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初デート
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そして、土曜日になった。
ご飯を食べた後、シャワーを浴びて、2回歯磨きをした。
買ってきた服に着替えた。この姿を見られると、家族にからかわれそうなので、部屋に籠もった。とりあえず出かけるとは言ってあるので、何も言わなくても大丈夫だろう。
落ち着かない!鏡でもう一度確認し、かなり早いが出かけることにした。
優斗は、春花の顔がやっばり思い出せないので、不安だった。
後ろ姿だけを何度も思い出した。
改札が近づいてきたので、改札の外を見た。けっこう待ち合わせの人がいた。
すると、手を振る女性がいた。スプリングコートの前のボタンをしていないので、赤いミニスカートと細くて長い足が丸見えになっていた。
走り去っていく後ろ姿の足の記憶と重なった。
優斗は、急いで改札を出た。春花も近づいてくる。
「良かったぁ。来てくれて、家にいても落ち着かなくて、早く来ちゃった」
その喜ぶ笑顔に、優斗は心臓が口から出そうになった。心の中で「可愛い」を繰り返した。
「あんなこと書かれたら、来るしかないよ」と目を逸らせた。その瞬間、他の人から見られていることに気が付いた。
みんな春花のことを見ていたのだ。そりゃそうだろう。こんなに可愛いんだから。それで来た相手が僕。こんな僕ですいません。
いたたまれなくなって、優斗は、春花の手首の辺りを掴んで、
「早く行こう」と引っ張ってしまった。
「痛いよ。どうしたの?」
「みんな見てるから」
「そっか。じゃあ行こう」と優斗の手を握った。2人は走り出した。
駅を出ると、2人は立ち止まって肩で息をした。しかし手は放さなかった。
「これで大丈夫でしょ」
「うん、大丈夫。ごめんね。いきなり掴んで」
「ううん。大丈夫だよ。それじゃ公園まで行こうか」
しばらく無言で歩いたが、
「小泉さんは、見られることは嫌じゃないの?」
「春花でいいよ。私はもう優斗くんって言ってるし。見られること?そうねぇ。もう慣れたってところかしら。
学校でもずっと見られてるし、今更止めてとも言えないわ」
「強いんだね。僕なんかすぐ隠れたくなっちゃうよ」
「でも、みんな見てるのは私の外側。優斗くんは私の内側を見て欲しいな」
「内側?」
優斗は、咄嗟に胸の辺りを見てしまった。
『もう、今エッチなこと考えたでしょ。素直なんだから。フフフッ
「ごめん。ダメダメだね。僕」
「いいの。素直な優斗くんが好きだから」
優斗は、僕のどこが好きなの?どこで僕のことを知ったの?と聞きたかった。しかし、聞くだけの勇気が湧かなかった。
そうこうしてるうちに公園に着いた。
「あそこの芝生のところにしよ!」
「あっ荷物持つよ、と言っても、すぐだけど、持たせて」と春花から荷物を渡してもらった。春花は微笑んだ。
「じゃあここにしよう。レジャーシート出して。籠のバッグに入ってる」やっと2人は、手を離した。
優斗は、バッグからレジャーシートを出した。春花が広げた部分に荷物を置いて、優斗も手伝った。
2人は靴を脱いで、レジャーシートに上がった。春花が座ると、ミニスカートから、更に太ももが出てきた。
優斗は、自分のハンカチを広げて、春花の太ももに載せた。
春花は「ありがとう」と少し驚いた様子だった。
「ごめん。僕が気になっちゃうから、そうしておいて。せっかく可愛い服なんだけど」
「太もも好き?」
「体ばかり見てドキドキするのは嫌なんだ。僕も春花さんのことをいっぱい知りたい」
「やっばり私の思った通りの人、優斗くんは」
「そんな大した人間じゃないよ。僕は臆病なんだ。他人のことをいっぱい妄想して、その人が僕の妄想どおりじゃないと、勝手にガッカリするんだ。
自分勝手なんだよ。
だけど、春花さんは自分の内側を見てと言った。だから、今は妄想するのは止めた。ちゃんと春花さんを見ようって。
幼なじみがいるんだ。その子は、僕に自分の好き勝手にするんだ。初めは嫌だったけど、そのうち、自分のことをちゃんと言えるって素敵なことだって気づいたんだ」
「そっか。本当に嬉しいな。優斗くんと一緒にいれて」
「僕も嬉しい。春花さんといれて」
優斗は既に春花を好きという感情を隠すことはしなかった。
春花は残りの荷物を広げた。お弁当だった。
「うわっ!凄い!全部作ったの?」
「うん。朝早く起きて作ったの。でも好きなものが分からなくて。嫌いなものあったら、食べなくていいから」
「大丈夫。嫌いなものなんてないから。好きなものは、ちゃんと教えるから、また作ってくれる?」
「もちろん」
「やった!春花さんと会う楽しみが増えた」
優斗は弁当箱を次々と開き、きれいに作られた料理を見た。
「なんか食べる勿体ない」
「また作るから大丈夫だよ」
「あっ、ごめん。僕、何も準備してない」
『そんなこと気にしないで。私が誘ったんだから」
「うん、次は僕が何か考えるね」
「楽しみにしてる。さぁ、召し上がれ」
「いただきます」
優斗は一口食べては歓声をあげた。
春花は飲み物を渡した。
そして、全て食べ終わった。
「少し多かったね。食べてくれて、ありがとう」
「美味しいから、すぐ食べられた」
2人は色々と話した。好きな漫画やアニメ、映画、学校の面白い先生のこと。弓道部のこと。
ただ子供の頃の話、家族の話になると、春花は言葉を濁した。
「余りいい思い出がなくて」
「そうなんだ。じゃあ楽しいこと話そう。次はどこ行こうか?」
「優斗くん、お願いがあるんだけど」
春花は真剣な表情になった。
「何?」努めて明るく言った。
「大丈夫。宗教とか、お金貸してとかじゃない」
「いいよ。誤魔化さなくて。ちゃんと話して」
「会うのは土日だけにしたいんだけど。だから、平日に駅とかで会っても、私から話しかけないし、話しかけて欲しくないの」
「別にいいけど」
「一応うちの学校、男女交際禁止になってるの。実際は、みんなほとんど守ってないけど。私は生徒会だから、守らないとみんなに示しがつかないから」
「分かったよ。平日はそうする。それで僕からもいいかな。実は土日は、さっき話した幼なじみの家でバイトしてるんだよね。だから、会いたいのは山々なんだけど、毎週は無理かな。隔週でどう?」
「分かった。早めに日程調整して、確実に会えるようにしようね」
「うん」
「バイトは何してるの?」
「喫茶店でウエイター兼料理人ってとこかな」
「料理してるの?」
「簡単なものだけだよ。ビラブとかパスタ、パフェとか。今度来てよ。タダで作るから」
「えっ!大丈夫なの?」
「大丈夫、マスターけっこうアバウトだから」
2人は、レジャーシートを片付け、公園内を歩いた。
「荷物軽くなった。ごめん、全然気づかなくて」
「もう何回言えばいいの。謝らないで」と微笑んだ。
「幼なじみが怖いから、ごめんが癖になってて。ごめ·····」
春花は笑った。
「本当に笑うと、可愛い」
「えっ!恥ずかしいよぉ」と真っ赤になった。
「僕、けっこう人と話すの時間がかかる方なんだ。この人どんな人なんだろうって考える時間が必要だから。
でも春花さんは、全然そんなこと考えなかった。それが一番嬉しいし········こんなこと会ってすぐに言っていいのか分からないけど、
春花さんにしたら、何も私のこと知らないのにって言うかもしれないけど、
ちゃんと言っておきたいから、聞いてくれる?」
春花は既に涙を流していた。
「春花さんが好きだ」
「うぅ、うん。ありがとう。うぅん」
優斗は、返されたハンカチをまた渡した。
そして、空いている手を握った。
それから、2人はベンチで、ゆっくりと時間を過ごした。
そして、日も落ちてきたので、帰ることにした。最後に連絡先を交換した。
やった。彼女できた。手も繋いでしまった。これからのバラ色の高校生活を夢見た。
ご飯を食べた後、シャワーを浴びて、2回歯磨きをした。
買ってきた服に着替えた。この姿を見られると、家族にからかわれそうなので、部屋に籠もった。とりあえず出かけるとは言ってあるので、何も言わなくても大丈夫だろう。
落ち着かない!鏡でもう一度確認し、かなり早いが出かけることにした。
優斗は、春花の顔がやっばり思い出せないので、不安だった。
後ろ姿だけを何度も思い出した。
改札が近づいてきたので、改札の外を見た。けっこう待ち合わせの人がいた。
すると、手を振る女性がいた。スプリングコートの前のボタンをしていないので、赤いミニスカートと細くて長い足が丸見えになっていた。
走り去っていく後ろ姿の足の記憶と重なった。
優斗は、急いで改札を出た。春花も近づいてくる。
「良かったぁ。来てくれて、家にいても落ち着かなくて、早く来ちゃった」
その喜ぶ笑顔に、優斗は心臓が口から出そうになった。心の中で「可愛い」を繰り返した。
「あんなこと書かれたら、来るしかないよ」と目を逸らせた。その瞬間、他の人から見られていることに気が付いた。
みんな春花のことを見ていたのだ。そりゃそうだろう。こんなに可愛いんだから。それで来た相手が僕。こんな僕ですいません。
いたたまれなくなって、優斗は、春花の手首の辺りを掴んで、
「早く行こう」と引っ張ってしまった。
「痛いよ。どうしたの?」
「みんな見てるから」
「そっか。じゃあ行こう」と優斗の手を握った。2人は走り出した。
駅を出ると、2人は立ち止まって肩で息をした。しかし手は放さなかった。
「これで大丈夫でしょ」
「うん、大丈夫。ごめんね。いきなり掴んで」
「ううん。大丈夫だよ。それじゃ公園まで行こうか」
しばらく無言で歩いたが、
「小泉さんは、見られることは嫌じゃないの?」
「春花でいいよ。私はもう優斗くんって言ってるし。見られること?そうねぇ。もう慣れたってところかしら。
学校でもずっと見られてるし、今更止めてとも言えないわ」
「強いんだね。僕なんかすぐ隠れたくなっちゃうよ」
「でも、みんな見てるのは私の外側。優斗くんは私の内側を見て欲しいな」
「内側?」
優斗は、咄嗟に胸の辺りを見てしまった。
『もう、今エッチなこと考えたでしょ。素直なんだから。フフフッ
「ごめん。ダメダメだね。僕」
「いいの。素直な優斗くんが好きだから」
優斗は、僕のどこが好きなの?どこで僕のことを知ったの?と聞きたかった。しかし、聞くだけの勇気が湧かなかった。
そうこうしてるうちに公園に着いた。
「あそこの芝生のところにしよ!」
「あっ荷物持つよ、と言っても、すぐだけど、持たせて」と春花から荷物を渡してもらった。春花は微笑んだ。
「じゃあここにしよう。レジャーシート出して。籠のバッグに入ってる」やっと2人は、手を離した。
優斗は、バッグからレジャーシートを出した。春花が広げた部分に荷物を置いて、優斗も手伝った。
2人は靴を脱いで、レジャーシートに上がった。春花が座ると、ミニスカートから、更に太ももが出てきた。
優斗は、自分のハンカチを広げて、春花の太ももに載せた。
春花は「ありがとう」と少し驚いた様子だった。
「ごめん。僕が気になっちゃうから、そうしておいて。せっかく可愛い服なんだけど」
「太もも好き?」
「体ばかり見てドキドキするのは嫌なんだ。僕も春花さんのことをいっぱい知りたい」
「やっばり私の思った通りの人、優斗くんは」
「そんな大した人間じゃないよ。僕は臆病なんだ。他人のことをいっぱい妄想して、その人が僕の妄想どおりじゃないと、勝手にガッカリするんだ。
自分勝手なんだよ。
だけど、春花さんは自分の内側を見てと言った。だから、今は妄想するのは止めた。ちゃんと春花さんを見ようって。
幼なじみがいるんだ。その子は、僕に自分の好き勝手にするんだ。初めは嫌だったけど、そのうち、自分のことをちゃんと言えるって素敵なことだって気づいたんだ」
「そっか。本当に嬉しいな。優斗くんと一緒にいれて」
「僕も嬉しい。春花さんといれて」
優斗は既に春花を好きという感情を隠すことはしなかった。
春花は残りの荷物を広げた。お弁当だった。
「うわっ!凄い!全部作ったの?」
「うん。朝早く起きて作ったの。でも好きなものが分からなくて。嫌いなものあったら、食べなくていいから」
「大丈夫。嫌いなものなんてないから。好きなものは、ちゃんと教えるから、また作ってくれる?」
「もちろん」
「やった!春花さんと会う楽しみが増えた」
優斗は弁当箱を次々と開き、きれいに作られた料理を見た。
「なんか食べる勿体ない」
「また作るから大丈夫だよ」
「あっ、ごめん。僕、何も準備してない」
『そんなこと気にしないで。私が誘ったんだから」
「うん、次は僕が何か考えるね」
「楽しみにしてる。さぁ、召し上がれ」
「いただきます」
優斗は一口食べては歓声をあげた。
春花は飲み物を渡した。
そして、全て食べ終わった。
「少し多かったね。食べてくれて、ありがとう」
「美味しいから、すぐ食べられた」
2人は色々と話した。好きな漫画やアニメ、映画、学校の面白い先生のこと。弓道部のこと。
ただ子供の頃の話、家族の話になると、春花は言葉を濁した。
「余りいい思い出がなくて」
「そうなんだ。じゃあ楽しいこと話そう。次はどこ行こうか?」
「優斗くん、お願いがあるんだけど」
春花は真剣な表情になった。
「何?」努めて明るく言った。
「大丈夫。宗教とか、お金貸してとかじゃない」
「いいよ。誤魔化さなくて。ちゃんと話して」
「会うのは土日だけにしたいんだけど。だから、平日に駅とかで会っても、私から話しかけないし、話しかけて欲しくないの」
「別にいいけど」
「一応うちの学校、男女交際禁止になってるの。実際は、みんなほとんど守ってないけど。私は生徒会だから、守らないとみんなに示しがつかないから」
「分かったよ。平日はそうする。それで僕からもいいかな。実は土日は、さっき話した幼なじみの家でバイトしてるんだよね。だから、会いたいのは山々なんだけど、毎週は無理かな。隔週でどう?」
「分かった。早めに日程調整して、確実に会えるようにしようね」
「うん」
「バイトは何してるの?」
「喫茶店でウエイター兼料理人ってとこかな」
「料理してるの?」
「簡単なものだけだよ。ビラブとかパスタ、パフェとか。今度来てよ。タダで作るから」
「えっ!大丈夫なの?」
「大丈夫、マスターけっこうアバウトだから」
2人は、レジャーシートを片付け、公園内を歩いた。
「荷物軽くなった。ごめん、全然気づかなくて」
「もう何回言えばいいの。謝らないで」と微笑んだ。
「幼なじみが怖いから、ごめんが癖になってて。ごめ·····」
春花は笑った。
「本当に笑うと、可愛い」
「えっ!恥ずかしいよぉ」と真っ赤になった。
「僕、けっこう人と話すの時間がかかる方なんだ。この人どんな人なんだろうって考える時間が必要だから。
でも春花さんは、全然そんなこと考えなかった。それが一番嬉しいし········こんなこと会ってすぐに言っていいのか分からないけど、
春花さんにしたら、何も私のこと知らないのにって言うかもしれないけど、
ちゃんと言っておきたいから、聞いてくれる?」
春花は既に涙を流していた。
「春花さんが好きだ」
「うぅ、うん。ありがとう。うぅん」
優斗は、返されたハンカチをまた渡した。
そして、空いている手を握った。
それから、2人はベンチで、ゆっくりと時間を過ごした。
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