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貴族の"常識"
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商家の子女は平民よりはよっぽど入学はしやすいが、入学試験において一応の成績を修めなければならない。
そこのお嬢さんは最初にお話をした時の印象だと頭の回転は悪くなさそうだった。理知的で快活で、平民落ちした私にも明るく話しかけてくれる。
しかし、小手調べに解いてもらった問題は丸の方が少ない。
なぜだろう?
とりあえず教科書をさらってみた。理解力もやる気も悪くないけど時折、詰まる。
ああ、なるほど。
よくよく問題を見てみれば、至る所に貴族としての暗黙の了解が見受けられた。おそらく今まで雇っていた家庭教師は貴族出身の方だったのだろう。
何度教えても成績は上がらない娘さんに苛立ったのだろうけど、きっと前提が違うのだ。
教えている内容は理解出来ていても、その前段階が分かっていない。
だから、いざ問題を解いてみると解けないんだわ。
私が働き出して上手くいかなかったのは自分が何も出来ないことも理由ではあるが、ここの齟齬があったからなのだろう。知らなければただの傲慢にしか思えない。
そうなれば今までのすれ違いに納得もいくものだ。
とりあえず問題集は置いておく。用意していただいた紙とペンで、貴族の常識の基本的なことから確認していくことにした。小さい頃に両親や使用人に刷り込まれていくことだけど。
そこのお嬢さんは最初にお話をした時の印象だと頭の回転は悪くなさそうだった。理知的で快活で、平民落ちした私にも明るく話しかけてくれる。
しかし、小手調べに解いてもらった問題は丸の方が少ない。
なぜだろう?
とりあえず教科書をさらってみた。理解力もやる気も悪くないけど時折、詰まる。
ああ、なるほど。
よくよく問題を見てみれば、至る所に貴族としての暗黙の了解が見受けられた。おそらく今まで雇っていた家庭教師は貴族出身の方だったのだろう。
何度教えても成績は上がらない娘さんに苛立ったのだろうけど、きっと前提が違うのだ。
教えている内容は理解出来ていても、その前段階が分かっていない。
だから、いざ問題を解いてみると解けないんだわ。
私が働き出して上手くいかなかったのは自分が何も出来ないことも理由ではあるが、ここの齟齬があったからなのだろう。知らなければただの傲慢にしか思えない。
そうなれば今までのすれ違いに納得もいくものだ。
とりあえず問題集は置いておく。用意していただいた紙とペンで、貴族の常識の基本的なことから確認していくことにした。小さい頃に両親や使用人に刷り込まれていくことだけど。
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