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魅了が終わり、現実に戻った。
面と向かって責められることはなかった。
仕方なかったと諫められるだけ。
後味の悪さだけが残る。
彼女はもう自分から俺に近寄ろうとはしなかった。だから迎えに行った。話をしたかったから。
驚いた彼女は、相変わらずそそっかしかった。
呆けたままの彼女をそのまま馬車に乗せた。
ありし日を思い出す。
その淡い気持ちから醒めたのはすぐだった。我に返った彼女は居心地悪そうに身を竦めた。彷徨わせた後目を伏せる。
あまりの違いに呆然として何も話すことが出来なかった。
キラキラと輝いていた目は、影を落とし薄暗く映る。窓を覗き黄昏た横顔は、ひどく大人びて見えた。
自業自得だと考え直して、話しかけようと腹を括った頃には彼女は目を瞑ってこの時間をやり過ごそうとしていた。
言葉に詰まる。いつもだったら彼女は何か言いたいことを察して上手く聞き出してくれていた。ああ。彼女に甘えていたのだと今更ながら実感した。目を瞑る。
「リード!!!」
屈託のない満面の笑みで抱きついて来る彼女が過ぎる。
ただひたすら眩しかった。
面と向かって責められることはなかった。
仕方なかったと諫められるだけ。
後味の悪さだけが残る。
彼女はもう自分から俺に近寄ろうとはしなかった。だから迎えに行った。話をしたかったから。
驚いた彼女は、相変わらずそそっかしかった。
呆けたままの彼女をそのまま馬車に乗せた。
ありし日を思い出す。
その淡い気持ちから醒めたのはすぐだった。我に返った彼女は居心地悪そうに身を竦めた。彷徨わせた後目を伏せる。
あまりの違いに呆然として何も話すことが出来なかった。
キラキラと輝いていた目は、影を落とし薄暗く映る。窓を覗き黄昏た横顔は、ひどく大人びて見えた。
自業自得だと考え直して、話しかけようと腹を括った頃には彼女は目を瞑ってこの時間をやり過ごそうとしていた。
言葉に詰まる。いつもだったら彼女は何か言いたいことを察して上手く聞き出してくれていた。ああ。彼女に甘えていたのだと今更ながら実感した。目を瞑る。
「リード!!!」
屈託のない満面の笑みで抱きついて来る彼女が過ぎる。
ただひたすら眩しかった。
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