18 / 40
魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約
魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 16
しおりを挟む
緑の庭園とというには相応しい美しさを誇る秋色に色づいたソコで、不思議と普通科の人間族が居ない理由が分かった。
普通科の全ての学年、クラスに伝わっているのだ。
二限目の実技授業で起きた出来事が。
そう、エディーリンは教師の中では…、後に知ったことだが最強と謳われる実技の先生──元エンテイラー国王族騎士団のエカルと呼ばれた筋肉質な大柄な先生を連勝31勝し、最後には顎を蹴り上げ吹っ飛ばした…、と。
全て学園内でソノ事実が伝わっているのだ。
エディーリンが斜め上を向いて呆れ交じりに言う。
「アノでかぶつが…、コノ学園最強教師とはねぇ…」
「うっふふふふふ、勇ましい騎士姫様ですこと」
「五限目がちゃんと授業になるように祈るわ…」
「うっふふふふ」
「笑いすぎよ」
「ごめんなさい、エディー。
そうそう、この学園は五限目までしかないから、放課後はこの道を曲がって真っすぐ進んだところにある教会に来て。
私、いつもソコで放課後は居るから」
「ん、了解。
人間界の教会というのも興味あるわね」
「あら、エディーはなんにでも好奇心旺盛ですのね!」
「ええ、人間は好きだし、いろいろ言われて嫌な気分もするけど、悪い人ばかりではないと想ってるし、何より文化や暮らしを知ってもっと仲良くなりたいわ。
御父様の建てた“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”実現の為にも」
「実現したら、もう争い合うこともなくなりますわね」
「そうね」
「「そんな未来を、私達は切に願う──」」
「あ」
「あら」
「うっふふふ、また被ったわね」
「ですわね、うふふふふ」
エディーリンとシスターレイラの会話はまさに魔族と人間の夢の交流のようで、美しい華のようで、ソレは他のシスター科の人が様子見してても微笑ましい光景だった。
*
五限目はなんとか座学講義も全員で受けれて……、と言っても生徒達はエディーリンに怖がってクラスはものすごく静まり返っていたのだが。
エディーリンは見張り役の兵士達を気にすることも無く、シスターレイラと約束した学園内の教会へと向かっていた。
ソノ途中、アールヌーヴォーの美しい階段を降りていると、下からずっと見つめてくる丸い瓶底眼鏡に濃い紫の髪を二つぐくりにしたカメラを持った普通科の生徒と出会った。
…と言っても、アチラが無言でエディーリンが階段から降りてきてそのまま通って行くのを終始ぼけーっと見つめていただけなのだが。
特に言葉を交わすことも無かったが、ソノ少女はずっとエディーリンを臆することなく見つめていた。
──誰かしら…、同じクラスの子ではなかったわよね
ま、いっか
*
普通科の全ての学年、クラスに伝わっているのだ。
二限目の実技授業で起きた出来事が。
そう、エディーリンは教師の中では…、後に知ったことだが最強と謳われる実技の先生──元エンテイラー国王族騎士団のエカルと呼ばれた筋肉質な大柄な先生を連勝31勝し、最後には顎を蹴り上げ吹っ飛ばした…、と。
全て学園内でソノ事実が伝わっているのだ。
エディーリンが斜め上を向いて呆れ交じりに言う。
「アノでかぶつが…、コノ学園最強教師とはねぇ…」
「うっふふふふふ、勇ましい騎士姫様ですこと」
「五限目がちゃんと授業になるように祈るわ…」
「うっふふふふ」
「笑いすぎよ」
「ごめんなさい、エディー。
そうそう、この学園は五限目までしかないから、放課後はこの道を曲がって真っすぐ進んだところにある教会に来て。
私、いつもソコで放課後は居るから」
「ん、了解。
人間界の教会というのも興味あるわね」
「あら、エディーはなんにでも好奇心旺盛ですのね!」
「ええ、人間は好きだし、いろいろ言われて嫌な気分もするけど、悪い人ばかりではないと想ってるし、何より文化や暮らしを知ってもっと仲良くなりたいわ。
御父様の建てた“人間と魔族の休戦締約と同盟条約”実現の為にも」
「実現したら、もう争い合うこともなくなりますわね」
「そうね」
「「そんな未来を、私達は切に願う──」」
「あ」
「あら」
「うっふふふ、また被ったわね」
「ですわね、うふふふふ」
エディーリンとシスターレイラの会話はまさに魔族と人間の夢の交流のようで、美しい華のようで、ソレは他のシスター科の人が様子見してても微笑ましい光景だった。
*
五限目はなんとか座学講義も全員で受けれて……、と言っても生徒達はエディーリンに怖がってクラスはものすごく静まり返っていたのだが。
エディーリンは見張り役の兵士達を気にすることも無く、シスターレイラと約束した学園内の教会へと向かっていた。
ソノ途中、アールヌーヴォーの美しい階段を降りていると、下からずっと見つめてくる丸い瓶底眼鏡に濃い紫の髪を二つぐくりにしたカメラを持った普通科の生徒と出会った。
…と言っても、アチラが無言でエディーリンが階段から降りてきてそのまま通って行くのを終始ぼけーっと見つめていただけなのだが。
特に言葉を交わすことも無かったが、ソノ少女はずっとエディーリンを臆することなく見つめていた。
──誰かしら…、同じクラスの子ではなかったわよね
ま、いっか
*
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
27
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる