辺境伯の5女ですが 加護が『液体』なので ばれる前に逃げます。

サラ

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1. ミルクが出た。

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 生まれてすぐに乳母のお乳があまり出ない為、お腹が空いて指をしゃぶっていたら指先からミルクがでた。夢中でミルクを飲んでゲップをしたら前世を思い出した。

 夫とは仮面夫婦で長女の成人式の日に……何かがあってそのまま、多分その日に亡くなったのだろう。
 子供は二人、長男は25歳で長女は20歳。夫は……全然思いだせない。
 子供の顔は思いだせるのに、夫の事は心にないって事はまぁ、そういう事なのだろう。

 とりあえず今が大事として、指先からミルクが出るって嬉しい。どういう事だろう? とは思うけどほんとにありがたい。これまで、ずっとお腹を空かせていたけど、今はミルクのおかげで満腹だしぐっすり寝れそう。
 ふふっ、良かった~。

 良く寝て起きたら喉が渇いたので水が飲みたいから指をしゃぶってみた。親指からミルクが出たから人差し指にしてみたら指先から水が出てきた。私の指、ちょ~便利。
 そして自分のステータス、ひょっとしてあるんじゃないかとステータス、と強く強く念じたら出てきた。

 リーナ・アプリコット。
 0歳
 加護『液体』レベル1

 えっ……それだけ? 情報が少なすぎる。

 ……記憶が戻って2,3日で状況が少し分かってきた。この乳母、最低。自分の子供も連れ込んでいて、まず彼にお腹いっぱい飲ませてから私にお乳を与えるからお乳が足りない。

 乳母の子供、ギーガは大きい子で泣き声も大きい。
 比べて私は小さくて、泣き声も弱弱しかった。

「男の子と比べるとどうしてもお嬢様は小さく見えますから」

 なんて言って私のお世話は二の次にしている乳母。私が死んだら乳母の仕事も無くなるのにどうするつもりだったんだろう。時折やってくる侍女とおしゃべりしているのを聞いているとこの世界は加護がとても大切らしい。

「最近はおしっこの量が多くなったし、ウンチも結構出るわ。育ったせいかしら?」

 と頭をひねっている乳母に、それは私がお腹いっぱいミルクを飲めるようになったからだよ! と心の中で罵倒する。乳母以外はたまに侍女と母が見に来るだけでほとんど放っておかれている。

 離乳食になってもまずギーガが優先されるから、残り物がちょっとしかもらえない。キーガはすくすくと大きく育ち、いつも私のお玩具で遊んでいる。
 絵本も乳母はギーガに読んで聞かせているけど、私は放置。でも、トイレトレーニングだけは1歳過ぎたらすぐにされた。おかげで私は一人でトイレに行けるし、この世界は洗浄の魔法石があるから自分で体をきれいにできる。

 乳母は私のことは気にしないので、1歳過ぎてヨチヨチ歩けるようになったら夜中にこっそり厨房に行くことにした。ギーガの寝相が悪いので私はソファーで寝ている。

 乳母は隣の部屋でぐっすり寝ているから夜中にパンや果物を頂いている。パンをミルクに浸したりバナナを何とか皮を剥いて食べているけど、私の中身が大人でなくちゃ飢えて死んじゃうよ。飲み物は親指からミルク、人差し指からお水、中指からオレンジジュースが出てくる。オレンジジュースは生絞り。美味しいよ~。

 でも、加護はまだレベル1……早くレベルアップしたいけど、どうしていいのかわからない。
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