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きっと、好きを形にしたら彼になる
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「かなちゃん!行こう!」
俺こと、吉野 奏多(よしの かなた)を可愛い呼び方で呼ぶ彼は、花田 流(はなだ りゅう)だ。
俺も流も黒髪黒目のありふれた容姿である。身長は同程度の170cm程度で、目元は俺は一重、流は二重、俺の声が低めで流の声が高めぐらいの違いしかない。
流に名を呼ばれるたびに、心を埋め尽くす、この感情はなんだろう。
ふわふわして温かな感情。幸せだ、と考えるまでもなく頭に思い浮かんだこの言葉。
俺は流と居る時が一番生きてるって気がするぐらいなんだから、不思議で笑いそうになる。
こっちを見てほしい、笑ってほしい、幸せであってほしい、止めどなく彼が幸せそうな姿を思い浮かべてしまう、この感情は。
「流!ちょっと待って!」
何処までも側に居たくなる、この感情は。
***
流とは、中学は同じで頻繁に遊んでいたのに、別の高校に通うようになってからは、偶にしか会えなくなった。寂しい。
今日は5月の初めの土曜日で、高校に入ってから初めて遊べた日だった。
流は人によく気を使うタイプでよく喋る。
「ほんま久しぶりやね!も~~ほんとさ、かなちゃん別の学校じゃん??めっちゃ寂しいし会いたくなるし~~‼︎もう学校慣れた??部活とか入った??俺はさ、軽音部入るか悩んでてさ~、見学は行ったんやけど、なんかイマイチで」
本当によく喋り、くるくる表情が変わる。
キラキラと輝く宝石よりも魅力的に感じるのは何故だろうか。
「ほんま久しぶり~~‼︎流と会えて嬉しい。そっか~~軽音部とかめっちゃカッコいいけど、難しいとこやな~~。俺も部活は悩んだけど、今のところ入ってないよ~」
なんというか、馬鹿でアホらしい理由だけれど、流と会えるチャンスを部活で無くしたくなくて結局入れずじまいだった。重症だった。
「そっか~~‼︎また気にいるのあったらいいね!クラスの方はどう?俺が通ってる学校さ、偏差値低いやん?就職のためにさ、学校でパソコンの資格取得に力入れてるらしくって」
流とする何気ない会話は、いつも夢でも見ているような心地になる。その声を聞いてるだけで、表情を見ているだけで、何故か嬉しくなって幸せで、夢でも見てるんじゃないかって気持ちに陥ることがよくあった。一緒に居る時間はいつもより10倍は流れるのが早く感じる。よくあることだった。
「は~~好き」
「ええ?俺も好きよ??」
脈絡のない好き発言も笑顔で応えてくれる人は流以外にはもう現れないんじゃないかなと思ってる。
相手の反応がどれだけ脈がなく、友人としてしか見られていない証だったとしても、好きに好きが返ってくることが幸福だと思い込む。
「あ~~好き」
「めっちゃ好き言うやん。どうしたん、寂しいん?ギュッとしよっか??」
他の高校生男子がギュッと発言したら気色悪いの一言だけど、流がいうと心臓が跳ね上がるからタチが悪い。
「Oh~~ハニ~~‼︎ハグ、プリーズ~~」
「Ok、ダーリン~~」
馬鹿なことを言ってハグをした。チャラけたことを言い合える仲なのが嬉しくてこのまま時が止まればいいのにと思った。
好き、とまた言いかけて、唇の内側を噛み締めた。今、言うと、気持ちがこもってしまって、きっと好きの違いに気づかれてしまう。
流のことが、本当にどうしようもなく好きで仕方なかった。
俺こと、吉野 奏多(よしの かなた)を可愛い呼び方で呼ぶ彼は、花田 流(はなだ りゅう)だ。
俺も流も黒髪黒目のありふれた容姿である。身長は同程度の170cm程度で、目元は俺は一重、流は二重、俺の声が低めで流の声が高めぐらいの違いしかない。
流に名を呼ばれるたびに、心を埋め尽くす、この感情はなんだろう。
ふわふわして温かな感情。幸せだ、と考えるまでもなく頭に思い浮かんだこの言葉。
俺は流と居る時が一番生きてるって気がするぐらいなんだから、不思議で笑いそうになる。
こっちを見てほしい、笑ってほしい、幸せであってほしい、止めどなく彼が幸せそうな姿を思い浮かべてしまう、この感情は。
「流!ちょっと待って!」
何処までも側に居たくなる、この感情は。
***
流とは、中学は同じで頻繁に遊んでいたのに、別の高校に通うようになってからは、偶にしか会えなくなった。寂しい。
今日は5月の初めの土曜日で、高校に入ってから初めて遊べた日だった。
流は人によく気を使うタイプでよく喋る。
「ほんま久しぶりやね!も~~ほんとさ、かなちゃん別の学校じゃん??めっちゃ寂しいし会いたくなるし~~‼︎もう学校慣れた??部活とか入った??俺はさ、軽音部入るか悩んでてさ~、見学は行ったんやけど、なんかイマイチで」
本当によく喋り、くるくる表情が変わる。
キラキラと輝く宝石よりも魅力的に感じるのは何故だろうか。
「ほんま久しぶり~~‼︎流と会えて嬉しい。そっか~~軽音部とかめっちゃカッコいいけど、難しいとこやな~~。俺も部活は悩んだけど、今のところ入ってないよ~」
なんというか、馬鹿でアホらしい理由だけれど、流と会えるチャンスを部活で無くしたくなくて結局入れずじまいだった。重症だった。
「そっか~~‼︎また気にいるのあったらいいね!クラスの方はどう?俺が通ってる学校さ、偏差値低いやん?就職のためにさ、学校でパソコンの資格取得に力入れてるらしくって」
流とする何気ない会話は、いつも夢でも見ているような心地になる。その声を聞いてるだけで、表情を見ているだけで、何故か嬉しくなって幸せで、夢でも見てるんじゃないかって気持ちに陥ることがよくあった。一緒に居る時間はいつもより10倍は流れるのが早く感じる。よくあることだった。
「は~~好き」
「ええ?俺も好きよ??」
脈絡のない好き発言も笑顔で応えてくれる人は流以外にはもう現れないんじゃないかなと思ってる。
相手の反応がどれだけ脈がなく、友人としてしか見られていない証だったとしても、好きに好きが返ってくることが幸福だと思い込む。
「あ~~好き」
「めっちゃ好き言うやん。どうしたん、寂しいん?ギュッとしよっか??」
他の高校生男子がギュッと発言したら気色悪いの一言だけど、流がいうと心臓が跳ね上がるからタチが悪い。
「Oh~~ハニ~~‼︎ハグ、プリーズ~~」
「Ok、ダーリン~~」
馬鹿なことを言ってハグをした。チャラけたことを言い合える仲なのが嬉しくてこのまま時が止まればいいのにと思った。
好き、とまた言いかけて、唇の内側を噛み締めた。今、言うと、気持ちがこもってしまって、きっと好きの違いに気づかれてしまう。
流のことが、本当にどうしようもなく好きで仕方なかった。
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