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父の言い訳②
生まれた子を愛し育てる自信がないと、涙ながらに妻は語った。
私はなんて酷い人間なのかしら。あなたもこんな私は嫌いになった?
さめざめ泣く妻に困惑し、私はその場は慰めることに徹して、すぐに両親に相談することにした。
すると母が助言をくれた。
産後に不安定となる女性は多いのだと言う。
第一子となる長女は、私の次に爵位を継ぐことになろう。
無事に育ち、当主教育を与えられればそれでよく、母と娘の関係がどうあろうと問題にはならない。
父が賛同したこともあって、母の助言通りに、しばらくは母子を引き離して、第一子を育てることにした。
これが実に私には都合が良かった。
両親の意識が子どもへと向いたおかげで、私はあまり構われなくなったからだ。
結果、夫婦だけの時間もたっぷり取るようになった。
妻もご機嫌で、幸せな時だったと思う。
順当に第二子も授かって、また女の子であったことには少々がっかりしたものの。
今度の妻は嬉しそうで、私と同じ瞳の色をしたその子を大層可愛がっている甲斐甲斐しい姿は、見ている私にとっても気分の良いものだった。
妻に言われて気付く。
最初のあの子は、公爵家の色が強過ぎた。
まったく我が家の子らしくなかったのだ。
あぁ、だから。
私にとっても二番目の娘が可愛いのだなと実感する。
この子は間違いなく、我が伯爵家の血筋だった。
私、そして父と、同じ瞳の色をした娘。
両親もそれが嬉しかったのか、最初の子には厳しさを見せていたのに、二番目の子はただ可愛がるようになっていた。
でも違うんだ。
そうじゃない。
私たちは最初の子を蔑ろにしてきたわけではなかった。
妻も言っていただろう?
乳母に甘えることを許していたし。
必要な人材は父がよく選び与えていたはずだ。
きちんと教育を受けさせて、伯爵家次期当主の持つべきものは、あの子はすべて受け取っていた。
だから虐待なんてとんでもない。
そう言っているとするなら、誤解があるのではないか?
私たちには時間が足りていないのだと思う。
何のって、話し合う時間だよ。
親子で語り合う時間をこれからたっぷり取ってみようじゃないか。
そうすれば分かり合える。
親子なんだからな。
だから。
こんなことはもうやめにしてくれ。
私たちは何もしていないんだ。
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