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第三話 友達作り
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ラブコメといえば男2人と女2人の4人構成がテンプレだ。ハーレムを作りたいなら男1人女4人という構成もあるが、このラブコメは純愛として成立させる。俺の性格的には明るい系だからハーレムだと思われるかもしれないが、俺が作るラブコメはハッピーエンドで終わらなければならない。例えそれが俺以外の重要人物であろうとな。そのハッピーエンドを成立させるには1人の男友達が必要だ。
「ねぇ、君。なにボーッとしてるのー?」
数席離れる男子生徒の肩を小突きながら話しかける真斗。
前髪は目元まで伸びており、頬杖をつく男子生徒はゆっくりと真斗の顔を見上げると、またすぐに頬杖をついて窓の外に視線を戻す。
「無視しないでよー」
彼こそが真斗が友人として狙う男――俣野龍馬だ。入学してから2日が経ったが、友達作りをするどころか、誰も話しかけるなという不穏な雰囲気が龍馬の身を纏っていた。
そんな龍馬をなぜ、真斗が声をかけたのかは分からないが、龍馬の目線や龍馬の情報を元に、ハッピーエンドを作るのなら彼が最適解だと判断した。
「……なんで俺に話しかけてくんの?」
「だって暇そうじゃん~」
「……別に暇じゃないっすけど」
ラブコメのテンプレならば、主人公としては逆。友人キャラが陽キャ。そして陰キャの主人公に話しかけ、良好な関係を築いていく。それがラブコメのテンプレだ。だが、真斗が取った行動はテンプレとは全くの逆で、主人公が陽キャ、友人キャラが陰キャ。テンプレを好む真斗からは想像がつかない選択――
「――うっそだー」
「まじですが……」
「まぁとりあえず友達になろうぜー」
「なぜ俺……?」
「俺、不思議っ子が好きだからさー」
「はぁ……」
呆れたような溜息を吐く龍馬は真斗に冷たい視線を送り、真斗の後ろを通りかかった1人の女に目を向けた。
「あの、神楽坂さん。この人どうにかしてくれませんか?」
いきなり呼び止められた美夜は面食らった顔を浮かべたかと思えば、眉のあたりにシワを寄せる。
「嫌ですけども」
「隣の席じゃないですか」
「それでも嫌ですけど」
頑なに頷かない美夜に対し、龍馬は本当に嫌そうに手を合わせて頭を下げる。
「ホントお願いします」
「……分かった」
頭を下げられた美夜は渋々龍馬のお願いを了承し、真斗の首根っこを引っ張って窓側の席に連れ戻そうとする。
「な、なんで!俺、なにも悪いことしてない……!」
「一応龍馬は私の幼馴染だから、何かあったらお母さんに怒られるのは私なの」
「だから俺、なにもしてないって……!」
「はいはい」
2人が幼馴染のことも、美夜が後ろを通ることもすべてを読んでいた真斗の口元には一瞬笑みが浮かび上がるが、なんとか堪らえて美夜から離れないぐらいの力加減で抵抗をするふりを演じる。
まさか一回目で龍馬を俺の友人に引き込めるとは思っていない。あの性格はラブコメで学んでいるからわかるが、かなりめんどくさい方だ。自分は醜いと信じ込み、自分は人に迷惑を掛けると思い込み、自分には魅力はないと考え込む。そんな面白くないやつを俺は友人として――重要キャラとして認めてやってるんだ。しっかり俺の思い通りに動いてくれよ?
瞬きの瞬間、龍馬に欲望を押し付けるような目を向けた真斗はヒロインの顔を見上げながら微笑みを向ける。
「今思ったけど、俺の世話係みたいで良いなこれ」
「な、なにバカなこと言ってんの?」
真斗のセリフで多少の動揺を見せる美夜だったが、席に着くやいなや、ゴミを捨てるかのように真斗から手を離す。
今はこれでいい。距離が遠いぐらいがラブコメの序盤には丁度いいからな。こんなので優しくされたら孤高の名が汚れてしまうから俺から願い下げさせてもらうんだが。
美夜を睨みつけるように見上げた真斗は、地面に手を付けて立ち上がる。
「ひっどいなー。俺痛いのあんまり好きじゃないんだよー?」
「知らないよ、そんなこと」
「ほんとひどいなぁ……」
苦笑を浮かべる真斗は大人しく自分の席に付き、不服気な顔を浮かべながら教室に入ってくる教師に目を向けた。
「ねぇ、君。なにボーッとしてるのー?」
数席離れる男子生徒の肩を小突きながら話しかける真斗。
前髪は目元まで伸びており、頬杖をつく男子生徒はゆっくりと真斗の顔を見上げると、またすぐに頬杖をついて窓の外に視線を戻す。
「無視しないでよー」
彼こそが真斗が友人として狙う男――俣野龍馬だ。入学してから2日が経ったが、友達作りをするどころか、誰も話しかけるなという不穏な雰囲気が龍馬の身を纏っていた。
そんな龍馬をなぜ、真斗が声をかけたのかは分からないが、龍馬の目線や龍馬の情報を元に、ハッピーエンドを作るのなら彼が最適解だと判断した。
「……なんで俺に話しかけてくんの?」
「だって暇そうじゃん~」
「……別に暇じゃないっすけど」
ラブコメのテンプレならば、主人公としては逆。友人キャラが陽キャ。そして陰キャの主人公に話しかけ、良好な関係を築いていく。それがラブコメのテンプレだ。だが、真斗が取った行動はテンプレとは全くの逆で、主人公が陽キャ、友人キャラが陰キャ。テンプレを好む真斗からは想像がつかない選択――
「――うっそだー」
「まじですが……」
「まぁとりあえず友達になろうぜー」
「なぜ俺……?」
「俺、不思議っ子が好きだからさー」
「はぁ……」
呆れたような溜息を吐く龍馬は真斗に冷たい視線を送り、真斗の後ろを通りかかった1人の女に目を向けた。
「あの、神楽坂さん。この人どうにかしてくれませんか?」
いきなり呼び止められた美夜は面食らった顔を浮かべたかと思えば、眉のあたりにシワを寄せる。
「嫌ですけども」
「隣の席じゃないですか」
「それでも嫌ですけど」
頑なに頷かない美夜に対し、龍馬は本当に嫌そうに手を合わせて頭を下げる。
「ホントお願いします」
「……分かった」
頭を下げられた美夜は渋々龍馬のお願いを了承し、真斗の首根っこを引っ張って窓側の席に連れ戻そうとする。
「な、なんで!俺、なにも悪いことしてない……!」
「一応龍馬は私の幼馴染だから、何かあったらお母さんに怒られるのは私なの」
「だから俺、なにもしてないって……!」
「はいはい」
2人が幼馴染のことも、美夜が後ろを通ることもすべてを読んでいた真斗の口元には一瞬笑みが浮かび上がるが、なんとか堪らえて美夜から離れないぐらいの力加減で抵抗をするふりを演じる。
まさか一回目で龍馬を俺の友人に引き込めるとは思っていない。あの性格はラブコメで学んでいるからわかるが、かなりめんどくさい方だ。自分は醜いと信じ込み、自分は人に迷惑を掛けると思い込み、自分には魅力はないと考え込む。そんな面白くないやつを俺は友人として――重要キャラとして認めてやってるんだ。しっかり俺の思い通りに動いてくれよ?
瞬きの瞬間、龍馬に欲望を押し付けるような目を向けた真斗はヒロインの顔を見上げながら微笑みを向ける。
「今思ったけど、俺の世話係みたいで良いなこれ」
「な、なにバカなこと言ってんの?」
真斗のセリフで多少の動揺を見せる美夜だったが、席に着くやいなや、ゴミを捨てるかのように真斗から手を離す。
今はこれでいい。距離が遠いぐらいがラブコメの序盤には丁度いいからな。こんなので優しくされたら孤高の名が汚れてしまうから俺から願い下げさせてもらうんだが。
美夜を睨みつけるように見上げた真斗は、地面に手を付けて立ち上がる。
「ひっどいなー。俺痛いのあんまり好きじゃないんだよー?」
「知らないよ、そんなこと」
「ほんとひどいなぁ……」
苦笑を浮かべる真斗は大人しく自分の席に付き、不服気な顔を浮かべながら教室に入ってくる教師に目を向けた。
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