55 / 87
数年後 1
しおりを挟む
数年後
僕は変わらず、美穂、純代、早苗との関係は続けている。
変わったことと言えば、美穂に黙って純代とだけ会う回数が増えたこと、小百合が結婚して、僕とはなくなったことくらいだ。
小百合に確認すると、止めるつもりはないと言ってくるが、半年はしていない。
夏っちゃんとも定期的に会っている。春ちゃんは相変わらず、僕に会うと言うと、嫌な顔をするらしい。
アキノちゃんは、順調に美少女になっている。雑誌モデルへの道は、春ちゃんが強行に反対し、実現しなかった。あと、歩美を連れて行くと、面倒を見てくれるお姉ちゃんになった。夏っちゃんの2人目の男の子、冬樹くんが産まれたからだろう。
「ゆうくんの子供、欲しい」と夏ちゃんは、どこまで本気なのか分からないことを言ってくる。
「春ちゃんが僕の子を産むことは、世界が滅亡して2人きりになっても有り得ない」と言い返すと、
「じゃあ、チューだけ」と口をとがらせてくる。それが目的か!と軽く唇を合わせる。
もちろん、アキノちゃんには、絶対に内緒にするように言う。僕が殺されてしまう。
「完全にバカな夫婦にしか見えないな。まだ産み足りないのかと」
「私が女の子だったら、何人産むかな?」
「5人はできるんじゃない。春ちゃんは、まだ欲しいの?」
「もういいって言ってる。男の子産まれたから」
「確かに。でも、冬樹くんも、モテモテになるのは間違いないから、ヤキモチ焼くんじゃない?」
「多分、そうね。歩美ちゃんと結婚すればいいけど」
「それは一番ダメなんじゃないかな。僕の遺伝子が汚れてるとか言うよ。きっと」
「じゃあ、風斗くんとあ~ちゃん?」
「なぜ、風斗が出てくる?」
「フフフッ」
「その意味深な笑いは?」
「別にぃ」
僕ももう子供を作ることはないと思っているが、純代だけが心配ではある。純代の言葉を信じるしかないが、今一番家庭を捨てられるのは、純代だ。だから、僕は会う回数を増やして思い切らないようにしている。
茜が外でいくら浮気しても、子供を作ってくることは考えられない。だから、僕から離婚を切り出す理由もない。
夏ちゃん、アキノちゃん、冬樹くん、歩美、僕の順で手を繋いで、公園を歩く。
レジャーシートを広げると、夏ちゃんの足の上に冬樹くんが座り、僕とアキノちゃん、歩美は追いかけっこを始める。
しかし、僕が早々にギブアップすると、アキノちゃんが、
「パパ、ダメね」と言って、引き続き
歩美とやってくれた。
レジャーシートに寝転ぶと、
「パパ、ダメね」夏ちゃんも言って、僕に膝枕をしてくれた。冬樹くんは、僕のお腹の上だ。
こうしてると、懐かしい気持ちになる。
「夏ちゃん、もし夏ちゃんが女の子だったら、僕のこと好きになった?」
「もちろん。なったわよ」と僕の頭を優しく撫でてくる。
「そうだったら、あの日、水に濡れても、会わなくならなかったんだね」
「そうだね」
もしそうだったら、多分、僕の人生は全然違っただろう。こんな可愛い彼女を置いて、他に目移りするわけがない。由紀と海に行くこともなかった。それなら、早苗とも何もなかった。小百合とは、仲の悪い親子のままだったと思う。
「ねぇ」と夏ちゃんが言った。
「何?」
「もし始めから、私が男の子だって分かってたら、ゆうくんは、私のこと好きになってくれた?」
「えっ!」
どうだろう?でも・・・、
「本当のこと話してくれた時に言ったじゃん。こんなに話しやすいのは初めてだって。だから、好きになってたよ」
「そっか」
「うん、そうだよ」
僕は身体を起こして、夏ちゃんと軽く唇を合わせた。
「でも、すぐに殺されてたと思う」
「フフフッ、そうね。お姉ちゃんなら、やりかねない」
僕達は笑った。
「何?どうしたの?」とアキノちゃんと歩美が戻ってきた。
「フフフッ、秘密よ。さっ、ご飯にしよ」と夏ちゃんが言った。
5人で丸くなってお弁当を食べる。アキノちゃんと歩美は、モリモリと食べる。やっぱり昔は動かなかったから、少食だったのかもしれない。
店の中とホテルの中、日差しを浴びる時間が減っている。こんな健康的な日があってもいい。次は風斗も連れてこよう。
僕は変わらず、美穂、純代、早苗との関係は続けている。
変わったことと言えば、美穂に黙って純代とだけ会う回数が増えたこと、小百合が結婚して、僕とはなくなったことくらいだ。
小百合に確認すると、止めるつもりはないと言ってくるが、半年はしていない。
夏っちゃんとも定期的に会っている。春ちゃんは相変わらず、僕に会うと言うと、嫌な顔をするらしい。
アキノちゃんは、順調に美少女になっている。雑誌モデルへの道は、春ちゃんが強行に反対し、実現しなかった。あと、歩美を連れて行くと、面倒を見てくれるお姉ちゃんになった。夏っちゃんの2人目の男の子、冬樹くんが産まれたからだろう。
「ゆうくんの子供、欲しい」と夏ちゃんは、どこまで本気なのか分からないことを言ってくる。
「春ちゃんが僕の子を産むことは、世界が滅亡して2人きりになっても有り得ない」と言い返すと、
「じゃあ、チューだけ」と口をとがらせてくる。それが目的か!と軽く唇を合わせる。
もちろん、アキノちゃんには、絶対に内緒にするように言う。僕が殺されてしまう。
「完全にバカな夫婦にしか見えないな。まだ産み足りないのかと」
「私が女の子だったら、何人産むかな?」
「5人はできるんじゃない。春ちゃんは、まだ欲しいの?」
「もういいって言ってる。男の子産まれたから」
「確かに。でも、冬樹くんも、モテモテになるのは間違いないから、ヤキモチ焼くんじゃない?」
「多分、そうね。歩美ちゃんと結婚すればいいけど」
「それは一番ダメなんじゃないかな。僕の遺伝子が汚れてるとか言うよ。きっと」
「じゃあ、風斗くんとあ~ちゃん?」
「なぜ、風斗が出てくる?」
「フフフッ」
「その意味深な笑いは?」
「別にぃ」
僕ももう子供を作ることはないと思っているが、純代だけが心配ではある。純代の言葉を信じるしかないが、今一番家庭を捨てられるのは、純代だ。だから、僕は会う回数を増やして思い切らないようにしている。
茜が外でいくら浮気しても、子供を作ってくることは考えられない。だから、僕から離婚を切り出す理由もない。
夏ちゃん、アキノちゃん、冬樹くん、歩美、僕の順で手を繋いで、公園を歩く。
レジャーシートを広げると、夏ちゃんの足の上に冬樹くんが座り、僕とアキノちゃん、歩美は追いかけっこを始める。
しかし、僕が早々にギブアップすると、アキノちゃんが、
「パパ、ダメね」と言って、引き続き
歩美とやってくれた。
レジャーシートに寝転ぶと、
「パパ、ダメね」夏ちゃんも言って、僕に膝枕をしてくれた。冬樹くんは、僕のお腹の上だ。
こうしてると、懐かしい気持ちになる。
「夏ちゃん、もし夏ちゃんが女の子だったら、僕のこと好きになった?」
「もちろん。なったわよ」と僕の頭を優しく撫でてくる。
「そうだったら、あの日、水に濡れても、会わなくならなかったんだね」
「そうだね」
もしそうだったら、多分、僕の人生は全然違っただろう。こんな可愛い彼女を置いて、他に目移りするわけがない。由紀と海に行くこともなかった。それなら、早苗とも何もなかった。小百合とは、仲の悪い親子のままだったと思う。
「ねぇ」と夏ちゃんが言った。
「何?」
「もし始めから、私が男の子だって分かってたら、ゆうくんは、私のこと好きになってくれた?」
「えっ!」
どうだろう?でも・・・、
「本当のこと話してくれた時に言ったじゃん。こんなに話しやすいのは初めてだって。だから、好きになってたよ」
「そっか」
「うん、そうだよ」
僕は身体を起こして、夏ちゃんと軽く唇を合わせた。
「でも、すぐに殺されてたと思う」
「フフフッ、そうね。お姉ちゃんなら、やりかねない」
僕達は笑った。
「何?どうしたの?」とアキノちゃんと歩美が戻ってきた。
「フフフッ、秘密よ。さっ、ご飯にしよ」と夏ちゃんが言った。
5人で丸くなってお弁当を食べる。アキノちゃんと歩美は、モリモリと食べる。やっぱり昔は動かなかったから、少食だったのかもしれない。
店の中とホテルの中、日差しを浴びる時間が減っている。こんな健康的な日があってもいい。次は風斗も連れてこよう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる