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第2章 トライアングル
第39話 帰り道の名前
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部活が終わったあとの校舎は、昼間よりも音が少ない。
廊下に残っているのは、誰かの笑い声の名残と、窓から入り込む風の音だけだった。
「おつかれー」
背中に投げられた声に手を振って、昇降口を出る。
夕方の空は、昼でも夜でもない色をしている。
駅までは徒歩十分。
制服の上から羽織ったパーカーのポケットに、スマートフォンが入っているのが分かる。
振動。
通知だ。
一度は無視しようとして、やめた。
最近、無視すると余計に気になってしまう。
画面を覗くと、クラスのグループチャットだった。
〈ねえ、これ見た?〉
〈なんか回ってきた〉
〈VTuberの切り抜き〉
リンク。
指が、少しだけ止まる。
胸の奥に、名前を呼ばれる前の予感みたいなものが走った。
でも、結局タップした。
短い動画。
画面の中には、可愛い女の子のアバター。
……なのに。
「……」
息が、詰まる。
聞き間違えるはずがなかった。
夜、壁越しに聞こえてくる声。
配信前に、必ず一度だけ喉を鳴らす癖。
パパの声だ。
コメント欄は流れが速すぎて追えない。
それでも、ところどころ、目に刺さる言葉だけが残る。
〈かわいそう〉
〈同情狙いじゃない?〉
〈家族どうしてるんだろ〉
家族。
私は、スマートフォンを伏せた。
ちょうど駅に着き、改札を抜ける。
ホームには、同じ制服の人たちが並んでいた。
電車が来るまでの数分が、やけに長い。
パパは、有名人だ。
最近、そう思うことが増えた。
でも、それはテレビに出る人とか、スポーツ選手とか、そういう分かりやすい有名人とは違う。
知らない人たちが、
知らない場所で、
パパのことを、勝手に話している。
しかも、私の知らないパパとして。
「……違うし」
小さく呟いて、自分でも驚いた。
何が違うのか、うまく言えない。
ただ、あの動画の中のパパは、私の知っているパパと、少しだけズレている。
夜中にラーメンを作ってくれる人。
数学の問題を一緒に考えて、先に間違える人。
笑うとき、ちょっと息が抜ける人。
それが、全部、切り取られていない。
電車が来て、私は乗り込む。
揺れる車内で、つり革を握る。
窓に映った自分の顔が、少しだけ強張って見えた。
最寄り駅で降り、改札を出る。
家までは、また徒歩。
同じ道なのに、今日はやけに長く感じる。
玄関の灯りはついていた。
鍵を開けると、家の中は静かだった。
「……ただいま」
返事はない。
配信部屋のドアは閉まっていて、中から音もしない。
リビングにバッグを置き、キッチンを見る。
テーブルの上に、メモが一枚あった。
『先に軽く食べてて。あとで話せたら話そう』
その字を見て、胸の奥が少しだけ痛む。
“話そう”。
最近、その言葉が増えた。
でも、話す内容は、いつも少し重たい。
冷蔵庫を開けて、牛乳をコップに注ぐ。
白い液体が揺れるのを、ぼんやり眺める。
パパは、何を考えているんだろう。
あの動画のことを、どう思っているんだろう。
……私のことも、考えてる?
コップを持つ手に、少し力が入る。
有名になってほしいわけじゃない。
でも、変なふうに知られるのは、嫌だ。
スマートフォンをもう一度開き、さっきの動画を、今度は音を消して再生した。
画面の中のパパは、笑っている。
ちゃんと、前を向いている。
「……ずるい」
思わず、そんな言葉が漏れた。
強そうに見える。
全部、乗り越えてきたみたいに見える。
でも、本当は――
それが演技じゃないことを、私は知っている。
スマートフォンの画面を伏せ、私は小さく息を吐いた。
帰り道は、もう終わっている。
でも、名前のつかない気持ちは、まだ、胸の中で歩き続けていた。
◇◆◇◆
炎上、という言葉は、どこか大げさだと思っている。
火がついて、燃え広がって、すべてを焼き尽くす――そんなイメージとは、実際のそれは少し違った。
確かに、あの切り抜きが歪められて広がった夜は、胸の奥がひりついた。
通知は止まらず、管理画面の数字は荒れ、コメント欄には善意と悪意が同じ速度で流れていた。
だが、それも一週間だった。
七日も経てば、人は別の話題に飛びつく。
炎は自然と酸素を失い、熱を下げ、やがてただの黒い跡だけを残して消える。
「……まあ、こんなもんか」
配信部屋で一人、アーカイブを閉じながら、そんな感想を漏らした自分に、少し驚いた。
慣れてしまうのは早い。
それが、この世界の怖さでもあり、救いでもある。
数字は落ち着き、登録者も緩やかに増え続けている。
表面上は、何事もなかったように日常が戻ってきた。
――けれど。
火の粉は、消えていなかった。
自分の胸の奥と、
そして、雪乃の足元に。
あの一週間、正直に言えば、余裕がなかった。
配信の調整、切り抜き対策、問い合わせへの対応。
寝不足のまま、発声練習をして、原稿を書いて、次の一手を考える。
生活は回っていたが、心は回っていなかった。
雪乃とは、最低限の会話しかしていない。
「今日、部活どうだった?」
「……普通」
「帰り道、危ないことなかったか?」
「大丈夫」
それだけ。
配信の話になると、少しだけ言葉は増える。
「今日の切り抜き、コメント荒れてた?」
「もう大丈夫。ありがとな、心配してくれて」
それ以上は、踏み込めなかった。
雪乃は、聞いてくれる。
ちゃんと相槌を打ち、否定もしない。
でも――
自分から、何かを話そうとはしなくなっていた。
理由は分かっている。
聞いてくれるからこそ、
これ以上、背負わせたくなかった。
それに、怖かったのだ。
自分が弱音を吐いた瞬間、この距離が、決定的に変わってしまう気がして。
だから、ある朝、唐突に言った。
「今度の土曜、どっか行くか」
雪乃は一瞬だけ目を瞬かせ、それから小さく頷いた。
「……いいよ」
デート、という言葉は使わなかった。
でも、たぶん、それに近いものだったと思う。
当日。
天気は良すぎるくらいに晴れていた。
春の終わりと初夏の境目。
街の色が少しだけ鮮やかに見える。
なのに、俺の頭の中は空回りしていた。
(映画? いや、沈黙が気まずいか)
(ショッピングモール? 父親と二人で?)
(カフェ……いや、話すことがない)
考えれば考えるほど、足が止まる。
「……とりあえず、歩くか」
出た言葉は、我ながら情けなかった。
雪乃は、何も言わずに横を歩いている。
スマホも見ていない。
ただ、前を向いている。
沈黙が、重たい。
耐えきれなくなって、俺は必要以上に明るい声を出した。
「最近さ、配信で新しい企画考えてて――」
失敗だった。
雪乃は一瞬、こちらを見て、すぐに視線を逸らす。
「……うん」
それだけ。
テンションが、空回っているのが自分でも分かる。盛り上げようとすればするほど、距離が浮き彫りになる。
笑わせたい。
でも、どう笑わせればいいのか分からない。
父親として。
いや、一人の人間として。
「……アイス、食べるか?」
子供みたいな提案に、雪乃は小さく首を傾げた。
「別に、いいけど」
コンビニの前で立ち止まる。
ショーケースの中で、アイスが無言で並んでいる。
どれが好きだったか、思い出せない。
「……チョコ系、だったよな?」
「昔は」
その一言が、胸に刺さる。
昔。
取り戻せない時間。
会計を済ませ、ベンチに座る。
雪乃はアイスを食べながら、遠くを見ている。
俺は、何も言えない。
そのときだった。
「……あれ?」
聞き覚えのある声。
振り向くと、少し離れた場所に、蛍が立っていた。
私服姿で、買い物袋を下げている。
一瞬、互いに固まる。
「……こんにちは」
ほたるは、いつも通り丁寧に頭を下げた。
「偶然ですね」
「あ、ああ……」
説明するべきか迷っていると、雪乃が先に立ち上がった。
そして、迷いのない声で言った。
「ねえ」
蛍を見る。
「パパと二人だけじゃ、正直つまらないからさ」
俺の心臓が跳ねる。
「お姉ちゃんも、一緒に来てよ」
一瞬の沈黙。
ほたるの目が少しだけ見開かれ、それから困ったように笑った。
俺は、何も言えなかった。
でも、胸の奥で張りつめていた何かが少しだけ緩むのを感じていた。
――この時間は、まだ繋ぎ直せるのかもしれない。
そう思えたのは、炎の熱が引いたあとに初めて感じた、確かな温度だった。
廊下に残っているのは、誰かの笑い声の名残と、窓から入り込む風の音だけだった。
「おつかれー」
背中に投げられた声に手を振って、昇降口を出る。
夕方の空は、昼でも夜でもない色をしている。
駅までは徒歩十分。
制服の上から羽織ったパーカーのポケットに、スマートフォンが入っているのが分かる。
振動。
通知だ。
一度は無視しようとして、やめた。
最近、無視すると余計に気になってしまう。
画面を覗くと、クラスのグループチャットだった。
〈ねえ、これ見た?〉
〈なんか回ってきた〉
〈VTuberの切り抜き〉
リンク。
指が、少しだけ止まる。
胸の奥に、名前を呼ばれる前の予感みたいなものが走った。
でも、結局タップした。
短い動画。
画面の中には、可愛い女の子のアバター。
……なのに。
「……」
息が、詰まる。
聞き間違えるはずがなかった。
夜、壁越しに聞こえてくる声。
配信前に、必ず一度だけ喉を鳴らす癖。
パパの声だ。
コメント欄は流れが速すぎて追えない。
それでも、ところどころ、目に刺さる言葉だけが残る。
〈かわいそう〉
〈同情狙いじゃない?〉
〈家族どうしてるんだろ〉
家族。
私は、スマートフォンを伏せた。
ちょうど駅に着き、改札を抜ける。
ホームには、同じ制服の人たちが並んでいた。
電車が来るまでの数分が、やけに長い。
パパは、有名人だ。
最近、そう思うことが増えた。
でも、それはテレビに出る人とか、スポーツ選手とか、そういう分かりやすい有名人とは違う。
知らない人たちが、
知らない場所で、
パパのことを、勝手に話している。
しかも、私の知らないパパとして。
「……違うし」
小さく呟いて、自分でも驚いた。
何が違うのか、うまく言えない。
ただ、あの動画の中のパパは、私の知っているパパと、少しだけズレている。
夜中にラーメンを作ってくれる人。
数学の問題を一緒に考えて、先に間違える人。
笑うとき、ちょっと息が抜ける人。
それが、全部、切り取られていない。
電車が来て、私は乗り込む。
揺れる車内で、つり革を握る。
窓に映った自分の顔が、少しだけ強張って見えた。
最寄り駅で降り、改札を出る。
家までは、また徒歩。
同じ道なのに、今日はやけに長く感じる。
玄関の灯りはついていた。
鍵を開けると、家の中は静かだった。
「……ただいま」
返事はない。
配信部屋のドアは閉まっていて、中から音もしない。
リビングにバッグを置き、キッチンを見る。
テーブルの上に、メモが一枚あった。
『先に軽く食べてて。あとで話せたら話そう』
その字を見て、胸の奥が少しだけ痛む。
“話そう”。
最近、その言葉が増えた。
でも、話す内容は、いつも少し重たい。
冷蔵庫を開けて、牛乳をコップに注ぐ。
白い液体が揺れるのを、ぼんやり眺める。
パパは、何を考えているんだろう。
あの動画のことを、どう思っているんだろう。
……私のことも、考えてる?
コップを持つ手に、少し力が入る。
有名になってほしいわけじゃない。
でも、変なふうに知られるのは、嫌だ。
スマートフォンをもう一度開き、さっきの動画を、今度は音を消して再生した。
画面の中のパパは、笑っている。
ちゃんと、前を向いている。
「……ずるい」
思わず、そんな言葉が漏れた。
強そうに見える。
全部、乗り越えてきたみたいに見える。
でも、本当は――
それが演技じゃないことを、私は知っている。
スマートフォンの画面を伏せ、私は小さく息を吐いた。
帰り道は、もう終わっている。
でも、名前のつかない気持ちは、まだ、胸の中で歩き続けていた。
◇◆◇◆
炎上、という言葉は、どこか大げさだと思っている。
火がついて、燃え広がって、すべてを焼き尽くす――そんなイメージとは、実際のそれは少し違った。
確かに、あの切り抜きが歪められて広がった夜は、胸の奥がひりついた。
通知は止まらず、管理画面の数字は荒れ、コメント欄には善意と悪意が同じ速度で流れていた。
だが、それも一週間だった。
七日も経てば、人は別の話題に飛びつく。
炎は自然と酸素を失い、熱を下げ、やがてただの黒い跡だけを残して消える。
「……まあ、こんなもんか」
配信部屋で一人、アーカイブを閉じながら、そんな感想を漏らした自分に、少し驚いた。
慣れてしまうのは早い。
それが、この世界の怖さでもあり、救いでもある。
数字は落ち着き、登録者も緩やかに増え続けている。
表面上は、何事もなかったように日常が戻ってきた。
――けれど。
火の粉は、消えていなかった。
自分の胸の奥と、
そして、雪乃の足元に。
あの一週間、正直に言えば、余裕がなかった。
配信の調整、切り抜き対策、問い合わせへの対応。
寝不足のまま、発声練習をして、原稿を書いて、次の一手を考える。
生活は回っていたが、心は回っていなかった。
雪乃とは、最低限の会話しかしていない。
「今日、部活どうだった?」
「……普通」
「帰り道、危ないことなかったか?」
「大丈夫」
それだけ。
配信の話になると、少しだけ言葉は増える。
「今日の切り抜き、コメント荒れてた?」
「もう大丈夫。ありがとな、心配してくれて」
それ以上は、踏み込めなかった。
雪乃は、聞いてくれる。
ちゃんと相槌を打ち、否定もしない。
でも――
自分から、何かを話そうとはしなくなっていた。
理由は分かっている。
聞いてくれるからこそ、
これ以上、背負わせたくなかった。
それに、怖かったのだ。
自分が弱音を吐いた瞬間、この距離が、決定的に変わってしまう気がして。
だから、ある朝、唐突に言った。
「今度の土曜、どっか行くか」
雪乃は一瞬だけ目を瞬かせ、それから小さく頷いた。
「……いいよ」
デート、という言葉は使わなかった。
でも、たぶん、それに近いものだったと思う。
当日。
天気は良すぎるくらいに晴れていた。
春の終わりと初夏の境目。
街の色が少しだけ鮮やかに見える。
なのに、俺の頭の中は空回りしていた。
(映画? いや、沈黙が気まずいか)
(ショッピングモール? 父親と二人で?)
(カフェ……いや、話すことがない)
考えれば考えるほど、足が止まる。
「……とりあえず、歩くか」
出た言葉は、我ながら情けなかった。
雪乃は、何も言わずに横を歩いている。
スマホも見ていない。
ただ、前を向いている。
沈黙が、重たい。
耐えきれなくなって、俺は必要以上に明るい声を出した。
「最近さ、配信で新しい企画考えてて――」
失敗だった。
雪乃は一瞬、こちらを見て、すぐに視線を逸らす。
「……うん」
それだけ。
テンションが、空回っているのが自分でも分かる。盛り上げようとすればするほど、距離が浮き彫りになる。
笑わせたい。
でも、どう笑わせればいいのか分からない。
父親として。
いや、一人の人間として。
「……アイス、食べるか?」
子供みたいな提案に、雪乃は小さく首を傾げた。
「別に、いいけど」
コンビニの前で立ち止まる。
ショーケースの中で、アイスが無言で並んでいる。
どれが好きだったか、思い出せない。
「……チョコ系、だったよな?」
「昔は」
その一言が、胸に刺さる。
昔。
取り戻せない時間。
会計を済ませ、ベンチに座る。
雪乃はアイスを食べながら、遠くを見ている。
俺は、何も言えない。
そのときだった。
「……あれ?」
聞き覚えのある声。
振り向くと、少し離れた場所に、蛍が立っていた。
私服姿で、買い物袋を下げている。
一瞬、互いに固まる。
「……こんにちは」
ほたるは、いつも通り丁寧に頭を下げた。
「偶然ですね」
「あ、ああ……」
説明するべきか迷っていると、雪乃が先に立ち上がった。
そして、迷いのない声で言った。
「ねえ」
蛍を見る。
「パパと二人だけじゃ、正直つまらないからさ」
俺の心臓が跳ねる。
「お姉ちゃんも、一緒に来てよ」
一瞬の沈黙。
ほたるの目が少しだけ見開かれ、それから困ったように笑った。
俺は、何も言えなかった。
でも、胸の奥で張りつめていた何かが少しだけ緩むのを感じていた。
――この時間は、まだ繋ぎ直せるのかもしれない。
そう思えたのは、炎の熱が引いたあとに初めて感じた、確かな温度だった。
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