ注文をした。
『玲香ちゃんが緊張するのは分かるけど、なんで優斗くんがそんなに緊張してるの?』と夏樹は不思議そうな顔をしている。
『玲香ちゃんとは、会ったばかりなんだよ。由紀となっちゃんみたいにはいかないよ』
『ふ~ん』
『玲香ちゃん、今からでも無理って言っていいからね。無理してやることじゃないよ』
『う、うん。わかってる。ダメなら言うから』
『それで、ユウはやりたいの?』
優斗はやりたいの言葉に反応した、
『やっ、やりたい、とか言うなよ』
玲香も気づいたらしく、顔を赤くして下を向いている。
『玲香ちゃんがいいなら。あ~んするよ』
『ふ~ん』
『そんなに緊張すること?みんな仲良しなんだから、普通にやるでしょ』
『なっちゃん、誰とでもやっちゃダメだよ』
『料理研究部でやると、みんな喜ぶよ』
『そこでしかやっちゃダメだよ。はるちゃん聞いたら、多分悲しむよ』
『そうかなぁ』
『私もユウの意見に賛成。ダメだからね』
『2人が言うなら、そうする。お姉ちゃん悲しませたくないから』
注文した品が運ばれてくる。
まず、優斗は由紀に、あ~んした。
またもや店の中が騒つき始める。
次に、夏樹に、あ~んした。
更に騒つく。
『何?何が怒ってるの?』と玲香は動揺した。
『これだけ、みんなが私達をみてるってこと』と由紀が言った。
『なんで私達、見られてるの?』
『それは分かんないけど』
『玲香ちゃん、止めようよ』と優斗が言う。
『ううん。あ~ん』と玲香は目をつぶって、口を開けた。
優斗も覚悟を決め、
『今、口の中にスプーン入ってるから、口閉じて』
『ガチッ』
スプーンに、玲香の歯が当たった。その後、唇を閉じた。玲香がスプーンの上を空にした。
玲香は下を向いた。
店内の静寂さは失われた。しかし、これで終わりではない。
『はい、ユウ、あ~ん』
優斗は食べた。
『えっ、何?逆もあるの?』
『もちろん』と由紀が言った。
続いて、夏樹も
『はい、優斗くん、あ~ん』
優斗は食べた。
玲香はパニック寸前だった。
『玲香ちゃん、もうオシマイにしようね』
玲香は顔を真っ赤にして、自分の料理をスプーンで掬った。
『ゆっ、優斗くん。あっ、あ~ん』
かっ、可愛い、優斗はじっと玲香を見てしまった。
『恥ずかしいから、そんな見ないで』と顔を反らした。
『あっ、ごめん』とスプーンから料理を食べた。
優斗も下を向いた。
店内が静まり返った。みんな考えることを止めたのだろう。
由紀と夏樹は、お互いの料理を食べていた。
優斗も食べようとしたが、気がついた。
『食べさせる順番を間違えた。夏樹を最後にすれば良かった』
玲香を見ると、玲香も手を付けていない。
『玲香ちゃん、スプーン、交換しない?』
『そっ、そうしてくれると助かる』
2人はスプーンを交換した。
『何やってるの?』と夏樹が不思議そうな顔をしている。
『いいじゃんか別に』
『ふ~ん』と夏樹はら興味なさそうに言った。
やっと優斗と玲香は食べ始めた。
『おっ美味しいじゃん』と優斗は驚いた。緊張か解けて、味が分かるようになった。
『今更?私のも美味しかったたでしょ』
『うん。まぁ。玲香ちゃんも美味しいでしょ』
『うん。美味しい』
『なっちゃん、この店当たりだよ。焼き方とか、すごい参考になる』
『相変わらず、自分の料理に活かそうとして。将来は安泰だよ』
『いいだろ。少しでも美味しいものを食べて欲しいんだから』
『はいはい、未来の旦那様』
『由紀ちゃんは優斗くんと結婚するんだ』
『優斗が悪さしなければね』
『なっ、何にもしないよ』
『何慌ててるの?』
『いや別に·····』
『なっちゃんもいるんだよね。好きな人』
『うん』
『みんな、良いなぁ。高校生活満喫って感じで』
『あと一年しかないけど、玲香ちゃんは、これから楽しもうよ』
『でも、お金ないから』
『だったら家で働く?』
『えっ、でも、お店に迷惑がかかるから』
『多分大丈夫だと思うよ。マスターけっこう男前だから』
『また店に来て、お父さんには話しておく。ただ、平日と私とユウがバイト休む週末になると思うけど』
『でも私がいるって分かったら』
『基本的に、うちの学校の子は来たことないから大丈夫。それでも気になるなら、今日みたいにしてれば、絶対にバレないよ』
『確かに、なっちゃんに化粧を教われば、分からないわね』
『私に任せて、雰囲気変えてあげる。服も貸してあげる』
『あんな高そうな服、そんなに借りられないよ』
『普通の服もあるから』
『まぁ、とりあえず面接ね』
『うん。分かった。やるだけやってみる。でもその前にみんなにお父さんのこと、話しておきたい』
『うん、話して。みんなちゃんと聞いてるし、話したからって嫌いにならないから』と優斗が言った。
由紀も夏樹も頷いた。
『おっお父さんね』と玲香が落ち着かなくなった。
夏樹は玲香の手を握った。
『ユウ、席変わって』
『えっ』と優斗はフラフラと立ち上がった。由紀が優斗の席だった場所に座った。
優斗は、空いた席に座った。由紀も玲香の手を握った。
『ありがとう。ふぅ~』と玲香は深呼吸した。
『お父さんね。会社のお金を盗んだの。お母さんは絶対に間違いだって言うんだけど、お父さんは、罪を認めたの』
『そっか』
『でもね。不思議なの。普通ならクビになるじゃない?でも会社から少ないけどお金が振り込まれ続けてるの』
『それって』
『私もね。お父さんは誰かの身代わりじゃないかって思ってる。でも、お父さんは何も言わないし。だから、私もお母さんも何も分からないから、我慢するしかないの』
と涙が頬を伝った。
『夏樹は、玲香を抱きしめた。由紀も体を寄せた』
『よく話してくれたね。玲香ちゃんは強いよ。私達はみんな玲香ちゃんの味方だよ。だから安心して』と夏樹が優しく言った。
玲香は手で涙を拭った。
由紀はハンカチを渡す。
『ありがとう。ふぅ~。初めて話した。聞いてくれて、ありがとう』
『玲香ちゃんが秘密を教えてくれたから、私の秘密も教えてあげる』と夏樹が言った。
優斗も由紀も止める気はなかった。
『今日、お姉ちゃんのお腹、大きかったでしょ』
『うん』と玲香は夏樹の目を見ながら、夏樹の手を両手で握っている。
『あの赤ちゃんのパパは、私なの』
『えっ!』と玲香が大きな消えを出した。
3人は、予想しない大きな声に、ビックリしたが、すぐに笑い出した。
『玲香ちゃん、リアクション大きすぎ』と夏樹
『ホントに、そんな声出るんだ』と優斗
由紀はお腹を抱えて声が出ないらしい。
『ちよっと、声が大きかったのは謝るけど、笑いすぎよ。もう止めて』
『悪い、今止めるから』と言いながらら笑い続けてた。
