僕の彼女は、男子高校生

ぱるゆう

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数年後 1

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 数年後

 僕は変わらず、美穂、純代、早苗との関係は続けている。

 変わったことと言えば、美穂に黙って純代とだけ会う回数が増えたこと、小百合が結婚して、僕とはなくなったことくらいだ。

 小百合に確認すると、止めるつもりはないと言ってくるが、半年はしていない。




 夏っちゃんとも定期的に会っている。春ちゃんは相変わらず、僕に会うと言うと、嫌な顔をするらしい。

 アキノちゃんは、順調に美少女になっている。雑誌モデルへの道は、春ちゃんが強行に反対し、実現しなかった。あと、歩美を連れて行くと、面倒を見てくれるお姉ちゃんになった。夏っちゃんの2人目の男の子、冬樹くんが産まれたからだろう。

「ゆうくんの子供、欲しい」と夏ちゃんは、どこまで本気なのか分からないことを言ってくる。

「春ちゃんが僕の子を産むことは、世界が滅亡して2人きりになっても有り得ない」と言い返すと、

「じゃあ、チューだけ」と口をとがらせてくる。それが目的か!と軽く唇を合わせる。

 もちろん、アキノちゃんには、絶対に内緒にするように言う。僕が殺されてしまう。

「完全にバカな夫婦にしか見えないな。まだ産み足りないのかと」

「私が女の子だったら、何人産むかな?」

「5人はできるんじゃない。春ちゃんは、まだ欲しいの?」

「もういいって言ってる。男の子産まれたから」

「確かに。でも、冬樹くんも、モテモテになるのは間違いないから、ヤキモチ焼くんじゃない?」

「多分、そうね。歩美ちゃんと結婚すればいいけど」

「それは一番ダメなんじゃないかな。僕の遺伝子が汚れてるとか言うよ。きっと」

「じゃあ、風斗くんとあ~ちゃん?」

「なぜ、風斗が出てくる?」

「フフフッ」

「その意味深な笑いは?」

「別にぃ」

僕ももう子供を作ることはないと思っているが、純代だけが心配ではある。純代の言葉を信じるしかないが、今一番家庭を捨てられるのは、純代だ。だから、僕は会う回数を増やして思い切らないようにしている。

茜が外でいくら浮気しても、子供を作ってくることは考えられない。だから、僕から離婚を切り出す理由もない。




 夏ちゃん、アキノちゃん、冬樹くん、歩美、僕の順で手を繋いで、公園を歩く。

 レジャーシートを広げると、夏ちゃんの足の上に冬樹くんが座り、僕とアキノちゃん、歩美は追いかけっこを始める。

 しかし、僕が早々にギブアップすると、アキノちゃんが、
「パパ、ダメね」と言って、引き続き
歩美とやってくれた。

 レジャーシートに寝転ぶと、
「パパ、ダメね」夏ちゃんも言って、僕に膝枕をしてくれた。冬樹くんは、僕のお腹の上だ。

 こうしてると、懐かしい気持ちになる。

「夏ちゃん、もし夏ちゃんが女の子だったら、僕のこと好きになった?」

「もちろん。なったわよ」と僕の頭を優しく撫でてくる。

「そうだったら、あの日、水に濡れても、会わなくならなかったんだね」

「そうだね」


 もしそうだったら、多分、僕の人生は全然違っただろう。こんな可愛い彼女を置いて、他に目移りするわけがない。由紀と海に行くこともなかった。それなら、早苗とも何もなかった。小百合とは、仲の悪い親子のままだったと思う。


「ねぇ」と夏ちゃんが言った。

「何?」

「もし始めから、私が男の子だって分かってたら、ゆうくんは、私のこと好きになってくれた?」

「えっ!」

どうだろう?でも・・・、

「本当のこと話してくれた時に言ったじゃん。こんなに話しやすいのは初めてだって。だから、好きになってたよ」

「そっか」

「うん、そうだよ」

僕は身体を起こして、夏ちゃんと軽く唇を合わせた。

「でも、すぐに殺されてたと思う」

「フフフッ、そうね。お姉ちゃんなら、やりかねない」

僕達は笑った。

「何?どうしたの?」とアキノちゃんと歩美が戻ってきた。

「フフフッ、秘密よ。さっ、ご飯にしよ」と夏ちゃんが言った。

5人で丸くなってお弁当を食べる。アキノちゃんと歩美は、モリモリと食べる。やっぱり昔は動かなかったから、少食だったのかもしれない。

店の中とホテルの中、日差しを浴びる時間が減っている。こんな健康的な日があってもいい。次は風斗も連れてこよう。




 
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