聖剣使いの乙女は実は魔王の娘だった

桐夜 白

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魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約

魔王の娘 と 休戦締約と同盟条約 23

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「私がシスターを虐めたという証拠は?
何処にありますの?」
 
 
 
エディリーンが大きくハッキリとした声でそう言うと、「そんなの決まってますわ!」と朝絡んで来た女子の筆頭が言い、「ねぇ兵士様!」と言った。
すると兵士達二人は持っていた槍に魔法を宿し、明らかに武装行為を行った。
 
 
 
「魔族なんて、滅ぶのが道理ってもんなんだよッ!」
 
 
 
ガラの悪い生徒が、金属棒に雷の魔法を集約させて、エディリーンめがけて放つ。
ソレをエディリーンは手を横に振り、かき消した。
ソレを見た生徒達が、悲鳴を上げる。
ソレは普通科もシスター科も双方だった。
 
 
 
「レイラ!」
 
 
 
栗色の髪をした、今朝一緒に朝食を摂ったシスター科の少女がエディーリンとレイラの斜め後方から声をかけ、エディリーン達は彼女を見る。
彼女は震えていた。
そしてエディリーンを見ると、背を向けて走り出して行った。
ソレに数人のシスター科の男女も続く。
 
 
 
「レイラ、離れていて。
ディプ、レイラを護って」

「カア!」

「エディー…!」

「大丈夫。
争いはしたくない。
人間との溝を埋めたいもの」

「…」
 
 
 
シスターレイラはエディリーンのソノ言葉を聴くと、兵士達とは反対の、茂みの方へと離れて行った。
景色も見通しも良くない為、ソコには数人のシスターしか居なかった。
ディプスクロスがレイラの肩に止まる。
 
 
 
「生徒諸君は無理をするな!
相手は結界内とはいえ、穢らわしい魔族だ!」

「大丈夫ですわ!兵士様!
もう応援の兵士様も呼んでいます!
あ…!ほらっ!!」
 
 
 
今朝絡みに来た女子がそう言うと、女子が指さした方から十数人の兵士達が走って来た。
兵士達はそのまま持っていた各々の武器に魔法を集約させると、生徒達もソレに続いた。
 
 
これは…、小さくともまさに人間と魔族の争いだった。
ただ言えるのは、魔族であるエディリーンは防衛及び回避をし、一切攻撃を加えていなかった。
人間という種族が魔法を使って、魔族という種族のエディリーンに攻撃を仕掛ける。
これはまさに、小さくとも人間と魔族の争いだった。
 
 
 
エディリーンはソレに悲しくなった。
 
 
──…人は、どうして争うのでしょう?
魔族は、どうして争うのでしょう?
民は、どうして争うのでしょう?
 
 
紅葉が舞うのが見えた。
ソレに何故か美しくも、物悲しい気持ちになった。

人は、魔族は、民は、いつから争い、そしてどうして憎み合うのでしょうか?
互いに神々を崇め、同じ大地に住みながら、どうして今日も争うのでしょうか?

私は知りたい。
誰もが争わない術(すべ)を。
そして実現したい。
コノ父から受け取った切なる想いを、現実にすべく。
世界が、平和でありますように、と──

紅葉が舞う。
赤紅と…。
 
 
兵士達が束になって連結魔法を生成し、ソレを放とうとする。

そんな時だった。
兵士達の連結魔法に別方向から別の魔法が加えられ、エディリーンがソノ魔法の筋の先を見た。
教師達だった。
周囲には普通科の生徒が居た。
 
 
 
「ついに騒ぎを起こしたな!
魔族め!」
「これだから穢れた蛮族は!」
「今こそ殺してしまう時だ!!」
 
 
 
教師達十数人が兵士達と連結魔法を結び、巨大な魔法となり今まさに放たれたソノ時、エディーリンは紅の双眸をカッと見開いた。

巨大な魔法がかき消される。
エディーリンはソレに目をさらに、驚きから見開いた。
 
 
 
──今のは……、私の魔法よりも速く…?
誰…?
誰か、明らかに強い者が私より先に魔法をかき消した!!
 
 
 
エディーリンが周囲を見回すのと、兵士達や教師達、生徒達が困惑するのは同時だった。

するとエディーリンが見回した先──栗色のシスター科の少女が走って行った方向──ソコからシスター科の男女と共に歩いてくるのを目にとめるのと、シスターレイラが「! エンテイラー国軍第一部隊隊長⁈」と言うのはほぼ同時で、ソノ場に居たエディーリン以外の誰もがざわつき始めた。
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