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第2章 トライアングル
第26話 湯気の向こうの微笑み
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店内のガラス越しに見えるネオンの光が、夜の湿気を帯びた空気に柔らかく滲んでいた。
雪乃の希望で、俺たちは学校近くのファミレスに入ることになった。緊張と混乱がようやく洗い落とされ、ほっと力が抜けるような空気がテーブルを包んでいる。
「ファミレスなんて、久しぶりです……」
メニューをめくりながら、ほたるが少しだけ目を輝かせた。
「ほたるさん、外食あんまりしないの?」
雪乃が隣で身を乗り出す。
「家が実家で、父の食事を用意することが多くて……つい、自炊ばかりに」
ほたるは照れ笑いを浮かべる。
「じゃあ今日は思いっきり食べる日だね!」
雪乃は即断即決でハンバーグセットを選び、俺もそれに倣った。
湯気を立てる鉄板が運ばれてきて、ジューッと音を立てる。
ソースの甘い香りに、少しだけ張り詰めていた心が緩む。
「いただきます!」
雪乃とほたるが同じタイミングでスプーンを入れ、同じ角度で頬張った。
その姿が、あまりにも自然で――俺は思わず、ぽつりとこぼしてしまう。
「……なんだ、お前たち。姉妹みたいだな」
その瞬間、雪乃の箸が止まった。
「パパ、それ酷いよ」
「え? なんでだよ」
「鈍感だねぇパパは。……まぁ、パパに乙女心なんてわかるわけないか」
「お、おと――乙女心……?」
俺は思わず眉をひそめる。
横でほたるが真っ赤になって慌てた。
「ち、違っ……! わ、私はそんなつもりじゃ……!」
「でもね、私……ずっとお姉ちゃんが欲しかったの!」
雪乃は笑顔で言って、ほたるの袖に指先を引っかける。
その笑顔は、さっきまで震えていた表情からは想像もできないほど、柔らかかった。
「ほたるさん、優しいし、落ち着いてるし、頼りになるし。なんか……一緒にいると安心するんだよ」
「ゆ、雪乃ちゃん……」
ほたるの目が少し潤んでいる。
俺はグラスを指で弄びながら、胸の奥に浮かんだ複雑な感情を押し隠した。
守るべきものは、こうしてすぐ隣に座っている。
――それだけで、今は十分だった。
食事が進み、話題は他愛のないものへと移っていく。
学校の話、部活のこと、最近見たアニメやゲームの話。笑い声が、夜の空気の中に小さく溶けていく。
やがて、ふと会話の流れが途切れた瞬間――
ほたるはスプーンを静かに置き、少しだけ遠くを見るように息を吸った。
「……私の家族の話、してもいいですか?」
雪乃が小さく頷き、俺も黙って耳を傾ける。
「母は……私がまだ小さい頃に亡くなっていて。父が一人で育ててくれました。すごく、不器用な人だったんですけど……」
ほたるの声は静かで、しかし優しい温度を帯びている。
「でも数年前、事故で記憶障害になってしまって。今の父は、私のことを……『誰かの娘』とは思ってくれますけど……“ほたる”としては、もう覚えていなくて」
その言葉は、静かに胸へ落ちてくる。
雪乃がハッと顔を上げ、唇を噛んだ。
「じゃあ……今も一緒に暮らしてるの?」
「はい。介助は必要ない程度なんですが……。私のことを“他人”みたいに扱う日もあって。でも、それでもいいんです。あの人は、あの人なりに――生きようとしてますから」
ほたるは自分自身に言い聞かせるように微笑んだ。
俺は言葉を挟めず、ただグラスの水面を見つめる。
喉の奥が少し熱くなる。
その空気を、ぱっと明るく切り替えたのは――
他でもない、ほたる自身だった。
「――だから!」
彼女は急に手をパンと鳴らす。
「もう決めました。私たち、姉妹ってことで!」
「え?」
「雪乃ちゃんは私の妹! ね、いつでも甘えていいから!」
雪乃は目を丸くしたあと、嬉しそうに笑う。
「うん! じゃあ私、お姉ちゃんって呼んでいい?」
「も、もちろん……!」
そのやり取りを見ながら、俺は苦笑を浮かべる。
「甘えたいのは、むしろ雪乃の方じゃないのか」
「パパは黙ってて。女同士ってこういうのが大事なの」
「そ、そういうものなのか……」
三人で顔を見合わせ、同時に笑った。
鉄板の湯気が、柔らかな夜を包み込んでいく。
店を出た頃には、空気は少しだけ冷たくなっていた。
街灯の光の下、雪乃はほたるの腕に絡みつくように歩く。
「また一緒にご飯行こうね、お姉ちゃん!」
「うん。……ううん、こっちこそ。ありがとう。今日は本当に」
玄関前で手を振るほたるに、俺も頭を下げる。
「助けてくれて、ありがとう。……それだけじゃなくて、今日、雪乃を笑わせてくれて」
「いえ。私も……救われましたから」
夜風の中、彼女の横顔はどこか凛として見えた。
俺たちは車に乗り込み、静かなエンジン音を響かせながら帰路についた。
雪乃は助手席でうとうとしながら、小さく呟く。
「……お姉ちゃん、できたね……パパ」
「ああ。……よかったな」
短い言葉しか出てこなかった。
それでも胸の奥は、温かく満たされていた。
――それから、二週間が過ぎた。
梅雨の気配がじわりと迫る昼下がり。
俺は自宅で洗濯物を畳みながら、静かな午後の空気を味わっていた。
スマホが、短い振動音を鳴らす。
見慣れた番号――警察だ。
胸の奥が、一瞬で冷たくなる。
「……はい、俺です。何か、進展が?」
通話口の向こうで、真剣な声が言葉を選ぶように続いた。
そして、耳に届いた内容に、俺は思わずその場に立ち尽くした。
「――え、まさか……そんな……」
◇◇◇
後日、弁護士から届いた報告書を読み終え、俺はしばらく言葉を失っていた。
掲示板に書き込まれていた、俺や雪乃に関する個人情報――あれを投稿していたのは、彩花だったという。
震える指先で、書面の一文をなぞる。
> 「被疑者・彩花。誘拐教唆の捜査協力過程において、本人が掲示板投稿を認める供述。
> 使用していたスマートフォンおよびタブレット端末はすべて押収済み。
> 医師の判断により、通院先の精神科病院へ強制入院措置」
胸の奥で、何かが静かに沈んでいく。
怒りではない。ただ、言い表しようのない虚しさだけが残っていた。
「……そこまで、壊れてたのかよ」
声に出すと、やけに乾いて聞こえた。
俺はゆっくりと目を閉じ、深く息を吸う。
雪乃の部屋から、小さな鼻歌が聞こえてくる。
――守るべき場所は、ここだ。
もう、振り返る必要はない。
その夜、いつもの時間に配信部屋へ入る。
狭い防音ルームの中、ライトをつけ、マイクを調整し、俺は“私”になる。
「こんばんはー、姫宮みことです」
コメント欄が一気に流れ始める。
〈おつみこ!〉
〈今日も歌助かる〉
〈娘ちゃんは元気?〉
穏やかな空気が広がり、胸の奥が少し軽くなる。
しかし、その中にぽつんと、見慣れない一行が紛れた。
〈掲示板の件ってさぁ——〉
次の瞬間、コメント欄が一気に荒れた。
〈それ触れんな〉
〈空気読め〉
〈新規か? 今は黙っとけ〉
〈規制対象になんぞ〉
集中砲火のような叱責。
俺は慌てて手を挙げるジェスチャーをして、声を落ち着かせた。
「ちょっと、みんな。落ち着いて」
静まり返るコメント欄。
俺はゆっくりと言葉を選んだ。
「……まず、ね。何も言わずに、そっと守ってくれてた人たち。ありがとう」
〈?〉
〈急に真面目〉
〈みことさん……〉
「掲示板のこと、わざと触れなかったんでしょ? 拡散しないように、ネタにもしないように――気を遣ってくれてたの、ちゃんと伝わってます」
喉が少し震えた。
それでも、笑顔で続ける。
「私、安心してここに立ててるのは……みんなのおかげです。ほんとに、ありがとう」
すると、コメント欄が一気に明るい雰囲気に変わる。
〈任せろ〉
〈姫宮の盾だからな〉
〈うちら、民度バグってるって言われてるから〉
〈もっと褒めていいよ?〉
〈ボディガードで雇ってくれ〉
〈月給0円でいいから警護したる〉
「いや警護はいらないから! みんな生活して!」
〈草〉
〈過保護集団〉
〈親衛隊名乗るわ〉
笑い声がこぼれ、重たい空気が音もなく消えていく。
「でも、本当にね……。ありがとう。これからも、前だけ見て進みます。私も、雪乃も」
〈了解〉
〈任せろパパ……じゃなかったみこと〉
〈幸せになれよ〉
胸の奥で、何かが温かく灯る。
――俺には、背中を押してくれる人たちがいる。
そう思えた夜だった。
雪乃の希望で、俺たちは学校近くのファミレスに入ることになった。緊張と混乱がようやく洗い落とされ、ほっと力が抜けるような空気がテーブルを包んでいる。
「ファミレスなんて、久しぶりです……」
メニューをめくりながら、ほたるが少しだけ目を輝かせた。
「ほたるさん、外食あんまりしないの?」
雪乃が隣で身を乗り出す。
「家が実家で、父の食事を用意することが多くて……つい、自炊ばかりに」
ほたるは照れ笑いを浮かべる。
「じゃあ今日は思いっきり食べる日だね!」
雪乃は即断即決でハンバーグセットを選び、俺もそれに倣った。
湯気を立てる鉄板が運ばれてきて、ジューッと音を立てる。
ソースの甘い香りに、少しだけ張り詰めていた心が緩む。
「いただきます!」
雪乃とほたるが同じタイミングでスプーンを入れ、同じ角度で頬張った。
その姿が、あまりにも自然で――俺は思わず、ぽつりとこぼしてしまう。
「……なんだ、お前たち。姉妹みたいだな」
その瞬間、雪乃の箸が止まった。
「パパ、それ酷いよ」
「え? なんでだよ」
「鈍感だねぇパパは。……まぁ、パパに乙女心なんてわかるわけないか」
「お、おと――乙女心……?」
俺は思わず眉をひそめる。
横でほたるが真っ赤になって慌てた。
「ち、違っ……! わ、私はそんなつもりじゃ……!」
「でもね、私……ずっとお姉ちゃんが欲しかったの!」
雪乃は笑顔で言って、ほたるの袖に指先を引っかける。
その笑顔は、さっきまで震えていた表情からは想像もできないほど、柔らかかった。
「ほたるさん、優しいし、落ち着いてるし、頼りになるし。なんか……一緒にいると安心するんだよ」
「ゆ、雪乃ちゃん……」
ほたるの目が少し潤んでいる。
俺はグラスを指で弄びながら、胸の奥に浮かんだ複雑な感情を押し隠した。
守るべきものは、こうしてすぐ隣に座っている。
――それだけで、今は十分だった。
食事が進み、話題は他愛のないものへと移っていく。
学校の話、部活のこと、最近見たアニメやゲームの話。笑い声が、夜の空気の中に小さく溶けていく。
やがて、ふと会話の流れが途切れた瞬間――
ほたるはスプーンを静かに置き、少しだけ遠くを見るように息を吸った。
「……私の家族の話、してもいいですか?」
雪乃が小さく頷き、俺も黙って耳を傾ける。
「母は……私がまだ小さい頃に亡くなっていて。父が一人で育ててくれました。すごく、不器用な人だったんですけど……」
ほたるの声は静かで、しかし優しい温度を帯びている。
「でも数年前、事故で記憶障害になってしまって。今の父は、私のことを……『誰かの娘』とは思ってくれますけど……“ほたる”としては、もう覚えていなくて」
その言葉は、静かに胸へ落ちてくる。
雪乃がハッと顔を上げ、唇を噛んだ。
「じゃあ……今も一緒に暮らしてるの?」
「はい。介助は必要ない程度なんですが……。私のことを“他人”みたいに扱う日もあって。でも、それでもいいんです。あの人は、あの人なりに――生きようとしてますから」
ほたるは自分自身に言い聞かせるように微笑んだ。
俺は言葉を挟めず、ただグラスの水面を見つめる。
喉の奥が少し熱くなる。
その空気を、ぱっと明るく切り替えたのは――
他でもない、ほたる自身だった。
「――だから!」
彼女は急に手をパンと鳴らす。
「もう決めました。私たち、姉妹ってことで!」
「え?」
「雪乃ちゃんは私の妹! ね、いつでも甘えていいから!」
雪乃は目を丸くしたあと、嬉しそうに笑う。
「うん! じゃあ私、お姉ちゃんって呼んでいい?」
「も、もちろん……!」
そのやり取りを見ながら、俺は苦笑を浮かべる。
「甘えたいのは、むしろ雪乃の方じゃないのか」
「パパは黙ってて。女同士ってこういうのが大事なの」
「そ、そういうものなのか……」
三人で顔を見合わせ、同時に笑った。
鉄板の湯気が、柔らかな夜を包み込んでいく。
店を出た頃には、空気は少しだけ冷たくなっていた。
街灯の光の下、雪乃はほたるの腕に絡みつくように歩く。
「また一緒にご飯行こうね、お姉ちゃん!」
「うん。……ううん、こっちこそ。ありがとう。今日は本当に」
玄関前で手を振るほたるに、俺も頭を下げる。
「助けてくれて、ありがとう。……それだけじゃなくて、今日、雪乃を笑わせてくれて」
「いえ。私も……救われましたから」
夜風の中、彼女の横顔はどこか凛として見えた。
俺たちは車に乗り込み、静かなエンジン音を響かせながら帰路についた。
雪乃は助手席でうとうとしながら、小さく呟く。
「……お姉ちゃん、できたね……パパ」
「ああ。……よかったな」
短い言葉しか出てこなかった。
それでも胸の奥は、温かく満たされていた。
――それから、二週間が過ぎた。
梅雨の気配がじわりと迫る昼下がり。
俺は自宅で洗濯物を畳みながら、静かな午後の空気を味わっていた。
スマホが、短い振動音を鳴らす。
見慣れた番号――警察だ。
胸の奥が、一瞬で冷たくなる。
「……はい、俺です。何か、進展が?」
通話口の向こうで、真剣な声が言葉を選ぶように続いた。
そして、耳に届いた内容に、俺は思わずその場に立ち尽くした。
「――え、まさか……そんな……」
◇◇◇
後日、弁護士から届いた報告書を読み終え、俺はしばらく言葉を失っていた。
掲示板に書き込まれていた、俺や雪乃に関する個人情報――あれを投稿していたのは、彩花だったという。
震える指先で、書面の一文をなぞる。
> 「被疑者・彩花。誘拐教唆の捜査協力過程において、本人が掲示板投稿を認める供述。
> 使用していたスマートフォンおよびタブレット端末はすべて押収済み。
> 医師の判断により、通院先の精神科病院へ強制入院措置」
胸の奥で、何かが静かに沈んでいく。
怒りではない。ただ、言い表しようのない虚しさだけが残っていた。
「……そこまで、壊れてたのかよ」
声に出すと、やけに乾いて聞こえた。
俺はゆっくりと目を閉じ、深く息を吸う。
雪乃の部屋から、小さな鼻歌が聞こえてくる。
――守るべき場所は、ここだ。
もう、振り返る必要はない。
その夜、いつもの時間に配信部屋へ入る。
狭い防音ルームの中、ライトをつけ、マイクを調整し、俺は“私”になる。
「こんばんはー、姫宮みことです」
コメント欄が一気に流れ始める。
〈おつみこ!〉
〈今日も歌助かる〉
〈娘ちゃんは元気?〉
穏やかな空気が広がり、胸の奥が少し軽くなる。
しかし、その中にぽつんと、見慣れない一行が紛れた。
〈掲示板の件ってさぁ——〉
次の瞬間、コメント欄が一気に荒れた。
〈それ触れんな〉
〈空気読め〉
〈新規か? 今は黙っとけ〉
〈規制対象になんぞ〉
集中砲火のような叱責。
俺は慌てて手を挙げるジェスチャーをして、声を落ち着かせた。
「ちょっと、みんな。落ち着いて」
静まり返るコメント欄。
俺はゆっくりと言葉を選んだ。
「……まず、ね。何も言わずに、そっと守ってくれてた人たち。ありがとう」
〈?〉
〈急に真面目〉
〈みことさん……〉
「掲示板のこと、わざと触れなかったんでしょ? 拡散しないように、ネタにもしないように――気を遣ってくれてたの、ちゃんと伝わってます」
喉が少し震えた。
それでも、笑顔で続ける。
「私、安心してここに立ててるのは……みんなのおかげです。ほんとに、ありがとう」
すると、コメント欄が一気に明るい雰囲気に変わる。
〈任せろ〉
〈姫宮の盾だからな〉
〈うちら、民度バグってるって言われてるから〉
〈もっと褒めていいよ?〉
〈ボディガードで雇ってくれ〉
〈月給0円でいいから警護したる〉
「いや警護はいらないから! みんな生活して!」
〈草〉
〈過保護集団〉
〈親衛隊名乗るわ〉
笑い声がこぼれ、重たい空気が音もなく消えていく。
「でも、本当にね……。ありがとう。これからも、前だけ見て進みます。私も、雪乃も」
〈了解〉
〈任せろパパ……じゃなかったみこと〉
〈幸せになれよ〉
胸の奥で、何かが温かく灯る。
――俺には、背中を押してくれる人たちがいる。
そう思えた夜だった。
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