聖剣使いの乙女は実は魔王の娘だった

桐夜 白

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魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約

魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 17

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 *


「まぁ…!
それで三限目の前から、学園中大騒ぎになってましたのね。
休み時間になるなり、普通科の方々が各学年のシスター科のクラスに逃げて来られたので、何事かと想いましたけれど」

「ホント…、ごめんねレイラ…。
三限目は潰れるし、四限目は一限目と同じ座学講義だったけれど、生徒全員私に怯えて教室にすら入ってこなくて、授業にならなかったしね」

「うっふふふふふ」

「?
レイラ?」
 
 
 
時は昼間。
エディーリンはレイラと約束した噴水の前で待っていた。
すると「エディー!」と嬉しそうに二つの籠を持ったレイラが走ってきて、二人で噴水前のベンチに座った。
そして籠の中の昼食を食べながらいろんなことを話、今に至るわけだ。
するとシスターレイラが口を押えて笑い、何かのツボに入ったのかずっと笑っていた。
 
 
 
「ごめんね、エディー。
エディーがそんなに勇ましいお姫様だとは想わなくって、かっこよすぎて」

「…」
 
 
──……かっこいいのかしら
 
 
エディーリンがシスターレイラに言われて、パンを口に含みながら空を見上げて想う。
青い空は何処までも自由で広かった。
 
 
 
「エディーは…、まるでスウォレウォンペティラ水国のアイリーン姫のような…、騎士姫様のようね!」

「スウォ…?
アイリー、ン…、姫?」

「カアー!スウォレウォンペティラ水国!アイリーン姫!
西洋五大国の一つ、水の都、蒼の国旗のスウォレウォンペティラ水国!
アイリーン姫はスウォレウォンペティラ水国の末姫!戦乙女!
カアー!」

「騎士姫ってことは、そのアイリーン姫という方も武術をされてるの?」

「はい、魔族との戦場にも赴いて戦われる方で、巫女でもあるので姫巫女とも呼ばれていますわ」

「ふーん、会ってみたいわね…」
 
 
──巫女なら、分かり合えるかしら…
魔族と戦場で戦っていると言っていたけれど、…会えるなら会ってみたいなぁ…
 
 
エディーリンがシスターレイラに言われて、パンを口に含みながら空を見上げて想う。
青い空は何処までも自由で広かった。
 
 
中庭はとても広く、花々がとても綺麗で美しかった。
秋だからか庭園の木々は赤く朱く色づいていて、歩く通路は石畳でソレ以外は全て手入れの生き届いた芝生で、その上で昼食を取る者達もたくさん居た。
食をそそる香りがそこら中から漂い、とても気持ちが良かった。
そんな時にエディーリンは気が付いた。
 
 
 
「ねぇ、レイラ?
中庭っていうのは、シスター科のモノなの?」

「いいえ、学園皆のモノですわ」

「…」

「?
エディー?」
 
 
 
普段は緑の庭園というには相応しい美しさを誇る秋色のソコで、楽し気に昼食を取っているのは…、全てシスターレイラと同じマントをして同じような濃い緑の制服を来た、いわゆるシスター科の生徒ばかりだった。
普通科…、エディーリンと同じ制服や、クラスの者達と同じ制服の者達は誰一人として見当たらなかった。
学年は三学年あるというが、それにしてもおかしい。
シスター科の人はたくさん居るが、普通科の人間族は誰も居なかった。

エディーリンがソレに疑問を持ちながら、パンを手に取ったまま静かに見つめる。
 
  
 
「ああ…」
 
 
 
ソレにシスターレイラは気が付いたようだった。

シスターレイラが振り向いて食堂の窓の方へ目をやる。
エディーリンもシスターレイラのように食堂の方へと目をやると、普通科の者達が覗いていて、エディーリンと目が合った瞬間一目散に逃げて行った。
 
 
 
「…五限目、ちゃんと授業になるのかしら」
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