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魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約
魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 24
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「レイラ!
…ぅうっ! エディー!!」
栗色の髪をしたシスター科の少女がエディーリンの│許《もと》に走ってきて、エディーリンを抱きしめる。
ソレを見て、エンテイラー国軍第一部隊隊長と呼ばれた黒い癖っ毛が肩まで伸びた背の高い青年が顎に手を当て、何かを一瞬考える。
そして周囲を見回し、もとより低いのであろう地声で「“コレ”はどういうことだ? 今は西洋五大国と大教会、魔族ととの元、人間と魔族の休戦締約と同盟条約について話し合いが行われている最中のはずだが? おい、説明しろ」と近くに居たエディーリンの見張りの兵に声をかける。
二人の兵は槍を持ち、腰には剣を構えていたが、後から駆けつけてきた十数人の兵は皆剣を抜いていたので、すぐに彼らが見張り兵だと分かったのだろう。
見張り兵は慌ててしどろどろもに言葉にならない言葉を言うも、シスターレイラと彼を連れて来たシスター科の男女が魔族のエディーリンを庇うように声を発するのはほとんど同時だった。
癖っ毛の黒髪の長身の男が魔族の姫であるエディーリンを見て、礼をする。
エディーリンもソレに敬意を表して礼をする。
彼は再び周囲を見回す。
武装をした兵士、教師達、生徒十数人。
シスターレイラを始めとした彼を連れて来た数人のシスター科の男女がエディーリンを庇うように話すと、誰よりも大柄な体格のエカル先生が大声を挙げた。
「第一部隊隊長殿!
騙されてはいけません!
我々教師は泣きながら走って来た生徒達から聴いたのです!
ソノ魔族がシスターを虐めているのだと!」
「ふむ」
「そうですわ兵隊長様!
ですから私達教師達は凶悪な魔族から生徒を護る為に!」
「丸腰の“生徒”を束になって“大勢で攻撃した”、かね?」
第一部隊隊長がところどころ強調して言うと、まるで憤慨したかのようにエカルや他の教師が叫んだ。
魔族は生徒ではない、と。
ソレに普通科の生徒達も頷いたり、そうだそうだと声を挙げた!
「オレ見たぜ!
シスターを虐めてるところ!」
「ほお、君がかね?
ソレは優秀なことだ」
「だろ!
だから全部知ってるぜ!
最初から最後まで!」
「それは心強いことだ。
ではコノ見張り兵二名と共に、君にもエンテイラー国王陛下の前で“全てを”証言してもらおうか」
「え…?」
ソノ瞬間、全てが水を打ったかのように静まり返った。
彼が言う。
「本当に、“争いで優勢な魔族が平和を求めてやって来た、ソノ象徴とも呼べる彼女──エディーリン姫が”、シスターを虐めていたのだね?
ソレに噓偽りなければ、このことをエンテイラー国王陛下に報告しなければならない。
勿論、教師諸君や生徒達君達全てにも陛下の前に来てもらう、証人として証言を聴く為に」
黒い癖っ毛の背の高い第一部隊隊長の言葉に、皆が黙り込む。
見張り兵が顔を見合わせせわしなく顔を動かすと、第一部隊隊長は部下である彼らに「どうした?」と声をかけるが、見張りの兵士達二人は「あ…」「その…」と言い、俯きかげんになり視線の行き場を探す。
「魔族を良く想わない気持ちは分かるが、コレがどういうことか、よく分かっているな?
ソレに、お前達なら一番の証人になるな。
何せ、一番魔族の姫の見張りをしていたのだから」
ソレを聴いて見張りの兵士達二人はギクッとなった。
高らかに声を挙げていたガラの悪い少年も周囲に救いを求めるように慌て出すが、周囲も動揺が走り、ざわめきとどよめきが起こった。
「どうしたのかね?」
──コノ男…、全てを見抜いている
エディーリンは彼を心の中で警戒しつつも、事態を解決に導いてくれそうな雰囲気に少しほっとした。
「あ、あの…!」
「ん?」
そんな時だった。
度が合ってないのか、先日会った便底丸眼鏡の子が紫の髪を揺らして走ってきて、躓いてこけた。
他のシスター科目の男女が彼女を支えると、一緒に先日から首にかけていたカメラを大事そうに持ちながらやってきた。
「わだし!
ロッペン・ベイヤー・ベルヤー言うだべさ!
…あまりの怖さに、他のシスター達も助けを呼べなかっだんですが、コレ、証拠になります!」
そう言って出したのは、写真だった。
「昨日も!
二人が教会で平和を祈るどこ、見ただべさ!
ほら!!」
おどおどとしながらソノ便底丸眼鏡の紫髪の少女は、シスター科達に支えられて、震える手で、第一部隊隊長に十数枚以上の写真を手渡した。
「必要だっだら!
わだし達がエンテイラー国王陛下のももももも許に!
証言に行ぐだべさ!
魔族の御姫様、何もしでないだべさ!!
ほんとだけろ、信じてけろ!!」
癖っ毛の黒髪の身長の高い第一部隊隊長は、彼女から証拠というソレを受け取ると、目を通す。
写真一枚一枚から煙が浮き出て、映像が映る。
…ぅうっ! エディー!!」
栗色の髪をしたシスター科の少女がエディーリンの│許《もと》に走ってきて、エディーリンを抱きしめる。
ソレを見て、エンテイラー国軍第一部隊隊長と呼ばれた黒い癖っ毛が肩まで伸びた背の高い青年が顎に手を当て、何かを一瞬考える。
そして周囲を見回し、もとより低いのであろう地声で「“コレ”はどういうことだ? 今は西洋五大国と大教会、魔族ととの元、人間と魔族の休戦締約と同盟条約について話し合いが行われている最中のはずだが? おい、説明しろ」と近くに居たエディーリンの見張りの兵に声をかける。
二人の兵は槍を持ち、腰には剣を構えていたが、後から駆けつけてきた十数人の兵は皆剣を抜いていたので、すぐに彼らが見張り兵だと分かったのだろう。
見張り兵は慌ててしどろどろもに言葉にならない言葉を言うも、シスターレイラと彼を連れて来たシスター科の男女が魔族のエディーリンを庇うように声を発するのはほとんど同時だった。
癖っ毛の黒髪の長身の男が魔族の姫であるエディーリンを見て、礼をする。
エディーリンもソレに敬意を表して礼をする。
彼は再び周囲を見回す。
武装をした兵士、教師達、生徒十数人。
シスターレイラを始めとした彼を連れて来た数人のシスター科の男女がエディーリンを庇うように話すと、誰よりも大柄な体格のエカル先生が大声を挙げた。
「第一部隊隊長殿!
騙されてはいけません!
我々教師は泣きながら走って来た生徒達から聴いたのです!
ソノ魔族がシスターを虐めているのだと!」
「ふむ」
「そうですわ兵隊長様!
ですから私達教師達は凶悪な魔族から生徒を護る為に!」
「丸腰の“生徒”を束になって“大勢で攻撃した”、かね?」
第一部隊隊長がところどころ強調して言うと、まるで憤慨したかのようにエカルや他の教師が叫んだ。
魔族は生徒ではない、と。
ソレに普通科の生徒達も頷いたり、そうだそうだと声を挙げた!
「オレ見たぜ!
シスターを虐めてるところ!」
「ほお、君がかね?
ソレは優秀なことだ」
「だろ!
だから全部知ってるぜ!
最初から最後まで!」
「それは心強いことだ。
ではコノ見張り兵二名と共に、君にもエンテイラー国王陛下の前で“全てを”証言してもらおうか」
「え…?」
ソノ瞬間、全てが水を打ったかのように静まり返った。
彼が言う。
「本当に、“争いで優勢な魔族が平和を求めてやって来た、ソノ象徴とも呼べる彼女──エディーリン姫が”、シスターを虐めていたのだね?
ソレに噓偽りなければ、このことをエンテイラー国王陛下に報告しなければならない。
勿論、教師諸君や生徒達君達全てにも陛下の前に来てもらう、証人として証言を聴く為に」
黒い癖っ毛の背の高い第一部隊隊長の言葉に、皆が黙り込む。
見張り兵が顔を見合わせせわしなく顔を動かすと、第一部隊隊長は部下である彼らに「どうした?」と声をかけるが、見張りの兵士達二人は「あ…」「その…」と言い、俯きかげんになり視線の行き場を探す。
「魔族を良く想わない気持ちは分かるが、コレがどういうことか、よく分かっているな?
ソレに、お前達なら一番の証人になるな。
何せ、一番魔族の姫の見張りをしていたのだから」
ソレを聴いて見張りの兵士達二人はギクッとなった。
高らかに声を挙げていたガラの悪い少年も周囲に救いを求めるように慌て出すが、周囲も動揺が走り、ざわめきとどよめきが起こった。
「どうしたのかね?」
──コノ男…、全てを見抜いている
エディーリンは彼を心の中で警戒しつつも、事態を解決に導いてくれそうな雰囲気に少しほっとした。
「あ、あの…!」
「ん?」
そんな時だった。
度が合ってないのか、先日会った便底丸眼鏡の子が紫の髪を揺らして走ってきて、躓いてこけた。
他のシスター科目の男女が彼女を支えると、一緒に先日から首にかけていたカメラを大事そうに持ちながらやってきた。
「わだし!
ロッペン・ベイヤー・ベルヤー言うだべさ!
…あまりの怖さに、他のシスター達も助けを呼べなかっだんですが、コレ、証拠になります!」
そう言って出したのは、写真だった。
「昨日も!
二人が教会で平和を祈るどこ、見ただべさ!
ほら!!」
おどおどとしながらソノ便底丸眼鏡の紫髪の少女は、シスター科達に支えられて、震える手で、第一部隊隊長に十数枚以上の写真を手渡した。
「必要だっだら!
わだし達がエンテイラー国王陛下のももももも許に!
証言に行ぐだべさ!
魔族の御姫様、何もしでないだべさ!!
ほんとだけろ、信じてけろ!!」
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