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第一章
6話 二人のテントとボス
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えっまさか知らないの!? そんな男の人がいるなんて……。
リーズはロンクの言葉にビックリした。
でも、そうね。
まだ13歳だもんね。
おじいさんと二人で暮らしていたそうだし知らなくても無理はないわ。
どうしよう……言うべきか言わないべきか。
「何だよ、最後って」
リーズの思いとはうらはらに、ロンクが悪気もなく聞いてくる。
「お互いに好きにしていいって事よ」
適当にはぐらかした。
「そうなの……じゃあこんな事してもいいの」
ロンクが探るようにリーズの上着をめくった。赤いローブを取っただけだ。
「ふふふ、そうね、いいのよ」
興味はあるのね。リーズが赤くなって微笑んだ。
☆
いいんだ。
「じゃ、じゃあ……これも取っちゃうよ」
おそるおそる上着の服をゆっくり脱がす。リーズも協力して脱いでくれる。
後は下着だけだ。
スベスベの白い肌と下着の下のふっくらした胸が見える。
うわー、何かすごい……いいのかな。
リーズは微笑んでるだけだ。
ゆっくりと触ってみる。
むにゅん。
「柔らかい」
「ふふふ、恥ずかしいけど……下着も取って、でもロンクもよ、二人で一緒に全部脱ぎましょ」
「うっうん」
裸になって二人で抱き合った。リーズの体温を直接感じてすごくあったかかった。沢山キスをして幸せだった。
抱き合ったまま寝てしまった。
リーズをもっと好きになった。
「おはよう、ロンク」
「おはよう、リーズ」
抱きしめてキスをして仕度をすると二人でテントから這い出した。
固形燃料に火をつけて鍋を温める。昨日の残りの味噌スープだ。
「あったまるわね、美味しいわ」
「うん、美味しかった。あーごちそうさま。今日はまた探索を続けるとして、水は全部持つと重からここに置いとくしかないな」
2L入りの水袋11個を見た。持てない事もないが、今はまだいいだろう。探索には邪魔になるのだ。
「そうよね、上に上がる階段があったとしても当分拠点はここになるわね」
「ああ、また戻ってこればいいしな。いい場所が見つかれば運べばいいし」
身支度をして洞窟部屋を出た。
トイレで用を足してから探索を開始する。
トイレにもスライムが徘徊してくれる? らしく分解してくれたせいなのか、形も臭いも残ってはいない。
ありがたいことだ。
お礼を言いながらもスライムは倒す。それとこれとは話が別だ。
スライムゼリーと魔石を回収して袋につめた。
一本道を進み道が広がっていく。昨日は右壁周りをたどって行った。洞窟を探索する時の基本だ。
昨日探索を終えた所までサクサク進んで、続きを開始した。
カエルとモグラのモンスターを数匹倒してカエル肉と獣肉ミンチを手に入れる。ミミズは何もドロップしなかった。
ここのダンジョンはあまり強い敵がいないな。
そう思った瞬間。
――ゾクッ。
急に寒気が走った。前方で怪しげな小さな光が二つ見えた。
「気をつけろ!リーズ。何かいる」
シャーーーーーー。
通路の奥の方から不穏な音が聞こえた。
……大蛇か。
ものすごく大きな蛇が見えた。
とぐろを巻いて上半身を伸ばしている。
三メートルはある高さからこちらを見ている。全長は十メートルあるかもしれない。
舌がチロチロ警戒したように動いている。
こいつはヤバイ。
戦って勝てる相手じゃない。
幸いにしてまだ距離がある。
「ロ、ロンク」
「リーズ、下がれ、ゆっくりと戻るんだ」
「う、うん」
警戒しながら祈るように後退りした。
敵ではありません。敵ではありません・・・。
祈りが通じたのか、大蛇は追ってはこなかった。
ふーっと息を吐く。
「ああ、びっくりしたわ。やっぱりダンジョンって危険なのね。あれってボスじゃないの」
リーズが水筒の水を飲んで言う。
「そうだろうな、階層のボスかもしれない。あれを倒すと下の階に行く通路があるとか、そんなんじゃないかな」
自分も水筒の水を飲んだ。
少し落ち着いた。
「そうよね、私達は上に上がりたいんだから関係ないわよね。だからあそこは駄目ね。今度は左の壁から調査しましょ」
「ああ、そうだな」
リーズの言う通り、最初の場所付近まで戻って、反対側の調査をした。
またあの大蛇のような大物モンスターもいるかもしれない。
今までより警戒しながら進んだ。
しかし、相変わらずカエルとモグラが数匹出ただけで大した敵は出なかった。
やっぱりさっきのはボスだろうか。
しばらくしてついに上に上がる階段を見つけた。
「あったわ! やったわね」
「ああ、やったな」
リーズと抱き合って喜んだ。フワッと甘い香りがする、思わずキスをする。
ああ、可愛いな。
「でも待てよ、さっきの大蛇みたいに階層のボスがいるならこの階段の上にボスがいるんじゃないか」
「そっか、そうかもね。何がいるのかしら」
「何だろうな、だが、ボスなら手ごわいぞ」
「でも倒さないと出られないんでしょ?」
「そうだよな、やるしかないよな」
腕を組んで考える。大蛇のようなボスだったら果たして倒せるのだろうか。
「ねぇロンク、階層の守護してるから前を向いてるわけでしょ。後ろからこっそり近寄ってぶっ叩けば何とかなるんじゃないの」
相変わらず楽観的なリーズ。
「そうだけどな……まあ、そうだな。見つかって警戒される前に後ろからヤルしかないか」
ショートソードのエネルギーも満タンだし、何とかなるかもしれない。
実はこのゼブランのショートソードはエネルギーをソードに貯めることができるのだ。その最大は百。
一日一つ。魔力(のような力)を入れて二十日、今は満タンの二十なのだ。
百じゃないのかって。
そう、ロンクの今の魔力では、どれだけ入れても二十以上は入らないのだ。魔力が弱すぎるらしい。
いずれは百まで入れられるようになると師匠からは言われている。師匠も幼いときはそうだったようだ。
ソードに魔力をい入れられるか。これによってソードに選ばれるかどうかが決まるらしい。
ショートソードに選ばれた事で、剣を師匠から譲られたのだ。
ちなみに【光の斬撃】もショートソードの力だ。ロンクの純粋な技ではないのだ。消費魔力は2~5だ。
距離と威力で調整できる。
その他にも魔力を使った【術】があるのだ。
もちろんいざとなれば躊躇なく使うつもりだ。
「よし、行こうリーズ」
「うん」
いつまでも二人でダンジョンに居る訳にはいかない。
いや、本当は楽しいので、居てもいいとも思っているのだが……。
だが、好きでいるのと、いなくてはいけないでは全然違う。
二人で慎重に階段を上がって行った。
かなり長い階段を上がっていくと頂上が見えた。
リーズに合図をして待機させ、一人で少しずつ上って行った。
むっ鎧の騎士がいる?
青銅の鎧に包まれた騎士が後ろ向きに立っているように見える。
あれが【守護者】か。
しかし全く動かない。
もしかしてオブジェかもしれない。
……どうだろうか。
だが【守護者】もまさか敵が下から上がってくるとは想定してないだろう。オブジェだったとしても問題ない。ここは間違ってもいいから全力で行くべきだろう。
不意打ちで会心の一撃を叩き込めるチャンスなどそう無いのだ。
よし、そうしよう。
呼吸を整えると、ショートソードを構えて必殺の技を叩き込む。
いくぞ!
階段を駆け上がり、ショートソードの魔力を開放する。
食らえ!【光の爆破突き】
剣が光り輝き、青銅の鎧の背中、心臓の裏に突き刺した。
キーンッ。
硬い金属にショートソードが遮られた感触があった。
と同時に。
ボカーンッ。
剣から凄まじい爆発が巻き起こり、青銅の鎧騎士が吹っ飛んだ。
『グワーーー』
不意を突かれた青銅の騎士が前方に飛びこむように倒れた。
まだ生きている。
やはりモンスターのようだ。
立ち上がろうとするところを容赦なく追撃する。
――双連撃。
後ろから切りかかり、一撃、二撃と攻撃する。
硬いが効いている手ごたえはある。
行くぞ! 三連撃。
沈みこんだ瞬間。
――ブンッ!
