あなたを瞳にうつす

色無 音恋

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 待ち合わせの公園に着いた。
 と言っても、時間にはまだまだ余裕がある。
 智が来るまで何をしていようか?

 私は服のポケットにしまい込んだイヤホンを耳に付ける。

 スマホをひらき、自分の好きな曲を探し出した。
 履歴やお気に入りから見つけられる。
 好きな曲がたっくさんあるが為に、迷ってしまう。



「今日はこの気分かなぁ~。」


“Cherry Blossom”


 季節は春ではないが、この曲はなんか歌詞が好きで何回も聞いてしまう。

 歌っている人の声も、もちろん好みだ。



「~♪」


 目を閉じて、自分の中でイメージを膨らませる。
 心がじんわりと温かくなってくるのがわかる。


目を開けて、時計を見る。
 あともう少しだ。


 智は何を考えているのだろう?
 オシャレなんて、珍しい事を言うものだ。


「…智と出かけるだけなのに。」


 ワンピースってのはありなのだろか?
 お気に入りの白いワンピース。
 でも、たまには親友に褒められたい!


 って思ったからオシャレしたけど…ちょっと恥ずかしかったりする。


「早く来ないかなぁ~。」






「お待たせーーー!!!」

「あ!智~!!」


 智は息を切らせながら走ってやってきた。
 私は耳にしていたイヤホンを外す。
 しかし、顔はとても笑っていて疲れを感じてはいないようで…私にお茶のペットボトルを渡してきた。


「?…どうしたの、これ。」


「え?なんか、お茶の美味しさを一緒に感じてもらおうかなって思って。」


「なんの為に?」


「ん~………とくに理由はないかな?」


「ないんだね…。」


 智は突然だなぁ。
 そして…よく笑うし、泣くし、怒るし__。

 とっても魅力的な人。
 だから、彼氏さんにも愛されてる。
 愛し、愛される。


 ちょっと想像してしまった。

  私も…誰かと恋に落ちて、2人で並んで歩いて、色んな所にお出かけしたり___あぁ憧れる。


 恋ってどんな気持ちになるんだろう?



 智に聞いたら


『恋には色んな形があるんだよ。』


 って言ってた。


 気持ちを聞いてたのに“形”で答えてくるって_____それほど、恋とは表し難いようなモノなのだろうか?



「歩都里さ、すこーしだけ待ってくれない?」


「え?なんで?」


「いや、まぁー…うん。とにかく私と一緒にここで待って。」


「答えになってないよ。」


「ま、いいじゃない!」



 今日は何かあるのかな?


 何故だか心がザワついてきた。
 これから何かが起こるような、そんな不思議な感覚。
 まるで、そう_____緊張のような…。



「お待たせ。遅れてごめんね?」


「ううん!そんなに待ってないから大丈夫だよ?」


 智の前に男の人がやって来ていた。
 身長は高めで、ふわっとした茶色の髪。


「え?連さん?」


 そう呟くと、智の彼氏である連さんはこちらに笑顔を向けてきた。


「お!歩都里ちゃんは今日も可愛いねぇ~。」


「ちょっと!私には何かない訳?」


「え?いつも通りだなぁ。」


「はいー?」


 2人はいつものように痴話喧嘩みたいなことをしている。
 本当に仲のよろしいことで。


「っていうか、アイツは?」


「え?一緒じゃないの?」


「うん。」


「電話してきな。」


「はいはい、分かってますって。」


「連ってなにかとムカつくわー。」


『キャー!横暴!!』なんて茶化しながら私たちから離れてスマホを耳にあてていた。


「……どうゆうことかな?」


「んー……まぁ、こーゆー事?」


「と~も~?」


「はい、すみません。」


 取り敢えず、事情というものを聞くことにした。
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