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第15話 柔よく剛を制す
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長野の実家までは、高速バスでおよそ四時間ほどかかる。
車窓に映る山の稜線と、まだ冬の名残を引きずる灰色の雲を眺めながら、俺は胸の奥に渦巻く重たい感情を持て余していた。バス特有の低いうなりが身体の芯にまで染み込んでくる。眠れそうで眠れない、気持ちの悪い揺れだ。
母からのメールを読み返す気にはならなかった。あの文章は、もう頭に焼き付いている。
「親孝行」
「年金じゃ足りない」
「アンタでしょ?」
昔から変わらない響き。俺がいくつになっても、母の中では「使える駒の一つ」にしかならないのだろう。
それでも、今回帰ろうと決めたのは、母のためではない。
一つは――父のお見舞いだ。
父は昔から病弱で、何かにつけて入退院を繰り返していた。
頼り甲斐がある人間だったかと問われれば、正直、答えに窮する。強く引っ張るタイプではなかった。仕事も決してできる人ではなく、給料も低かった。それでも、俺に対してだけは、不思議なくらい優しく、そして理解のある父だった。
怒鳴られた記憶は一度もない。
「無理するなよ」
「お前のペースでいい」
そんな言葉を、何度となく繰り返してくれた。
俺が東京へ出ると決めたときも、母が反対して声を荒らげたのに対し、父は静かに背中を押してくれた。
「行ってこい。戻りたくなったら、その時は戻ればいいさ」
今になって思えば、あれが唯一の「父らしい大きな決断」だったのかもしれない。
バスはやがて長いトンネルを抜け、見慣れた山並みの町が視界に広がる。
胸の奥から、懐かしさと居心地の悪さが同時にこみ上げてくる。この感覚は、子どもの頃から何も変わっていない。
停留所に降り立ち、冷たい空気を胸いっぱいに吸い込む。
人通りは少なく、商店街は半分以上がシャッターを降ろしていた。時間だけが前へ進み、町は置いていかれているように見える。
実家までは徒歩十五分ほどだ。
歩くたび、アスファルトの割れ目から顔を出した雑草が視界の端をかすめ、幼い頃の記憶が断片的に蘇る。夏の日、蝉の声、汗臭いランドセル、夕飯の匂い――それらは決して不幸ではなかったはずなのに、胸の奥はどうしてか重く沈んだままだ。
古びた二階建ての家が見えてくる。外壁はところどころ色褪せ、軒下の木材は雨に削られていた。インターホンを押す前に、俺はひとつ深く息を吐いた。
玄関の扉が開き、母が顔を出した。
目元のしわは増え、髪も白くなっていたが、表情だけは昔のままだ。
「……あら、来たの」
歓迎の響きは、微塵も感じられない。
「ただいま」
口の中に、乾いた味が広がる。
靴を脱いで上がると、すぐに母の小言が始まった。
テレビの音が大きすぎる狭い居間で、俺は対面の座卓に腰を下ろす。
「で、アンタ、本当にあの“姫宮みこと”なの?」
「……ああ。そうだよ」
俺は淡々と答え、これまでの経緯をできるだけ簡潔に説明した。失職、離婚、配信、登録者の増加――どれも俺にとっては長い時間だったが、母は途中から興味を失ったように、片手でリモコンをいじりながら聞き流している。
「要するに、今は稼いでるってわけね」
口元だけが、いやらしく歪んだ。
「稼いでるかどうかは……まあ、生活できてるって程度だ」
「だったら仕送りできるでしょ? 母さんも年寄りなんだから」
ため息が喉まで込み上げたが、俺は飲み込んだ。
「今回は顔を出しに来ただけだ。金の話はしない」
「親に冷たい子だねえ。父さんも聞いたら悲しむよ」
その名前が出た瞬間、俺は顔を上げた。
「父さん……今、どこに?」
「ああ、あの人なら入院中よ。ほら、また調子崩してね。鳳麟総合病院。町で一番大きいところ」
俺は立ち上がり、コートを手に取った。
「見舞いに行ってくる」
「勝手にすれば? あ、帰りに買い物してきてよ」
投げられた言葉は、昔と何も変わらなかった。
外に出ると、病院へ向かう坂道を登る足取りは自然と早くなる。
白い建物が近づくにつれ、胸の鼓動も強くなった。
受付で病棟と部屋番号を確認し、エレベーターに乗る。
消毒液の匂いと機械的な館内放送。淡々とした音の連続が、時間の感覚を狂わせる。
指定された病室の前に立ち、ノックをしてそっと扉を開けた。
ベッドの上に横たわる父の姿が目に入る。
痩せ細った肩、色の薄い唇、酸素を取り込むための機器。
それでも、その目は昔と同じ、やわらかい光を宿していた。
俺の顔を見るなり、父はゆっくりと口角を上げた。
「……おお。来たか」
かすれた声だったが、確かに温かかった。
ベッドの近くに椅子を引き寄せ、腰を下ろす。
「久しぶり」
「久しぶりやなあ……」
しばし沈黙が降りた。
その静けさを破ったのは、父の苦笑混じりの一言だった。
「母さんが……また、何か言ったんか?」
胸の奥が、きゅっと締め付けられる。
やっぱり、この人は――何も言わなくても、全部わかっているのだ。
◇◇
父は枕元の小さなテーブルに置かれた水を一口含み、喉を鳴らしてから俺をまっすぐ見た。
細くなった指先がシーツを軽くつまむ。その仕草ひとつひとつが、以前よりずっと弱々しい。
「で、どうや。仕事の方は……いや、もう仕事って言わんのか。あれやろ、配信ってやつ」
「ああ。まあ、なんとかやってるよ」
俺が苦笑混じりに答えると、父は目を細めた。
「母さんから聞いたで。“Vチューバー”やったか? 父さんにはよう分からん世界やが……有名人になったもんやな」
「有名人なんて、そんな立派なもんじゃないさ」
「ええやないか。誰かに楽しみを与えとるんなら、それで充分や」
その一言に、胸の奥がじんと熱くなる。
父は昔からそうだった。内容が分からなくても、俺のやることを否定しない。ただ「お前が選んだなら」と、静かに受け止めてくれる。
「入院費のことなんだけどさ」
言いながら、ポケットの中で指先が強張った。
父はすぐに気づいたように、眉を寄せた。
「いらん」
「まだ何も言ってないだろ」
「言わんでも分かるわ。金のことやろ。心配するな。保険もあるし、この歳になりゃ補助も出る。父さんは大丈夫や」
言葉は柔らかいが、その声にはいつになく強い響きがあった。
「でも――」
「ええから」
父は小さく息を吐き、苦笑を浮かべた。
「お前はお前の人生をやっとる途中や。足引っ張るような真似、父さんはしたない。金のことで来たなんて、そんな顔させたくないんや」
不意に視界が滲む。
情けないほど胸が締め付けられる。
「……ありがとう」
「礼を言うのは、こっちや」
父は天井を見上げ、少しだけ目を閉じた。
「母さんのことはな、父さんが言うてみる。昔から強情やけど……まあ、あの人も不安なんやろ。自分だけ取り残されるみたいで」
「……あいつの口から“俺の心配”なんて聞いたことないけどな」
「はは、そうやろな」
ふっと弱い笑いがこぼれる。
「でも、父さんからちゃんと話す。お前はもう子どもやないって。勝手に縋りつくなって。少しはスッとするやろ」
「無理するなよ。母さんとケンカして悪化したら意味ないからな」
「分かっとる、ほどほどにな」
父は軽く咳をし、再び俺に視線を戻した。
「来月には退院できそうや。医者も“経過は悪くない”言うとった。そしたら……また来てくれるか」
「ああ、もちろん」
「その時や。どっか、うまいもんでも食わせてくれ。回らん寿司は緊張するで、ファミレスぐらいがええな」
「なんだよ、もっと欲張っていいのに」
「欲張るのは母さんに任せとる」
俺は思わず吹き出した。
父もつられるように笑い、しわだらけの目元がやさしく崩れる。
「……楽しみにしとるぞ」
「ああ。約束だ」
その瞬間、胸の奥に小さな灯りが灯った気がした。
ここに来て良かった――心から、そう思えた。
病室の時計の針が静かに進む音だけが、ゆるやかに流れていた。
窓の外の空は、僅かに夕暮れの色を帯びはじめている。
俺と父は、それをただ並んで眺めながら、もう一度だけ笑い合った。
車窓に映る山の稜線と、まだ冬の名残を引きずる灰色の雲を眺めながら、俺は胸の奥に渦巻く重たい感情を持て余していた。バス特有の低いうなりが身体の芯にまで染み込んでくる。眠れそうで眠れない、気持ちの悪い揺れだ。
母からのメールを読み返す気にはならなかった。あの文章は、もう頭に焼き付いている。
「親孝行」
「年金じゃ足りない」
「アンタでしょ?」
昔から変わらない響き。俺がいくつになっても、母の中では「使える駒の一つ」にしかならないのだろう。
それでも、今回帰ろうと決めたのは、母のためではない。
一つは――父のお見舞いだ。
父は昔から病弱で、何かにつけて入退院を繰り返していた。
頼り甲斐がある人間だったかと問われれば、正直、答えに窮する。強く引っ張るタイプではなかった。仕事も決してできる人ではなく、給料も低かった。それでも、俺に対してだけは、不思議なくらい優しく、そして理解のある父だった。
怒鳴られた記憶は一度もない。
「無理するなよ」
「お前のペースでいい」
そんな言葉を、何度となく繰り返してくれた。
俺が東京へ出ると決めたときも、母が反対して声を荒らげたのに対し、父は静かに背中を押してくれた。
「行ってこい。戻りたくなったら、その時は戻ればいいさ」
今になって思えば、あれが唯一の「父らしい大きな決断」だったのかもしれない。
バスはやがて長いトンネルを抜け、見慣れた山並みの町が視界に広がる。
胸の奥から、懐かしさと居心地の悪さが同時にこみ上げてくる。この感覚は、子どもの頃から何も変わっていない。
停留所に降り立ち、冷たい空気を胸いっぱいに吸い込む。
人通りは少なく、商店街は半分以上がシャッターを降ろしていた。時間だけが前へ進み、町は置いていかれているように見える。
実家までは徒歩十五分ほどだ。
歩くたび、アスファルトの割れ目から顔を出した雑草が視界の端をかすめ、幼い頃の記憶が断片的に蘇る。夏の日、蝉の声、汗臭いランドセル、夕飯の匂い――それらは決して不幸ではなかったはずなのに、胸の奥はどうしてか重く沈んだままだ。
古びた二階建ての家が見えてくる。外壁はところどころ色褪せ、軒下の木材は雨に削られていた。インターホンを押す前に、俺はひとつ深く息を吐いた。
玄関の扉が開き、母が顔を出した。
目元のしわは増え、髪も白くなっていたが、表情だけは昔のままだ。
「……あら、来たの」
歓迎の響きは、微塵も感じられない。
「ただいま」
口の中に、乾いた味が広がる。
靴を脱いで上がると、すぐに母の小言が始まった。
テレビの音が大きすぎる狭い居間で、俺は対面の座卓に腰を下ろす。
「で、アンタ、本当にあの“姫宮みこと”なの?」
「……ああ。そうだよ」
俺は淡々と答え、これまでの経緯をできるだけ簡潔に説明した。失職、離婚、配信、登録者の増加――どれも俺にとっては長い時間だったが、母は途中から興味を失ったように、片手でリモコンをいじりながら聞き流している。
「要するに、今は稼いでるってわけね」
口元だけが、いやらしく歪んだ。
「稼いでるかどうかは……まあ、生活できてるって程度だ」
「だったら仕送りできるでしょ? 母さんも年寄りなんだから」
ため息が喉まで込み上げたが、俺は飲み込んだ。
「今回は顔を出しに来ただけだ。金の話はしない」
「親に冷たい子だねえ。父さんも聞いたら悲しむよ」
その名前が出た瞬間、俺は顔を上げた。
「父さん……今、どこに?」
「ああ、あの人なら入院中よ。ほら、また調子崩してね。鳳麟総合病院。町で一番大きいところ」
俺は立ち上がり、コートを手に取った。
「見舞いに行ってくる」
「勝手にすれば? あ、帰りに買い物してきてよ」
投げられた言葉は、昔と何も変わらなかった。
外に出ると、病院へ向かう坂道を登る足取りは自然と早くなる。