『もう知らない』と玲香がテーブルの外を見たら、ほかの客がみんなこっちを見ていた。
顔をテーブルに戻した。
『止めてよ。みんな見てるよ』
3人はやっと笑うのを止めた。
『はぁ~、ビックリしたでしょ。僕達も初めて聞いた時は、玲香ちゃんみたいになったよ』と優斗は言った。
『はぁ~、驚いた。私より凄いかも』と玲香は両手で心臓を押さえた。
『だから、お父さんのこと気にしないで。私達はちょっとやそっとじゃ驚かないから』と夏樹。
『なんか、悩んでる私がバカみたい』
『そうそう、それくらいでいいよ』と優斗は言った。
それから、学校で優斗と玲香は普通に話すようになった。
夏樹には、ズルいと非難されたが、夏樹には我慢してもらった。
そのストレスは、玲香が夏樹達の家に来てから発散した。
春花は、ここまで夏樹が仲の良い女の子は初めて知ったので、不安に思い、夏樹に聞いたら、
『玲香ちゃんには、女の子として接してるの。男の子として接してるのはお姉ちゃんだけだから』と夏樹は答えた。
『それに、玲香ちゃんは優斗くんのことが好きだと思うの』
『それ、ダメじゃない?』
『そうね。玲香ちゃん自身もダメだって分かってる』
『ナッキーは、どうなの?』
『気にはなってるみたい。でもユッキーだから、そんなことにはならないとは思うけど』
『ホントに大丈夫なの?』
『大丈夫だよ。私とお姉ちゃんみたいに、あの2人もずっと一緒だよ。お姉ちゃん······』
『夏樹、おいで』
2人は舌を絡めあった。
『夏樹、大きくなってる。また口でしてあげる』
『うん。お姉ちゃん』とパジャマを抜いだ。
春花は、優斗の母に、妊娠中にセックスしても大丈夫か?と聞いていた。
母は、なるべくなら口でした方がいいと言った。でも、上手くできないと言ったら、色々と教えてくれたので、夏樹に試していた。
『お姉ちゃん、気持ちいいよ』夏樹の反応はかなり良くなった。
『あぁぁ、お姉ちゃん。出ちゃう』
春花の口の中に精子の匂いが広がった。春花は、飲み込んだ。
『お姉ちゃん、気持ちよかった』
『夏樹、赤ちゃん出てきたら、またできるようになるから』
『ううん。私ばっかり気持ちよくなって、ごめんね』
『私は大丈夫だから』
『お姉ちゃん、大好き!』
『私もよ。夏樹』
『いっ、いらっしゃいませ』と喫茶店にぎこちない玲香の言葉が響いた。
『あっ、優斗くん』
『あっ、がっ頑張ってるね』
優斗の前には、茶髪に明るい茶色のカラコンを入れた玲香がいた。
『かっ、可愛い、お人形さんみたいだ』と思わず口から出そうになった優斗はまともに玲香が見れなかった。
『おっ、優斗。玲香·····じゃなかった。レンちゃん、しっかり働いてくれてるよ』
『レンちゃん?』
『本人の希望でな。少しでもバレないようにしたいらしいんだ』
『うん』
『今日は客か?それとも、ボランティアしに来てくれたのか?』
『今日は客、これからなっちゃんも来る。由紀は?』
『部屋にいると思うぞ』
『呼んでくる』
そのうち、夏樹も来て、
『どう?玲香ちゃん。私の自信作』
『可愛いよ。私でもイタズラしたくなっちゃう。フッフッフ』
優斗は2人を忘れて、玲香を見ていた。
『ちょっとユウ、見過ぎじゃない?ストーカー?ねぇ、ユウ!』
『あっ、ごめん。何の話してた?』
『優斗くん、大丈夫?』
『なっ、何が?全然元気だよ』
『ユウ、玲香ちゃんと、セックスしてくれば?』
『なっ、なんてこと言うんだよ!)
『したいんでしょ。すれば良いじゃない。私も他を当たるわ。この前も告白されたし。なっちゃん。その子、ちっちゃくて可愛かったんだよ。真っ赤になって、好きですって』
『ユッキーも隅に置けないね』
『ユウは、私は安全だと思い過ぎなのよ』
『そっ、そんなことはないよ』
『私もその子とデートしてくるわ。まだ、答え保留してるし』
『えっ、断らなかったの?』と夏樹。
『まあね。告白されて、ちょっとドキドキしちゃったから。今までそんなこと、なかったのに』
『由紀、マジで言ってるの?』と優斗は言った。
『だったら何?あなただけじゃないのよ。誰かを好きになるのは。だから、玲香ちゃんとしてくれば?』
優斗は否定せずに黙ってしまった。
『ちょっと優斗くん、ここは否定しないと』
優斗は黙ったままだ。
『じゃ、次の休みは別行動ね』と由紀は立ち上がって、部屋に帰っていった。
『優斗くん、変だよ』
『なっちゃん、心配させて、ごめんね。でも·····、多分······、玲香ちゃんのこと····好きなんだよ』
『いや、それは見てて分かるけど』
『えっ、なっ、なんで分かったの?』と動揺した。
『優斗くん、分かりやす過ぎなのよ。だからユッキーもあんなこと言ってるんだし』
『由紀にはバレてると思ったけど、なっちゃんにまでバレてるとは思わなかった』と落ち込んだ。
『はぁ、玲香ちゃんが見た目も性格も可愛いのは分かるけど、ユッキーを捨てるつもり?』
『確かに由紀が言った通りなんだよ。由紀がもし、さっき言ってた子と、その、セックスしても僕は由紀のこと、嫌いにならないし、離れられないと思う。それは由紀も同じだと思う』
『そんなの変だよ。私は、お姉ちゃんを独占したいし、お姉ちゃんもそう思ってるよ』
『そもそも好きってだけで、玲香ちゃんとそういう関係にはなりたいわけじゃないよ』
『そうなの?』
『由紀と付き合う時も、なっちゃんには別れるつてつたえたでしょ』
『そういえば、そうね』
『そんなね。節操なくないよ』
『由紀ちゃんに、ちゃんと言えばいいのに』
『でも、好きって時点で由紀は気に食わないんだよ』
『それはそうね。お姉ちゃんも私が、玲香ちゃんと仲良くしてるのをよく思ってないみたいだし』
『なっちゃんが玲香ちゃんを好きって言ってもいいのに、僕が言うと変な感じになるのも、おかしくない?』
『確かに一理ある』
『とにかく由紀には好きにさせる。どうせ僕は、玲香ちゃんバイトだから遊べないしね』
『私と遊ぶ?』
『遊ばない』
『え~、なんで?』
『なっちゃん。僕の体を触ろうとするでしょ』
『まぁ、それはそうだけど』
『はるちゃん怖いから。妊娠中でしょ。はるちゃんを不安にさせないこと』
『分かった』
『さっ帰ろうか。玲香ちゃん、頑張ってね』
『由紀ちゃん、怒ってなかった?』
『大丈夫。じゃあ、明日、学校で』
『うん』
春花の出産予定日が近づいて来たので、優斗の母は、うちに来るように言ったが、春花は優斗や父親がいることで拒んだ。
仕方なく、優斗の母は、春花達の家で寝泊まりするようになった。週末だけ母は帰って来た。
これによって、優斗達のバイト休みは、しばらくの間、交代でなくなることになった。
今日は。優斗と玲香が出勤していた。
玲奈は、バイトにも慣れ、バレてないという安心感から、明るくノビノビと働いていた。
そんな玲香を厨房から、優斗は見ていた。
たまに玲香と目があった。急いで優斗は目を逸らした。
由紀とは、あれ以来、必要な時以外は話してなかった。マスター達も心配はしていたが、ナニかを言うと由紀が意固地になるので、放っておいた。
そんな中で、平日に春花が破水した。
優斗の母は、病院に春花を運んだ。
夏樹達は、学校にいたので、一斉にラインで送った。
ラインには、夏樹だけ体調不良で早退し、それ以外は学校が終わった後に来るように書かれていた。
夏樹は授業中だったが、慌てて先生に『体調が悪いので、早退します』と言った。まず保健室に行くように言われたが、玲香と優斗と目を合わせ、無視して教室を後にした。
夏樹は、春花の無事を祈り、駅まで走った。
春花はまだ赤ちゃんが降りてきていないと言われ、準備室で悲鳴を上げながら苦痛と戦っていた。
優斗の母は、もうすぐ夏樹が来るからね、と手を握り、励ました。
夏樹が到着した。
扉を開け、今まで見たことがない泣き叫ぶ姉を見て、一瞬怯んだが、すぐに姉の手を握った。
母は、夏樹に春花を任せ、春花の実の親に連絡した。
実の母親は、しばらくしたら、行くと答えた。
優斗は、事務的なラインを由紀に送り、駅で集合してから、病院に向かった。
優斗達が到着する頃、やっと春花は、分娩室に通された。
夏樹は、優斗の母の手を握っていた。
優斗は、玲香と手分けして自販機で飲み物を買い、母と夏樹達に配った。
『ありがとう』と夏樹は泣き出しそうなほど不安そうな顔で言った。
『特に逆子とかそういうんじゃないから、大丈夫よ。もう少しで産まれるわ』と母は夏樹を励ました。
『連絡あってから、随分と経つけど、大丈夫なの?』と由紀も漠然とした出産に対する不安を口にした。
『破水って春花のお腹の中で赤ちゃんが浮いていた水が、外に出ることなんだけど。それから産まれるまでは、個人差があるの。赤ちゃんが出てくる体力次第ね。でも、普通のことだから、不安に思うことはないのよ』
『そうなんだ。でも何時間もでしょ。私には耐えられないかも』
『まぁ、今は帝王切開もあるし、色々選べるから。妊娠したら何ヶ月も時間があるんだし、よく調べなさい』
由紀も優斗と離れた席で夏樹の手を握っている。優斗と玲香は同じ席で隣りにいたので、優斗には、どんは顔をしているのか分からなかった。
そして、沈黙が流れた後、微かな赤ちゃんの鳴き声とともに、看護師が出てきた。
身内の方だけ、どうぞと看護師が言ったので、母と夏樹だけ中に入った。
中から、赤ちゃんの鳴き声と夏樹の泣き声が聞こえた。
しばらくして母と夏樹は出てきた。
『女の子だって』と夏樹は、泣顔で笑った。
『うわ、また世紀の美少女誕生ね』と由紀。
『おめでとう、なっちゃん』と優斗は夏樹を抱きしめた。
『ありがとう、優斗くん』
『じゃあ今日のところは、夏樹と私以外は解散。待っててもしばらくは、赤ちゃん見れないから。明日にしなさい。春花も疲れ切った顔見られたくないだろうし』
『明日なら見れるの?』
『多分ね。連絡するから』
『じゃあ、なっちゃん、また明日』
と3人は病院を後にした。
由紀は玲香と赤ちゃん、楽しみだと話している。
玲香とは、帰る方向が違うので、駅で別れた。
優斗と由紀が残された。
由紀は、赤ちゃんの興奮が冷めない様子で、優斗の顔を見ずに話し続けている。
『どっちに似ても可愛いのは間違いないし、羨ましいなぁ·······』
『由紀、玲香ちゃんのことなんだけど』
『何よ。そんな話、今したくない』
『いつまでこうやってるつもりだよ』
『ユウが悪いんでしょ』
『それは分かってるよ。だから謝る。それに玲香ちゃんに告白するつもりもないし、とうこうなるつもりもない。
クラスメイトやバイト仲間として見てないよ』
『ふ~ん。確かに前ほどは見てないみたいね』
『初めのときは、可愛いなって見てただけだよ。それ以上はない』
『へぇ~。証明してよ』
『証明って何だよ。無理言うなよ。玲香ちゃんの前で、由紀と子供作りたいとでも言えば満足か?』
『そうね。今回はそれくらいで許してあげるわ。でも、もうデートの約束しちゃったから、それは行くわよ』
『どこ行くんだよ』
『ホテル』
『いきなり?』
『ユウとだって付き合い始めた日じゃない』
『それはそうだけど』と優斗はイライラした。
『冗談よ。普通のデート。映画見て、喫茶店でおしゃべりして、手を繋いで?!、公園でキスして、そのまま見つめあって、ホテル。あっ、やっぱりホテル連れてかれちゃうよ』
『由紀、犯罪だけは起こすなよ』
『なんで私が襲う側なのよ』
『襲う気、満々だろ』
『まぁ、ユウ以外としてみたいとは思ってる』
『結局、そこなんだろ』
『まぁね。いいでしょ?玲香ちゃんとしてもいいから』
『何だよ。僕が謝る必要ないんじゃん。損した』
『まぁ、玲香ちゃんとも、私達が喧嘩してる方が攻めやすいでしょ』
『玲香ちゃんとは、そんなに安くするつもりはないから』
『何よ。本気みたいに』
『玲香ちゃんを大切にしてるだけだよ』
『じゃあ、明日から普通でいいのね?』
『それでいいよ』
『仲直り記念に、する?』
そう言えば、早苗とも母ともしていない。けっこう大丈夫なもんだと、優斗は思った。
家に帰っても父しかいないことを思い出し、由紀の提案を受け入れた。
二人は買い出しをして、制服姿で初めてホテルに入った。特に何も言われなかった。
『ユウ、赤ちゃん、しばらく作らないから、そのつもりで』
『初めから避妊してるだろ』
『私も気を付けるから。ちょっと出産恐怖症になりそう』
『シャワー一緒に浴びよう』
『なんか久しぶりだと、緊張するね』
『やめてよ。こっちまでドキドキするじゃないか』
優斗は先に風呂場に入った。なんと由紀はタオルを巻いてきた。
『なっ、何やってんだよ』
『なんか恥ずかしくて······』
『はっ、早く脱がないと、濡れちゃうよ』
『ユウが脱がしてよ』
『わっ、分かったよ』優斗はタオルを脱がせて、ドアのレバーに掛けた。
由紀は胸と下半身を隠した。
優斗は興奮した。おそこもガチガチに
なった。
『相変わらず元気ね』
『しょうがないだろ。由紀がエロいんだから』
『玲香ちゃん、処女でしょ。大丈夫かしら。こんなのに襲われて』
『今は由紀だけ考えさせてよ』
『分かったよ。ユウ、私を愛して』
『由紀、大好きだよ』
二人は舌を絡めた。
ボディソープで洗いながら、2人は性器を愛撫した。
雪は肉棒を咥えた。
『久しぶりだから、すぐ出ちゃうよ』
『久しぶりだから、何回でも大丈夫でしょ』
『あぁぁ、由紀、気持ちいいよ。由紀の口の中、気持ちいい」
そう間もなく、由紀の口の中に、精子の匂いが充満した。由紀は飲み込んだ。
『由紀、入れたい」
『さっき、避妊するって言ったばかりでしょ』
『早くベッド行こうよ』
『もう、一回出したのに、余計元気になってるじゃない』
2人はタオルで体を拭くのもままならず、ベッドに倒れ込んだ。
優斗は、深呼吸して、ゆっくりと由紀を愛撫した。
由紀の敏感さは、今まで以上だった。
由紀は相変わらずゴムを付けたがり、優斗は任せた。
それから、優斗はゆっくり挿入し、ゆっくりと腰を動かした。
優斗は久しぶりだったので、それでも満足できた。
少しずつ激しく動き、由紀の中で射精した。
由紀も満足したかと思ったら、ゴムを外し、肉棒を咥えて、新しいゴムに付け直した。そして、上に跨った。
『由紀、大丈夫なの?』
『もっといきたい』
由紀は自分で腰を動かしながら、ビクビクっと震えた。
『もっといきたい。ユウ、激しくして』
優斗は由紀の腰を掴み、下から突き上げた。
『あぁぁ、そう、もっと突いて』とビクビクっと震えている。
優斗は、早苗や母としているくらいに、激しくした。
『そう、あぁぁ、頭が真っ白、ユウ、もっと、もっと』
優斗の方が音を上げた。
『ダメ、出ちゃう』と射精した。
『あぁ、もう、もう少しだったのに。もう一回大丈夫でしょ』と抜かずにもう一回することになった。
『次は後ろから』と由紀は横を向いた。
優斗は肩で息をしながらら由紀のお尻を持ち上げて、突いた。
優斗は、休む意味を込めて、クリトリスを触った。
『これで少しはぐったりしてくれるだろう』ど思ったが、由紀は大きくビクっとして、少し固まっただけで、
『そこ気持ちいい、触りながら突いて』と言い出した。
優斗はビックリしたが、休めずに触りながら腰を動かした。
『あっ、あっ、いっちゃう、いっちゃう。あぁぁ、ユウ、いっちゃう』
と大きく2度体を震わせて、頭を枕に付け、両腕はだらんとした。
それから優斗が突き続けても反応しなくなった。
最後の力を振り絞り、4回目の射精をした。
由紀はグッタリしたままだ。
『由紀、大丈夫?』と息を弾ませながら、優斗は言った。
『らいりょうふ。きほちよかっら~』
『こんな短時間で4回なんて、辛すぎる』
『ひいさく何回もいっらけそ、さいほのおおひくいっらのか、さいほうにきほちいい』
由紀は、いくこと自体に耐性ができたというか、恥ずかしくなくなった。だから、今回は大きくいくまで求めたということらしい。
『こりゃ、今度はこっちの体力が持たないよ』由紀をいかせる楽しみができて、一気に優斗のテンションが上がった。
由紀とのセックスに悩んでいた頃に相談した早苗の顔が浮かんだ。
早苗から連絡ないけど、大丈夫なんだろうか?まぁ、今の早苗なら大丈夫なんだろう。
後で連絡して、様子を聞いてみよう。大丈夫そうなら、このまま終わりにしてもいいかな、と勇斗は、思った。
『由紀、もう一回する?』
『今日はもういいわ。満足したから』
『僕もだよ』と舌を絡めた。
2人は体を洗い合い、ホテルを後にした。
家に帰ってから、早苗に電話した。
『久しぶり。どう上手くいってる?』
『順調よ。優斗と会わなくても大丈夫なくらい。そっちはどう?由紀ちゃんは?』
『なんか、今までいくことに抵抗があったみたいで、それがなくなったら、こっちの体が持たなくなった』
『それは良かったわね』
『ありがとう。じゃあまた僕が必要な時は呼んで。いつでも行くから。どんな早苗になっていたとしても』
『うん。たまには服買いに来てよね』
『そう言えば、しばらく買ってないなぁ。近いうちに行くよ』
『うん。待ってる。サービスでチューしちゃうかも』
『それは楽しみだけど、それ以上したくなっちゃうから、遠慮しとくよ』
『うん。精一杯いい服選んであげる』
『うん。じゃあ、また』
『うん、またね』
優斗は約一年間の早苗との出来事を思い出し、
『早苗、今までありがとう』と呟いた。
次の日、夏樹は体調不良ということで休んだ。優斗の母が電話したらしい。
教室の中の取り巻きがざわついたが、誰も夏樹の家に行ったことがないらしく、家に行こうということにはならなかった。
優斗は玲香と頷きあった。
学校が終わり、由紀と駅で待ち合わせした。
由紀が来た。昨日は優斗と目も合わせなかったのに、二人はじゃれ合っていたので、玲香は、
『良かった。仲直りしたんだ』と安心した様子だった。
『ごめん。心配かけてた?由紀が怒ってる訳じゃないって、昨日分かって』
『えっ、由紀ちゃん、怒ってたんじゃないの?』
『まぁ、色々とあって』
『よく分からないけど、やっぱり2人はお似合いだよね』
『私みたいな美少女に、至って平凡なユウが?』
『はいはい、全国平均のモブが美少女と付き合えて、光栄です。天使様』
『そうそう私を崇めよ』
『フフフッ。その感じが2人にはピッタリよ』
『さぁ、赤ちゃん見に行こう』
と3人は電車の中で笑い合いながら、進んだ。
夏樹には予めラインをしておいたので、病院の出口で待っていた。
『みんな~』夏樹は女の子の服を着ていた。
『なっちゃん、お待たせ。今日もかわいいね』
『ありがとう、ユッキー』
『昨日制服で、今日その服、看護師さんたち、大丈夫だった?』
『どっちかって言うと、昨日のほうがコスプレだって思ってるみたい』
『あぁ、なるほどね』
『さぁ、お姉ちゃん待ってるから』
部屋に行くと、春花が赤ちゃんを抱っこしていた。
『はるちゃん、おめでとう』3人は言った、
『ありがとう、みんな。特に勇斗くんは、お母さん借りちゃってごめんね』
『こら、春花、私はあなたのお母さんなんだから、当たり前でしょ』
『本人もこう言ってるから、気にしないで』
『あぁ赤ちゃんだ。ちっちゃくて可愛い』と由紀。
『可愛い。どっちに似ても安心だからいいよね』と玲香。
『春花もやっと抱っこできるようになったのよ』
『フニャフニャしてて、今でも怖い
』と春花。
『夏樹はまだ怖くて、膝の上に乗せたくらい』と母。
『無理だよ』と夏樹
『みんな、こんなフニャフニャだったのよ。それがこんなに大きくなって。親に感謝しなさいよ』と母。
春花は優斗を見て、ニヤリと笑った。
優斗は意味ありげな顔にドキッとした。
『昨日、本当のお母さん来てくれて、喜んでくれた』と夏樹。
『そう、それは良かったね。一つ親孝行できた』と優斗。
春花は、それを聞いて微妙な表情をした。
『悪いことばっかりしてきたから』と春花。
『いいのよ。この赤ちゃんもあなたに、いっぱい迷惑かけるかもしれない。それでも守ってあげたくなるのが、親なのよ』
