16 / 55
第1章 人生の転換期
第16話 両親の心
しおりを挟む
父の病室を後にして、病院の廊下をゆっくりと歩きながら、俺の頭の中には自然と過去の光景が浮かび上がっていた。
消毒液の匂いと白い壁。足音の反響が、遠い記憶の底をそっと叩く。
父と俺――二人並んで歩いた場所は、思っていたよりもずっと多かったのだと、今になってようやく気づく。
まだ幼稚園にも通っていなかった頃、父が川沿いの公園へ連れて行ってくれたことがあった。
季節は初夏。強い日差しの下、子ども用の小さな網を俺の手に握らせて、「ほら、あそこにオタマジャクシ」と笑っていた父の横顔を、今でもはっきり覚えている。
帰り道、俺は転んで膝を擦りむいた。
泣きじゃくる俺を抱え、父は慌てた様子で近くのドラッグストアに駆け込み、消毒液と絆創膏を買った。
「ちょっと沁みるけど、我慢やぞ」
そう言って、俺の頭をやさしく撫でてくれた手の温もり。その温度は、時間が経っても少しも薄れていない。
小学校に上がってからも、父はよく俺をいろいろな場所へ連れ出してくれた。
市内の小さな科学館、古びた映画館、夏祭りの屋台通り。どれも大したお金がかかる場所ではない。
それでも、父と二人で歩く道は、不思議なくらい楽しかった。
中でも特に印象に残っているのは、図書館の二階にある児童書コーナーだ。
父は俺の隣に腰を下ろし、分厚い冒険小説を一緒にめくりながら、時々声を出して読み上げてくれた。
「主人公はな、怖くても進むんや。そういうもんや」
その言葉に、幼い俺は胸を躍らせていた。
それが格好つけた大人のセリフだと知ったのは、もっとずっと後のことだ。
やがて父は、腎臓を患うようになった。
徐々に外へ出る機会は減り、休日も家で横になって過ごす時間が増えていった。
それでも、父は俺との時間をやめなかった。
体調の良い日には、家の中で紙飛行機を折ってくれたり、将棋を教えてくれたり、宿題を見るふりをしながら一緒に寝転んで笑った。
疲れているのは明らかなのに、俺の前では弱音らしいものをほとんど吐かなかった。
母に怒鳴られた夜のことも、強く覚えている。
中学生の頃、同級生と喧嘩をして、相手の鼻に拳を入れてしまった。
教師から母へ連絡が入り、家に帰るや否や、俺は玄関で怒鳴りつけられた。
「この恥さらし! なんでアンタはいつも問題ばかり起こすの!」
キッチンの蛍光灯の下で、母の怒声がぐらぐらと響き、俺の中にあった何かが崩れる音がした。
土下座のように縮こまりながら、どうしていいかもわからず、ただ俯いていた俺の背中に、そっと手が置かれた。
「もうええ。今日はやめとき」
父の声は低く、小さい。だが、不思議と家中に広がるような力があった。
「事情はあとで聞く。今は休ませてやってくれ」
しばらくして自室に戻った俺のそばに、父が椅子を引き寄せて座った。
「殴った理由、言えるか」
俺は震える声で話した。
友達をバカにされたこと。母の愚痴を笑いものにされたこと。
どうしても我慢できなかったこと――。
父は黙って聞いてくれた。途中で遮ったり、説教めいたことを言ったりはしなかった。
「……殴ったのは、いかん。そこは分かるな」
「ああ……分かってる」
「でも、仲間を守ろうとした気持ちまで否定する必要はない」
肩に置かれた手が、そっと背中を包み込む。
「次は、もう少し賢いやり方を考えろ。それができるのは、殴らんでも闘える強さを持った時や」
その夜、俺は父の前で初めて涙を見せた。
情けなくて、怖くて、悔しくて――けれど、同時に、温かくて安心していた。
成績が芳しくなかった時もそうだった。
母が家計簿を握りしめて嘆き続ける中、父は「誰でも得意不得意はある」と苦笑しながら、俺と一緒に問題集を広げてくれた。
俺の心の支えになっていたのは、いつだって父だった。
◆
――そんな記憶の数々が胸の底まで蘇り、気づけば俺は深く息を吐いていた。
病院を出る頃には、空は薄く雲を帯び、風が少し冷たくなっていた。
その風に背中を押されるように、俺は再び実家へ向かって歩いた。
玄関の扉を開けた瞬間、俺は足を止めた。
母が、居間の座布団の上で膝を抱えて座り込んでいた。
顔を伏せ、肩を震わせている。
涙が、畳にぽつり、ぽつりと落ちていた。
――母が泣いている姿を、俺は生まれて初めて見た。
言葉が喉に引っかかり、声が出ない。
しばらくの間、俺はただ立ち尽くすことしかできなかった。
「……アンタ」
母は絞り出すような声で、ゆっくり顔を上げた。
目元は赤く腫れ、涙の跡が濡れた筋となって頬を伝っている。
「アンタ、父さんから病気のこと……どこまで聞いた?」
「病気、って……腎臓のことなら、前から――」
「違うんよ」
母は唇を震わせながら、言葉を噛み締めた。
「父さん……慢性腎不全のステージ4なの」
心臓の奥底で、何かが鈍い音を立てた。
頭が一瞬、真っ白になる。
呼吸の仕方さえ忘れてしまったような感覚だった。
「父さんから、言うなって言われてたのよ……。アンタには黙ってろって。心配かけたくないからって」
母の声はところどころ崩れ、言葉が涙に溶けていく。
「でも……でもね、私一人じゃ、抱えきれなかったのよ。診断を聞いたあとから、夜になると苦しくて、どうしていいか分からなくて……」
それが――母の涙の理由だった。
余命ははっきりしない。
治療は続けられるが、先は不透明。
その現実を前に、母は半ば無理やりに俺を呼び出したのだという。
「ごめんね……ごめん……それでも、誰かに支えてほしかったの……」
俺はやっと一歩、母のそばへ踏み出した。長い時間の溝を跨ぐように、重く、慎重に。
胸の奥で、父の笑顔と、母の涙が重なり合っていた。
◇◇◇
母の涙が一段落したあと、居間にはしばらく沈黙が落ちていた。
時計の秒針の音だけが、やけに大きく響く。湯のみの中の緑茶はすでに冷めていて、その表面に照明の光がぼんやり揺れていた。
「……父さんの、これからのことなんだけどね」
母が視線を落としたまま、そっと言葉を継いだ。
その声は、張りつめた糸の上を慎重に歩くように、細く、震えていた。
「主治医の先生は、しばらく点滴と投薬で様子を見るって。だけど、状態次第では……手術の可能性もあるって言われたの」
「手術……」
その二文字が胸の奥で重く沈んでいく。
俺は吐き出すように小さく息をつき、膝の上で指を組んだ。
「費用は、保険もあるし、高額療養費も……手続きすれば何とかなるとは言ってる。でも……それでも、全部が全部安心できる金額じゃないのよ」
母は苦笑のようなものを浮かべ、目元を手で覆った。
「正直に言うとね、怖いの。お金のことも、先のことも……何もかも」
俺はゆっくりと頷いた。
彼女の言葉のひとつひとつが、やけに真っ直ぐ胸に刺さってくる。
「心配すんな。金のことなら、俺がどうにかする。手術になったら、いくらでも出す。足りねぇとは言わせない」
「……アンタ」
母は驚いたように顔を上げた。
その目はうるみながらも、ほんの少しだけ光を取り戻していた。
「仕事、大丈夫なの? 無理してるんじゃないの」
「無理なんかしてねぇよ。……俺は俺のやり方で稼いでる。配信だろうが何だろうが、稼いだ金は使うためにある。父さんのために使わねぇでどうする」
言いながら、自分で驚くほど迷いがなかった。
胸の奥にあるのは、不安よりも、ただひとつの決意だけだった。
「……ありがとう」
母はようやくそう言い、深く息を吐いた。
それは泣き声でも、諦めの声でもなく、重荷を少しだけ降ろした人間の声だった。
日帰りで帰るつもりだったが、その夜、俺は予定を変えることにした。
母の顔を見て、そして父の状態を思えば、とてもじゃないが今すぐ長野を離れる気にはなれなかった。
「悪い。今日泊まるわ。明日、もう一回病院に行ってくる」
「……そうしてあげて。きっと喜ぶよ」
その言葉に頷き、俺は古い自室の押し入れから布団を引っ張り出した。
畳の匂いと古い洗剤の香りが混じった空気が、胸の奥をほんの少し締めつける。
消毒液の匂いと白い壁。足音の反響が、遠い記憶の底をそっと叩く。
父と俺――二人並んで歩いた場所は、思っていたよりもずっと多かったのだと、今になってようやく気づく。
まだ幼稚園にも通っていなかった頃、父が川沿いの公園へ連れて行ってくれたことがあった。
季節は初夏。強い日差しの下、子ども用の小さな網を俺の手に握らせて、「ほら、あそこにオタマジャクシ」と笑っていた父の横顔を、今でもはっきり覚えている。
帰り道、俺は転んで膝を擦りむいた。
泣きじゃくる俺を抱え、父は慌てた様子で近くのドラッグストアに駆け込み、消毒液と絆創膏を買った。
「ちょっと沁みるけど、我慢やぞ」
