聖剣使いの乙女は実は魔王の娘だった

桐夜 白

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魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約

魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 25

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『アレが…、魔王の御姫様…、シスター様のところから出て来ただべさ!
シスター様とこ行くべさ!
お話聴きたいだべさ!』


『私達シスター科と違って、普通科の方々は主の御声を聴くことが出来ない。
主が心から魔族との平和を望んでいても、……彼らにとっては、まだ…。
とても、お辛い想いをされましたね、エディーリン』


『シスター!
大丈夫ですか⁈
お可哀想に!
魔族に虐められていましたのね!
私達、全て見ていましたわ!ねぇ!兵士様!』


『生徒諸君は無理をするな!
相手は結界内とはいえ、穢らわしい魔族だ!』


『「ついに騒ぎを起こしたな!
魔族め!」
「これだから穢れた蛮族は!」
「今こそ殺してしまう時だ!!」』
 
 
 
他にも、いろんな映像が赤裸々に出て来た。
ソコには確固たる証拠となる、エディーリンが一度も攻撃をしていない姿もあった。
全て華麗に避け、防ぎ、揺れるように舞うように回避する姿。
そしてシスター科の人達に攻撃が当たらないように指示する姿。
全てが、ソコに収められていた。
 
 
 
「ふむ…。
魔法写真は捏造することが出来ない。
“コレ”は、“明らかな証拠になる”な」
 
 
 
写真を全員に見えるように持って見せると、教師達と駆けつけて来た兵士達は驚き、普通科の生徒達は何も言えなくなり、二人の見張り兵は身体を震わせていた。
ソレを見て、彼は見張り兵を睨み、部下に「全てを説明してもらおうか」と言い、晴れてエディーリンの潔白が証明された。
 
 
 
「エディー…っ!」
 
 
 
心配そうにレイラがディプスクロスを抱えて走ってくる。
レイラの淡い金髪の長い髪が乱れるように揺れた。
彼女はもう半分泣いていた。
 
 
 
「分かってるわ、レイラ、大丈夫。
ちょっと!ソコの貴方!」
 
 
 
エディーリンがレイラを抱きとめると、優しく言い、そして顔を第一部隊隊長に向けて声をかけた。
第一部隊隊長がエディーリンを見る。
 
 
 
「│私《わたくし》、エディーリン・アザレリア・フォン・ナナレイアは今ココに宣言します。
此度起きたことを、│私《わたくし》は全てを許します」
 
 
 
「え?」
「な…っ」
「!」
 
 
 
誰もが驚いた瞬間だった。
 
 
 
「そもそもこのご時世ですもの、“魔族と人間の休戦締約と同盟条約”を信じて貰えないかもしれないし、私を魔族だから、とよく想わない者も居るのは分かっていたこと。
だから全てを許しましょう。
ただ一つ、レイラを巻き込んだことはちゃんとレイラに謝罪して頂戴!
彼女は魔族の国の姫である私の友人です。
コレはすなわち、魔族と人間界との一つの懸け橋です」
 
 
「ソレで良いのか魔族の姫よ!
君は生徒としてココに置かれていても姫君だ!」
 
 
「だからこそ許すのです、第一部隊隊長殿。
小さなことにとらわれず、大きな視野を持って行動する。
私は彼ら全てを許します」
 
 
エディーリンの言葉に、誰もが呆気にとられたが、第一部隊隊長殿は驚きと共に本当にソレで良いのかと問う。
ソレは異議を唱えるのではなく、彼女を純粋に心配してだということがよく分かった。
 
 
 
「私からも、よろしいですか?」
 
 
 
ソコでシスターレイラが口を開いた。
レイラはエディーリンから離れると、エディーリンの手を握って、彼女を見てほほ笑んで言う。
 
 
 
「神々は心清らかな者をお許しくださるでしょう。
勘違いした方も、悪意ある方も、全て彼女に謝ってください。
私もソレで許します」

「レイラ!
私のことはいいのに」

「よくありませんわ、だって私達、友達でしょう?」
 
 
 
シスターレイラの言葉に、魔族の姫──エディーリンは驚いて友を見た。
友はそれではいけないと言い、微笑んでエディーリンの肩に頭を預けた。
ソレにエディーリンは嬉しそうに困ったように微笑むと、「ありがとう」と言って、同じように彼女の頭に自分の頭を置く。
 
 
ソレはまさに、人間という種族と魔族という種族の信じ合い分かり合った姿だった。
漆黒と黄金色の美しいソレに、想わずロッペンという便底丸眼鏡の紫髪の少女は静かに写真を撮り、シスター達は想わず手を握り祈る形になった。

十数人の兵士達も驚き、第一部隊隊長も驚きと美しき友情に心を奪われた。
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