小話まとめ(bl)

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紅色の薔薇

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*花吐き病がある世界観。花吐き病の細かな設定を把握しきれておらず、オリジナル設定が追加された花吐き病になってます。ご了承下さる方はこのままお読み下さい。

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 花吐き病という病です、と病院の先生から診断された。

 花吐き病だって???と先生が俺を揶揄ってるんじゃないかと思ったが、先生は深刻そうな表情でこちらを見ている。どうやらマジらしい。

「確かに偶に花を吐いてるけど...花吐き病って....。なんというかそのまんまだし、なんていうか..」

 言葉に詰まった。頭が上手く纏まらない。

「突然のことで驚かれるのも当然です。今から花吐き病について説明しますので、気になる点があればご質問下さいね」

「えっと、まあ、はい..」

 何と言えばいいか分からず、タジタジになってしまった。

「花吐き病というのは、簡単に言えば恋の病です」

「え???」

「恋の病のなかでも、片思いの方に症状が現れることがあります」

 何を真面目腐った顔で、先生は言っているのか。良く分からない。

「何というか...先生、俺のこと揶揄ってます?」

「いいえ、本当の話です」

「いや、え、そんなこと言われても」

「今回、偶に花を吐くということで受診いただきましたよね。その際にお持ち頂いた花を検査しました。あの花は植物の花ではなく、人間の体内から生成された花だと検査結果がでましたので、花吐き病と診断しました」

 そうだった。自分の症状が分かりやすいように吐いた花を持ってきたんだっけ。
 いつも突然に吐き出すもんだから、知らないうちに夢遊病になっていて無意識に花を食べてるのか、そうではなくて頭や胃などに何か問題があるのか、とか病院を受診するまでずっと悩んでたのに。

「えっと、先生。治し方は?治療方法は?」

「先程も説明した通り、片思いの方に症状が現れることが近年発見されたので、片思い相手に告白し両思いになるか、あるいはフラれ完全に恋を諦める、といったことで症状が改善すると報告があります」

「告白...ですか...」

「そうですね。片思いを募らせた方がなるといった研究報告がありますので。その想いを相手に伝えることが一番効果的ですね」

 告白?告白?告白...。頭の中で彼の顔が過ぎった。

「...相手が亡くなっているときは、どうすればいいでしょうか」

 先生が息を呑むこむ音が聞こえた。

「...お相手が亡くなられたのですか...」

「ちょうど半年前ですね」

 そう、半年前に彼は亡くなった。事故だった。
 突然のことでまだ現実感がないのだ。

「...ただでさえお辛い時期にこういった提案をするのは酷かもしれませんが、お相手の写真やお墓、お相手が好きだったものや場所、お相手との思い出があるものや場所などで告白するのが良いかもしれません」

「口に出す、というのが一番重要なのです」

 口に出す、か。そういえば、口に出したことがなかった。頭の中では何回も言ってた気がするのに。

 先生は滔々と語った。

「花言葉というものを知ってますか?」

「あなたの花は、あなたが言いたいこと、伝えたいことを、はっきりと形にしているのです」

「今、あなたが受け入れるべきなのは、あなた自身の想いです」

 カウンセリングも紹介しましょう、と先生から提案されて、戸惑いつつもうなづいた。

 そういえば、俺が吐き出した花の花言葉はなんなんだろう。
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