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そういうところも実は好き

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「お前の横って、なんか安心するんだよな」

 僕の友人は、なんだか変な性質をしている。

 人に嫌われたいわけではないのに、誰かから「あなたのそういうところ好き」と一言でも言われると、その好きだと言われた部分を意識しすぎて上手くできなくなる。

 例えば、字が綺麗だとか、姿勢が良いこととか。

 字は意識しすぎたのか力がこもって変な字になることがあるし、姿勢も意識したら変な気分にでもなるのかソワソワし始めて、前のようにピンとした姿勢じゃなくなった。

 僕の友人は素敵なところがいっぱいあるのだけれど、褒められると空回りして予想外の方向へと突き進むので、僕は友人の好きなところを友人に伝えられていない。

 そんな僕に安心するのか、友人は僕の隣によくいるようになった。避難所である。

 きっと、友人は人に好かれたいという想いが大きいのかもしれない。もしくは、褒められ慣れていないのかも。

 褒められ慣れていないだけなら、僕は友人を褒め称えるラインナップは揃っているのだけれど。

 どちらか分からないのに賭けに出て、友人の避難所を無くすわけにもいかない。

 褒められると行動が空回ってしまうことに落ち込んでる友人の姿を見たことがあるからだ。

「そうかな?いつでも来ていいよ」

 そう伝えると嬉しそうな顔をするから、しょうがないなあという気持ちになる。

 少しでも会わない期間があると、前よりも距離感があるようになる友人。

 そんな友人を見ていると、警戒心の強い猫とかハリネズミが頭の中に浮かんでくることがある。

 心の距離が近づいては遠ざかりを何度も繰り返してるのは寂しい気持ちになることがあるけれど、会うこと自体は喜んでくれるし僕も幸せだから会う機会をもっと増やしたい。

 毎日でもいいのだけれど。というか、毎日が良い。毎日会いたい。

「ほんと?」

「ほんと。僕も君が隣にいると嬉しいからね」

「へぇ~」

 好きなところを具体的に伝えられないのはちょっと残念だなあと思う時があるけれど、好意は伝えると嬉しそうなので、隙を見ては好意を伝えてる。

 友人が喜んでくれる顔を見ると、僕まで嬉しくなるのだから。
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