そう言って、俺の頭をやさしく撫でてくれた手の温もり。その温度は、時間が経っても少しも薄れていない。
小学校に上がってからも、父はよく俺をいろいろな場所へ連れ出してくれた。
市内の小さな科学館、古びた映画館、夏祭りの屋台通り。どれも大したお金がかかる場所ではない。
それでも、父と二人で歩く道は、不思議なくらい楽しかった。
中でも特に印象に残っているのは、図書館の二階にある児童書コーナーだ。
父は俺の隣に腰を下ろし、分厚い冒険小説を一緒にめくりながら、時々声を出して読み上げてくれた。
「主人公はな、怖くても進むんや。そういうもんや」
その言葉に、幼い俺は胸を躍らせていた。
それが格好つけた大人のセリフだと知ったのは、もっとずっと後のことだ。
やがて父は、腎臓を患うようになった。
徐々に外へ出る機会は減り、休日も家で横になって過ごす時間が増えていった。
それでも、父は俺との時間をやめなかった。
体調の良い日には、家の中で紙飛行機を折ってくれたり、将棋を教えてくれたり、宿題を見るふりをしながら一緒に寝転んで笑った。
疲れているのは明らかなのに、俺の前では弱音らしいものをほとんど吐かなかった。
母に怒鳴られた夜のことも、強く覚えている。
中学生の頃、同級生と喧嘩をして、相手の鼻に拳を入れてしまった。
教師から母へ連絡が入り、家に帰るや否や、俺は玄関で怒鳴りつけられた。
「この恥さらし! なんでアンタはいつも問題ばかり起こすの!」
キッチンの蛍光灯の下で、母の怒声がぐらぐらと響き、俺の中にあった何かが崩れる音がした。
土下座のように縮こまりながら、どうしていいかもわからず、ただ俯いていた俺の背中に、そっと手が置かれた。
「もうええ。今日はやめとき」
父の声は低く、小さい。だが、不思議と家中に広がるような力があった。
「事情はあとで聞く。今は休ませてやってくれ」
しばらくして自室に戻った俺のそばに、父が椅子を引き寄せて座った。
「殴った理由、言えるか」
俺は震える声で話した。
友達をバカにされたこと。母の愚痴を笑いものにされたこと。
どうしても我慢できなかったこと――。
父は黙って聞いてくれた。途中で遮ったり、説教めいたことを言ったりはしなかった。
「……殴ったのは、いかん。そこは分かるな」
「ああ……分かってる」
「でも、仲間を守ろうとした気持ちまで否定する必要はない」
肩に置かれた手が、そっと背中を包み込む。
「次は、もう少し賢いやり方を考えろ。それができるのは、殴らんでも闘える強さを持った時や」
その夜、俺は父の前で初めて涙を見せた。
情けなくて、怖くて、悔しくて――けれど、同時に、温かくて安心していた。
成績が芳しくなかった時もそうだった。
母が家計簿を握りしめて嘆き続ける中、父は「誰でも得意不得意はある」と苦笑しながら、俺と一緒に問題集を広げてくれた。
俺の心の支えになっていたのは、いつだって父だった。
◆
――そんな記憶の数々が胸の底まで蘇り、気づけば俺は深く息を吐いていた。
病院を出る頃には、空は薄く雲を帯び、風が少し冷たくなっていた。
その風に背中を押されるように、俺は再び実家へ向かって歩いた。
玄関の扉を開けた瞬間、俺は足を止めた。
母が、居間の座布団の上で膝を抱えて座り込んでいた。
顔を伏せ、肩を震わせている。
涙が、畳にぽつり、ぽつりと落ちていた。
――母が泣いている姿を、俺は生まれて初めて見た。
言葉が喉に引っかかり、声が出ない。
しばらくの間、俺はただ立ち尽くすことしかできなかった。
「……アンタ」
母は絞り出すような声で、ゆっくり顔を上げた。
目元は赤く腫れ、涙の跡が濡れた筋となって頬を伝っている。
「アンタ、父さんから病気のこと……どこまで聞いた?」
「病気、って……腎臓のことなら、前から――」
「違うんよ」
母は唇を震わせながら、言葉を噛み締めた。
「父さん……慢性腎不全のステージ4なの」
心臓の奥底で、何かが鈍い音を立てた。
頭が一瞬、真っ白になる。
呼吸の仕方さえ忘れてしまったような感覚だった。
「父さんから、言うなって言われてたのよ……。アンタには黙ってろって。心配かけたくないからって」
母の声はところどころ崩れ、言葉が涙に溶けていく。
「でも……でもね、私一人じゃ、抱えきれなかったのよ。診断を聞いたあとから、夜になると苦しくて、どうしていいか分からなくて……」
