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第8章
第390話 変態令息になりそうな悪役令息②※
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(まずい……ここってたしか会場からよく見えるんだよね)
このバルコニーとパーティー会場の間には大きなガラス窓がある。ちらっとそちらを見てみると、皆は主役のクライスと、その横にいる僕をしっかり見ていた。
せっかく嫌がらせがなくなり変な噂をされなくなったのに、この状況で僕の僕が暴れたりしたら。今度は、あの変態令息……と後ろ指を差されること間違いなしだ。
(やばいよクライス、早くして)
しかしその心の叫びも虚しく、ピアス穴の位置はまだ決まらない。
「失敗してもいいから」
「キルナの綺麗な耳に穴を開けるんだから、失敗は許されない」
どうせ小さい穴だし、失敗しても気にしないのに。それにクライスだったら光魔法ですぐ治せるんじゃって思うのだけど、そうはいかないらしい。
「この辺か? いやもう少し右がいいか? ふぅ~、難しいな」
「んひゃぁあ」
耳にちょうどクライスの吐いた息がかかって、そこから腰へと刺激が伝わる。僕はもうダメだと悟って、彼にひしっと抱きついた。こうしていたら周りからは見えないはず。
「どうした?」
「く、クライス! お誕生日おめでと」
「ああ…ありがとう。なんだか今日はやけに積極的だな。もちろん嬉しいが」
喜ぶ彼の耳の近くに唇を寄せ、コソコソとこの危機的状況を伝える。
「あ…のね。実は…大変なことになっちゃってて……」
「大変なこと?」
「その…た…っちゃった…の」
「たった? 立つってまさか」
うわ~ん、何言ってんだこいつって感じだよね。死ぬほど恥ずかしい。彼に巻きつけた腕があまりの羞恥にプルプル震える。
クライスは、ちらりと僕の下半身に視線を向け、なるほど、と頷いた(さすがクライス。素晴らしい情報把握能力を持っている)。彼は僕の腰に腕を回して、密着したまま転移魔法の呪文を唱えた。
転移先は、見覚えのある豪華なお部屋。クライスの部屋のベッドの上だった。
「ごめん、パーティーの途中だったのに」
前もあのタイミング、あの場所で粗相した僕。王子様の誕生日パーティーを二連続で台無しにするなんて、いつまで経っても悪役を卒業できない自分にがっかりする。
「挨拶もダンスも終わっていたから問題ない。こうなったのは俺が触りすぎたせいだしな。ほら、脱がせてやる」
ルゥたちに着せられた、美しい金色の刺繍が入った黒いジャケットとズボンを脱がされ、最後にピンクの紐パンツ(なぜか今日はこれを履かされた)を脱がされると、ぴょんっと跳ねるように僕が飛び出す。んっぎゃああ恥ずかしいよおっ! と叫びそうになっていると、クライスの方がなぜか呻いた。
「ぐはっ」
「ど…したの?」
「いや、なんでも。待ってろ、俺も脱ぐから」
僕も彼も正装していたから、少し脱ぐのに時間がかかる。クライスが脱いでいる間に自分が脱いだものを畳みながら、ちょっとだけ冷静になった頭で考えた。
学園であんなことがあってから、僕たちはえっちをしていない。それまでは毎日のようにしてたのに。ご飯が食べられなくて、夜も疲れてすぐ寝てしまう僕に、きっと遠慮してくれてたんだろうなと思う。
(よし、今日はクライスの誕生日だし、頑張って奉仕しよう)
「ねぇ、ここに寝転んで」
「ん?」
「クライスのを舐めるから。最近シテないから、その、溜まってるでしょ?」
「待て。その前にお前のをなんとかしてやりたい」
「でも今日は僕がしたいよ」
それなら、ということで、師匠たちに教えてもらったすんごいポーズで舐め合いっこすることにした。
このバルコニーとパーティー会場の間には大きなガラス窓がある。ちらっとそちらを見てみると、皆は主役のクライスと、その横にいる僕をしっかり見ていた。
せっかく嫌がらせがなくなり変な噂をされなくなったのに、この状況で僕の僕が暴れたりしたら。今度は、あの変態令息……と後ろ指を差されること間違いなしだ。
(やばいよクライス、早くして)
しかしその心の叫びも虚しく、ピアス穴の位置はまだ決まらない。
「失敗してもいいから」
「キルナの綺麗な耳に穴を開けるんだから、失敗は許されない」
どうせ小さい穴だし、失敗しても気にしないのに。それにクライスだったら光魔法ですぐ治せるんじゃって思うのだけど、そうはいかないらしい。
「この辺か? いやもう少し右がいいか? ふぅ~、難しいな」
「んひゃぁあ」
耳にちょうどクライスの吐いた息がかかって、そこから腰へと刺激が伝わる。僕はもうダメだと悟って、彼にひしっと抱きついた。こうしていたら周りからは見えないはず。
「どうした?」
「く、クライス! お誕生日おめでと」
「ああ…ありがとう。なんだか今日はやけに積極的だな。もちろん嬉しいが」
喜ぶ彼の耳の近くに唇を寄せ、コソコソとこの危機的状況を伝える。
「あ…のね。実は…大変なことになっちゃってて……」
「大変なこと?」
「その…た…っちゃった…の」
「たった? 立つってまさか」
うわ~ん、何言ってんだこいつって感じだよね。死ぬほど恥ずかしい。彼に巻きつけた腕があまりの羞恥にプルプル震える。
クライスは、ちらりと僕の下半身に視線を向け、なるほど、と頷いた(さすがクライス。素晴らしい情報把握能力を持っている)。彼は僕の腰に腕を回して、密着したまま転移魔法の呪文を唱えた。
転移先は、見覚えのある豪華なお部屋。クライスの部屋のベッドの上だった。
「ごめん、パーティーの途中だったのに」
前もあのタイミング、あの場所で粗相した僕。王子様の誕生日パーティーを二連続で台無しにするなんて、いつまで経っても悪役を卒業できない自分にがっかりする。
「挨拶もダンスも終わっていたから問題ない。こうなったのは俺が触りすぎたせいだしな。ほら、脱がせてやる」
ルゥたちに着せられた、美しい金色の刺繍が入った黒いジャケットとズボンを脱がされ、最後にピンクの紐パンツ(なぜか今日はこれを履かされた)を脱がされると、ぴょんっと跳ねるように僕が飛び出す。んっぎゃああ恥ずかしいよおっ! と叫びそうになっていると、クライスの方がなぜか呻いた。
「ぐはっ」
「ど…したの?」
「いや、なんでも。待ってろ、俺も脱ぐから」
僕も彼も正装していたから、少し脱ぐのに時間がかかる。クライスが脱いでいる間に自分が脱いだものを畳みながら、ちょっとだけ冷静になった頭で考えた。
学園であんなことがあってから、僕たちはえっちをしていない。それまでは毎日のようにしてたのに。ご飯が食べられなくて、夜も疲れてすぐ寝てしまう僕に、きっと遠慮してくれてたんだろうなと思う。
(よし、今日はクライスの誕生日だし、頑張って奉仕しよう)
「ねぇ、ここに寝転んで」
「ん?」
「クライスのを舐めるから。最近シテないから、その、溜まってるでしょ?」
「待て。その前にお前のをなんとかしてやりたい」
「でも今日は僕がしたいよ」
それなら、ということで、師匠たちに教えてもらったすんごいポーズで舐め合いっこすることにした。
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