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魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約
魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 20
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「んー!美味しい!
人間界は本当に美味しい食べ物で溢れているわね!」
「ねぇ、エディー?
魔族の国ではどんな食事を摂られますの?」
「んー、レイヴェシエ(地球でいうマンドラゴラのこと)を使った料理とか、毒草を使った味の濃い料理とか食べるわ!」
「「毒草?!」」
エディーリンの言葉に思わず一緒に食事を摂っていたレイラと同室のシスターも驚いて声を上げた。
「ええ」
ソレにエディーリンはさらりと答えて、人間界のパンというモノを頬張った。
美味しい~!と言わんばかりにエディーリンは微笑み、パリパリと音が鳴る硬すぎず柔らかすぎない何層にも薄い生地の重なったパンを平らげる。
「えっと、その様子だと、人間は毒素は苦手…?」
エディーリンが尋ねると、レイラの隣に居た栗色の髪のシスターが答えた。
「毒素…、そうですね。
私達人間は、魔族に比べると身体がとても弱いので、毒を摂取すると死に至る場合があります」
彼女からソレを聴いたエディーリンは、思わず紅い目を丸くして、隣でパンをつついて食べていたディプスクロスに至っては驚いて口から摘んだパンをこぼした。
二人は目を合わせる。
──人間が食べても危険性が無い食べ物を祖国で研究してもらう手紙を出しましょう…
エディーリンはそう想った。
「あ、そ、そうだ!
聴きたいことがあったの!」
エディーリンはいたたまられなくなり、話題を切り替えた。
「その…、恥ずかしながら、ルーレライルは何処にあるのかしら…?」
「「ルーレライル?」」
「カアー!
人間界で言う、お風呂、というモノ!
カアー!」
レイラと隣の栗色の髪のシスターが問い返すと、ディプスクロスが人間の言葉に訳してくれる。
すると今度はシスター二人が目を丸く見開く番だった。
「エディー?!
お部屋に緑色の扉はありませんでしたの?!」
「緑色の……?
あ!
あの大理石のお部屋のことかしら?」
エディーリンが思い出すように考えると、部屋に繋がったもう一つの何も無い大理石の床の部屋の存在を思い出した。
ソレにレイラが顔を明るくするが、次のエディーリンの言葉を聞くと、表情を変えた。
「何も無い部屋だったけれど、アレはなんのお部屋だったのかしら…」
━━何も、無い、部屋━━
レイラがエディーリンを見つめる。
その顔は呆気に取られていた。
「!
レイラ?
どうしたの?」
「エディーリン姫、今、なんと…?」
「ああ、エディーでよくってy─」
エディーリンが最後まで言い切る前に、レイラがガタン!と音を立てて立ち上がった。
ソノ音に、楽しく談話しながら朝食を摂っていたシスター科と普通科の女子達が全員シスターレイラの方を見た。
「レイラ?」
シスターレイラは俯いたまま、カツカツカツと足音を立てて歩き出す。
栗色の髪のシスターはあわあわあわとした表情のまま手を口元に当てて、エディーリンとシスターレイラを交互に見やる。
首を傾げたディプスクロスが羽撃たいてレイラを追いかけた。
エディーリンもソレに続くように立ち上がり、栗色の髪のシスターも立ち上がってレイラの後を追いかけた。
*
兵士達がシスターレイラを呼び止めるが、シスターレイラは俯いたままソレを無視して、エディーリンの部屋に着くと、力強くバン!と扉を開けた。
そして後ろについてきたエディーリンの方をクルリと顔だけ向けると、笑顔で「失礼致しますわね、エディー」と言って、エディーリンに与えられた部屋に入った。
そして部屋中を見回す。
栗色の髪のシスターもソレに続き、部屋に入って見回すと「え?!」と驚きの声を挙げた。
シスターレイラは部屋を見回すと、緑色の扉の方へゆき、扉を開けた。
そしてソコで立ち止まる。
栗色の髪のシスターがシスターレイラの肩越しから中を覗くと、さらに声を挙げた。
「そんな!
酷すぎるわ!!」
エディーリンが首を傾げる。
「兵士!!」
驚いたのはエディーリンだけではなかった。
シスターレイラが大きな声で兵士に声をかけ、兵士は背筋をビクッと正し、エディーリンとディプスクロスと栗色の髪のシスターは目を丸く見開いた。
ずっと穏やかで淑やかなアノシスターレイラが、蒼い瞳で兵士達を睨む。
──レイラが睨んだ…?
エディーリンがレイラを見つめる。
「どういうことですの?
〝コレ〟は。
まさか知らないなんて仰いませんわよね」
「は、は…、コレ、は…、ソノ…」
昨日強気でエディーリンとシスターレイラの初接触を拒んだ兵士達が、シスターレイラに萎縮する。
レイラが睨みを強くすると、兵士の一人が早口で「国王陛下の御命令でございます!カレイディル様!!」と叫んだ。
──カレイディル…?
「そう…。
エンテイラー国王陛下の指示ですのね。
今すぐエンテイラー国王陛下にお伝えください。
言わなくても、分かりますわよね?
わたくしの言いたきことが。
そしてコレが誰からの要望か」
「はっ、は!
申し訳ございません!
直ちに!!」
何が起こっているか分からなかった。
ただ栗色の髪のシスターが、「レイラがキレた…」と静かに言った。
シスターレイラは目を閉じると、エディーリンの方にクルリと身体を向ける。
シスター科の制服がフワリと揺れた。
そしてシスターレイラはふわりと微笑むと、エディーリンに声をかけた。
「さあエディー?
これでもう何も心配いりませんわ!
さ、今からわたくし達の部屋に参りましょう!」
「へ?」
シスターレイラのソノ言葉に栗色の髪のシスターはブンブンと強く頷き、エディーリンはレイラに手を引かれ、レイラ達の部屋へと連れて行かれた。
人間界は本当に美味しい食べ物で溢れているわね!」
「ねぇ、エディー?
魔族の国ではどんな食事を摂られますの?」
「んー、レイヴェシエ(地球でいうマンドラゴラのこと)を使った料理とか、毒草を使った味の濃い料理とか食べるわ!」
「「毒草?!」」
エディーリンの言葉に思わず一緒に食事を摂っていたレイラと同室のシスターも驚いて声を上げた。
「ええ」
ソレにエディーリンはさらりと答えて、人間界のパンというモノを頬張った。
美味しい~!と言わんばかりにエディーリンは微笑み、パリパリと音が鳴る硬すぎず柔らかすぎない何層にも薄い生地の重なったパンを平らげる。
「えっと、その様子だと、人間は毒素は苦手…?」
エディーリンが尋ねると、レイラの隣に居た栗色の髪のシスターが答えた。
「毒素…、そうですね。
私達人間は、魔族に比べると身体がとても弱いので、毒を摂取すると死に至る場合があります」
彼女からソレを聴いたエディーリンは、思わず紅い目を丸くして、隣でパンをつついて食べていたディプスクロスに至っては驚いて口から摘んだパンをこぼした。
二人は目を合わせる。
──人間が食べても危険性が無い食べ物を祖国で研究してもらう手紙を出しましょう…
エディーリンはそう想った。
「あ、そ、そうだ!
聴きたいことがあったの!」
エディーリンはいたたまられなくなり、話題を切り替えた。
「その…、恥ずかしながら、ルーレライルは何処にあるのかしら…?」
「「ルーレライル?」」
「カアー!
人間界で言う、お風呂、というモノ!
カアー!」
レイラと隣の栗色の髪のシスターが問い返すと、ディプスクロスが人間の言葉に訳してくれる。
すると今度はシスター二人が目を丸く見開く番だった。
「エディー?!
お部屋に緑色の扉はありませんでしたの?!」
「緑色の……?
あ!
あの大理石のお部屋のことかしら?」
エディーリンが思い出すように考えると、部屋に繋がったもう一つの何も無い大理石の床の部屋の存在を思い出した。
ソレにレイラが顔を明るくするが、次のエディーリンの言葉を聞くと、表情を変えた。
「何も無い部屋だったけれど、アレはなんのお部屋だったのかしら…」
━━何も、無い、部屋━━
レイラがエディーリンを見つめる。
その顔は呆気に取られていた。
「!
レイラ?
どうしたの?」
「エディーリン姫、今、なんと…?」
「ああ、エディーでよくってy─」
エディーリンが最後まで言い切る前に、レイラがガタン!と音を立てて立ち上がった。
ソノ音に、楽しく談話しながら朝食を摂っていたシスター科と普通科の女子達が全員シスターレイラの方を見た。
「レイラ?」
シスターレイラは俯いたまま、カツカツカツと足音を立てて歩き出す。
栗色の髪のシスターはあわあわあわとした表情のまま手を口元に当てて、エディーリンとシスターレイラを交互に見やる。
首を傾げたディプスクロスが羽撃たいてレイラを追いかけた。
エディーリンもソレに続くように立ち上がり、栗色の髪のシスターも立ち上がってレイラの後を追いかけた。
*
兵士達がシスターレイラを呼び止めるが、シスターレイラは俯いたままソレを無視して、エディーリンの部屋に着くと、力強くバン!と扉を開けた。
そして後ろについてきたエディーリンの方をクルリと顔だけ向けると、笑顔で「失礼致しますわね、エディー」と言って、エディーリンに与えられた部屋に入った。
そして部屋中を見回す。
栗色の髪のシスターもソレに続き、部屋に入って見回すと「え?!」と驚きの声を挙げた。
シスターレイラは部屋を見回すと、緑色の扉の方へゆき、扉を開けた。
そしてソコで立ち止まる。
栗色の髪のシスターがシスターレイラの肩越しから中を覗くと、さらに声を挙げた。
「そんな!
酷すぎるわ!!」
エディーリンが首を傾げる。
「兵士!!」
驚いたのはエディーリンだけではなかった。
シスターレイラが大きな声で兵士に声をかけ、兵士は背筋をビクッと正し、エディーリンとディプスクロスと栗色の髪のシスターは目を丸く見開いた。
ずっと穏やかで淑やかなアノシスターレイラが、蒼い瞳で兵士達を睨む。
──レイラが睨んだ…?
エディーリンがレイラを見つめる。
「どういうことですの?
〝コレ〟は。
まさか知らないなんて仰いませんわよね」
「は、は…、コレ、は…、ソノ…」
昨日強気でエディーリンとシスターレイラの初接触を拒んだ兵士達が、シスターレイラに萎縮する。
レイラが睨みを強くすると、兵士の一人が早口で「国王陛下の御命令でございます!カレイディル様!!」と叫んだ。
──カレイディル…?
「そう…。
エンテイラー国王陛下の指示ですのね。
今すぐエンテイラー国王陛下にお伝えください。
言わなくても、分かりますわよね?
わたくしの言いたきことが。
そしてコレが誰からの要望か」
「はっ、は!
申し訳ございません!
直ちに!!」
何が起こっているか分からなかった。
ただ栗色の髪のシスターが、「レイラがキレた…」と静かに言った。
シスターレイラは目を閉じると、エディーリンの方にクルリと身体を向ける。
シスター科の制服がフワリと揺れた。
そしてシスターレイラはふわりと微笑むと、エディーリンに声をかけた。
「さあエディー?
これでもう何も心配いりませんわ!
さ、今からわたくし達の部屋に参りましょう!」
「へ?」
シスターレイラのソノ言葉に栗色の髪のシスターはブンブンと強く頷き、エディーリンはレイラに手を引かれ、レイラ達の部屋へと連れて行かれた。
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