白い建物が近づくにつれ、胸の鼓動も強くなった。
受付で病棟と部屋番号を確認し、エレベーターに乗る。
消毒液の匂いと機械的な館内放送。淡々とした音の連続が、時間の感覚を狂わせる。
指定された病室の前に立ち、ノックをしてそっと扉を開けた。
ベッドの上に横たわる父の姿が目に入る。
痩せ細った肩、色の薄い唇、酸素を取り込むための機器。
それでも、その目は昔と同じ、やわらかい光を宿していた。
俺の顔を見るなり、父はゆっくりと口角を上げた。
「……おお。来たか」
かすれた声だったが、確かに温かかった。
ベッドの近くに椅子を引き寄せ、腰を下ろす。
「久しぶり」
「久しぶりやなあ……」
しばし沈黙が降りた。
その静けさを破ったのは、父の苦笑混じりの一言だった。
「母さんが……また、何か言ったんか?」
胸の奥が、きゅっと締め付けられる。
やっぱり、この人は――何も言わなくても、全部わかっているのだ。
◇◇
父は枕元の小さなテーブルに置かれた水を一口含み、喉を鳴らしてから俺をまっすぐ見た。
細くなった指先がシーツを軽くつまむ。その仕草ひとつひとつが、以前よりずっと弱々しい。
「で、どうや。仕事の方は……いや、もう仕事って言わんのか。あれやろ、配信ってやつ」
「ああ。まあ、なんとかやってるよ」
俺が苦笑混じりに答えると、父は目を細めた。
「母さんから聞いたで。“Vチューバー”やったか? 父さんにはよう分からん世界やが……有名人になったもんやな」
「有名人なんて、そんな立派なもんじゃないさ」
「ええやないか。誰かに楽しみを与えとるんなら、それで充分や」
その一言に、胸の奥がじんと熱くなる。
父は昔からそうだった。内容が分からなくても、俺のやることを否定しない。ただ「お前が選んだなら」と、静かに受け止めてくれる。
「入院費のことなんだけどさ」
言いながら、ポケットの中で指先が強張った。
父はすぐに気づいたように、眉を寄せた。
「いらん」
「まだ何も言ってないだろ」
「言わんでも分かるわ。金のことやろ。心配するな。保険もあるし、この歳になりゃ補助も出る。父さんは大丈夫や」
言葉は柔らかいが、その声にはいつになく強い響きがあった。
「でも――」
「ええから」
父は小さく息を吐き、苦笑を浮かべた。
「お前はお前の人生をやっとる途中や。足引っ張るような真似、父さんはしたない。金のことで来たなんて、そんな顔させたくないんや」
不意に視界が滲む。
情けないほど胸が締め付けられる。
「……ありがとう」
「礼を言うのは、こっちや」
父は天井を見上げ、少しだけ目を閉じた。
「母さんのことはな、父さんが言うてみる。昔から強情やけど……まあ、あの人も不安なんやろ。自分だけ取り残されるみたいで」
「……あいつの口から“俺の心配”なんて聞いたことないけどな」
「はは、そうやろな」
ふっと弱い笑いがこぼれる。
「でも、父さんからちゃんと話す。お前はもう子どもやないって。勝手に縋りつくなって。少しはスッとするやろ」
「無理するなよ。母さんとケンカして悪化したら意味ないからな」
「分かっとる、ほどほどにな」
父は軽く咳をし、再び俺に視線を戻した。
「来月には退院できそうや。医者も“経過は悪くない”言うとった。そしたら……また来てくれるか」
「ああ、もちろん」
「その時や。どっか、うまいもんでも食わせてくれ。回らん寿司は緊張するで、ファミレスぐらいがええな」
「なんだよ、もっと欲張っていいのに」
「欲張るのは母さんに任せとる」
俺は思わず吹き出した。
父もつられるように笑い、しわだらけの目元がやさしく崩れる。
「……楽しみにしとるぞ」
「ああ。約束だ」
その瞬間、胸の奥に小さな灯りが灯った気がした。
ここに来て良かった――心から、そう思えた。
病室の時計の針が静かに進む音だけが、ゆるやかに流れていた。
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