青銅の騎士が右手の剣を大振りで薙ぎ払った。
うわっ! 危なっ。
溜が功をそうし、辛うじて後ろへ飛んでかわす。
青銅の騎士がゆっくりとこちらを睨んで戦闘態勢に入った。
右手に青銅の剣を持ち、青銅の盾を持つ大きな騎士だ。二メートルはありそうだ。兜の奥の目は赤く光り、それが魔物の物だと示していた。
ロンクはショートソードに目をやる。
もう一度食らわすしかない。
そう、【光の爆破突き】こそがロンクの必殺技なのだ。
魔力10を使用し、突いた剣から爆破を起こす。今までこの一撃で倒せなかった物はいないのだ。
だがこれを外せば勝機はない。チャンスはあと一度、今度は自分で崩して叩き込むしかない。
ロンクは革の盾を構えて対峙した。
青銅の騎士がゆっくりと動き出す。でかい分動きは遅いのだろう。そう思った瞬間。不自然な速さで青銅の騎士が間合いを詰める。
なっ!
横一線。
――ブウンッ!
うなりを上げて大きな青銅の剣が薙ぎ払われた。
……かわせない。
革の盾でまともに受けながらも一緒に横に飛んだ。
――ドーンッ。
ものすごい衝撃が来た。
「ロンク!!」
いつの間にか上がって来たリーズが叫ぶ。
「来ちゃダメだ!」
なんとか立ち上がるが左腕がしびれている。
流石守護者。
青銅の騎士はまた、ゆっくりと動き出した。
そして滑るように急加速すると右手の剣を薙ぎ払う。
早えーー!
が、一度見たパターンだ。今度は逆に盾を捨てて、その青銅の騎士の長い足をすり抜けて後ろへ回り込んだ。小柄な俺にしかできない芸当だ。
――貰った!
【光の爆破突き】!
無防備な背中に光るショートソードが突き刺さる。
――ボカーンッ。
さらに爆発が騎士を襲う。
まだまだだー!
吹っ飛ぶ騎士を追いかけて連撃を叩き込む。
――双連撃。
一撃、二撃と決まる。そして、三連撃。
――ズバンッ!
あっいつもよりスムーズに決まった!
会心の手ごたえがあった。
初めてスムーズに三連撃が決まったところで、青銅の騎士が消え、魔石になった。
リーズはロンクの言葉にビックリした。
でも、そうね。
まだ13歳だもんね。
おじいさんと二人で暮らしていたそうだし知らなくても無理はないわ。
どうしよう……言うべきか言わないべきか。
「何だよ、最後って」
リーズの思いとはうらはらに、ロンクが悪気もなく聞いてくる。
「お互いに好きにしていいって事よ」
適当にはぐらかした。
「そうなの……じゃあこんな事してもいいの」
ロンクが探るようにリーズの上着をめくった。赤いローブを取っただけだ。
「ふふふ、そうね、いいのよ」
興味はあるのね。リーズが赤くなって微笑んだ。
☆
いいんだ。
「じゃ、じゃあ……これも取っちゃうよ」
おそるおそる上着の服をゆっくり脱がす。リーズも協力して脱いでくれる。
後は下着だけだ。
スベスベの白い肌と下着の下のふっくらした胸が見える。
うわー、何かすごい……いいのかな。
リーズは微笑んでるだけだ。
ゆっくりと触ってみる。
むにゅん。
「柔らかい」
「ふふふ、恥ずかしいけど……下着も取って、でもロンクもよ、二人で一緒に全部脱ぎましょ」
「うっうん」
裸になって二人で抱き合った。リーズの体温を直接感じてすごくあったかかった。沢山キスをして幸せだった。
抱き合ったまま寝てしまった。
リーズをもっと好きになった。
「おはよう、ロンク」
「おはよう、リーズ」
抱きしめてキスをして仕度をすると二人でテントから這い出した。
固形燃料に火をつけて鍋を温める。昨日の残りの味噌スープだ。
「あったまるわね、美味しいわ」
「うん、美味しかった。あーごちそうさま。今日はまた探索を続けるとして、水は全部持つと重からここに置いとくしかないな」
2L入りの水袋11個を見た。持てない事もないが、今はまだいいだろう。探索には邪魔になるのだ。
「そうよね、上に上がる階段があったとしても当分拠点はここになるわね」
「ああ、また戻ってこればいいしな。いい場所が見つかれば運べばいいし」
身支度をして洞窟部屋を出た。
トイレで用を足してから探索を開始する。
トイレにもスライムが徘徊してくれる? らしく分解してくれたせいなのか、形も臭いも残ってはいない。
ありがたいことだ。
お礼を言いながらもスライムは倒す。それとこれとは話が別だ。
スライムゼリーと魔石を回収して袋につめた。
一本道を進み道が広がっていく。昨日は右壁周りをたどって行った。洞窟を探索する時の基本だ。
昨日探索を終えた所までサクサク進んで、続きを開始した。
カエルとモグラのモンスターを数匹倒してカエル肉と獣肉ミンチを手に入れる。ミミズは何もドロップしなかった。
ここのダンジョンはあまり強い敵がいないな。
そう思った瞬間。
――ゾクッ。
急に寒気が走った。前方で怪しげな小さな光が二つ見えた。
「気をつけろ!リーズ。何かいる」
シャーーーーーー。
通路の奥の方から不穏な音が聞こえた。
……大蛇か。
ものすごく大きな蛇が見えた。
とぐろを巻いて上半身を伸ばしている。
三メートルはある高さからこちらを見ている。全長は十メートルあるかもしれない。
舌がチロチロ警戒したように動いている。
こいつはヤバイ。
戦って勝てる相手じゃない。
幸いにしてまだ距離がある。
「ロ、ロンク」
「リーズ、下がれ、ゆっくりと戻るんだ」
「う、うん」
警戒しながら祈るように後退りした。
敵ではありません。敵ではありません・・・。
祈りが通じたのか、大蛇は追ってはこなかった。
ふーっと息を吐く。
「ああ、びっくりしたわ。やっぱりダンジョンって危険なのね。あれってボスじゃないの」
リーズが水筒の水を飲んで言う。
「そうだろうな、階層のボスかもしれない。あれを倒すと下の階に行く通路があるとか、そんなんじゃないかな」
自分も水筒の水を飲んだ。
少し落ち着いた。
「そうよね、私達は上に上がりたいんだから関係ないわよね。だからあそこは駄目ね。今度は左の壁から調査しましょ」
「ああ、そうだな」
リーズの言う通り、最初の場所付近まで戻って、反対側の調査をした。
またあの大蛇のような大物モンスターもいるかもしれない。
今までより警戒しながら進んだ。
しかし、相変わらずカエルとモグラが数匹出ただけで大した敵は出なかった。
やっぱりさっきのはボスだろうか。
しばらくしてついに上に上がる階段を見つけた。
「あったわ! やったわね」
「ああ、やったな」
リーズと抱き合って喜んだ。フワッと甘い香りがする、思わずキスをする。
ああ、可愛いな。
「でも待てよ、さっきの大蛇みたいに階層のボスがいるならこの階段の上にボスがいるんじゃないか」
「そっか、そうかもね。何がいるのかしら」
「何だろうな、だが、ボスなら手ごわいぞ」
「でも倒さないと出られないんでしょ?」
「そうだよな、やるしかないよな」
腕を組んで考える。大蛇のようなボスだったら果たして倒せるのだろうか。
「ねぇロンク、階層の守護してるから前を向いてるわけでしょ。後ろからこっそり近寄ってぶっ叩けば何とかなるんじゃないの」
相変わらず楽観的なリーズ。
「そうだけどな……まあ、そうだな。見つかって警戒される前に後ろからヤルしかないか」
ショートソードのエネルギーも満タンだし、何とかなるかもしれない。
実はこのゼブランのショートソードはエネルギーをソードに貯めることができるのだ。その最大は百。
一日一つ。魔力(のような力)を入れて二十日、今は満タンの二十なのだ。
百じゃないのかって。
そう、ロンクの今の魔力では、どれだけ入れても二十以上は入らないのだ。魔力が弱すぎるらしい。
いずれは百まで入れられるようになると師匠からは言われている。師匠も幼いときはそうだったようだ。
ソードに魔力をい入れられるか。これによってソードに選ばれるかどうかが決まるらしい。
ショートソードに選ばれた事で、剣を師匠から譲られたのだ。
ちなみに【光の斬撃】もショートソードの力だ。ロンクの純粋な技ではないのだ。消費魔力は2~5だ。
距離と威力で調整できる。
その他にも魔力を使った【術】があるのだ。
もちろんいざとなれば躊躇なく使うつもりだ。
「よし、行こうリーズ」
「うん」
いつまでも二人でダンジョンに居る訳にはいかない。
いや、本当は楽しいので、居てもいいとも思っているのだが……。
だが、好きでいるのと、いなくてはいけないでは全然違う。
二人で慎重に階段を上がって行った。
かなり長い階段を上がっていくと頂上が見えた。
リーズに合図をして待機させ、一人で少しずつ上って行った。
むっ鎧の騎士がいる?
青銅の鎧に包まれた騎士が後ろ向きに立っているように見える。
あれが【守護者】か。
しかし全く動かない。
もしかしてオブジェかもしれない。
……どうだろうか。
だが【守護者】もまさか敵が下から上がってくるとは想定してないだろう。オブジェだったとしても問題ない。ここは間違ってもいいから全力で行くべきだろう。
不意打ちで会心の一撃を叩き込めるチャンスなどそう無いのだ。
よし、そうしよう。
呼吸を整えると、ショートソードを構えて必殺の技を叩き込む。
いくぞ!
階段を駆け上がり、ショートソードの魔力を開放する。
食らえ!【光の爆破突き】
剣が光り輝き、青銅の鎧の背中、心臓の裏に突き刺した。
キーンッ。
硬い金属にショートソードが遮られた感触があった。
と同時に。
ボカーンッ。
剣から凄まじい爆発が巻き起こり、青銅の鎧騎士が吹っ飛んだ。
『グワーーー』
不意を突かれた青銅の騎士が前方に飛びこむように倒れた。
まだ生きている。
やはりモンスターのようだ。
立ち上がろうとするところを容赦なく追撃する。
――双連撃。
後ろから切りかかり、一撃、二撃と攻撃する。
硬いが効いている手ごたえはある。
行くぞ! 三連撃。
沈みこんだ瞬間。
――ブンッ!
青銅の騎士が右手の剣を大振りで薙ぎ払った。
うわっ! 危なっ。
溜が功をそうし、辛うじて後ろへ飛んでかわす。
青銅の騎士がゆっくりとこちらを睨んで戦闘態勢に入った。
右手に青銅の剣を持ち、青銅の盾を持つ大きな騎士だ。二メートルはありそうだ。兜の奥の目は赤く光り、それが魔物の物だと示していた。
ロンクはショートソードに目をやる。
もう一度食らわすしかない。
そう、【光の爆破突き】こそがロンクの必殺技なのだ。
魔力10を使用し、突いた剣から爆破を起こす。今までこの一撃で倒せなかった物はいないのだ。
だがこれを外せば勝機はない。チャンスはあと一度、今度は自分で崩して叩き込むしかない。
ロンクは革の盾を構えて対峙した。
青銅の騎士がゆっくりと動き出す。でかい分動きは遅いのだろう。そう思った瞬間。不自然な速さで青銅の騎士が間合いを詰める。
なっ!
横一線。
――ブウンッ!
うなりを上げて大きな青銅の剣が薙ぎ払われた。
……かわせない。
革の盾でまともに受けながらも一緒に横に飛んだ。
――ドーンッ。
ものすごい衝撃が来た。
「ロンク!!」
いつの間にか上がって来たリーズが叫ぶ。
「来ちゃダメだ!」
なんとか立ち上がるが左腕がしびれている。
流石守護者。
青銅の騎士はまた、ゆっくりと動き出した。
そして滑るように急加速すると右手の剣を薙ぎ払う。
早えーー!
が、一度見たパターンだ。今度は逆に盾を捨てて、その青銅の騎士の長い足をすり抜けて後ろへ回り込んだ。小柄な俺にしかできない芸当だ。
――貰った!
【光の爆破突き】!
無防備な背中に光るショートソードが突き刺さる。
――ボカーンッ。
さらに爆発が騎士を襲う。
まだまだだー!
吹っ飛ぶ騎士を追いかけて連撃を叩き込む。
――双連撃。
一撃、二撃と決まる。そして、三連撃。
――ズバンッ!
あっいつもよりスムーズに決まった!
会心の手ごたえがあった。
初めてスムーズに三連撃が決まったところで、青銅の騎士が消え、魔石になった。
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