『女の子で良かったね。なっちゃん』
『うん。いっぱい服着せてあげるんだ』
『もう一人くらい作るの?』
『私はね。欲しいんだけど、お姉ちゃんがしばらく勘弁してって』
『夏樹、産むのは私なんだからね」
『ウソ。お姉ちゃんとこの子がいれば、私は十分に幸せだよ』
『あぁぁ、ユウ、出産しないで赤ちゃん欲しい』
『無理言うなよ』
『あら、あんた達、仲直りしたの?』と母。
『元々由紀が怒ってなかったんだよ。ホントにバカバカしい』
『たまにはいいでしょ。喧嘩も』
看護師が入って来て、赤ちゃんを連れて行った。
『さぁ、春花がまだ体力回復してないから、ここら辺でオシマイよ』
『退院はいつ?』
『来週よ』
『じゃあ春花、私と夏樹も帰るから、
看護師さん達の言う事、よく聞くのよ』
『分かった』
『お姉ちゃん、電話するから』
『夏樹、大丈夫だから。夏樹こそ、ちゃんと学校行くのよ』
『は~い。明日も来るからね』
と病室を後にした。
『夏樹、今週末、買物いっぱいあるから、頼むわよ』
『僕も行こうか?荷物持ちくらいなら、なっちゃんより役立つよ。由紀と玲香ちゃんでバイトしてもらうから』
『え~私も行きたい』と由紀。
『荷物乗せるから、3人は無理。優斗、よろしくね』
『分かった』
それぞれの家に送り届けた。
週末、由紀と玲香は2人でバイトしてた。
コーヒー担当は由紀、料理はマスター。ホールは玲香の布陣になった。
由紀が料理を作るのは可能なんだが、忙しくなると、力がないので、どうしても滞ってしまう。長年、父のやり方を学んできた由紀は、遜色なくコーヒーを入れられた。
玲香は常連客にも好評だった。茶髪にカラコンというちょっと高齢者には敬遠されがちな風貌だが、優しく一生懸命な接客に、男女問わず、メロメロになった。
少し手が空いた時に、由紀が隣に来て
『ねぇ、玲香ちゃん』
『何?』
『ユウのこと好き?』
『はぁ?』と大きな声を上げた。
『玲香ちゃん、しー』と由紀が笑っている。
『すいません。お騒がせしました』とホールに玲香が頭を下げた。
『いきなり何言ってるの?由紀ちゃん』
『うんとね。私、明日、ユウじゃない子とデートするんだ』
『·····』由紀が玲香の口を塞いだ。玲香はOKサインを出す。
『優斗くんは知ってるの?』
由紀は頷いた。
『だから、玲香ちゃんが嫌じゃなかったら、ユウとデートしてもいいよ』
『えっ』と玲香の耳が赤くなった。
『最後までしちゃっていいよ』
『·········』また由紀が口を塞いだ。玲香がまたOKサインを出す。
『そんなこと簡単に言わないで』
『確かに。でも私はチャンスがあればしてみるわよ』
『それも優斗くん』
『知ってるわ。でも、あくまでも遊び。最後は私とユウは結婚することは、決まってることだから』
『それ、相手の人に失礼だと思うよ』
『だから、ちゃんと説明するよ。後で付き纏われても面倒だし。玲香ちゃんは、それでもユウとしたい?』
『私はちゃんと一緒になれる人に、初めてをあげるわ』
『ふ~ん。それが悪いこととは言わないけど、ユウはあなたのこと好きだよ』
『そっ、そんなことないよ』
『幼稚園から見てた私が言うんだから間違いない』
『でも、そんな遊びなんて嫌だよ』
『まっ、私が言えるのはここまで。
後はよく考えて。はい、お客さん。いらっしゃいませ~』
『いらっしゃいませ』と玲香は言って、水とメニューを持って行った。
『······レンちゃん?レンちゃん!』と常連客は言った。
『あっ、すいません。ご注文は?』
『大丈夫?』と心配そうな顔をした。
『はい、すいませんでした』と頭を下げた。
玲香は注文を聞き、由紀とマスターに告げて、ホールに立った、
『考えろって、何を考えればいいのよ』と呟いた。
それから店は混み始め、玲香はバイトに集中して、考えることを止めた。
その頃、優斗はベビーベッドや哺乳瓶、ミルク、服など色々と荷物を持った。夏樹が色々と好みを出し、優斗達はふりまわされた。
母は、初めての赤ちゃんという本も買った。
3人は休憩した。
『そう言えば、名前決めたの?』と優斗。
『悩んてるのよ。春、夏と来たから、秋にしたいじゃん。でも、秋って寂しいから、ちょっと躊躇してる』
『秋って漢字にしなければいいんじゃない?』
『亜細亜の亜に、21世の紀で、亜紀でもいいし。愛するの愛に姫で、愛姫なんてのもどう?』
『愛姫か、いいね、それ。お姉ちゃんに相談してみる』
『実りの秋だから、秋も悪くないと思うけど。昭和すぎかしら?』
『アキナみたいに3文字もいいんじゃない?』
『もう混乱するからストップ』
『漢字は、いくらでもあるから、音から決めた方がいいわよ。ずっと呼ぶんだし、呼びやすくて響きがいい音の名前』
『分かっQたよ。お姉ちゃんと考えるから』
『ハッハッ。名前付けるのも大変だ』
『何言ってるの。あなたにも来るのよ。こういう時が。それにアキはほとんど決まってるんだから、楽よ』
『僕と由紀は縛りないかも。選べない』と頭を抱えた。
『じゃあ次、ドラッグストア行くわよ』
『車ないと辛いね』
『なっちゃん、いつ18になるの?』
『もうなってるよ』
『誕生日、ごめん』
『いつもお姉ちゃんと一緒だから、楽しいよ』
『夏樹、夏休みになったら、車の免許取りなさい』
『そうだね。免許あったほうがいいよね』
『そう言えば、なっちゃんって受験しないの?』
『服関係の学校に行くつもり』
『あぁ、なっちゃんにピッタリだよ』
『そうでしょ。赤ちゃんに可愛い服、いっぱい作るの』
『楽しみだね』
『うん』
3人はこれから必要なものを買い、夏樹の部屋に来た。
『うわっ、部屋の中も可愛くしてるね』
『私好みにしてるの。お姉ちゃん怒らないし』
『少しは生活感もあるといいんだけど』
母はテキパキと部屋の模様替えをした。
まず。ベッドでは、タオルが顔にかかっても赤ちゃんはどけることができないから、窒息してしまうことを説明した、
次に台所でベビーバスとタオルを用い、入浴の説明をした。
次にミルクの作り方と哺乳瓶の消毒の方法を説明した。
最後に夏樹のヌイグルミで、里の拭き方とオムツの付け方を説明した。
『まぁ、しばらくは私もいるから、大丈夫だけど。2人でできるようになってね』
『うん。頑張る』
『あと、赤ちゃんには時間は関係ないから、春花は寝不足になる。だから、あんまり騒がないであげて』
『うん、分かった』
『後は家事は夏樹ができるから安心だけど、洗剤は気をつけてね。肌が弱い子だと被れちゃうから』
『分かったけど、覚えることばかりでパニックになりそう』
『覚えられなかったら、紙に書いて、貼っときなさい。それが一番間違いないから』
