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嫉妬の帝都
超禁呪兵器、草生えないレベルな件
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クロノチーム一行は、重たい扉の軋みと共に、カイネスの私室兼ラボへと足を踏み入れた。
先頭の博士が振り返りもせずに呟く。
「ここだ。……少し、来客を想定していないので散らかっているが、気にしないでくれ」
その言葉を聞いた瞬間、全員の目が揃って宙を彷徨った。
ラボ内部は─端的に言って「極まった理系男の巣」だった。
どこからどこまでが“研究区画”で、どこからが“生活スペース”なのか分からない。
ベッドと書類の山が共存し、魔術陣を引いた床の脇に食べかけの薬草サンドが置いてある。
生活臭はある。だがそれが一切“人間的なぬくもり”を感じさせないのが逆にすごい。
レイスは壁際のガラスケースに手を伸ばし、指先でなぞった。
中には部品の山。だが、その並びは妙に整っていて、見れば見るほど理に適っていた。
「……リアルだわ」
レイスが低く呟く。
「こういう部屋に住んでるやつほど頭が良いんだよな」
その隣で、ウラヌスがにこやかに毒を投下する。
「逆に汚部屋すぎて、王族が近づかないんじゃね?」
その声に、思わず全員が頷きかける。
冗談のように聞こえるが、この国では“美を尊ぶ者”しか価値がないとされる。
そういう国だからこそ─カイネス・ヴィアンは、遠ざけられた。
それでも彼はこの空間に、真実と罪と、答えのすべてを隠していた。
「さて、諸君」
カイネスがこちらを向き直る。その眼帯越しの視線に、いつになく“人間らしさ”が混じっていた。
「いつまでも“遠き世界からの旅人”と呼ぶのは、私も少々呼びづらい。どう呼べばいい?」
「クロノチーム!」
即答したのはサタヌスだった。全く迷いのない明るい声に、カイネスは小さく頷いた。
「了解した、クロノチーム諸君」
博士は片手を伸ばし、壁際の古びたコンソールに触れる。
緑色の文字が液晶に浮かび、タッチ操作のように指先が滑る。
「第一ロック、解除しました」
無機質な自動音声が、空気を振動させる。
レイスが静かに息を飲んだ。ウラヌスがスマホをそっと下げた。
「私は長話をしない主義だ」
「これが─王族に決して存在を明かせない、“例のもの”だ」
その言葉と同時に、部屋の奥、格納エリアに隠されていた床面がゆっくりと開いた。
「最終ロック、解除しました」
再びアナウンスが鳴り、内部のリフトが音もなく作動する。
ガスが抜けるような空気音と共に、“それ”は静かに浮上してきた。
それは意外なほど小さかった。
ガラス管に収められた緑の球体が2つ、なめらかな形状で連なっている。
ただの装置にしては美しすぎる。兵器と呼ぶには洗練されすぎている。
それこそが、「マナ・デストロイヤー」。
その姿を目にした瞬間、サタヌスが叫んだ。
「うおおおおおおお!?生マナデス!!本物マジかっけえええええええ!!!!」
興奮が抑えきれず、拳を握りしめて跳ねるように前のめりになる。
隣のユピテルが、何かを言いかけて口を噤んだ。
あまりにも危うい。
だが、それが確かに終焉を呼ぶ「現物」だった。
レイスは、ガラス越しの兵器から視線を逸らさず、唇だけをかすかに動かした。
誰にも聞かせるつもりはなかった。だが、確信はあった。
「……こいつが、30日後に起動される……」
その声は、風の音よりも小さかった。
だが隣にいたユピテルは、ぴくりと指先を動かす。聞こえたのだ。
誰もツッコまなかった。それは、全員の内心でもう“分かっていた”からだ。
カイネスは、その囁きを聞いていたのかいないのか─ただ、笑うことなく語り出した。
「エンヴィニア王族は……神でも悪魔でもない“何か”を滅ぼすための兵器を作れ、と私に命じた」
「境界にすら触れられぬ存在を、“定義”で殺す……それがこの兵器の原理だ」
彼の声は穏やかだった。だが、その言葉の端々には、削れた思考の痕が滲んでいた。
信仰でもなく、戦争でもなく、“得体の知れない存在”に対抗する手段として。
マナ・デストロイヤーは“作られてしまった”。
ウラヌスが筒型の兵器を覗き込みながら、小首をかしげた。
「んん~? この筒でさぁ、“なにかわからない”ものでも殺せるって、どういう理屈なの?」
その問いは純粋だった。だが、突いてはいけないものを指でつついたような。
無邪気な危険性を孕んでいた。
カイネスは、一瞬だけ視線を宙に泳がせたあと、静かに口を開いた。
「まず、この世界は“マナ”というものが循環している」
「それは大気にも、海にも、肉体にも宿る。さらには─魂の輪廻にすら関係しているという説もある」
「その“マナ”を殺す」
「存在の根源たるエネルギーを、物理的に“死”へ誘導する。それがこの兵器の原理だ」
「通称─“マナ死”。マナ・デス、だよ」
ラボの中に、重たい静寂が落ちる。
何を言っているか分かってしまうのが、逆に恐ろしい。
レイスがガラス越しの球体を見つめながらぽつりと漏らした。
「……意外と、シンプルだな」
「いや─だからこそ怖ぇわ。理屈が通ってる分、“現実”なんだよ」
それは“神を殺せる”というファンタジーではなかった。
世界の根幹を握る理屈を、ただ“殺す側に回った”というだけだった。
カイネスは、ラボ奥の演算装置の前に立ち、ゆっくりと指を滑らせてデータ表示を起動した。
その動きに、どこか躊躇があった。いや、後悔の名残があった。
「……私がこれを封印したのは、“マナ死”を誘発するからだけではない」
「破壊規模が─あまりにも、大きすぎるのだ」
壁一面にホログラムが展開される。淡く光る地図の上に、無数の赤い波紋が広がっていく。
波動は帝国首都を中心に、複数の大陸を包み込み。
次第に惑星規模のマナ流動を示すシミュレーションに変わっていく。
【推定破壊規模】
エンヴィニア帝国:全土崩壊。
なお、エンヴィニア帝国はパンゲア大陸のユーラシアプレート全域を統治領域とする国家である。
【推定死者数】
直接死:推定3億人(※水中依存生命体・魔力依存者)
二次死:推定7億人(※魔素欠乏による器官停止・腐敗病・精神崩壊)
合計:10億人の神経系断絶による滅亡。
ユピテルが、目を疑いながら画面を睨みつけた。
「は?エンヴィニア帝国全土……ユーラシアプレート全域だと!?」
それは現実の地形に置き換えても、人類の文明を壊滅させるほどのスケールだった。
ウラヌスが思わず吹き出すように笑った。
「即死3億、マナ欠乏症による死亡7億……うはwww この筒で、10億死ぬの!?」
だが誰も笑えなかった。
その場で唯一、サタヌスだけが純粋な畏怖と感動をにじませていた。
「すげぇ……すげぇよ……今まで見てきた魔法兵器全部ぶつけても、これにゃ勝てねぇぜ……」
カイネスは黙って画面を見つめていた。
映し出されたその未来が、どこかで既に“あった”かのような顔で。
それは兵器ではなかった。
世界の“輪廻”を喰らうものだった。
ホログラムの赤い波紋が止まり、ラボ全体が重たい沈黙に包まれる。
カイネスはその中心で、まるで裁きを下すように静かに語った。
「この通りだ。王族は“こんなもの”を、自分を脅かす存在を滅ぼすためだけに─起動しようとしている」
「猿に核ミサイルのスイッチを渡すようなものだ」
「私がこれを封印した理由が、ようやく伝わったかね?」
その言葉に、誰も軽口を挟まなかった。
ただレイスが、スクリーンに映る赤い“死域”を見つめながら呟くように答える。
「ああ……ああ、十分なぐらいな」
「……やべーな、人類種の天敵でも、まだ“1億”だぞ……」
ぽつりと放たれた数字に、誰もすぐ反応できなかった。
それは彼の脳裏に焼き付いていた、かつての世界の終焉─兵器が“現実を超えていた。
かつて遊んだゲームの記憶にすら重なるものだった。
クロノチームの空気が、完全に変わった。
もう「旅人」ではなかった。
これを止めなければ、この世界が“フォーアンサー”になる。
「うわ、理系男子すぎるwww 優勝!」
ウラヌスがスマホを構えたまま、爆笑混じりにツッコむ。
博士の“猿に核ミサイル”発言は、彼女の中で完全にMVPだったようだ。
カイネスは困ったように首をかしげる。
「その、“理系”というのはよくわからないが……」
「“これ”は、私から見ても見たくないものだ。それより今は……これを解明したい」
彼の手が懐から取り出したのは、あのバキスマホだった。
ボロボロのそれを聖杯のように、慎重に持ち上げる様子に、チーム全員がちょっと引いた。
ユピテルが肩をすくめながら、踵を返す。
「そっかー、じゃ俺等いくな。……ウラヌス! いつまで博士にスマホ向けてンだよ!」
「えー、もうちょい♡」
ウラヌスは粘るが、さすがにユピテルの殺気を察して渋々片付け始める。
サタヌスはラボの出口で手を振りながら、無邪気に笑う。「博士!またなー!」
カイネスは、バキスマホの裏側をじっと観察したまま、目だけで振り返る。
「ああ……寝床探しは、慎重にな」
それは“寝る場所=命の安全”を示すこの世界の常識。
静かな声に、妙なあたたかみがあった。
先頭の博士が振り返りもせずに呟く。
「ここだ。……少し、来客を想定していないので散らかっているが、気にしないでくれ」
その言葉を聞いた瞬間、全員の目が揃って宙を彷徨った。
ラボ内部は─端的に言って「極まった理系男の巣」だった。
どこからどこまでが“研究区画”で、どこからが“生活スペース”なのか分からない。
ベッドと書類の山が共存し、魔術陣を引いた床の脇に食べかけの薬草サンドが置いてある。
生活臭はある。だがそれが一切“人間的なぬくもり”を感じさせないのが逆にすごい。
レイスは壁際のガラスケースに手を伸ばし、指先でなぞった。
中には部品の山。だが、その並びは妙に整っていて、見れば見るほど理に適っていた。
「……リアルだわ」
レイスが低く呟く。
「こういう部屋に住んでるやつほど頭が良いんだよな」
その隣で、ウラヌスがにこやかに毒を投下する。
「逆に汚部屋すぎて、王族が近づかないんじゃね?」
その声に、思わず全員が頷きかける。
冗談のように聞こえるが、この国では“美を尊ぶ者”しか価値がないとされる。
そういう国だからこそ─カイネス・ヴィアンは、遠ざけられた。
それでも彼はこの空間に、真実と罪と、答えのすべてを隠していた。
「さて、諸君」
カイネスがこちらを向き直る。その眼帯越しの視線に、いつになく“人間らしさ”が混じっていた。
「いつまでも“遠き世界からの旅人”と呼ぶのは、私も少々呼びづらい。どう呼べばいい?」
「クロノチーム!」
即答したのはサタヌスだった。全く迷いのない明るい声に、カイネスは小さく頷いた。
「了解した、クロノチーム諸君」
博士は片手を伸ばし、壁際の古びたコンソールに触れる。
緑色の文字が液晶に浮かび、タッチ操作のように指先が滑る。
「第一ロック、解除しました」
無機質な自動音声が、空気を振動させる。
レイスが静かに息を飲んだ。ウラヌスがスマホをそっと下げた。
「私は長話をしない主義だ」
「これが─王族に決して存在を明かせない、“例のもの”だ」
その言葉と同時に、部屋の奥、格納エリアに隠されていた床面がゆっくりと開いた。
「最終ロック、解除しました」
再びアナウンスが鳴り、内部のリフトが音もなく作動する。
ガスが抜けるような空気音と共に、“それ”は静かに浮上してきた。
それは意外なほど小さかった。
ガラス管に収められた緑の球体が2つ、なめらかな形状で連なっている。
ただの装置にしては美しすぎる。兵器と呼ぶには洗練されすぎている。
それこそが、「マナ・デストロイヤー」。
その姿を目にした瞬間、サタヌスが叫んだ。
「うおおおおおおお!?生マナデス!!本物マジかっけえええええええ!!!!」
興奮が抑えきれず、拳を握りしめて跳ねるように前のめりになる。
隣のユピテルが、何かを言いかけて口を噤んだ。
あまりにも危うい。
だが、それが確かに終焉を呼ぶ「現物」だった。
レイスは、ガラス越しの兵器から視線を逸らさず、唇だけをかすかに動かした。
誰にも聞かせるつもりはなかった。だが、確信はあった。
「……こいつが、30日後に起動される……」
その声は、風の音よりも小さかった。
だが隣にいたユピテルは、ぴくりと指先を動かす。聞こえたのだ。
誰もツッコまなかった。それは、全員の内心でもう“分かっていた”からだ。
カイネスは、その囁きを聞いていたのかいないのか─ただ、笑うことなく語り出した。
「エンヴィニア王族は……神でも悪魔でもない“何か”を滅ぼすための兵器を作れ、と私に命じた」
「境界にすら触れられぬ存在を、“定義”で殺す……それがこの兵器の原理だ」
彼の声は穏やかだった。だが、その言葉の端々には、削れた思考の痕が滲んでいた。
信仰でもなく、戦争でもなく、“得体の知れない存在”に対抗する手段として。
マナ・デストロイヤーは“作られてしまった”。
ウラヌスが筒型の兵器を覗き込みながら、小首をかしげた。
「んん~? この筒でさぁ、“なにかわからない”ものでも殺せるって、どういう理屈なの?」
その問いは純粋だった。だが、突いてはいけないものを指でつついたような。
無邪気な危険性を孕んでいた。
カイネスは、一瞬だけ視線を宙に泳がせたあと、静かに口を開いた。
「まず、この世界は“マナ”というものが循環している」
「それは大気にも、海にも、肉体にも宿る。さらには─魂の輪廻にすら関係しているという説もある」
「その“マナ”を殺す」
「存在の根源たるエネルギーを、物理的に“死”へ誘導する。それがこの兵器の原理だ」
「通称─“マナ死”。マナ・デス、だよ」
ラボの中に、重たい静寂が落ちる。
何を言っているか分かってしまうのが、逆に恐ろしい。
レイスがガラス越しの球体を見つめながらぽつりと漏らした。
「……意外と、シンプルだな」
「いや─だからこそ怖ぇわ。理屈が通ってる分、“現実”なんだよ」
それは“神を殺せる”というファンタジーではなかった。
世界の根幹を握る理屈を、ただ“殺す側に回った”というだけだった。
カイネスは、ラボ奥の演算装置の前に立ち、ゆっくりと指を滑らせてデータ表示を起動した。
その動きに、どこか躊躇があった。いや、後悔の名残があった。
「……私がこれを封印したのは、“マナ死”を誘発するからだけではない」
「破壊規模が─あまりにも、大きすぎるのだ」
壁一面にホログラムが展開される。淡く光る地図の上に、無数の赤い波紋が広がっていく。
波動は帝国首都を中心に、複数の大陸を包み込み。
次第に惑星規模のマナ流動を示すシミュレーションに変わっていく。
【推定破壊規模】
エンヴィニア帝国:全土崩壊。
なお、エンヴィニア帝国はパンゲア大陸のユーラシアプレート全域を統治領域とする国家である。
【推定死者数】
直接死:推定3億人(※水中依存生命体・魔力依存者)
二次死:推定7億人(※魔素欠乏による器官停止・腐敗病・精神崩壊)
合計:10億人の神経系断絶による滅亡。
ユピテルが、目を疑いながら画面を睨みつけた。
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それは現実の地形に置き換えても、人類の文明を壊滅させるほどのスケールだった。
ウラヌスが思わず吹き出すように笑った。
「即死3億、マナ欠乏症による死亡7億……うはwww この筒で、10億死ぬの!?」
だが誰も笑えなかった。
その場で唯一、サタヌスだけが純粋な畏怖と感動をにじませていた。
「すげぇ……すげぇよ……今まで見てきた魔法兵器全部ぶつけても、これにゃ勝てねぇぜ……」
カイネスは黙って画面を見つめていた。
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それは兵器ではなかった。
世界の“輪廻”を喰らうものだった。
ホログラムの赤い波紋が止まり、ラボ全体が重たい沈黙に包まれる。
カイネスはその中心で、まるで裁きを下すように静かに語った。
「この通りだ。王族は“こんなもの”を、自分を脅かす存在を滅ぼすためだけに─起動しようとしている」
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その言葉に、誰も軽口を挟まなかった。
ただレイスが、スクリーンに映る赤い“死域”を見つめながら呟くように答える。
「ああ……ああ、十分なぐらいな」
「……やべーな、人類種の天敵でも、まだ“1億”だぞ……」
ぽつりと放たれた数字に、誰もすぐ反応できなかった。
それは彼の脳裏に焼き付いていた、かつての世界の終焉─兵器が“現実を超えていた。
かつて遊んだゲームの記憶にすら重なるものだった。
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もう「旅人」ではなかった。
これを止めなければ、この世界が“フォーアンサー”になる。
「うわ、理系男子すぎるwww 優勝!」
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博士の“猿に核ミサイル”発言は、彼女の中で完全にMVPだったようだ。
カイネスは困ったように首をかしげる。
「その、“理系”というのはよくわからないが……」
「“これ”は、私から見ても見たくないものだ。それより今は……これを解明したい」
彼の手が懐から取り出したのは、あのバキスマホだった。
ボロボロのそれを聖杯のように、慎重に持ち上げる様子に、チーム全員がちょっと引いた。
ユピテルが肩をすくめながら、踵を返す。
「そっかー、じゃ俺等いくな。……ウラヌス! いつまで博士にスマホ向けてンだよ!」
「えー、もうちょい♡」
ウラヌスは粘るが、さすがにユピテルの殺気を察して渋々片付け始める。
サタヌスはラボの出口で手を振りながら、無邪気に笑う。「博士!またなー!」
カイネスは、バキスマホの裏側をじっと観察したまま、目だけで振り返る。
「ああ……寝床探しは、慎重にな」
それは“寝る場所=命の安全”を示すこの世界の常識。
静かな声に、妙なあたたかみがあった。
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