それが――母の涙の理由だった。
余命ははっきりしない。
治療は続けられるが、先は不透明。
その現実を前に、母は半ば無理やりに俺を呼び出したのだという。
「ごめんね……ごめん……それでも、誰かに支えてほしかったの……」
俺はやっと一歩、母のそばへ踏み出した。長い時間の溝を跨ぐように、重く、慎重に。
胸の奥で、父の笑顔と、母の涙が重なり合っていた。
◇◇◇
母の涙が一段落したあと、居間にはしばらく沈黙が落ちていた。
時計の秒針の音だけが、やけに大きく響く。湯のみの中の緑茶はすでに冷めていて、その表面に照明の光がぼんやり揺れていた。
「……父さんの、これからのことなんだけどね」
母が視線を落としたまま、そっと言葉を継いだ。
その声は、張りつめた糸の上を慎重に歩くように、細く、震えていた。
「主治医の先生は、しばらく点滴と投薬で様子を見るって。だけど、状態次第では……手術の可能性もあるって言われたの」
「手術……」
その二文字が胸の奥で重く沈んでいく。
俺は吐き出すように小さく息をつき、膝の上で指を組んだ。
「費用は、保険もあるし、高額療養費も……手続きすれば何とかなるとは言ってる。でも……それでも、全部が全部安心できる金額じゃないのよ」
母は苦笑のようなものを浮かべ、目元を手で覆った。
「正直に言うとね、怖いの。お金のことも、先のことも……何もかも」
俺はゆっくりと頷いた。
彼女の言葉のひとつひとつが、やけに真っ直ぐ胸に刺さってくる。
「心配すんな。金のことなら、俺がどうにかする。手術になったら、いくらでも出す。足りねぇとは言わせない」
「……アンタ」
母は驚いたように顔を上げた。
その目はうるみながらも、ほんの少しだけ光を取り戻していた。
「仕事、大丈夫なの? 無理してるんじゃないの」
「無理なんかしてねぇよ。……俺は俺のやり方で稼いでる。配信だろうが何だろうが、稼いだ金は使うためにある。父さんのために使わねぇでどうする」
言いながら、自分で驚くほど迷いがなかった。
胸の奥にあるのは、不安よりも、ただひとつの決意だけだった。
「……ありがとう」
母はようやくそう言い、深く息を吐いた。
それは泣き声でも、諦めの声でもなく、重荷を少しだけ降ろした人間の声だった。
日帰りで帰るつもりだったが、その夜、俺は予定を変えることにした。
母の顔を見て、そして父の状態を思えば、とてもじゃないが今すぐ長野を離れる気にはなれなかった。
「悪い。今日泊まるわ。明日、もう一回病院に行ってくる」
「……そうしてあげて。きっと喜ぶよ」
その言葉に頷き、俺は古い自室の押し入れから布団を引っ張り出した。
畳の匂いと古い洗剤の香りが混じった空気が、胸の奥をほんの少し締めつける。
37
あなたにおすすめの小説
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
誰の金で生活してんの?
広川朔二
ライト文芸
誰よりも家族のために尽くしてきた男がいた。朝早くから働き、家事を担い、家庭を支えてきた。しかし、帰ってきたのは妻の裏切りと娘の冷たい視線。不倫、嘲笑——すべてを悟った男は、静かに「計画」を始める。仕組まれた別れと制裁、そして自由な人生の再出発。これは、捨てられた“だけの男”が、すべてをひっくり返す「静かなる復讐劇」。
愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。
しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。
オリバーはエミリアを愛していない。
それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。
子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。
それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。
オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。
一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる