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25.断罪式
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案内されて向かったのは、立派な神殿の奥にある一般の人が入れない部屋だった。
そこはまるで前世の裁判所のように、真ん中に証言台のようなものが置かれている。
その証言台を塀のように囲んでいるテーブルの向こうは数段床が高くなっていて、テーブル向こうの椅子に座っても高い位置から証言台をよく見渡せるようになっていた。
あの町の小さな神殿でも可能だと言っていたけれど、絶対にそうするつもりはなかったよね?
という意味を込めて、隣の神官様を見上げてみれば。
ただ爽やかな笑みが返って来るだけ。
私の答えを分かり切っていたのだろうなぁ。なんだか悔しい。
それから私たちは、証言台に立つ人の顔をよく見られる席に案内された。
並んで座った神官さまの、さらに隣にまた神官さまが二名。
この二名の神官さまは、ついさっき出会ったばかりの人たちだった。
いつもの神官さまから紹介されて、私もご挨拶したところだ。
ちょっと分からなかったのは、明らかにいつもの神官さまの方が若いのに、ここで出会った二人の神官さまたちが敬語を使っていたこと。
「あなた、偉い人だったの?」
と、うっかり声に出して聞いていた。
神官さまはいつもと変わらない爽やかな笑顔でにっこり。
え、答えはなし?
「諸々終わってからにしような」
不満を持ち続けることは出来なかった。
この特殊な部屋に続々と集まってきた見るからに偉そうな人たちに、私はなるべく目を合わせないぞと見ないようにするのが精いっぱい。
なのに、私のすぐ側に何か偉そうな若者が座ったではないか。
隣に座らずひとつ席を空けてくれたのは有難いけれど、何故か、私はそちらを見たくないと思った。
庶民として生まれ育って培った本能なのかも?
前世も含めてのね。
孤児院を出てからここまで、神官さまは私の保護者代理である。
だから神官さまが紹介しない限りは、私は誰にも挨拶しなくてもいいと言われていた。
紹介……しないみたい。
向きたくない方を見ながら、またにこーっと微笑んでいたけれど。
なんだろうね、とても胡散臭く感じるのは。
それでも私は紹介されないことを有難いと思って、側に座った高貴そうな人の顔を見ないままでいた。
前だけを見ておこう。
これからはじまるのは、『断罪式』と呼ばれるものだ。
どういう内容で、どんな流れで行うものかを教わったとき、それはまさに前世の裁判だと思った。
前世でいつか……と思っていたものが、こんな形で実現するなんてね。
あぁ、顔を思い出せないのは悲しいな。
一度くらいは傍聴席に座って見てみたかった。
そうそう、こんな風に関係者として座るんじゃなくてさ。
でも前世と違って、ここは裁判官役しかおらず、これから来る人を弁護する人はいないみたい。
それは少し可哀想だと思ったけれど、王政の世界ならそういうものかなとも思う。
いつの間にか人の流れは止まり、部屋は静まり返った。
「皆様お揃いになりましたので。これより断罪式をはじめます。女神さまの御前に真実を捧げましょう」
あの二人の神官さまのうちの一人が、進行役みたいだ。
そこはまるで前世の裁判所のように、真ん中に証言台のようなものが置かれている。
その証言台を塀のように囲んでいるテーブルの向こうは数段床が高くなっていて、テーブル向こうの椅子に座っても高い位置から証言台をよく見渡せるようになっていた。
あの町の小さな神殿でも可能だと言っていたけれど、絶対にそうするつもりはなかったよね?
という意味を込めて、隣の神官様を見上げてみれば。
ただ爽やかな笑みが返って来るだけ。
私の答えを分かり切っていたのだろうなぁ。なんだか悔しい。
それから私たちは、証言台に立つ人の顔をよく見られる席に案内された。
並んで座った神官さまの、さらに隣にまた神官さまが二名。
この二名の神官さまは、ついさっき出会ったばかりの人たちだった。
いつもの神官さまから紹介されて、私もご挨拶したところだ。
ちょっと分からなかったのは、明らかにいつもの神官さまの方が若いのに、ここで出会った二人の神官さまたちが敬語を使っていたこと。
「あなた、偉い人だったの?」
と、うっかり声に出して聞いていた。
神官さまはいつもと変わらない爽やかな笑顔でにっこり。
え、答えはなし?
「諸々終わってからにしような」
不満を持ち続けることは出来なかった。
この特殊な部屋に続々と集まってきた見るからに偉そうな人たちに、私はなるべく目を合わせないぞと見ないようにするのが精いっぱい。
なのに、私のすぐ側に何か偉そうな若者が座ったではないか。
隣に座らずひとつ席を空けてくれたのは有難いけれど、何故か、私はそちらを見たくないと思った。
庶民として生まれ育って培った本能なのかも?
前世も含めてのね。
孤児院を出てからここまで、神官さまは私の保護者代理である。
だから神官さまが紹介しない限りは、私は誰にも挨拶しなくてもいいと言われていた。
紹介……しないみたい。
向きたくない方を見ながら、またにこーっと微笑んでいたけれど。
なんだろうね、とても胡散臭く感じるのは。
それでも私は紹介されないことを有難いと思って、側に座った高貴そうな人の顔を見ないままでいた。
前だけを見ておこう。
これからはじまるのは、『断罪式』と呼ばれるものだ。
どういう内容で、どんな流れで行うものかを教わったとき、それはまさに前世の裁判だと思った。
前世でいつか……と思っていたものが、こんな形で実現するなんてね。
あぁ、顔を思い出せないのは悲しいな。
一度くらいは傍聴席に座って見てみたかった。
そうそう、こんな風に関係者として座るんじゃなくてさ。
でも前世と違って、ここは裁判官役しかおらず、これから来る人を弁護する人はいないみたい。
それは少し可哀想だと思ったけれど、王政の世界ならそういうものかなとも思う。
いつの間にか人の流れは止まり、部屋は静まり返った。
「皆様お揃いになりましたので。これより断罪式をはじめます。女神さまの御前に真実を捧げましょう」
あの二人の神官さまのうちの一人が、進行役みたいだ。
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