『多分そうするかも』
『とりあえず家はこれでOKよ。退院の日が無事に迎えられるわ』
『良かった。ありがとう、お母さん』
『今日は、これで帰るけど、大丈夫?』
『寂しいけど、我慢する。どうしてもダメだったら、お姉ちゃんに電話するから』
『電話もほどほどにしなさいよ。春花。疲れちゃうから』
『うん』と寂しそうに言った。
『しょうがないわね。今晩は家に泊まりなさい』
『いいの?』
『まぁ、しょうがないか。僕の部屋に布団引くけど、何もしないと約束できる?』
『うん。我慢するから』
『分かった。でも明日は朝早くバイト行っちゃうからね』
『私もお姉ちゃんのところ行くから大丈夫』
『じゃあパジャマとか明日着る服用意しなさい』
『うん』
戸締まりを確認し、家を出た。
『今晩は私が夕飯作るね。何がいい?』
『そうねぇ。いつも何つくってるの?』
『大体和食かな?お肉はあんまり食べない』
『えっ、肉食べないの?』
『肉じゃがとか、ベーコンエッグとか、そんなもんかな?』
『ハンバーグとか、生姜焼きとか』
『たまに作るけど、そんなには食べないかなぁ』
『優斗用に何か作ればいいでしょ』
『そうして下さい。面倒なら自分で作るから』
『子供が料理できると、母親は楽だわ』
『そうなると、食べごたえのある肉じゃが?』と夏樹。
『そうしましょう。スーパー寄ってくわよ』
3人は買い出しをし、台所に立った。
父はソファーでテレビを見ている。
『さぁ、始めましょう』
3人はテキパキと料理を仕上げていく。
『ホントに夏樹は、いい奥さんになるわよ』
『最近、お姉ちゃんもやってくれるんだけど、やっぱり私がやった方が早い』
『少しはやらせた方がいいわよ』
『でもお姉ちゃんしかできないことは、お姉ちゃん。私ができることは私がって、方がいいかな?』
『まぁ、それもいいかもね』
『はい。出来上がり』
夏樹は楽しそうに話しながら、夕飯を食べた。
『夏樹くんがいると、楽しいな』
と父もご満悦だった。
夏樹が先に風呂に入っている間に、玲香から電話があった。
『もしもし、何かあった?』
『今日、由紀ちゃんから、優斗くんとデートしていいって言われた』
優斗は頭がフル回転した。一つは『何言ってんだ、由紀のやつ』。もう一つは『電話してきたってことは?』
『何言ってんだろうね。由紀は』
『由紀ちゃんも優斗くんじゃない人とデートするって』
『それは知ってる』
『それで由紀ちゃん、ホテル行くかもって』
『それも知ってる』
『優斗くんは、それでもいいんだ?』
『いいか悪いかだけなら、悪いとは思うけど、これから2人で結婚して何十年も一緒にいると思うと、なんか息が詰まりそうかなってことは僕も考える』
『だったら、優斗くんも遊べるんだ?』
『遊び?遊びって何?』
『由紀ちゃんが言ってたの。今度デートする相手と、その·······エッチなことしても、それは遊びだって。優斗くんと結婚するのは決まってるからって』
『まぁ、何があっても由紀とは一生一緒にいるだろうね』
『そっか。私には理解できない何がが2人にはあるんだね·········じやぁ········私と········遊んでくれる?』
『えっ!何言ってるの?玲香ちゃんらしくないよ』
『私らしいって何?大人しく笑っていれば満足するって思ってたの?』
『違うよ。多分色々あったから、僕のこと勘違いしてるんだよ』
『私は·······私のこと救ってくれた、優斗くんに感謝してる。だから、私の体で良ければ·······優斗くんなら·······好きにしてくれても構わない』
『そんな大層なことしてないよ。それに、感謝してるから体を自由にって、おかしいよ』
『私じゃ、ダメ?私の身体って魅力ない?』
『そっ、そんなことないよ。僕だって男だし、玲香ちゃんとエッチなことをする妄想だってするよ。でも、それを実際にするかどうかは別の話だよ』
『そっか、私でも、エッチなことを考えられるんだね。良かった』
『玲香ちゃん、だから、もう止めようよ』
『ううん。私も優斗くんと、エッチなことしたい。由紀ちゃんが言ってた通り、一回したからって、付き纏ったりしないから、私のお願いを聞いて』
『玲香ちゃん、分かってるんだよね?玲香ちゃんとは絶対に一緒になれない。これは遊びだと』
『うん。逆に私にとって、その方が都合がいいの。私と一緒にいると、お父さんのことで優斗くんに迷惑がかかるから』
『ううん。玲香ちゃん違うよ。お父さんのことで、僕は絶対に離れないよ。それは友達として誓うよ』
『うん。分かってるよ。優斗くんがそう言ってくれるのは。だから、私は優斗くんが大好きなんだよ』
『玲香ちゃん·········。分かったよ。ホテルに行くかどうかは別にして、2人でデートしようね』
『うん』
次の日、母が久しぶりにバイトに復帰した。結構ストレスが溜まっていたようだが、チャスがなく優斗とすることができなかった、
ストレス発散のために、母は働いた。その脇には由紀がいた。
優斗と玲香のデートを実現させるためだった。
『急でごめんね。由紀に話したら、すぐ行けって言うから』
『ううん。私も早い方が決心が鈍らなくていいから
『決心とかは忘れない?』
『ううん』と玲香は腕を組んで来た。玲香の胸が押し付けられる。
『玲香ちゃん、少し離れようか?刺激が強すぎるんだよね』
『したくなった?』
『とりあえずデートだから。そうだ!手を繋ごうか?』
2人は。手のひらを合わせて、手を繋いだ。玲香ちゃんの手、ちっちゃくて柔らかい、と股間が反応しそうになるのを抑えた。
『とりあえず映画でも見ようか?どんな映画が好き?』
『映画は話せないからイヤかな』
『そっか、そうだよね。水族館とか動物園とかは?』
『水族館がいい。子供の時に行って依頼かも』
『そうなんだ。じゃあ電車乗ろう』
「けっこう混んでるね』と再度、勇斗にくっつく玲香。
『逸れないようにしないと』
『うっ、うん分かった』
平常心、平常心と心のなかで唱えた。
それでも中に入ると、玲香は水槽の中に夢中になった。
暗いライトに照らされる玲香を勇斗は、見ていた。
『ねぇ、ねぇ、あの魚』と振り返る玲香と目があった。慌てて優斗は目を逸らす。
『今、私を見てた?』と玲香がイタズラっぽく微笑む。
『いや、あの·······見てた。綺麗だなって』
玲香が赤くなる。
『そっ、そういうこと、真顔でよく言えるね』と顔を逸らす。
『ごっ、ごめん。僕、馬鹿なんだよ。思ったこと、すぐ言っちゃうんだ』
『綺麗って思ったの?ホントに?』
『ホントだよ。嘘ついてもしょうがないじゃん』
『ねぇ、キス·······キスして欲しい』
『ちょっと冷静になろうよ。みんないるし』
『暗いところなら、大丈夫だよ。それでも私なんかにしたくない?』
『そっ、そんなことないよ。もちろんしたいさ。でも、デート初日でいきなりって』
『もう次のデートはないかもしれないから·······、由紀ちゃんが怒るかもしれないし』
『由紀は怒らないよ。大丈夫、次もあるから』
『優斗くんは、やっぱり由紀ちゃんがいいの?』
『なんていうのかな?腐れ縁だし、何でも僕のこと知ってるから。ダメな僕はいっぱいあるけど、由紀は全部許してくれる。それが居心地いいんだよね』
『私もできるように努力するから。セックスだって、由紀ちゃんより上手になるよ』
『とっとりあえず、人混みから離れようか?』
『うん』
と2人は、水槽から離れたベンチに座った。
『玲香ちゃん、僕は、玲香ちゃんのこと好きだよ。でも、由紀とは好き以上なんだよ』
『うん。分かってる。でも、いいの。遊びでいいから。もしかしたら、いつか私のこと、由紀ちゃん以上に好きになるかもしれないじゃない』
『う~ん。想像できないんだよね。由紀がいない未来が』
『そうなんだ。でも今はいいよ、それで。だから、私と····その······セックスしよ』
『········うん。分かった。ごめんね。玲香ちゃんに、そこまで言わせて』
『ううん』
『水族館出ようか?』
『うん』
いつも由紀と使っているホテルは避け、中にはいった。
部屋を選び、エレベーターに乗る。
『こういうとこ、由紀ちゃんとも来るんだ』
『えっ、まぁ何回か』
『慣れてるんだね』
玲香はいきなり背伸びをして、優斗の唇に自分の唇を重ねた。
『れっ、玲香ちゃん』
『ううん、玲香って呼んで。私もゆっ、ユウって呼んでいい?』
『ユウは、由紀しか呼ばないから、ちょっとダメかな』
『じゃあ、ゆうくん?ゆうちゃん?』
『誰も使ってないから、どっちでもいいよ』
『じゃあ、ゆうくんで』
『僕は、玲香······でいいの?』
『玲香がいい』
優斗が鍵を開けて、部屋の中に入った。
優斗には見慣れた大きいベッドと鏡に囲われた風呂場のある光景。
『へぇ~、こうなってるんだ』という玲香の声は震えていた。
『玲香、ここに来たって、そのまま帰ることもできる。また次のデートの時に来てもいいんだよ』
『ううん。先にシャワー浴びてきていい?』
『いいよ』
玲香はタオルを持って風呂場に入った。
中から見回し、隠れる場所がないことを悟った。中から優斗を見たら、目があった。
後ろを向き、玲香は少しずつ服を脱いで、全裸になった。そのままシャワーを浴びながら、体を洗った。
優斗は漠然とそれを見続けた。
『本当にこれでいいのだろうか?』そればかり繰り返した。
玲香が、体にタオルを巻いて出てきた。
優斗は、そのままベッドに行こうとも思ったが、自分もシャワーを浴びることにした。
優斗は、玲香の目の前に立ち、服を脱ぎ始めた。
肉棒を見て、玲香がショックを受け思い留まってくれることを期待して。
そして、全裸になった。肉棒は優斗の不安を余所にそそり立っていた。
玲香の視線が一点に集中した。両手で自分の体を抱えている。
『わっ、私を見て、こんなになってるの?』
『そうだよ。玲香のせいで、こんなになってる』
『触ってもいい?』優斗の目論見は失敗した。
『また玲香もシャワー浴びよう』と手を取った。
『風呂場のドアを閉め、玲香のタオルを外した。
思ったよりも大きな胸だった。綺麗なピンク色の乳首が突き出ていた。
下の毛は薄く少しだけ生えていて、玲香の割れ目が見えていた。
『綺麗だよ。玲香』
『あんまり見ないで』と腕を回してで胸を隠した。
『ダメだよ。ちゃんと見せて』と玲香の腕を振り解いた。
その手をひっぱり、シャワーを出し、肉棒を洗った。
『もう触っていいよ』
玲香は恐る恐る手を出した。そして指で肉棒を突いた。
『こんなに固くなるの?』
『手で握ってごらん』
『こう?』と右手で肉棒を掴んだ。
『あぁ、玲香の手、柔らかくて気持ちいいよ』
玲香の手に優斗の熱い体温が伝わってきた。
『どうすれば、気持ちよくなるの?』
優斗は、前にも由紀にしたなぁ、と思いながら、玲香の手の上に自分の手を重ね、前後に動かした。
『こう動かせばいいのね?』と玲香は優斗の手が離れても、肉棒をしごいた。
『あぁぁ、玲香、気持ちいい。もっと動かして』
玲香は、膝立ちになり、肉棒を凝視しながら、動かした、
『これがオチンチン。凄い』
『ねぇ、玲香、嫌じゃなかったらでいいんだけど、オチンチンを舌で舐めてくれないかな?』
『これを舐めるの?』とビックリした顔になった。
『先っぽの方を、棒アイスを舐めるようにして』
『こう?』
『あっ、気持ちいい。そう。続けで』
玲香は握りながら、甜めた。
下から優斗の様子を見た。
『ゆうくんが持ち良さそうな顔してる。なんか変な気分。私の体の中も熱くなってきてる。
あぁ、ゆうくんを私が気持ちよくしてる。オチンチンも熱くなってきてる』と思っていた。
『玲香、気持ちいいよ。オチンチンも喜んでる』
『あぁぁ、ゆうくん。私で気持ちよくなって』
『玲香、次は、口で咥えてくれる?そして、唇に力を入れて、頭を前後に動かして』
『咥えるのね。頭を動かすの?分かんない』
玲香は肉棒を咥えた。
『ごめん。ちょっと頭掴むね』
優斗は、零下の頭を両手で押さえて、腰を動かした。
『こんな風に玲香が、自分で頭を動かすんだ』
玲香は頭を動かした。
『うぁ、気持ちいい。ダメだ。出ちゃう。玲香、口を離して』
玲香は、肉棒を口から出した。
『今度は口を離すの?でも、もう少し練習したい』
とまた咥えて、頭を動かした。
『あぁぁ、出ちゃうから、止めて、
ダメ!出る』
と口の中に射精した。玲香は喉に当たり、むせた。
『ごほっごほっ。何が起こったの?』
『これが精子だよ。それだけ気持ちよかったってこと』
玲香は、床に落ちた精子を触った。
『ヌルヌルしてる。これが精子。赤ちゃんができるのよね』
『口じゃなくて、下に出したらね』
『こんなに出したら、もう出ないんじゃない?』
『あと、2、3回は出るよ』
『そんなに出るの?赤ちゃんいっぱいできちゃうじゃん』
『ちゃんとできないようにする方法があるから。
ねぇ、僕は満足したから、もう止めよう』
『私は何もしてもらっでないけど、男の人が精子を出したら、終わりなの?』
『そうじゃないけど、ここから先は、玲香の初めてになるんだよ。僕でいいの?』
『ゆうくんがいいの!もうしつこいよ。私とするのイヤなの?』
『もちろん玲香は美人だし、体もきれいだし、嫌なわけないじゃないか』
『それなら最後までして!
私は分からないから、ゆうくんに任せるしかないの』
『ごめんね。分かったよ。ちゃんとするから』
『お願い』
『それじゃ、ベッドに行こうか』
2人は体を拭いた。
優斗は、裸の玲香をお姫様抱っこして、ベッドに下ろした。
玲香は、胸の前で手を握っている。
『玲香、それじゃ始めるからね』
玲香は頷いた。
『じゃあキスしようか』
玲香は目を瞑った。
優斗はとりあえず唇を重ねた。いきなりディープキスは、可愛そうだ。
『ねぇ、玲香、聞いて。今のはキスはキスなんだけど、大人のキスっていうのがあるんだ』
『大人のキス?』
『そう。大人のキスは、舌、この舌』と口を開けて、舌を出した。
『舌を舐め合うんだ』
『舌を舐め合う?よくわからないよ』
『そうだよね。僕も初めての時は意味わからなかった。
でもすると、エッチな気持ちになるんだよ』
玲香は、真面目に聞いている。あぁ、僕はこんな綺麗な玲香を汚してしまっていいのだろうか、と迷ったが、玲香に恥をかかせることはできない。
心を鬼にしよう。
『舌を出してみて』玲香の小さく可愛い舌が出てきた。
『びっくりして舌を噛まないようにね。口も開けて』
優斗は玲香の舌を舐め、口の中に舌を入れた。
『う~、う~』と玲香は唸った。
一度舌を離し、
『力を抜いて、僕に任せて』
優斗はまた舌を絡めた。
玲香の舌も優斗の舌を絡めてきた。
『あ~、あぁぁ』と体をよじらせる。
優斗は舌を話した。
『どう?』
『なんか身体が熱い』
『そうそう、これが大人のキス』
『もっとしたい』
優斗は舌を近づけた。玲香の頭が持ち上がって、舌を絡めた。
『はぁ、はぁ、頭がぼうっとしてくる』
『じゃあ、これからは、止めないから』
玲香は、赤い顔をして頷いた。
優斗は耳元から、首、鎖骨、腕と愛撫し、お腹から、胸へと愛撫した。
『玲香の乳首、可愛いよ』と甜めながら、鈍さを揉んだ。
『あぁぁ』と声が漏れる。
そしてまたお腹から、太腿を愛撫した。
そして。内腿を愛撫し、一度顔に戻り、舌を絡めた。
そして、股間に顔を埋めた。
『恥ずかしい』と玲香が太腿を閉じようとするので、力任せに両手で開いた。
まずは全体を甜め、両手で割れ目を開いた。
『いや、見ないで』と玲香は優斗の頭を掴んだ。
『とっても綺麗だよ。隠すことなんかないよ』
優斗はクリトリスを甜めた、
『あぁぁ』と玲香の身体が仰け反った。
何度か舐めるうちに、膣から液が出てきた。
膣を甜めた。どんどん溢れてくる。
優斗は指を入れた。
クリトリスを舐めながら、指の腹で膣を刺激した。
玲香の息遣いが早くなり、身体がよじれる。
指でクリトリスを触りながら、肉棒を膣に近づけた。
優斗は舌を絡めて、
『挿れるよ。痛かったら言ってね』と言った。
玲香の目の焦点はあってなくなっていた。そして頷いた。
優斗はゴムを付けてから、少しずつ挿れた。
半分位入った時に、
『痛い!』と玲香が叫んだ。
優斗は少し肉棒を抜き、腰を動かした、
『あぁぁ、ゆうくん。気持ちいいよぉ』と玲香が顔を上げている。
優斗は顔を近づけて、舌を絡めた。
『玲香の中も気持ちいいよ』
優斗はまた少しずつ、挿れた。
玲香の顔が歪んだが、声は出なかった。
『玲香、全部入ったよ』
玲香は『あっあっあっ』と言いながら頷いた。
優斗はゆっくり肉棒を抜き差しした。
『ゆうくんが何度も入ってくる。気持ちいい』
『玲香と繋がってるよ。嬉しい』
『もっと私で気持ちよくなって。私の体はゆうくんのものだよ』
『玲香、大好きだよ。オチンチンも喜んでる。ずっと繋がってたいって』
『あぁぁ、ゆうくん』
『玲香』
玲香の小刻みな声と、優斗の息遣いが部屋に響く。
『玲香、もうダメ。気持ちよくて、でちゃう』
『出して。精子出して』
『あぁぁ、玲香、大好きだよ』
『ゆうくん、何も考えられない。真っ白だよ。あっ、あぁぁ』
優斗は玲香の中に入ったまま、ゴムに射精した。
優斗は、舌を絡めた。
肉棒を抜き。ゴムを外した。
『玲香の中、気持ちよくて、いっぱい出たよ』とゴムを見せた。
玲香は、それを見て、触り、目を閉じた。
2人の荒い息遣いが響く。
『これがセックス』と玲香が呟いた。
『慣れればもっと気持ちよくなるよ』
『もっとゆうくんを気持ちよくさせたい』
『十分気持ちよかったよ』
優斗は腕枕をしながら、玲香の頭を撫でた。
『じゃあ、これでオシマイ。シャワー浴びて帰ろう』
『待って。もう一回てきる?』
『もう止めようよ。玲香ちゃんなら、すぐに彼氏できるよ』
『ゆうくんがいいの?それに玲香って呼んで』
『今回も言ってるけど、僕は由紀とは別れられないんだ。由紀と何回もセックスしてるし、これからもする。
それで玲香ちゃんはいいの?』
『嫌だけど、ゆうくんとせっ、セックスできるなら、我慢する』
『分かった。玲香がそれでもいいなら、僕はこれ以上、何も言わない。
可愛い玲香とできるなら、僕は嬉しいから。
次は後ろから挿れるから、四つん這いになって』
『こう?』
『そのままね』優斗は新しいゴムを付け、後ろから挿れた。もう痛がらない。大丈夫そうだ。
『あっ、また違う。気持ちいいよぉ』
『玲香、もっと気持ちよくなって』とクリトリスを触った。
『あっ。ダメ、頭の中が真っ白になる』
『何も考えず、快感に身を委ねて』
『あっ、なんが来る。身体が言うことを聞かない。あっダメぇ』
と体をビクッビクッと震わせた。
『これがいくっていう感覚だよ。もっといってごらん』
と優斗は腰を早めた。
『これが、いくってことなの?あっ、いく、いっちゃう、いっちゃう』
とまた体を震わせた。
優斗は更に早めた。
『あっ、何回もいっちゃう。頭が馬鹿になっちゃう。もう止めて、あぁぁダメだって』
とまたビクッビクッとした。
『玲香、僕もまたいっちゃうよ、玲香、出すよ』
と射精した。
玲香は、そのままうつ伏せに倒れた。
『玲香、凄い僕たち相性いいよ』
『もう無理。今日は終わり』と呟いた。
優斗は玲香のからだ仰向けにして、舌を絡めた。
玲香をお姫様抱っこし、浴槽に入れた。お湯を入れるボタンを押す。
玲香の後ろに優斗は潜り込み、玲香を抱きしめる。
『こんなこと何回もしたら、馬鹿になるわね』
『もう僕は玲香に夢中で馬鹿になってる』
『由紀ちゃんを忘れられる?』
『玲香と2人でいる間は、玲香のことだけ考えてるよ』
『嘘でも嬉しいわ』
『本当だよ』
『うん。ありがとう。セックスもっとうまくなるから』
『別に今のままで、僕は十分だよ』
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『僕も大好きだよ』
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