4 / 11
4
しおりを挟む
「やっぱり、ポップコーンはキャラメル味だよ!」
「いーや、バター醤油だよ。甘いキャラメル味より塩っぱさが断然一番。」
「はぁ?甘いキャラメルが一番だし!」
「バター醤油だね。」
2人の争いを目の前にして、私たちは座っている。
上映時間までまだ時間があるため、ポップコーンとドリンク、チュロス等を買ったのだけど…。
「喧カップルだな。」
「…。」
直登くんがそんな言葉を知っていることに私は今驚いてるよ。
“喧カップル”なんて使うんだね。
はじめて知ったよ。
「それ、美味い?」
「ポップコーン?キャラメル味だけど、食べる?」
「あぁ、一つだけ貰う。」
ポップコーンをひとつ掴むと、直登くんはポイッと口の中へ放り込んだ。
「美味いな。」
「うん。私、キャラメルが一番好きなんだよね~。」
「そうか。」
「「…。」」
話すことも無くなってしまい、しばらく2人で静かに座っていた。
目の前で喧嘩を繰り広げていた2人はどこかに行ったみたいで、私たちだけポツンと取り残されたように感じられる。
不思議と、この無言の時間が辛くはなかった。
落ち着く、という訳では無いけども…ただ普通だった。
学校でも、こんな風に話せたらいいのに…。
直登くんがモテるのは何となくわかる。
クラスメイトが「カッコイイ」とか「イケメン」とか話してるところを何回か聞いたことがある。
あと、告白されたっていうのも。
王子様、に見えるんだろうね。
確かに、直登くんはカッコイイ。
カッコイイけど、なんか掴めない。
とても不思議な人。
憧れとかはないけど、なんとなく仲良くなりたかった。
「もうそろそろしたら行こう。アイツ達のことは放っておいて。」
「う、うん。」
急に現実へと引き戻される。
いつまで経っても2人は帰ってこなかった___。
…ってのは冗談。
あの後2人はきちんと帰ってきて、まだ痴話喧嘩をしていた。
喧嘩するほどなんとやら、ってことかな?
「この席だ。」
「歩都里は私の右においで!」
「うん。」
「じゃあ、左は俺ね?」
「歩都里さんの右は俺、な。」
直登くん、私、智、連さんの順番に席へ腰を下ろす。
「どんな話かな?ちょっとワクワクしてきちゃった!」
「智ってこうゆうの見るんだね?」
「見るよー?歩都里の中では私のイメージってどうなってんのよ…。」
「うーん。…恋愛脳68パーセント、かな?」
「えー。数値がビミョー。」
映画が始まるまで他愛ない話で盛り上がる。
直登くんは静かに映画が始まるのを待っていた。
連さんはと言うと…腕を組んで寝る姿勢をとっていた。
___寝るき満々だね。
見る予定の映画はアニメなんだけれど、アクション系で時々に推理要素も入っているものを選んだ。
前作の映画もなかなか見応えがあった。
なので、このいい機会を逃すのも惜しいと思い提案させて頂いた。
「…フフっ!楽しみ。」
観るのが楽しみすぎてワクワクしてしまう。
ネットでエンディング曲を聞いたけど、あの歌詞はとても良かった。
激しくはなくゆっくりとした曲調。
そんな曲が私は好き。
「そんなに見たかったの?」
智はポップコーンをながら片手にこちらをみた。
モリモリと頬張る姿はまるで____
「リスみたい。」
と、私が言うまでもなく寝ていると思っていた連さんが揶揄うような顔をして呟いていた。
「キャラメルは美味しいから仕方がない。」
智は真顔で言い切った。
「確かに、キャラメルは美味しいと思う。」
私もそれには同調する。
バター醤油だって美味しいと思うけど、一番はキャラメルだね。
譲れない思い~。
「俺も、……キャラメルが一番だと…思う。」
「だよね!」と親友は満面の笑みを浮かべた。
私も直登くんがそう言ってくれて、ほのかに嬉しくなる。
直登くんも、キャラメルが好きなんだ。
また一つ、彼のことを知れた気がする。
よくよく考えてみると、私は直登くんの事をよく知らない。
クラスで見かける時とはちょっと違って、雰囲気が柔らかい。
ふと、隣の彼に視線を向ける。
すると…直登くんは私を見つめるとふわりと微笑み、視線を前に移した。
こんな表情するんだ…。
初めて見る姿に、私は頬が赤くなる感覚を静かに感じていた。
「いーや、バター醤油だよ。甘いキャラメル味より塩っぱさが断然一番。」
「はぁ?甘いキャラメルが一番だし!」
「バター醤油だね。」
2人の争いを目の前にして、私たちは座っている。
上映時間までまだ時間があるため、ポップコーンとドリンク、チュロス等を買ったのだけど…。
「喧カップルだな。」
「…。」
直登くんがそんな言葉を知っていることに私は今驚いてるよ。
“喧カップル”なんて使うんだね。
はじめて知ったよ。
「それ、美味い?」
「ポップコーン?キャラメル味だけど、食べる?」
「あぁ、一つだけ貰う。」
ポップコーンをひとつ掴むと、直登くんはポイッと口の中へ放り込んだ。
「美味いな。」
「うん。私、キャラメルが一番好きなんだよね~。」
「そうか。」
「「…。」」
話すことも無くなってしまい、しばらく2人で静かに座っていた。
目の前で喧嘩を繰り広げていた2人はどこかに行ったみたいで、私たちだけポツンと取り残されたように感じられる。
不思議と、この無言の時間が辛くはなかった。
落ち着く、という訳では無いけども…ただ普通だった。
学校でも、こんな風に話せたらいいのに…。
直登くんがモテるのは何となくわかる。
クラスメイトが「カッコイイ」とか「イケメン」とか話してるところを何回か聞いたことがある。
あと、告白されたっていうのも。
王子様、に見えるんだろうね。
確かに、直登くんはカッコイイ。
カッコイイけど、なんか掴めない。
とても不思議な人。
憧れとかはないけど、なんとなく仲良くなりたかった。
「もうそろそろしたら行こう。アイツ達のことは放っておいて。」
「う、うん。」
急に現実へと引き戻される。
いつまで経っても2人は帰ってこなかった___。
…ってのは冗談。
あの後2人はきちんと帰ってきて、まだ痴話喧嘩をしていた。
喧嘩するほどなんとやら、ってことかな?
「この席だ。」
「歩都里は私の右においで!」
「うん。」
「じゃあ、左は俺ね?」
「歩都里さんの右は俺、な。」
直登くん、私、智、連さんの順番に席へ腰を下ろす。
「どんな話かな?ちょっとワクワクしてきちゃった!」
「智ってこうゆうの見るんだね?」
「見るよー?歩都里の中では私のイメージってどうなってんのよ…。」
「うーん。…恋愛脳68パーセント、かな?」
「えー。数値がビミョー。」
映画が始まるまで他愛ない話で盛り上がる。
直登くんは静かに映画が始まるのを待っていた。
連さんはと言うと…腕を組んで寝る姿勢をとっていた。
___寝るき満々だね。
見る予定の映画はアニメなんだけれど、アクション系で時々に推理要素も入っているものを選んだ。
前作の映画もなかなか見応えがあった。
なので、このいい機会を逃すのも惜しいと思い提案させて頂いた。
「…フフっ!楽しみ。」
観るのが楽しみすぎてワクワクしてしまう。
ネットでエンディング曲を聞いたけど、あの歌詞はとても良かった。
激しくはなくゆっくりとした曲調。
そんな曲が私は好き。
「そんなに見たかったの?」
智はポップコーンをながら片手にこちらをみた。
モリモリと頬張る姿はまるで____
「リスみたい。」
と、私が言うまでもなく寝ていると思っていた連さんが揶揄うような顔をして呟いていた。
「キャラメルは美味しいから仕方がない。」
智は真顔で言い切った。
「確かに、キャラメルは美味しいと思う。」
私もそれには同調する。
バター醤油だって美味しいと思うけど、一番はキャラメルだね。
譲れない思い~。
「俺も、……キャラメルが一番だと…思う。」
「だよね!」と親友は満面の笑みを浮かべた。
私も直登くんがそう言ってくれて、ほのかに嬉しくなる。
直登くんも、キャラメルが好きなんだ。
また一つ、彼のことを知れた気がする。
よくよく考えてみると、私は直登くんの事をよく知らない。
クラスで見かける時とはちょっと違って、雰囲気が柔らかい。
ふと、隣の彼に視線を向ける。
すると…直登くんは私を見つめるとふわりと微笑み、視線を前に移した。
こんな表情するんだ…。
初めて見る姿に、私は頬が赤くなる感覚を静かに感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる