14 / 17
第14話 届いた声、ざわめく心
しおりを挟む
夜の配信部屋。デスクの上には温かい紅茶の湯気が立ちのぼり、モニターの光だけが淡く部屋を照らしている。私はマイクの位置を少しだけ整え、深く息を吸ってから、いつものように配信ソフトの開始ボタンを押した。
「こんばんは、姫宮みことです。今日も来てくれてありがとう」
開幕のあいさつと同時に、コメント欄が一斉に流れはじめる。
〈待ってた!〉
〈今日も声がいい〉
〈通知きて即飛んできた〉
いつもと変わらない、温かなざわめき。その光景を見るたびに、胸の奥が少しだけ熱くなる。三ヶ月前、誰にも相手にされなかった人間が、今は二十万人もの視聴者に見守られている――そう思うと、現実感がまだ追いつかない。
「今日はね、のんびり歌枠をやろうかなって思ってる。最近ボイトレも頑張ってるし、成果が出てるか……ちょっとだけ、みんなの前で確かめたいんだ」
私は笑いながらそう言い、軽く喉を鳴らして発声を確かめた。コメント欄には〈楽しみ!〉〈ボイトレ成果枠助かる〉といった文字が流れている。
その瞬間、通知音が一つ、控えめに鳴った。
画面の端に、小さくポップアップが浮かび上がる。
〈幸空《さちそら》〉――そう名前の表示だった。
「あれ……?」と、私は目を瞬かせる。
個人勢のライバーの一人で、主に弾き語り配信をしている女性。素朴で温かな歌声が印象的で、以前から名前だけは知っていた。
彼女から、突然のコラボ申請メッセージが届いている。
「えっと……え? 私に……コラボのお誘い……?」
つい独り言が口から漏れた。コメント欄がざわつきはじめる。
〈誰誰?〉
〈幸空さん!?〉
〈やばい、熱いカードじゃん〉
私は一度マイクをミュートにし、メッセージを開く。そこには丁寧な文章が並んでいた。
《突然のご連絡すみません。姫宮みことさんの歌配信、ずっと拝見していました。もしご迷惑でなければ、明日の夜に歌コラボをご一緒できないでしょうか》
胸の奥が温かくなる。
俺は、ゆっくりと返信文を入力した。
《こちらこそ、お声がけありがとうございます。ぜひ、ご一緒させてください》
送信ボタンを押した直後、俺はマイクをオンに戻し、小さく笑う。
「……えっと、みんな。ただいま、とても嬉しいお誘いをいただきました。明日の夜、幸と空さんと歌のコラボをすることになりました」
コメントが爆発する。
〈神コラボ確定〉
〈絶対観る〉
〈保存用・視聴用・布教用〉
俺は、その勢いに飲まれながらも、胸の奥で静かに決意を固める。
もっと成長しなければ。もっと、胸を張って歌えるように。
翌日。
約束の時間、私は配信画面を立ち上げ、幸と空と通話を繋いだ。彼女の声は噂どおり柔らかく、しかし芯のある音色をしていた。
「今日はよろしくお願いします、姫宮さん」
「こちらこそ……よろしくお願いします。私、こういうコラボはまだ慣れてないので……少し緊張してます」
「大丈夫ですよ。楽しみましょう」
深く息を吸い、一曲目のイントロが流れる。ハーモニーが混ざり合い、互いの声が自然に溶けていく。
歌いながら思った。
――三ヶ月前の自分には、想像もできなかった未来だ。
コラボは終始、穏やかで温かい雰囲気のまま進んだ。最後の挨拶を終え、配信が切れた瞬間、俺はイスの背もたれに体を預ける。
「……ふう。楽しかった」
心地よい疲労感。
喉の奥に、ほんの少しだけ、甘い痛みが残っている。
歯を磨こうか、それとも先にシャワーを浴びようか――そんなことを考えながらスマホを手に取った瞬間、通知が一つ届いた。
差出人の名前を見て、私は小さく目を見開く。
《ニシカワ・ほたる》
メールを開く。そこには、短い文章が並んでいた。
《さっきのコラボ、観てました。とても素敵でした。……可愛らしい声の人とコラボできて良かったですね!!!?》
私はしばらく、言葉を失った。
胸の奥に、小さく温かく、それでいて少しだけ苦い感情が芽生える。
「……嫉妬、いやまさかな」
口から、独り言がこぼれ落ちた。
スマホの画面に映る短い文章を見つめながら、いつまでも返事を打てずにいた。
◇◇◇
翌日から、俺のスマートフォンは落ち着く暇を失ったかのように震え続けていた。コラボ配信の余韻がまだ胸の奥に残っているというのに、通知の山は遠慮という言葉を知らない。
差出人の一覧には、見覚えのある名前がずらりと並んでいる。歌枠中心のライバー、ゲーム実況メインのライバー、ひたすら雑談ばかりしているライバー、そして――夜中に大人向けのトークで固定ファンを集めている、いわゆる猥談系の配信者まで。
《機会があればぜひ歌でコラボを》
《FPS一緒にやりませんか?》
《深夜雑談、声相性いいと思うんですよね》
《台本なしで下ネタトークしません?伸びますよ絶対》
俺はしばらく無言で画面を見つめ、肩の力を抜いてため息をついた。
「……すごいな。たった一回のコラボでここまで来るのか」
喜びよりも、むしろ戸惑いが勝っていた。
さらにメッセージ一覧をスクロールすると、明らかに毛色の違うアイコンが目に入る。
大手事務所所属の人気ライバー。その名は、最近よくトレンド入りしている人物だった。
《以前から拝見していました。もしご都合よければ、軽い雑談コラボからでもご一緒したいです》
俺は眉を寄せる。
丁寧で、礼儀正しい文章。だが、そこには「期待」と同時に「重圧」の影も透けて見える気がした。
全てのメッセージにひとまず目を通し、机にスマホを置く。
しばらく考えた末、私は静かに首を横に振った。
「……まだ当分は、ひとりでいい」
今の俺には、背伸びしすぎる必要はない。
焦って世界を広げるより、まずは足元を固めたい。
そう自分に言い聞かせた瞬間、再びスマホが震えた。
新着メール。差出人は――
母。
胸の奥が、嫌な予感とともにきしむ。
開く前から、内容がろくでもないことは想像できた。
《これ、アンタでしょ?》
短い文章の下に、スクリーンショットが添付されている。
配信アーカイブのサムネイル。
画面中央に映るのは――姫宮みこと。
私は、しばらく息をするのを忘れていた。
「……やっぱり、バレたか」
覚悟していた未来が、ついに追いついてきたのだ。
追撃のように、次のメールが届く。
《年金じゃ足りないのよ。アンタ今稼いでるんでしょ? 親孝行するのが子どもの勤め。少しくらい援助してよ》
文章の端々に滲む、昔から変わらない調子。優しさのかけらもない、しかし本人にはその自覚がないタイプの物言い。
俺は、額を指で押さえながら小さく息を吐いた。
「……変わってないな、ほんと」
思い返せば、子どもの頃からこうだった。
何かにつけて「親だから」「育ててやったから」と口にし、当然のように要求を積み重ねてくる人。
嫌悪と諦めが入り混じった感情が胸に渦巻く。
だが同時に、心のどこかで不思議な静けさも広がっていた。
「一度……顔を出しておくか」
逃げてばかりでは、きっと後でまた面倒になる。ならば今のうちに、けじめをつけた方がいい。
立ち上がり、クローゼットから黒いジャケットを取り出した。
鏡越しに自分の顔を見る。
少し痩せ、少し強くなった表情が映っている。
マイクの前で「私」として話す声ではなく――
一人の人間としての、素の声で呟いた。
「……行くか。実家へ」
静かな決意が胸に落ちていくのを、私ははっきりと感じていた。
「こんばんは、姫宮みことです。今日も来てくれてありがとう」
開幕のあいさつと同時に、コメント欄が一斉に流れはじめる。
〈待ってた!〉
〈今日も声がいい〉
〈通知きて即飛んできた〉
いつもと変わらない、温かなざわめき。その光景を見るたびに、胸の奥が少しだけ熱くなる。三ヶ月前、誰にも相手にされなかった人間が、今は二十万人もの視聴者に見守られている――そう思うと、現実感がまだ追いつかない。
「今日はね、のんびり歌枠をやろうかなって思ってる。最近ボイトレも頑張ってるし、成果が出てるか……ちょっとだけ、みんなの前で確かめたいんだ」
私は笑いながらそう言い、軽く喉を鳴らして発声を確かめた。コメント欄には〈楽しみ!〉〈ボイトレ成果枠助かる〉といった文字が流れている。
その瞬間、通知音が一つ、控えめに鳴った。
画面の端に、小さくポップアップが浮かび上がる。
〈幸空《さちそら》〉――そう名前の表示だった。
「あれ……?」と、私は目を瞬かせる。
個人勢のライバーの一人で、主に弾き語り配信をしている女性。素朴で温かな歌声が印象的で、以前から名前だけは知っていた。
彼女から、突然のコラボ申請メッセージが届いている。
「えっと……え? 私に……コラボのお誘い……?」
つい独り言が口から漏れた。コメント欄がざわつきはじめる。
〈誰誰?〉
〈幸空さん!?〉
〈やばい、熱いカードじゃん〉
私は一度マイクをミュートにし、メッセージを開く。そこには丁寧な文章が並んでいた。
《突然のご連絡すみません。姫宮みことさんの歌配信、ずっと拝見していました。もしご迷惑でなければ、明日の夜に歌コラボをご一緒できないでしょうか》
胸の奥が温かくなる。
俺は、ゆっくりと返信文を入力した。
《こちらこそ、お声がけありがとうございます。ぜひ、ご一緒させてください》
送信ボタンを押した直後、俺はマイクをオンに戻し、小さく笑う。
「……えっと、みんな。ただいま、とても嬉しいお誘いをいただきました。明日の夜、幸と空さんと歌のコラボをすることになりました」
コメントが爆発する。
〈神コラボ確定〉
〈絶対観る〉
〈保存用・視聴用・布教用〉
俺は、その勢いに飲まれながらも、胸の奥で静かに決意を固める。
もっと成長しなければ。もっと、胸を張って歌えるように。
翌日。
約束の時間、私は配信画面を立ち上げ、幸と空と通話を繋いだ。彼女の声は噂どおり柔らかく、しかし芯のある音色をしていた。
「今日はよろしくお願いします、姫宮さん」
「こちらこそ……よろしくお願いします。私、こういうコラボはまだ慣れてないので……少し緊張してます」
「大丈夫ですよ。楽しみましょう」
深く息を吸い、一曲目のイントロが流れる。ハーモニーが混ざり合い、互いの声が自然に溶けていく。
歌いながら思った。
――三ヶ月前の自分には、想像もできなかった未来だ。
コラボは終始、穏やかで温かい雰囲気のまま進んだ。最後の挨拶を終え、配信が切れた瞬間、俺はイスの背もたれに体を預ける。
「……ふう。楽しかった」
心地よい疲労感。
喉の奥に、ほんの少しだけ、甘い痛みが残っている。
歯を磨こうか、それとも先にシャワーを浴びようか――そんなことを考えながらスマホを手に取った瞬間、通知が一つ届いた。
差出人の名前を見て、私は小さく目を見開く。
《ニシカワ・ほたる》
メールを開く。そこには、短い文章が並んでいた。
《さっきのコラボ、観てました。とても素敵でした。……可愛らしい声の人とコラボできて良かったですね!!!?》
私はしばらく、言葉を失った。
胸の奥に、小さく温かく、それでいて少しだけ苦い感情が芽生える。
「……嫉妬、いやまさかな」
口から、独り言がこぼれ落ちた。
スマホの画面に映る短い文章を見つめながら、いつまでも返事を打てずにいた。
◇◇◇
翌日から、俺のスマートフォンは落ち着く暇を失ったかのように震え続けていた。コラボ配信の余韻がまだ胸の奥に残っているというのに、通知の山は遠慮という言葉を知らない。
差出人の一覧には、見覚えのある名前がずらりと並んでいる。歌枠中心のライバー、ゲーム実況メインのライバー、ひたすら雑談ばかりしているライバー、そして――夜中に大人向けのトークで固定ファンを集めている、いわゆる猥談系の配信者まで。
《機会があればぜひ歌でコラボを》
《FPS一緒にやりませんか?》
《深夜雑談、声相性いいと思うんですよね》
《台本なしで下ネタトークしません?伸びますよ絶対》
俺はしばらく無言で画面を見つめ、肩の力を抜いてため息をついた。
「……すごいな。たった一回のコラボでここまで来るのか」
喜びよりも、むしろ戸惑いが勝っていた。
さらにメッセージ一覧をスクロールすると、明らかに毛色の違うアイコンが目に入る。
大手事務所所属の人気ライバー。その名は、最近よくトレンド入りしている人物だった。
《以前から拝見していました。もしご都合よければ、軽い雑談コラボからでもご一緒したいです》
俺は眉を寄せる。
丁寧で、礼儀正しい文章。だが、そこには「期待」と同時に「重圧」の影も透けて見える気がした。
全てのメッセージにひとまず目を通し、机にスマホを置く。
しばらく考えた末、私は静かに首を横に振った。
「……まだ当分は、ひとりでいい」
今の俺には、背伸びしすぎる必要はない。
焦って世界を広げるより、まずは足元を固めたい。
そう自分に言い聞かせた瞬間、再びスマホが震えた。
新着メール。差出人は――
母。
胸の奥が、嫌な予感とともにきしむ。
開く前から、内容がろくでもないことは想像できた。
《これ、アンタでしょ?》
短い文章の下に、スクリーンショットが添付されている。
配信アーカイブのサムネイル。
画面中央に映るのは――姫宮みこと。
私は、しばらく息をするのを忘れていた。
「……やっぱり、バレたか」
覚悟していた未来が、ついに追いついてきたのだ。
追撃のように、次のメールが届く。
《年金じゃ足りないのよ。アンタ今稼いでるんでしょ? 親孝行するのが子どもの勤め。少しくらい援助してよ》
文章の端々に滲む、昔から変わらない調子。優しさのかけらもない、しかし本人にはその自覚がないタイプの物言い。
俺は、額を指で押さえながら小さく息を吐いた。
「……変わってないな、ほんと」
思い返せば、子どもの頃からこうだった。
何かにつけて「親だから」「育ててやったから」と口にし、当然のように要求を積み重ねてくる人。
嫌悪と諦めが入り混じった感情が胸に渦巻く。
だが同時に、心のどこかで不思議な静けさも広がっていた。
「一度……顔を出しておくか」
逃げてばかりでは、きっと後でまた面倒になる。ならば今のうちに、けじめをつけた方がいい。
立ち上がり、クローゼットから黒いジャケットを取り出した。
鏡越しに自分の顔を見る。
少し痩せ、少し強くなった表情が映っている。
マイクの前で「私」として話す声ではなく――
一人の人間としての、素の声で呟いた。
「……行くか。実家へ」
静かな決意が胸に落ちていくのを、私ははっきりと感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
僕が諦めた初恋の彼女は、偽ヒーローに身も心も捧げた後、全てを失ってから本当のヒーローが僕だったと知ったらしい
ledled
恋愛
高校二年生の水無月湊は、同じ図書委員の学年一の美少女・白鷺院麗華への恋を、戦う前に諦めた。
彼女には、心の底から焦がれる「ヒーロー」がいると知ってしまったからだ。
失恋の痛みを噛み締める湊の耳に、麗華がクラスのチャラ男と付き合い始めたという噂が届く。彼女は、その男こそが探し続けたヒーローだと信じきっていた。
だが湊は知らない。彼女が神格化するヒーローが、過去の記憶すらない自分自身だったことを。
そして麗華もまだ知らない。偽りの愛に全てを捧げた先に待つ絶望と、真実を知った時にはもう何もかもが手遅れだということを。
これは、残酷なすれ違いから始まる、後悔と再生のラブストーリー。
※この小説は生成AIを活用して執筆しています。内容は人による監修・編集済みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる